2018/09/18

「アントマン&ワスプ」を観る

今夜は仕事を終えてから「アントマン&ワスプ」を観てきた。「インフィニティ・ウォー」後のMCU最新公開作。アントマンが相棒ワスプと共にマクロからミクロ、そして量子レベルにまで駆け巡るSFアドベンチャー。

ソコヴィア協定に反発したアントマンことスコットは2年の自宅軟禁下にいた。その終わりが近づこうとした頃、ある夢にうなされる。それこそ量子界に置き去りにされ、死んだと思われたホープの母ジャネットとのコンタクトだった。時同じくジャネットの夫ハンクは量子トンネルの製作に成功。スコットを基点としたジャネット救出を計画する。だがそこに量子トンネルを狙う者がいた。

前作はスコットと娘キャシー、ハンクとホープの二つの親子を軸に展開した物語。今回はジャネット救出に奔走するホープとハンク親子、さらにハンクの過去が描かれる。彼らを襲うゴーストとの接点、軟禁下を装うスコットの奮闘。スコットの親友ルイスがコメディパートで笑わせる。

毒の少ない悪役、本作はMCUの中で最もディズニー的、子供も安心して観られるファミリー映画だ。ただ前作を観ていないと判らない設定、背景も多いので注意。

戦いっぷりはほぼミクロに徹した前作の方が好き。「シビル・ウォー」で巨大化を果たしたアントマン。テンポよくスムーズなサイジング。加えて本作のトリッキーなカーアクションがいい。こういう演出はテレビサイズよりも劇場向き。それだけでグイグイ引きこまれる。エンドロールのミニチュア、小ネタも可笑しかった。

ちなみにキャストの一人にローレンス・フィッシュバーン。ライアン・レイノルズ共に数少ないマーベル、DCの両映画に出演を果たしている。

ラストシーンに「インフィニティ・ウォー」との接点が現れる。次作「アベンジャーズ」完結編での活躍を期待しながらも、彼の行く末が気になるエンディング。MCUらしく手堅い出来、及第点以上に楽しめる作品だ。

20180917

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/09/15

久しぶりに「その男、凶暴につき」を観る

仕事前、朝から「その男、凶暴につき」を観た。言わずと知れた北野映画第一作。何度も観た作品。初見は劇場だったか、DVDだったかは覚えていない。何しろ突然、この一週間「その男、凶暴につき」のメインテーマとグノシェンヌが常に脳内再生、頭を離れなかったからだ。仕事の行き帰りでサントラを聴き込む。そして早朝、観たい欲求に駆られ、録画ブルーレイを取り出した。

脚本は野沢尚によるもの。だが最近YouTubeで森プロデューサーの回顧インタビューを見て知ったのだが、たけしが監督受諾の条件で大幅に変えてしまったらしい。野沢氏がスタッフロールから外して欲しいと言うほど。だから改めて観ると、セリフがキタノ節になっているのが判る。秋山見学者とのやり取りなんてたけしのコント。一方でオリジナル脚本が何処まで活かされているかは判らない。

この作品で秀でているのは日常の狂気、その描き方だ。30年近く前の作品なのに違和感が無い。例えば夜の街、我妻を襲う流れ弾が女性の脳天を突き抜ける。凍てつく瞬間を割く絶叫。突然の出来事を見事に捉えたシーンだ。それに限らず、一つ一つの暴力シーンで観る者に痛みを伴う。今や何事もコンプライアンス。この作品がテレビ放送されなくなったのも頷ける。

本作で40代前半と思われるたけし。脂ののった時期、洗練されたいい男だ。あの事故前(サングラスで)表情を隠す事も無い。セリフはキタノ節、足りない事はあっても無駄なセリフはない。だから想像力をかきたてる。我妻が金を借りた後輩刑事が逃亡犯に殴打されるまでの描写。これだけで後輩刑事の人となりが見えてくる。しかもその行く末は追わない。そしてあのカーチェイスに繋がる。

カーチェイスの顛末は明らかにたけしが考えたものだろうな。これも巧いんだ。我妻のラストシーン、消灯を含め、画作り、構成が巧いんだよ。たとえところどころ気になる点があっても、その後の北野映画にはない粗削りなところ、それすらこの作品の魅力になってしまう。

白竜、寺島進、平泉成、遠藤憲一、それ以外のキャストの一人一人見どころがあり、作品を支える。寺島が製作当時、「この映画は凄い事になる」と感じ取ったのも結果、現実となった。

バブル期に素人映画監督が乱立、乱造。当時、その一作と思われていた。しかし生まれたのはこの傑作。深作欣二の降板でたけしが監督したのは天命だったのか。今も「その男、凶暴につき」は彼の作品の中でベスト3に入る。

今のたけしをみると、もう映画を撮らないだろうな。事務所のドタバタ、これまで森さんプロデュースあっての映画製作を思えば、そこから離れて絵画や小説のような別の創作に向かう。自らの小説を是枝裕和監督に撮って欲しいと言ったのもそうした経緯、本音かもしれない。もう十分、あえて新作の期待はしない。これだけの作品群を生んだたけしはやっぱり凄いよ。

180915

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/09/09

「累 -かさね-」を観る

今日は仕事帰りに映画補給。芳根京子、土屋太鳳W主演の「累 -かさね-」を観てきた。番宣でのビジュアルと設定以外は知らず。エンドロールまでコミックが原作とも知らなかった。ここのところ若手女優主演となるとイケメン、壁ドンと食傷気味に雨後の筍ばかり。だが本作は違う。内面をも映した怖さ、ガップリ四つの演技のぶつかり合いを観る事ができた。

累(かさね)は舞台女優を母に持つも、顔のキズをコンプレックスに持ち、ずっとイジメを受けてきた人生。その母の一三回忌に演出家の羽生田が現れる。羽生田は自らの舞台に累を招き、主演女優のニナを会わせた。そして羽生田は累の素質を見抜き、ある計画を実行する。それこそ累の持つ秘密によるものであった。

心と体の入れ替わりといえば大林宣彦監督の「転校生」が浮かぶが、こちらは生々しく不気味。累の舞台に立つという秘めた欲望を満たし、さらに際限が無くなっていく。冒頭やや説明不足に物語は進むが、その理由は幼少期のエピソードに隠されていた。そして累とニナはクライマックスの劇中舞台劇サロメを迎える。

ファンタジックな設定ながら醒めずに観終えたのも、難しい役柄の中で主演二人の演技力による点が大きい。これまで観た事のない、彼女たちの過去作と比べて演技の振り幅も広い。真の彼女たちの姿が見えぬほど。またしたたかに彼女たちを引き込む浅野忠信の存在も光る。

物語の背景、構成の面白さも見どころ。一種のジャパニーズホラー。この設定、ハリウッドは見逃さないだろう。全てを語らず観客に委ねた結末は賛否あろうが、そこも日本映画らしい。最後の最後まで惹き込まれた作品だった。

180909


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/08/19

「レゴバットマン ザ・ムービー」(吹替版)を観る

今朝はだいぶ前にWOWOWで録ってあった「レゴバットマン ザ・ムービー」(吹替版)を子供と観た。子供向けと侮る無かれ。レゴの世界観さえ許容すれば、なかなかの内容。しかもバットマンを含めた優れたパロディー映画である。

ゴッサムシティを守るバットマン。宿敵ジョーカーは街を襲うも呆気なく捕まってしまう。だがそれはバットマンの心理をついた作戦を秘めていての事だった。

映画ファンならオープニングからニヤける演出。これまでの映画版、テレビ版のバットマンのセルフパロディーが楽しい。またバットマンを擁するDCコミックだけでなく、ハリポタ等ワーナー映画のキャラクターが出演、街に宇宙へと大活劇を繰り広げる。

オリジナルでは残虐なジョーカーも、レゴの世界では朗らかな悪党に変わる。バットマンとのやり取りも友情でないが、何とも言えない繋がりを感じる。それが物語の導引であり、子供たちの気持ちに何かを残すだろう。でも同じ視点でオリジナルの映画版を観る事はできないが。

吹替はダサカッコな山寺宏一のバットマンがいい。バットマン売りの孤独さもこの作品では自虐ネタに変わる。これって初見の子供には解らないかも。でもこれまでバットマンを観て来た身にはとても可笑しい。

また吹替版は単に子供向けに敷居を下げるだけでなく、文化的なローカライズも行なう。ロビンに小島よしおをキャスティングしている点もそうだ。原語では言っていないギャグだが、上手く昇華されている。これなら演技を含めてアリだ。おかげでうちの子供のウケも良かった。

映像はCG臭は皆無。ストップモーションでは?と思わせるくらい、レゴワールドに浸れる。ビークルは縦横無尽、バットマンのアジトもカッコいい。映画版のレゴはワーナーと単独契約かもしれないが、あわよくば映画版のレゴ・アベンジャーズも観てみたい。

180819

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/08/10

「カメラを止めるな!」を観る

今日は地元公開となった「カメラを止めるな!」を観て来た。SNS時代、クチコミで人気が拡散、そんな話題作がやっと地元にもやって来た。初日、最初の上映回とあってほぼ満席。夏休み、これからお盆休みに入っての盛況。この田舎のシネコン(そして配給会社も)もしてやったりと言ったところ。

物語は触れません。巧みな構成でアイデアの勝利。その世界観はポスターの通り。何を言ってもネタバレになりうる。強いて挙げれば、始まって30分は事の行く末を見守るのみ。ただそんな中で笑いと恐怖、そして謎を散りばめつつ、本編後半でそれら伏線が回収されていく。

この作品には笑いよりも共感という言葉が似合う。10年前ならマニア向けの映画に終わったかもしれない。今や誰もが動画を撮り、作品を作る時代。撮影あるある、映画ファンには映画あるある、本編でのエピソード一つ一つが観る者の共感を呼ぶ。ラストシーンに至るエピソードと手作り感がいい。

そして何より本作のキャストが無名なのも正解。だからこそそれぞれに個性的、配役の妙、演技に漂うB級臭も楽しい。特に可笑しかったのは「ぽん!」。きっと観た人にだけは伝わるだろう。

満席の劇場に笑いが起こる、そんな経験も久しぶり。タイトルはまさに劇中監督での心の叫び。今年の邦画屈指、オススメの痛快作だ。

180810

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/08/04

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観る

今日は人気シリーズ最新作、トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観てきた。タイトルナンバリングが無くなって何作目か分からなくなったが、今や夏に欠かせないアクション・ムービー(ちなみに7作目との事)。世界同時核テロ、プルトニウム強奪を巡り、イーサン・ハント率いるIMFチームが挑む。

そもそもストーリー云々を問うような作品では無いが、今回はこれまでに比べ最も前作との結び付きが強く、シリーズ初めて続編的意味合いが強い。また登場人物をめぐりシリーズを通じた小ネタも散見された。少なくとも前作「ローグ・ネイション」は観ておいたほうがいい。

「ミッション:インポッシブル」らしく騙し騙されが続くが、そこもお約束。特に冒頭は第一作を思わせニヤリとさせられた。

もちろん見どころはアクションだ。パリ市内を車、ハイスピードで突っ走る。既視感たっぷりながら好意的にあの名作のオマージュと感じた。それだけでなくとにかくトムが走る、跳ぶ、躍動する。シリーズ二作目以降、トムがアクションにこだわる、活劇たる映画の醍醐味に溢れている。たとえ撮影でトムが骨折しようが、作品中のイーサン・ハントは不死身だ。

また男子からみれば、レベッカ・ファーガソンの続投も嬉しい。彼女のアクションが華を添える。ラロ・シフリンのテーマ曲に血湧き肉躍り、さらにおなじみルーサー、ベンジーと「スパイ大作戦」らしく、男女混合チーム戦でクライマックスを迎える。

観ていて思ったのは、本作は大スクリーン向きだという事。2Dであってもこれほどの奥行き感、迫力を感じるのだ。逆に3Dだと、メガネ方式を間違えば経験からも面白みは半減。字幕派であれば迷わず2D版をオススメする。暑い夏だからこそ、劇場で本作を涼しく楽しんで欲しい。

180804

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/07/26

「レディ・バード」を観る

今日は今年のオスカー作品賞候補にもなった「レディ・バード」を観てきた。監督の自伝的な作品で2002年が舞台。サクラメントに住む自称レディ・バードことクリスティンが、高校最後の一年を進学、恋愛、そして家族との間で成長していく姿が描かれる。

女子高生というと、邦画ではどれもよく似た恋愛映画。もちろん本作はそういう事はない。しかも相手となる男子も今を反映させた作り。それだけでなく多感で繊細な時期の描写が巧い。深過ぎず、浅過ぎず、レディ・バードは様々な出来事を通して親の元を巣立っていく。

観る側が同世代と親世代でその目線は違うだろう。クリスティンを演じるシアーシャ・ローナンの自然な可愛さ、エピソードに惹き込まれながらも、いつの間にか父親、母親側の気持ちになっていた。すれ違い、気持ちが届かないようでお互いわかっている、それが親子。レディ・バードからクリスティンへ。その変化がエンディングに帰結する。

あっさりした作りながら、それぞれのキャラが立った群像劇でもある。親友ジュリーのちょっとした出来事も伏線となり、何があったか想像させる。高校の神父やシスター、斎藤工似の兄貴やその彼女、無職の父親にしろ、小さなドラマが垣間見える。そんな作りがいい。

あと一つ、洋画のオーディションシーンって何で面白いのだろう。本作でも鉄板です。

本作が描く高校時代という無垢さと危うさ、そして儚さ。観た後に気持ちがいい、そんな良作です。

180726

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/07/13

「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」を観る

今夜は息子と「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」を一緒に観てきた。今日が公開初日とはいえ平日、しかも夕方からの回で席の空きはかなり多かった。ただ明日から三連休、さらに夏休みで巻き返していくだろう。

風の街フウラシティは年に一度の風祭りに賑わっていた。聖火に向け伝説のポケモンルギアが風を送っているという。そんな中、少年たちに絡まれた少女ラルゴを街を訪れたサトシとピカチュウが助ける。だがラルゴはある秘密を抱えていたのだった。

リブートした前作、物語の中心にいたサトシとピカチュウが本作で少し脇に回った群像劇。ラルゴを始め、キャラクターたちのエピソードを重ねてクライマックスに繋げる作り。テレビシリーズと異なり、夏休み作品らしく冒険、そして子供たちに伝えたいテーマを秘める。かつての東映まんがまつりのメインアニメの役割を果たしている。

親目線、人とポケモンの共存という最低限の世界観を理解した上での感想。あくまで子供向けの作品ながら、安定の作りで約100分、大人の鑑賞にも耐えうる。ゲスト声優もブレーキにならず、作品の没入を助ける。そしてレジェンド野沢雅子の存在も大きい。

なおエンドロール後、次回作の発表に注目。その衝撃に息子はしばらく椅子から立てなくなった。劇場版前作から繋がる流れを受け、本格的なリブートに入るのだろう。

180713_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/07/06

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を観る

今日は「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を観てきた。「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビーが主演と製作を兼ね、米スケート界を騒がせたトーニャ・ハーディング一連のスキャンダルが描かれていく。

リアルタイムで事件を知っている者には説明不要。本作はハーディングの半生とその裏側に当てていくが、何しろ冒頭からろくでなしばかりが登場。しかも感情移入のしどころがない。そんな彼女も幼少期の不遇は母親によるところは大きく、事件後の再会での出来事がより悲しさを誘う。

ただ約2時間の作品で終始ノリ切れなかった。ブラックなノリも苦笑レベル。物語のテンポも良くない。もちろん感情移入できなかった事もその一つ。さらにハーディングとマーゴット・ロビーの見た目の違いも大きい。ハーディングって見た目小柄だったような。ちなみにエンドロールでその姿が見られる。

見どころはオスカー助演女優賞受賞の母親役アリソン・ジャニーだろう。最もろくでなしっぷりが図抜けている。とはいえ、前評判のわりにこの作品はハズレ。観なくても良かった気がしてならない。

180706

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/06/29

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」を観る

今夜はSWスピンオフ「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」を観てきた。若き日のハン・ソロとチューバッカの出会い、盟友ランド・カルリジアン、そしてミレニアム・ファルコンとの物語が描かれる。本国アメリカでの興行と評判は今ひとつ。だがそれで敷居を下げたせいかもしれないが、意外に楽しめる一作だった。

帝国軍の支配が続く銀河。惑星コレリアに住むハンは幼なじみのキーラとスラムから逃れる夢を見ていた。そしてその機会を得るも、ハンはキーラと離れ離れになってしまう。3年後、帝国軍の配下で経験を積むハンの前にベケットという名の男が現れる。

本作はSWエピソード4以前の物語ながら、ランドとの関係性からもエピソード6まで観ていたほうがいい。ビジュアル、コスチューム、そしてブラスターとニヤリとさせられる。中でもファルコン号の存在は欠かせない。独特の照準器に台座、帝国軍の猛追を掻い潜る姿にその後の面影が見えてくる。本作のもう一つの主役だろう。

主演のオールデン・エアエンライクがハリソン・フォードに似ていないと揶揄されるが、そんな事は始まって間も無く気にならなくなる。一方、ベケットとの師弟関係で一癖あるウディ・ハレルソン存在感が光る。ハンと(少しだけ若い)チューバッカとのやり取りもその後のエピソードを想起させる。ただその描き方が全般ドライな事。如何にもSWらしい点ではある。

音楽は「ボーン」シリーズのジョン・パウエル。彼のスコアはジョン・ウイリアムズのオリジナルを巧く取り込み、観る側の気持ちを昂らせてくれる。必聴。

何となく本作の続編ありきな伏線を見せるが、どうだろう。ルーカス印時代と比べ、ディテールの浅さも気になる。とはいえ、エピソード7以降で絶望したファンに本作は朗報だろう。

180629

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧