2020/09/27

「メメント」(吹替版)を観る

今日はNetflixでクリストファー・ノーラン監督作、2000年公開の「メメント」を日本語吹替版で観た。昔、深夜テレビで観た記憶はあるが、後半だけだし意味不明に終わってネタバレになっていない。今回は「テネット」の後を受けて仕切り直しの鑑賞となった。

保険調査員のレナード。ポラ写真や体に入ったイレズミはメモ代わり。ある事件以降、彼の記憶は10分保たないのだ。きっかけは目の前で妻が強姦、殺された事件。やがてレナードの借りたモーテルに、事件のカギを握るテディが現れる。

倒叙的、徐々に物語の詳細が現れていく作り。原作は弟ジョナサン、監督脚本が兄クリストファー、難解ノーランズによるトリッキーな物語。頼りは事件以前の記憶、そして絶対的に信頼するメモ群。だがその裏側が明らかになるに従い、レナードの行動と事件の真相の間の齟齬が見えてくる。

近年スケールの大きいノーラン監督作だが、本作はミニシアター系のサスペンス。一方ノーランらしい作品内に生きるルールは健在。作品鑑賞中は脳内活動全開必至。「テネット」のような大袈裟なSFではないが、内宇宙というべき記憶というテーマが面白い。

ジョー・パントリアーノにキャリー=アン・モスと「マトリックス」のキャスト二人が登場。でも本作でキャリー演じるナタリーのほうが曲者。そしてガイ・ピアースによるレナードにも翻弄される。パズルの正しいピースが嵌められた時、今の自分の記憶にすら疑問を持ちざる得ない。

レナードの声はキーファー・サザーランドでお馴染みの小山力也。レナードに合った感情を抑えた演技に好感。作品の規模に関わらず、吹替は声のプロでなくちゃね。

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2020/09/26

「真夏の夜のジャズ」(4K版)を観る

今夜は4Kリストレーションされた「真夏の夜のジャズ」を観てきた。1959年のアメリカ、ニューポートジャズフェスティバルの模様を収めたドキュメンタリー映画。この手の作品が劇場で観られる機会は逃せない。

まず鑑賞上注意したいのが座席位置。音楽映画なので迫力を楽しむ事が重要。35mmフィルムで撮られた作品ゆえ、ビスタサイズやシネスコと違いスクリーン両端に帯が入る。画面全体を視野ギリギリに入れるために中段列よりも前の座席で観て欲しい。もちろん列の真ん中がベスポジ。

それでも出演者が4:3の画面比のフレームを外れる程の迫力。出演者だけでなく観客もクローズアップが多いのが特徴。この映画の中で観客の楽しむ姿が同列で描かれていく。普通のライブ映像と異なるアプローチは写真家でもある監督ゆえなのだろう。

見どころはルイ・アームストロングにチャック・ベリーの登場。サッチモは3曲の演奏が観られるが、MCも面白いしどれも秀逸。チャック・ベリーは観客のノリからも当時の勢いを感じる。ギターパフォーマンスがカッコいい。トリのマヘリア・ジャクソンによるゴスペル曲も素晴らしかった。

音質は当時の状況以上のものは得られずナローレンジ。映像も4K化とはいえ先鋭感に乏しい。だがそれも時代の持ち味。音、映像共にジャズ初心者にも伝わる熱。考えるより感じろ。コロナ禍でライブは無観客の今、当時の音楽に浸るのはいい。

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「ベスト・キッド3/最後の挑戦」を観る

Amazonプライムビデオで「ベスト・キッド3/最後の挑戦」を観た。1、2は何度も観ているが、3は初見。

ダニエルとの対戦後、生徒を失ったコブラ会とクリース。そんな彼に手を差し伸べる実業家シルバー。シルバーに芽生える野望。ダニエルたちに近づき、トーナメントで二人を叩き潰そうと画策する。一方、ダニエルはミヤギの夢を叶えるため、学費を盆栽店の開店に使おうとしていた。

前回のトーナメントから一年。再び戦いの場に駆り出されるダニエル。邦題サブタイトルに「最後の挑戦」と付くが、その経緯がそれ程カッコよくない。

まずこのシルバーって男が訳わからない。デビッド・キャラダインを思わせる風貌。空手の使い手であり、クリースを師事?それでいてタニマチのようで。「まぁ後は私に任せなさい」とクリースをバカンス三昧させる。その間ダニエルを騙し追い込み、トーナメントで敗北を味合わせ、コブラ会を復興するのが目的。

家宅侵入に手下を使って襲わせるし、事業で不法投棄はしているようだしメチャクチャ。襲撃されたヒロインは腹にキックを受けているんだよ。ただヒロインに華がない。彼女はダニエルと得意のロープクライミングで盆栽の木を取りに行くが、ハニーハンターのような過酷さ。あげくトーナメント出場を強要されてしまう。

シルバーの真意が明らかになるところで追い詰められるダニエル。助けに現れるミヤギ。コブラ会の空手は剛、ミヤギ道空手は柔。力に物言わせるシルバーの空手を受けて返すミヤギ。流れるような受け身と攻撃が唯一
見どころかな。

なおドラマ「コブラ会」との関連性は少なく、本作を観なくても事足りる。1、2のように何度も観たいかと尋ねられれば、そうは思いませんと答えるだろう。

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2020/09/21

「ベスト・キッド2」(吹替版)を観る

突然Netflixで配信されたばかりの「ベスト・キッド2」を観た。もちろん公開当時、劇場で鑑賞済み。今回は日本語吹替版をながら見した。

ミヤギの下に故郷から父危篤の報が入る。ミヤギとダニエルは沖縄へ。ミヤギは父を介抱していたユキエと再会。二人は昔恋仲だった。そして空手のライバル、因縁の相手サトウが現れる。地元の権力者となっていたサトウは弟子を使い、ミヤギたちの村で嫌がらせを繰り返していた。

前作の趣きは何処へやら。日本人から見るとトンデモ描写が少なく無い。舞台の沖縄は明らかに東南アジアだし、ちょっとしたシーンでの現地人も然り。突然、茶道を始められちゃ黙って見るしかない。後は二人で無責任に盛り上がる。でも洋画ってトンデモ系だった頃のほうが断然面白い。

「ベスト・キッド2」というとでんでん太鼓にタムリン・トミタ、そしてピーター・セテラ。ワックス掛けの代わりにでんでん太鼓だったが、外国人には物珍しいのだろう。映画的に少々唐突だなと思う。ミヤギさんの打ち方(持ち方)も微妙。

タムリン・トミタはその後、テレビシリーズ「HEROES」や「高い城の男」等いろんな作品で見る事になる。このクミコ役、当時日本のアイドルが多数オーディションを受けたそうだけど、英語劇には無理があったのかな。新春スターかくし芸大会レベルじゃダメか。

作品を観終わって、ピーター・セテラの歌う主題歌「グローリー・オブ・ラブ」の世界観が圧倒的に勝っちゃってるなと思う。中高生時代、洋楽マイブームの真っ只中。大御所デビッド・フォスタープロデュースのこの曲は当時よく聴いた。本作よりPVの方が覚えてるもの。

ちなみにNetflixでは「ベスト・キッド3」の配信はない。実は観た事ないんだよね。コブラ会とリンクしないのかな。Amazonプライムビデオで観てみるか。

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2020/09/20

「コブラ会 シーズン2」を観る

Netflixで「コブラ会 シーズン2」(全10話)を観終えた。新生コブラ会に師匠が現れたジョニー。そしてミヤギ道を再開したダニエル。二人とその弟子、家族が織りなす青春ドラマシリーズ。

師匠ジョン・クリース登場で波乱の様相。どん底まで落ちたクリース。最初はじっと見守るもやがてコブラの牙を見せていく。彼による「情は無用」を説きジョニーの弟子たちは変わっていく。いや、変わらざるを得ない状況となってしまう。

クリースを演じるはマーティン・コーヴ。「ベスト・キッド」に限らず「ランボー/怒りの脱出」でもランボーを陥れる悪役だった。でも学生の頃に好きで観ていたドラマ「キャグニー&レイシー」で刑事役で出てるのを覚えてる。本当はいい人なんだろうな。ジョニーと年老いたクリースが道場に並び立つと感慨深い。

道場を再開したダニエルにロビー、さらに娘サマンサの姿。そして彼女にライバル登場。サマンサ、ロビー、ミゲルの関係は複雑に絡み合う。これぞ青春ドラマ。だがサマンサの親友の計らいが学校内を巻き込む大事件に発展し、多くの亀裂を残しシーズン2は幕を閉じる。

IT音痴のジョニーが検索のたび、「アイアン・イーグル」を入力するのが可笑しい。80年代、そして師弟愛の映画でシンパシーを感じるのだろう。もちろん俺も。でもNetflix、Amazonプライムビデオのどちらにも無い。とにかく映画「アイアン・イーグル」シリーズ一作目を配信して欲しい。あくまで一作目を...。サニー千葉が出ている三作目「エイセス」も好きだよ。

ミゲル、ロビー、サマンサが背負うもの。ジョニーとダニエルは空手を捨ててしまうのか。そしてジョニーのスマホに届いた通知。そんな楽しみを持ちつつ、シーズン3を待ちたい。

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2020/09/19

「TENET テネット【IMAXレーザー字幕版】」を観る

今日はクリストファー・ノーラン監督最新作「TENET テネット」IMAX版を観てきた。ストレートな戦争映画「ダンケルク」の後、「インセプション」「インターステラー」のようなトリッキーで刺激的なノーランが帰ってきた。

テロリストがウクライナ国立劇場を襲撃。阻止に向かった特殊部隊の男はミッションを終えるも捕まり自決、毒をのんだ。だがある組織のベッドで目覚めた。そして世界大戦を止めるミッションを言い渡される。目の当たりにする時の逆行。男は人類を救えるのか。

冒頭から観客は脳内活動全開。字幕に革新的な映像と頭の中で処理が追いつかないほど。初見には100%の読解は不可能。とはいえラストはそれなりに理解。見終わって不完全燃焼に感じるかもしれないが、所々情報を見落としたゆえにむしろ好奇心を刺激された結果である。

逆行表現はいかにもノーランらしい。過去の時間ものに比して無いスタイル。前半は摩訶不思議。しかし中盤以降でその疑問が氷解する。しかもそれまでのエピソード、シーンにリンクがあって驚かされる。二度見以上を想定したシナリオが凄い。

今回はIMAX版で観たが、映像もさる事ながら音の密度が凄い。時間を意識した不穏な音作り。劇場襲撃から絶えず音に包まれる。シネコンの音でも及第点だろうが、遥かにその上を行く。でもクライマックスでは状況が混沌として、映像と音の迫力に圧倒されて終わった気もする。

「人類を救う」実はあるSF傑作映画のノーラン版で無いかと思う。あちらも時間ものだし、テーマに主人公の運命も感じる。加えて時間を遊ぶようなノーランらしい解釈が新機軸。タイムチャート作りが必須?考察も楽しいSFアクション大作だ。

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2020/09/13

「ベスト・キッド」を観る

Amazonプライムビデオで「ベスト・キッド」を観た。1984年製作アメリカ映画。Netflixで「コブラ会」を観たための振り返り。ちなみにNetflixで「ベスト・キッド」を探すと未見のジャッキー・チェン版しか配信されていない(2020/09/13現在)。

母の仕事の都合で転校したダニエル。アリと仲良くなるが、元彼ジョニーの目の敵にされてしまう。度重なるジョニーのイジメからダニエルを助けたのがミヤギだった。ダニエルはミヤギから空手の教えを乞う。だがワックス掛けにペンキ塗りの毎日。何故と問うダニエル。ミヤギはそんなダニエルと拳を交わす。

公開当時は映画館、その後テレビで何度も観てきた。ジョン・G・アヴィルドセン監督にビル・コンティ音楽とくれば「ロッキー」のコンビ。さらに主題歌「モーメント・オブ・トゥルース」はサバイバーの曲。雰囲気が似るのは当然。格闘技、王道の良さに加え、師弟愛に人間ドラマ。指導のユーモアさも作品のアイデンティティーになっている。

クライマックスはダニエルとジョニーの対決だが、全編ノリユキ・パット・モリタの存在感に尽きる。琴線に触れるのは同じ日本人ゆえ。空手の教え、人生観、観ている我々をも諭しているよう。温故知新、教えは不変。時を経て「コブラ会」ダニエルのセリフを通し、今も訴えかけてくる。だから「ベスト・キッド」は名作なのだ。

「コブラ会」シーズン1を観て、改めてこの一作目は必須と思う。この作品のジョニー目線は「コブラ会」で語られる事になる。また「ベスト・キッド2」も観たくなった。でも何で気軽に観れる吹替版がないのかね。Netflixも何でこの時期、オリジナルの「ベスト・キッド」がないのかね。

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「コブラ会 シーズン1」を観る

Netflixで「コブラ会 シーズン1」を観終えた。「ベスト・キッド」から34年。続編がこのネット配信シリーズ。「コブラ会」のタイトル通り、ダニエルのライバル ジョニーが主人公。もちろんダニエルも主人公の一人である(トップロールはラルフ・マッチオ)。

空手大会でダニエルに敗れて34年。ジョニーは職を失い途方に暮れる生活。ある夜、同級生に襲われる高校生ミゲルを助ける。彼の空手を見たミゲルは教えを懇願。ジョニーは道場を開く事を決意する。そして所属していた「コブラ会」の名を冠すのだった。

「ベスト・キッド」の後日譚でありリメイク、社会問題を包含しつつ、スカッとさせる青春ドラマ。オリジナル「ベスト・キッド」未見なら先に観て欲しい。活かされたエピソードに頷くはず。「コブラ会」では視点を変えて同じ作品を見ることになる。

ジョニーらと同世代ゆえ、年を経ての理不尽さも身に沁みる。まして人生を好転させたダニエルとの対比、ジョニーの不器用さに感情移入。気がつけばジョニーと同じ目線で観ていた。

だからといってダニエルが敵役ではない。成功ゆえに見失ったものをジョニーとの再会、様々な出来事で取り戻していく。ミヤギとの思い出、「ベスト・キッド」がインサートされ懐かしさとほろっとするのは年齢のせい。ダニエルがロビーに空手を教えるところは「ベスト・キッド」。ワックス掛けも健在だった。

登場人物が多いものの、その関係と物語作りが巧く、1エピソード30分が短く感じる。あっと言う間に1シーズン10話を観終わった。ジョニーとダニエル、それぞれの師弟、親子関係、恋のゆくえ等、シーズン2への興味は尽きない。

強いて言えば日本語吹替版がない事、下ネタが少なくない事が難点。中学生以上むきか。トーナメント後の行方、そして最後の最後に登場したあの人がどんな波乱を巻き起こすか、配信中のシーズン2が楽しみだ。

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2020/09/12

「サバイバー: 宿命の大統領 シーズン3」(吹替版)を観る

「サバイバー: 宿命の大統領 シーズン3」(吹替版)を観終えた。Netflix移籍直後にして最終シーズン。大統領選出馬したカークマン、一方で進行する国を揺るがすテロを描いていく。

このシーズンを観終えてトム・カークマンって何だったんだと思う。アメリカ政治の現状、そして二大政党制へのアンチテーゼ。特に本シーズン、移民問題、薬物などで挿入される一般インタビューが生の声だと伝える。世論と不満のカオスが漂う。我々が求める政治とは?辿り着いた結論、トムの最後のセリフが現実。どんなピュアな動機もやがて染まってしまう。

物語は全10話にエピソード詰め込み過ぎ。シーズン2までのキャラは説明無しに不在。マイクにリオ、弟のトレイも居なくなった。しかも前シーズンのハンナのセリフ通りにやたら人が死ぬ。まさかの功労者までも。最後結びついていく大統領選とバイオテロ。思惑が絡み合うも駆け足過ぎてサスペンスは盛り上がらない。

一方LGBTを意識し過ぎた配役。義妹の登場も唐突感は否めない。これまで家族を意識したカークマン家も今やトムとベニーだけ。トムの側近同士で勝手に盛り上がるエピソードも無駄。結局、ごった煮状態で物語は幕を閉じた。

唯一の楽しみは吹替。トムのキャンペーンマネージャーの声が小宮和枝さんだという事。悪女を演じさせたら日本一。「24」のパーマー夫人はこの人のおかげ。「俺がハマーだ」でのコメディエンヌぶりも好き。本作では彼女の表裏、そして悪役ぶりが光る。日本の声優界で貴重な存在だと思う。

興味が物語から離れつつ、ラストシーンを観て、まぁそんな感じかと。結論「理想を目指し、結末と反し、カークマン政権は支持されませんでした」打ち切り仕方無し。

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2020/09/08

「一度も撃ってません」を観る

今日は仕事帰りに阪本順治監督作品「一度も撃ってません」を観てきた。石橋蓮司を主演に迎え、桃井かおり、岸部一徳、大楠道代らが競演するハードボイルド。

表向きは売れないハードボイルド小説家市川進。昼間は妻に頭が上がらない男だが、正体は伝説の殺し屋。依頼を受けて夜の街に消えていく。しかし彼には大きな秘密があった。友人石田の命が狙われる事を知った市川は秘密を顧みず銃を手に立ち上がる。

コメディとして見ると肩透かしを喰らう。笑いよりニヤリ。タイトル含め、コメディ色が強い劇場予告編はミスリードを狙った作り。純度99%は大袈裟だが、間違いなく純度90%以上のハードボイルド。主人公の二面性。夜を基調にダンディな装いに対し、背中を丸めしじみ汁をすする姿が可笑しい。

映画らしい空間と画作りが心地いい。物語、演出共にゆったりと大人向きの作り。脚本丸山昇一の狙いはコメディでなく、ユーモアあるハードボイルド。当て書きしたような石橋蓮司の佇まいも合っている。また徹底してハードボイルドよりもギャップあって裏の姿が活きる。

男くさい映画の多い坂本監督だが、「半世界」同様に抑えた感じがいい。何しろベテラン陣、個性の強いキャスティングで役者に任せた感じもある。実力派の若手二人(妻夫木聡、井上真央)も彼らの個性に敵わない。

終盤、ひかる(桃井かおり)、石田(岸部一徳)との関係性も明らかになり、ラストシーンに繋がっていく。真の恐怖と対峙した後。タクシーに乗らず、一人街を歩く姿が主人公の人生を物語る。この男、死ぬまで"午前0時"に生きるのだろうな、と。

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