2019/08/17

「ダンスウィズミー」を観る

今日は矢口史靖監督作「ダンスウィズミー」を観てきた。監督自身、初のミュージカル作となるが、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」だって音楽映画だったので演出に問題は感じなかった。

静香はエリート企業に勤め、仕事もソツなくこなすOL。姉の娘を預かる事になった静香は遊園地に連れて行く事に。手を引かれて入った先は催眠術館。インチキ臭い暗示を受けた翌日、彼女の身に変化が起きるのだった。

ミュージカル映画というと日本人に抵抗は大きい。だが本作は"理由あるミュージカル映画"。理由づけをもって導引していくところがミソ。個人的には元々抵抗が無かったが、今回の設定は面白い。

まず冒頭、脈打つメーターにガツンと響く音楽にしてやられた。とにかく音楽の使い方が気持ちいい。家でビデオじゃ伝わるまい。「ラ・ラ・ランド」でもそうだったが、音楽映画はこうした劇場体験こそ重要。

嬉しいのは宝田明さんの起用。やってる事は胡散臭いが品のある宝田さんゆえに、一挙手一投足がマジックとなる。ミュージカル舞台経験も豊富、ゴジラ映画だけでなく東宝を引っ張ってきた至宝。ちなみに今回の作品はワーナー配給だけど。

三吉彩花(カジュアルな姿がマル!)とやしろ優が打ち解けてくる過程もロードムービーならでは。ラストシーンも味わい深い。その中で異彩を放つのが、ギター片手のchay。謎に包まれた登場も納得。あの曲であのシーン、とたぶん監督はこれやりたかったのでは?と思ってしまう。それだけでなく懐かしい楽曲が弾けるシーンが多い。

ただテーマを掘り下げるような作品ではないけど、健全で気持がいい。そもそもミュージカルを楽しめるかどうか自体、催眠術のようなものかもしれないね。

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2019/07/13

「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観る

今日は子供と「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観てきた。98年の「ミュウツーの逆襲」は観ていないので完全に初見。ゲームの世界は平面から3DCGアニメに向かっている訳で、本作はその試金石。

子供いわく冒頭の一部を除き、内容はオリジナルとほぼ一緒らしい。クレジットを見ると、脚本は亡くなった首藤剛志氏のままであった。個人的には首藤氏の仕事ではゴーショーグンやミンキーモモが懐かしい。

まず思ったのは「3DCGじゃなきゃダメですか?」という事。「トイストーリー」なんかは3DCGありきで製作をスタートしたため、世界観は最適化されて違和感が無い。しかしポケモンはセルアニメが原点。「EVOLUTION」として3DCGへ寄せてきたためか、特に人間キャラ(3Dサトシ)の出来に違和感を覚える。個人的にそれが最後まで響いていた。ただ上映後子供に問うと違和感なく受け止めていたようだが。

ちなみに日本映画界は「ドラクエ」に「ルパン三世」と3DCG花盛り。おそらく東宝あたりが出資して安価で高品位な製作環境が確立されたのだろう。だがいずれも確固たる世界観を持つ作品だけに同様の危険性は否めない。

ホント正直な話、今回は半分寝てしまいました。まず物語が退屈。前作「みんなの物語」が大人も一緒に観られる作品だったのに対し、今回は子供向けにあくまで第一作のリメイクに徹したという事か。ただ映像表現だけで作品が面白くなる訳では無い一例。3DCGアニメを強調する演出、画作りも別に驚くような仕掛けとは感じなかった。

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2019/06/28

「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を観る

今日はMCU最新作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を観てきた。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の後、MCUフェーズ3の最後の作品となる。かなり敷居を下げて観始めたが、気がつけば物語に惹き込まれていた。

世界に平和が訪れたのもつかの間、エレメンタルズという怪物が世界を襲っていた。フューリーは学校旅行中のスパイダーマン=ピーターを呼び出す。そこに居たのはベックという男。二人は怪物に対抗する中、ベックは超人的な力で圧倒。スターク亡き後、ピーターはベックに大きな信頼を示すのだった。

ライトな青春ヒーローコメディーが前作の感想。正直、本作も青臭く感じたのだが、MJが本格的に物語に絡み始めた事でスパイダーマンらしさを取り戻している。帰ってきた「若きヒーローの甘酸っぱい物語」。とはいえ、新シリーズは(ベン叔父さんの存在が無いから)ドライ。しかも物語はミスリードとトリッキーに展開。エンドロール後も見逃せない。

ヒーロー然を演じるジェイク・ジレンホールもいい。しかも落差のある演技はさすが「ナイトクローラー」。アベンジャーズ製作に加え、演者としてハッピー=ジョン・ファヴローの存在も良い隠し味。フェロモン全開のメイ叔母さんを見ると、気持ちは良くわかる。んん、わかる。

MCUらしくクリフハンガー的に謎を残すが、早々に回収していただかないといけない。次作はいつ?デッドプール参戦の噂、世間では実写版旧作とのスパイダーバースなんて妄想も起きているがどうだろう。とにかく前作でガッカリした人にも観て欲しい。

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2019/06/22

「X-MEN:ダーク・フェニックス」を観る

今夜は「X-MEN:ダーク・フェニックス」を観てきた。「ファースト・ジェネレーション」以降のメインキャスト再登場によるシリーズ最新作。

1992年。宇宙に向け発射されたスペースシャトルエンデバー。だが大気圏外、太陽フレアの影響で操縦不能となってしまう。X-ジェットで救出に向かうX-MEN。乗組員を全員救出するが、ジーンが宇宙に取り残された。間も無くフレアの影響で大爆発するシャトル。ジーンは辛うじて救出されるも、ジーンの体に何かが起き始める。

確かに本作は面白かった。でも本作が「X-MEN2」の後に続く物語だったら、より深く味わえたかもしれない(「X-MEN2」ラストにダーク・フェニックスと思しき描写はあった)。監督交代の煽りを受けた続編「ファイナル ディシジョン」は単なる超能力祭り。ただ「ファイナル ディシジョン」があったおかげで「X-MEN」のフランチャイズはスピンオフなど広がりをみせる。

そしてキャスト一新の傑作「ファースト・ジェネレーション」(First Class)を生み出す。続く「フューチャー&パスト」は「ファイナル ディシジョン」の出来事を無きものにするチャブ台返しに驚かされた。だが過去作、いずれにもあの彼がいたのだ。

元々、映画「X-MEN」シリーズはローガン、ジーン、スコットの物語でもあった。二人の間で揺れるジーン、言葉に出さないローガン、その内心を知るスコット。その関係性が物語をより深いものにしていたしそれが良かった。だが本作は「フューチャー&パスト」以降であり、若返りした二人は単なる恋愛関係。しかも本作からローガンは登場しない。だからその点浅く見えてしまう。

あくまで新キャストありき、主軸はチャールズとジーンの物語だ。そしてX-MEN、ミュータントたちの内面を描いた物語。ジーンの苦悩とその代償、チャールズの本心。敵はあくまで導引で派手なバトルはあるが、彼らの葛藤と結束がテーマ。彼ら永遠のテーマでもある。地味ではあるが、7作19年のシリーズを見届けた感慨に溢れた一作となった。

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2019/06/01

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観る

今日は映画の日という事で「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観てきた。前作のヒットを受けての続編。そして本作より本格的に東宝、レジェンダリー=ワーナーが仕掛けるモンスターバースが始動する。

ゴジラ上陸から5年。秘密機関モナークは世界各地で巨大生物の研究を続けていた。オルカと呼ばれる生物に同調できるシステムを開発したエマ博士。だが実験成功の後、謎の武装組織に娘マディソンと共に誘拐されてしまう。やがて世界各所で巨大生物、怪獣たちが活動を開始。復活したゴジラと謎のモンスターゼロが激突する。

東宝特撮ファン待望、ついにキングギドラがハリウッドデビュー。操演ではないCGギドラ。我ら世代には響く、ゴジラ最強のライバルのスクリーン登場に興奮した。モスラやラドン共々、デザインには一言あると思うが、決めのビジュアルがかっこいい。

それを強く支えるのはアレンジを最小限に留めた伊福部昭のオリジナルスコア。金管系を意識した音楽をオマージュ。ギドラと対峙したゴジラの姿が神々しく、思わず鳥肌が立った。さらにエンドロールでは更なる感動が待っている。

矢継ぎ早に登場する怪獣たちとその目的。前作のような説明めいた部分はあまり無く、怪獣同士のバトルがメインとなる。これこそゴジラシリーズ(2作目以降)本来の良さであり、ハリウッドらしい描写で余りある程の迫力。前作同様、ウェルメイドな親子愛も見せるが、彼らをこれまでのゴジラシリーズにないカメラワークで追い掛けるのが良かった。

キングギドラの影に隠れているが、悪役チャールズ・ダンスも「ラストアクションヒーロー」以来でいい。でも年取ったなぁ。ただ本作を観ると未見の「キングコング: 髑髏島の巨神」も観なきゃいけないだろうし、そして次作のハリウッドゴジラもね。

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2019/05/03

「名探偵ピカチュウ」(吹替版)を観る

元々休日が少ないGWは今日から後半戦。令和になって劇場一発目、子供の付き合いで「名探偵ピカチュウ」を観てきた。ご存知ポケモン、ピカチュウを主役に実写映画化。字幕版ではデップーことライアン・レイノルズがピカチュウの声をあてている。ただし「子供が観たい」という事で敷居の低い吹替版を選んだ。

かつてポケモントレーナーを目指した
ティム。今は保険を扱う仕事に就いていた。そんな彼に父ハリーの事故死の報が入る。ハリーは人とポケモンが共存するライムシティで探偵をしていたのだ。上京しハリーの家を訪れるティムに近づく影があった。それはハリーの相棒と称するピカチュウ。ティムとピカチュウはハリーの死の真相を探す冒険へ出ていく。

尺は104分だが、物語は最初と最後のそれぞれ30分を見れば充分に分かる。途中、ちょっと寝ちゃったし。子供向けの物語ゆえ仕方あるまい。本来は字幕版で
ライアン・レイノルズの声質とピカチュウのギャップを楽しみたいところ。しかし吹替版は西島秀俊。確かに頑張ってはいる。ただティム役の竹内涼真との声質が近くて軽いゆえ、その妙を楽しむレベルに至らない。これは彼らのせいではなく、日本側の吹替キャスティングの問題だ。

映像はポケモンたちが現実世界に共存していくが、ストーリーテリングに寄与していない。実写ゆえにディテールをやり過ぎてしまっているというか。一方、物語を含めて中身はスカスカ。もし同じ話をアニメで作ったら、感情移入が違ったものになろう。むしろCG向きなのはミュウツー。ポケモンの中でただ1匹、存在感が際立っていた。

また実写側のキャスティングも疑問。主人公ティムは子供向けにしては年齢が高過ぎるし、「GODZILLA」レジェンダリー繋がり?とって付けたような渡辺謙の使い方。敵側の描写も浅い。ただウチの子供は「面白かった」と言っていたから、まぁいいか。興行的には親子丼(チケットは子供込みで二人以上だから)で美味しいというか。

夏公開「ミュウツーの逆襲EVOLUTION」の予告篇も流れたが、サトシを含めて完全なCGアニメになっていて残念。正直、実写もCGもポケモン向きの映像手法ではない。やっぱポケモンはキャラに温かみがある普通のアニメが一番と思ったのだがどうだろうか。

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2019/04/26

「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観る

今日は連休の振休を活かし「アベンジャーズ/エンドゲーム」を公開初日1回目の上映を観てきた。MCU10年とフェイズ3の集大成として打倒サノスに立ち向かうアベンジャーズを描く。

サノスとインフィニティストーンにより生命の半数を失った今、生き残ったアベンジャーズたちは打倒サノスの下、その居城を探していた。そしてそのグランドゼロたる星へ向かうアベンジャーズ。そこで思わぬ出来事が待っていた。

本作に関して何を言ってもネタバレになりうる。しかしこれだけは言える。「10年の集大成」の看板に偽り無し。本作の観客に「アベンジャーズ、何?」と言う人は居ないだろうが、熱心なファンほど観てきた分だけ想いは必ず強く返ってくる。ラストシーンは何とも言えぬ感慨に満ち溢れるだろう。

前作「インフィニティ・ウォー」を受けた完結編だが、あの虚無感からの立て直しがカギ。そんな前半はオフビート気味に展開し、中盤以降で大きく物語は転がる。中盤はラストバトル、ラストシーンへの伏線となり、より彼らの決意を強く印象付ける。特に中盤はそれ程によく練られ構成されている。

ラストバトルは短いながら前作以上の魅せ方、特徴を活かした戦いに総力戦でダイナミズムに溢れる。これまでのキャラはもちろん「キャプテン・マーベル」の扱い方もやり過ぎずに巧い。ロッソ兄弟がこれまでのMCU21作を見直しただけの事はある。また21作の伏線で忘れている事もあったが、本作を観ると過去作を見直す楽しい復習が待っている。

本作を観終えてMCU、アベンジャーズは最高のエンターテイメントだと印象付ける。確かに21作ともなればそれぞれに出来不出来はある。でもこれ程の作品群を(一旦の)終局に持っていったロッソ兄弟、そして(出来るだけディズニー色を排した)ケヴィン・ファイギに感謝したい。

3時間の長丁場だから鑑賞前に必ずトイレに行くべし。1シーンたりとも目が離せない。同じく復習のため、パンフ(特別版)も購入。とにかく「アベンジャーズ/エンドゲーム」観て損は無し。

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2019/04/18

「天才作家の妻 -40年目の真実-」を観る

今日はグレン・クローズ主演「天才作家の妻 -40年目の真実-」を観てきた。まるで邦題はアンビリバボーかワイドショーみたいで大袈裟だが、原題は「The Wife」とシンプル。物語もこの邦題で知れてしまう程だけど。

ある朝、作家のジョセフ、妻のジョーンの下に朗報が訪れる。それこそノーベル文学賞受賞の報であった。息子と共にストックホルムの授賞式へ向かった二人。歓迎を受け満悦のジョセフに近づく記者のナサニエル。そしてナサニエルは連れ出したジョーンにある話を始める。

夫婦の絆という普遍のテーマ。3年前に観た「さざなみ」を想起させるが、あちらに比べるとやや表現が稚拙かなと。特にラストに至る流れは言葉と感情のぶつかり合いになってしまい、演技的には面白いが直接的過ぎる。ただグレン・クローズ、ジョナサン・プライスの演技が悪いという事ではない。特にグレン・クローズはオスカー候補の常連たる貫禄に溢れていた。

ナサニエルの胡散臭さ、演じるクリスチャン・スレーターは「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の役柄を彷彿とさせる。ただベテランの彼もグレン・クローズの前ではまだまだ若い。

現在の彼らと若き日を演じる若い俳優二人の演技が違和感無くシームレスで良かった。そこに生まれる伏線がこの作品の見どころとなる。ただどの時代であっても二人のやり取り、セリフの数々でノーベル文学賞受賞に見合った語彙を感じなかった。字幕のせい?原語だったら相応なのか?そのせいか集中力を欠き中盤までがキツかった。

本作は物語の驚きよりも、夫婦という問題提起が強い。観客も年齢層の高い女性グループが多かった。夫婦の危機を知らない若いカップル向きの作品ではない。女性の洞察力は男子の想像を遥かに超える。我々男子にとってはジョセフの姿を反面教師として捉えたほうが良いだろう。

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シリーズ 平成を振り返る(おかわり:忘れてた事とか)

まさに平和だった年、平成から令和へバトンタッチまで半月足らず。三度に渡って書いてきたが、書き忘れていた事が結構あった。

まず競馬。大小牧場、オーナーブリーダー等、多種多様な活躍馬の時代から、今や社台グループ。殊更社台ノーザン系
の勝ち馬が台頭。バブル以降の資金力から種牡馬サンデーサイレンスで一気に制圧された。

もちろんサンデーのポテンシャルあってのものだが、スローペース中心のレースが増え、瞬発力勝負が現代の日本競馬。主要クラブ馬主もノーザン系に鞍替えしてしまった。ただそんなサンデーも血統の袋小路。それでも社台はキングカメハメハ(=キングマンボ)を擁する強さがある。

調教技術の変化も大きい。鍛えて最強馬を作る、坂路にウッドチップコース、プール。一年間休んだトウカイテイオーが有馬記念を制した事は記憶に残る。しかし平成最大の変化は外厩制度だろう。しかも大手ブリーダーが本格的に参入。先のノーザン系と相まって、しがらきに天栄知らずに馬券は取れない。調教師と牧場(オーナー)間の主導権、関係性まで変えてしまった。

平成最後の名馬アーモンドアイ、サートゥルナーリアとその申し子が結果を出している。ただ有力ジョッキー(短期免許の外国人騎手、更に通年免許まで、これも平成で重要な出来事)の使い分けから、有力馬のローテーションまで変わってしまった。
平成当初からの牧場間が切磋琢磨していた頃が本当に懐かしい。


そして映画。平成ベスト10を挙げたが、その後忘れてた作品を思い出した。

フランク・ダラボン監督の「ショーシャンクの空に」は最右翼。貶められた主人公とそのラストシーンのコントラスト。刑務所のリタ・ヘイワース、名シーンも頭に浮かぶ。スティーブン・キング原作の中でも映画化でも大成功の部類。おかげで「グリーン・マイル」は先に原作本を読んで楽しんだほど。

それとクリント・イーストウッド監督、主演作品を一作も挙げなかった事。「15時17分、パリ行き」は(悪い意味で)ヤラレタ感が強いが、それ以外は傑作が多い。むしろ一作に絞れない。「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」に硫黄島二部作。そして最新作の「運び屋」には(いい意味)でヤラレタ。

平成の間、地元の映画館はシネコン系に制圧され、そのほとんどが撤退を余儀なくされた。「エイリアン2」や「ダイハード」を観た映画館はさら地になっている。シネコンの最高の鑑賞環境は有り難いが、場末の映画館の雰囲気も捨て難かった。解体前「キルビル」の後編を観たが、それこそタランティーノが求めていたタッチそのもの。ラストシーンにエンドロールが最高だった。

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2019/04/17

「ハンターキラー 潜航せよ」を観る

今夜はジェラルド・バトラー主演の「ハンターキラー 潜航せよ」を観てきた。本作はクチコミの評判だけで敢えて何も情報を入れずに鑑賞。こんなギャンブルは「ハードコア」(洋画の方)以来。ちなみにオスカー俳優ゲイリー・オールドマンも登場(鑑賞まで知らなかった)するが、あくまでジェラルドが中心だし製作に名を連ねる力の入れよう。

ロシア海域でロシア原子力潜水艦とこれを追尾していた米国原潜が同時撃沈された。両艦交戦による撃沈なのか、米ロは一触即発の危機。米国は捜索のために攻撃型原潜(=ハンターキラー)アーカンソーを向かわせる。現場に辿り着いた艦長ジョー・グラスは海底に横たわるロシア原潜にある疑問を持つ。だがその時、彼らに近づく影があった。

ジェラルド・バトラーといえば、映画「300」の「ディス イズ スパルタ」でお馴染みだが、近作ではどちらかといえばB級臭の強い俳優さん。加えて本作は現場海域へ着くまでが潜水艦映画の王道的な展開。やはりB級。ありきたりな作品かと諦めかけた中盤、物語が大きく動く。特にクライマックスでのカタルシスはあの傑作「レッド・オクトーバーを追え!」を想起させる。

本作が単なる潜水艦映画に非ずと言えるのは、並行する物語にある。これ以上は語らず。そこが巧く効いて、中盤以降のスリリングな展開を演出している。グラスを始め、任務を遂行していく彼らに感情移入は必至。観る側をこれだけの気持にさせるだけで大成功だろう。

なお本作のロシア人艦長を観ていてある人物が浮かんだ。ハリウッド・ザ・コシショウ似なのだ。演じたスウェーデン人俳優ミカエル・ニクヴィストが完成後に亡くなった事が残念。彼の存在感も重要で作品を支えていた。

期待値を上げずに観たおかげで得した気分。是非、本作を観るにあたってそんな心構えで臨むべし。あとタイトルの語呂が「シャークハンター必殺隊」に何となく似ているなぁ。今の若い人は知らないかー。

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