今日は盟友N氏、そしてN氏のご同僚と清水マリアートこと静岡市清水文化会館で催された「第1回しずおか映画祭 DAY1」へ行ってきました。本当に奇跡だと思います。特に第2部の予約開始は祝日夜だったこと、DAY2と重なったことで激戦必至となりました。DAY2は全滅しましたが、おかげさまで第1部と第2部のチケットが取れました。
DAY1は映画祭代表の磯村勇斗さん、映画パーソナリティーの伊藤さとりさんの進行で第1部はヴィム・ヴェンダース監督「PERFECT DAYS」を中心に役所広司さんを迎えてのトーク、第2部は原田眞人監督「駆込み女と駆出し男」から戸田恵梨香さんを迎えて上映前トーク、そして上映後にはスペシャルトークショーが用意されていました。
さて「PERFECT DAYS」は2度目の鑑賞です。そのおかげでいくつかの発見がありました。とにかく思った以上に役所さんのセリフが少なかったこと、それでいて表情と演技で魅せるのです。象徴的なのはラストシーン。上映後のトークで映像通りに音楽を流しての演技したと明かしていました。しかもNina Simoneの「Feeling Good」も脚本上決まってのこと。歌詞を噛みしめるような表情は当然です。
またこの作品は16日で撮影を終えたそうです。ラストシーンもファーストテイク、また環境音、サイレンが鳴ってもそのまま収録でそこがヴェンダース流と役所さんは振り返っていました。また監督は雨男だったらしく、確かに雨のシーンは多かったですし、それを逆手にとって印象的に撮られていました。
イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭で生涯功労賞を受賞した役所さんに会場から大きな拍手。「しずおか映画祭からも生涯功労賞を」と促す場面も。ちなみに静岡市はカンヌと姉妹都市であり、ならカンヌに縁のある俳優として、磯村勇斗代表が現場(たぶん「八犬伝」)で役所さんを強襲してオファーをゲットしたそうです。
もちろん役所さんといえば、原田眞人監督とのコンビが多いのですが、アメリカ仕込の映画の造詣の深さを強調されていました。また亡くなる数日前に面会、その時も映画製作への情熱を傾けていたそうです。そして第2部上映の「駆込み女と駆出し男」の面白さ、戸田恵梨香さんの演技を絶賛していました。
ちなみに第2部の「駆込み女と駆出し男」は今回初見。2015年公開で先日再見した「わが母の記」の2作後の作品です。井上ひさし原作を原田監督が脚本化、江戸時代に実際あった女性のための駆込み寺での出来事を描いていきます。
昨年の大河ドラマ「べらぼう」や役所さん、磯村くん共演の「八犬伝」と同じ時間軸の物語です。だから水野忠邦や滝沢馬琴も出てきます。おかげで物語の理解が深まりました。戸田さんの上映前のトークにもありましたが、男女平等と言い切れない時代を描いています。
そして観終わって思ったのですが、男性主体の映画が多かった原田作品の中で女性を描くことに重きをおいていました。確かに主演は大泉洋なのですが、女優陣の輝きが違います。満島ひかり、戸田恵梨香のダブル主演といってもいいし、多くの女優陣による群像劇にも見て取れます。
樹木希林さんを筆頭に脇役に至るまでどの女優さんを観てもいいのですよ。また10年前の作品ながら、現在大活躍の俳優さんたちのブレイク前の姿が散見されました。本当にこの作品は当時の社会風刺と共に面白かったです。あまりのテンポの良さにまるで大泉洋による落語をみている錯覚さえも感じました。
戸田さんは先日のNetflix「地獄に落ちるわよ」の細木数子を引き合いに出しましたが、女性の弱い時代に輝く姿を演じる事が多いと触れていました。ちなみに「地獄に落ちるわよ」の戦後直後の描写は静岡県島田市のオープンセットで撮影されたそうです。
また今回初対面の磯村くんから戸田さんの芯の強さ(=丹田の力と言っていたかな)の秘密は?との問いに、その理由の一つに阪神淡路大震災被災のことをおっしゃっていました。死を身近に感じ、反面生きることへの執着、戸田さんの秘めたる強さはその答えの表れなのかもしれません。また目標はイーストウッドという戸田さんのひと言は映画ファンに刺さりましたね。監督をしたいのではなく、年齢ごとに見合う映画に出たい。ちなみに戸田さんが言い間違えていた作品は「クライ・マッチョ」です。ちゃんと盟友N氏はわかっていましたよ。
また戸田さんは原田監督との仕事を通して、その熱の強さを感じたそうです。とにかく熱い。脚本を沢山の資料から構築。その中で暖簾の丈がおかしいと激怒し、撮影中止でオフになったと回顧していました、
役所さん、戸田さんのトークを通じて感じたことは俳優トップの方の姿勢ですね。自分の言葉を正しく伝えるのはもちろん、共感と様々なものへのリスペクトを感じます。密度が濃かったです。そんな中、先の通りに役所さんから演技を絶賛された戸田さんの喜びぶりが印象に残りました。
第2部上映後にはスペシャルトークショーは磯村くん主演の次作「Mentor」のもの。トークショー磯村くんの相手は同じく主演の末澤誠也さん(Aぇ! group)でした。コールが掛かると女性からの反応が見て取れました。役所さんや戸田さん相手とは違った磯村くんも肩の荷が降りた感は伝わってきました。
また末澤さんの唐突な好きな食べ物は?と聞かれて「中央亭の餃子」と苦笑いする磯村くんにこちらまで苦笑いしてしまいました。この件はプレ開催の沼津でもありました。なおこの映画は10月公開だそうです。スペシャルトークショーにもしかして綾野剛?と期待していましたが、たぶん「しずおか映画祭」沼津開催まで温存するかもと思っています。「ヤクザと家族」とかで来てくれそうじゃないですか。
ちなみに「Mentor」も沼津を始め、静岡県でのロケーションだそうです。
本当に映画ファンにとって密度の濃い一日でした。できれば明日も行きたかった。なお次回は静岡県西部での開催。浜松への遠征は大きなハードルになりそうです。
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