2017/02/18

「サバイバルファミリー」を観る

今日は一人で矢口史靖監督最新作「サバイバルファミリー」を観てきた。矢口監督といえば劇場で観た「ウォーターボーイズ」に感動、佳作も多くハマる作品が多い。これまでも着眼点、プロットの面白さが光る。そして本作では未曾有の状況下で助け合い生きていく家族の姿を描く。

現代の東京。ある朝、起こった停電に戸惑う鈴木家。車も動かず、交通機関は麻痺。会社、学校に向かうも社会は機能していなかった。数日後、衣食住に限界を感じた彼らは父義之の得た情報から家族4人、自転車で大阪へ向かうのだった。

3.11から6年。あの時の教訓を忘れ、あの時以上に様々な物、情報への依存が進んだ気がする。まさに冒頭の鈴木家の描写がそれを物語る。一見満たされた生活だが、会社や学校、社会に忙殺され、家族は繋がりを失いつつある。「サバイバルファミリー」というタイトル、矢口監督作らしいコメディながら、生きていくための力強さ、家族の再生がテーマである。

そんな鈴木家の人々に感情移入しつつ、今我が身に起きたらと鑑賞前後に色々と考えさせられる。それも観る人の立場、環境によって異なるだろう。またこのプロットでハリウッド映画ならすぐに暴動となるが、本作ではそうならない。

単にパニックへ陥らず、日本人同士ならでは様々な助け合いもある。3.11を受けた日本映画の回答だ。矢口監督らしい鈴木家やその他の人々の描き方。大地康雄演じる田中さんとの出会いもいい。本作は同時に3.11以降の問題提起でもある。

なおこの作品を観る際は飲食はしない方がいい。BGMはここぞというところまで皆無。音響的には停電前後の環境音の違いも聴きどころ。鑑賞前に必ずケータイ、スマホの電源は切りましょう、我が経験を踏まえて。また停電下の描写なのに、テレビで観るとこの作品のありがたみは半減するだろう。是非本作は劇場で観られたし。

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2017/02/11

「この世界の片隅に」を観る

今日は今年劇場鑑賞4本目、「この世界の片隅に」を観てきた。2016年キネマ旬報日本映画ベスト・テン、読者ベスト・テン(日本映画)をダブル受賞。また先日、盟友N氏に人生ベストワンと言わしめた作品でもある。第二次大戦中の昭和、広島・呉を舞台にヒロインすずと家族、周囲の人々の姿を描いていく。

色薄みでパステルタッチ、優しさ溢れる画に住む生活、文化のリアリズムがこの作品の持ち味。徹底して画のリアリズムを追求した「君の名は。」とは対局的であるが、その先に人を描く事は変わらない。ただファンタジーだった「君の名は。」、創作ながら史実に沿った本作のスタンスは大きく、両者の描く”救い"も大きく違う。

本作を左翼的だと、単に反戦映画と考えるのは早計だと思う。ヒロインの住む時代が戦中であって、大半は彼女の生活感が描かれていく。相手を知らずに嫁に行ったり、嫁小姑の関係があったりと彼女の日常は時代性以外は何も変わらない。あくまでこの作品で描かれる戦争は北野作品で描かれる、日常に潜む狂気と同義だ。

そして我々の知る史実が彼らに迫る。そこで描かれる作品のテーマこそ「人間の当たり前」。そしてささやかな希望が、タイトル「この世界の片隅に」に込められている。

劇中、すずを演じるのんこと能年玲奈のハマりぶりを感じる事しきり。芸能界で本名ながら芸名を奪われたが、さぞ本作に救われただろう。クラウドファンディングで製作された通り、エンドロールに流れる沢山の方々の後押しも感慨深い。

何度も観るようなエンターテイメント性は無いが、人を描いている点はかつての日本映画のように日本映画らしい。そして日本人だからこその感慨がある。是非劇場でこの作品に触れて欲しい。

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2017/01/29

「ドクター・ストレンジ」を観る

今日はベネディクト・カンバーバッチ主演、マーベル・シネマティック・ユニバース最新作「ドクター・ストレンジ」を観てきた。瀕死の重傷を負い、手の自由を奪われた天才神経外科医ストレンジが、師となるエンシェント・ワンの指導を受け魔術師となって悪と戦う。

まるでマーベル版ハリー・ポッターのような雰囲気だが、遠に誕生が古い原作だ。だが洗練された映像と相まってテンポ良く見せる。時に「マトリックス」であり、「インセプション」を想起させるが、先駆者としては今回の映像化で面目躍如といったところだろう。また映像として具体化した点も凄い。映像デザイナーや監督はどんな頭の中身をしているのか。

傲慢さのあった主人公が修行と師を通して目覚める姿が描かれるが、感心したのはそれだけに留まらない事だ。原作の先見性に感嘆する。物の見方、考え方に宗教観、真面目に捉えたのが先日観た「沈黙ーサイレンスー」だと思うが、本作にもその共通性を感じずにいらせない。またテーマ的にも「マトリックス」シリーズとの共通項を感じる。しかも本作一編だけなのだから凄い。

カンバーバッチによるヒーロー像は意外にあっており、アクション、映像的にも興味深い。今や旬な悪役マッツ・ミケルセンも凄みある表情で登場。ヒロインのレイチェル・マクアダムスも好き。本作に限らず次々と高レベルの作品を繰り出すマーベルは、DCに対し明らかに上手。おなじみカメオ出演、御大スタン・リーの表情も明るい。圧倒的なビジュアルに本作なら3D版(字幕)やIMAX版もアリ、都会の人が羨ましい。オススメな一作だ。

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2017/01/24

「沈黙 -サイレンス-」を観る

今日はマーティン・スコセッシ監督作品「沈黙 -サイレンス-」を観た。かつて問題作「最後の誘惑」でキリストを扱ったスコセッシが、遠藤周作の「沈黙」を原作に、キリシタン弾圧の中で渡日した若き宣教師の姿を描く。

17世紀、フェレイラが棄教した事を知らされ、その後を追い確認するため来日したロドリゴとガルぺ。だが布教を妨げるように日本のキリシタン弾圧は凄まじいものであった。苦しみにキリスト教にすがる島民達の支えになろうとするロドリゴ。迫る大名の前、迷いなく絵を踏むキチジローがいた。生か、信仰か、選択が迫られる。

まるで日本映画。物語は本当にスコセッシの作品かと思うほど、小説を読み進めるように淡々と進む。バイオレンス色の強い代表作ばかりだが、先の「最後の誘惑」同様、スコセッシにとってキリスト教を描く事はライフワークなのだろう。それゆえメジャー配給でないのも特徴。目の前に倒れていく島民に心身共苛まれるロドリゴ。神とは?タイトル「沈黙」の意味は救い、信仰、宗教観を問う。

2代目スパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールドはその面影無く、極限状態のロドリゴを見事に演じる。カイロ・レンことアダム・ドライバーもSWと異なり、宣教師が似合っていた。それだけでなく気を吐くのは日本人キャストたちだ。目立ったのはイッセー尾形、浅野忠信、そしてキチジローの窪塚洋介。個人的には塚本晋也の心身共の熱演ぶりが凄かった。

この作品の重さは映画館という集中できる空間でこそ成立すると思う。しかもスコア系BGMは充てられていないのも特徴。辛い描写も多く、派手さを好む人々には向かないだろうが、スコセッシらしくない行間を訴える作りに好感、想像力を掻き立てる。そして拠り所を求める人たちへ何らか福音をもたらすであろう作品だ。

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2017/01/14

「ドント・ブリーズ」を観る

今日は一人で映画「ドント・ブリーズ」を観てきた。「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ製作によるホラー色の強いサスペンス。監督と共同脚本はリメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレスが務めている。

ロッキー、アレックス、マニーの3人は地元デトロイトでセキュリティを破り家宅侵入、盗品を重ねていた。だが盗品は高値にならないという理由から、ある物件を知ることになる。それは事件の高額示談金を盲目の退役軍人宅にあるという情報だった。3人は下調べし、深夜に退役軍人宅へ押し入るのだが...

若者、密室、コケオドシとホラーの3要素を取り揃え、しかも89分の上映時間は濃密。劇場独特の環境を活かし、時に驚かされ、主人公たちの絶望的な立場を共有する。音響を含め、テレビサイズで伝わらない面白さ。やはり事前情報はできるだけ入れない方がいい。だからここでもこれ以上は物語に触れない。

個人的に本作は大好きなモダンホラー、「ファイナル・ディスティネーション」「ソウ」と双璧に思う出来。時にミスリードを誘う演出も絶妙。しかも名作ホラー、サスペンス作のオマージュと思える画作りがあったりと、映画ファンにぴったりな小品だ。

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2017/01/02

「マン・オン・ワイヤー」を観る

皆さん、あけましておめでとうございます。

正月、今年初映画という事でWOWOWで録ってあった「マン・オン・ワイヤー」を観た。昨年観た映画「ザ・ウォーク」の原型であり、綱渡り師フィリップ・プティの著書を原作、2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した作品だ。

大道芸人であり綱渡り師のフィリップ・プティは歯科医院である新聞記事を目にし、ある構想を得る。それこそワールド・トレード・センター屋上の間を綱渡りする事だった。フィリップは渡米、共犯者ならぬ仲間を集め、準備を進めた。そして1974年8月7日を迎える。本作は関係者たちがその出来事を回顧したドキュメンタリー。

「ザ・ウォーク」と「マン・オン・ワイヤー」は相互補間関係にある。前者はフィリップの人となり、師匠との出会いと存在、仲間作りが克明に描かれている。その点、後者で秀でているのは当時の映像、写真の持つ迫力だ。さすがはドキュメント、関係者各人の掘り下げが深い。自らの言葉で振り返る姿は説得力がある。そしてチーム目的の実現とその終わりに青春ドラマのようなものを感じる。

またもう一つの主役がツインタワーこと、ワールド・トレード・センターの存在。建設当時の映像がその凄みを増させる。だが相反し、のどかに建設を進める作業員たちの笑顔が印象的だった。本編中の人々の関わりも含め、その時代を感じさせる。

「ザ・ウォーク」を観た後であれば45分間に8往復した事に驚きはない。ただ当時の空撮を見ると、3Dで無くとも足がすくむ怖さを伴う。これぞ本物の迫力だ。本作中、当時関わった警察官の会見に全てが凝集されている。
「個人的にはすごいものを見た。二度と見られないだろう。一生に一度だ」

事実は小説よりも奇なり。「ザ・ウォーク」とセットで観たい作品だ。

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2016/12/31

2016年総決算「映画篇」

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今年劇場で観た作品は20本。図抜けた作品は無く、一部を除けば甲乙つけ難い作品ばかりだった。強いて挙げると順位は以下のようになる。

第1位「ザ・ウォーク」
第2位「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」
第3位「日本で一番悪い奴ら」
第4位「シチズンウォー スノーデンの暴露」
第5位「君の名は。」
第6位「スポットライト 世紀のスクープ」
第7位「シン・ゴジラ」
第8位「さざなみ」
第9位「ハドソン川の奇跡」
第10位「ルーム」
以下は次点。
「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years」
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
「スター・トレックBEYOND」
「デッドプール」
「オデッセイ」
「レヴェナント:蘇えりし者」
「ブリッジ・オブ・スパイ」

第1位は「ザ・ウォーク」。3D効果と相まってツインタワー間の綱渡りを体感。何度も往復、なかなか止めない主人公にドキドキさせられる。ロバート・ゼメキスのストーリーテリングの巧さ、主演ジョゼフ・ゴードン=レヴィットの軽妙さ、そしてワールド・トレード・センター。その存在が影の主役である傑作である。

第2位は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」。「アベンジャーズ」シリーズ最高傑作。アベンジャーズ同士の対立、戦いに大義とパーソナリティがぶつかり合う。アクションの魅せ方も見事な上、VFXが素晴らしい。空港でのがっぷり四つの戦いは興奮。アントマンにスパイダーマンの参戦で俄然面白くなった。

第3位は「日本で一番悪い奴ら」。綾野剛主演の実録系和製フィルムノワール。曲者ばかりの配役に主人公が黒に染まっていく姿が描かれていく。男にとっての金と色、そして顛末。悪の「フォレスト・ガンプ」、その暴走ぶりが堪らない。デニスの植野行雄ちゃんの好演も光る一作。

第4位は「シチズンウォー スノーデンの暴露」。S・ソダーバーグ製作のドキュメンタリー。最も間近からスノーデン事件を見つめた、公になるまでの彼の一挙手一投足が確認できる。国家レベルの情報収集の恐ろしさと警鐘。時系列、脚色がない分、アメリカを取り巻く体制に改めて驚かされる。

第5位は「君の名は。」。「シン・ゴジラ」を千切ったご存知今年の邦画No1ヒット作。使い古されたプロットながら新鮮な映像と演出はピュアな青春物語を彩る。食わず嫌いより観て良かったと実感。

第6位は「スポットライト 世紀のスクープ」。今年のオスカー作品賞受賞作。真実の追求、「シチズンウォー」とは異なるアメリカの良心。

第7位は「シン・ゴジラ」。満を持して庵野秀明が秘密主義で作ったゴジラは驚きとオマージュに溢れていた。ブルーレイは予約済み。

第8位は「さざなみ」。結婚記念日、老夫婦に起きた"さざなみ”は小波か大波だったのか。観客に問う大人による、大人のための作品。

第9位は「ハドソン川の奇跡」。トム・ハンクスと組んだ御大イーストウッドの最新作。旅客機不時着事故を救った機長の葛藤と真実。老練なイーストウッドの演出が見事。

第10位は「ルーム」。親子監禁を描いたリアリティーある寓話。ドキュメンタリーと見紛う演出とブリー・ラーソンと子役のオスカー級演技。かなり重いです。

次点の「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years」は観てよかった音楽ドキュメンタリー。「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「スター・トレックBEYOND」「デッドプール」「オデッセイ」はいずれも欠点もあるが、エンターテイメントとして良作であった。上位との差は僅差、好みの差。「レヴェナント:蘇えりし者」「ブリッジ・オブ・スパイ」共に劇場作らしい重厚さが目立った。今年もダメダメは無かった。

ビデオで観た中では「アントマン」が面白かった。吹替版も録画、子供向けにもオススメ。果たして来年はどんな作品に出会えるだろうか。

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2016/12/30

「ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション」を観る

 今日は「ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション」を観た。ほぼながら見。しかも二日に掛けて観た事を付け加えておく。第一作からのお付き合い、主演ジェニファー・ローレンス好きから儀礼的に観た感じ。

 カットニスはスノー大統領暗殺のため、キャピタルへ侵入。だが彼女を待ち受けるのは様々な罠。同士を失う中、カットニスはいよいよスノーと対峙する。

 製作会社ライオンズゲートが相当力を入れたであろう、本国アメリカで人気のシリーズ。ただ「世界にひとつのプレイブック」デヴィッド・O・ラッセル監督から「ジェニファー・ローレンスを酷使し過ぎ」と横槍を食らっていた。しかし彼女抜きに映画、シリーズの成功は無かったろう。最後までカットニスを演じ切っている。ただ日本ではあまりヒットしていないのだが。

 最近のSF作らしくVFX依存が大きいが、凄まじい戦場を演出。世界的なトレンドか、二部構成の後編であったが、そこまで引き延ばす必要はあったかと疑問。いくら近未来が舞台とはいえ、後半のトラップの一つは某シリーズみたい、まるで別の作品になってしまっていた。

 物語は前作から登場したジュリアン・ムーア演じるコインとドナルド・サザーランドの駆け引き、生き残りゲームから政治的争いにシフトしており、2時間17分の上映時間はかなり退屈。余談だが、製作中急逝したフィリップ・シーモア・ホフマンの影響を本編中一切感じさせなかった。

 あくまで本シリーズ全編通して観られたのはジェニファー・ローレンスありき。彼女は大スターに成長するも、本作での彼女はナチュラルメイクのせいか少女の顔を残す貴重な作品となった。

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2016/12/25

「寄生獣」「寄生獣 完結編」を観る

 日本映画専門チャンネルで録画してあった「寄生獣」「寄生獣 完結編」を連チャンで観た。原作マンガは未読。監督は「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズのヒットメーカー山崎貴。まずは「寄生獣」から、ながら見で始まった。

 泉新一に近づく生物、そして右腕に痛みを覚えた。右手に現れた寄生物体は膨大な知識を備え始めた。そんな時、日本中で謎の惨殺事件が続発する。やがてミギーと名付けられた寄生物体と新一に近づく者が現れるのだった。

 前編となる「寄生獣」は寄生され共存を強いられた姿が描かれるが、新一は呆気なく現実を受け入れ、物語は駆け足で進んでいくため、主人公への感情移入がし難い。古沢・山崎コンビの脚本のわりに丁寧さを感じなかった。そこは原作未読の身だからこそ良く判る。ただ完結編を観たい動機付けには十分。やはり見所は山崎監督らしいビジュアルにR-12指定の残酷シーン満載。数年前の日本映画と比べ、各世の感がある。

 一方の「寄生獣 完結編」は寄生獣たちの目的が明確となり、そこへ突き進んでいく。そこで浅野忠信演じるラスボスの存在が際立つ。山崎貴作品のSF物は何処かヒット作に似たテイストを感じるが、本作では明らかにビジュアルは新一とのラストバトルに至るまで「ターミネーター2」を思わせる。ピエール瀧さんを加えた最強モードは何処か可笑しかった。

 物語的にも試される人類という点で「ターミネーター」的だ。敵対構造も然り。命を宿す深津絵里にアクの強い北村一輝、最後まで不気味な新井浩文他ら個性派役者を配し、染谷将太演じる新一が迎え討つ。ただ惜しむらくはミギーの存在で、あまりにフレンドリーな感じが違和感にしか思えなかった。実際、原作ではどうなのだろうか。

 早朝から一人で観ていたら、子供が起きてきてしまった。さすがに小学生低学年には見せられない。「まだ早い、寝なさい」と諭して寝かせた。そんな姿に小学生の頃に観たユル・ブリンナー主演の「ウエストワールド」で口元パッカーンのメカ露出でしばらくトラウマになったのを思い出した。「寄生獣」も強烈に顔パッカーンだからねぇ。

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2016/12/18

「ユーズド・カー」を観る

 今朝はWOWOWで録ってあったロバート・ゼメキス監督作品「ユーズド・カー」を観た。ご存知「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大ヒット。「フォレスト・ガンプ」でオスカー監督に、近年も「ザ・ウォーク」等の意欲作を送り出している。そんな彼の劇場用長篇第2作が「ユーズド・カー」だ。「バック・トゥ...」でのボブ・ゲイルとのコンビでスピルバーグ製作の本作。

 道路を面して並ぶ2軒の中古車屋。各々ロイとルークのヒュークス兄弟が経営していたが、絶えず対立していた。道路新設を耳にした兄ロイは弟ルークにある罠を仕掛ける。その出来事を機に2軒の対立は熾烈を極めるのだった。と物語だけ書けばシリアスなのだが、あくまで80年代初頭の古き良きアメリカンコメディー。むしろ奔放で品の悪さが身上。トップレス連発、あまりの下品ぶりに思わず笑ってしまう。

 車を扱った本作の画作りを見ただけで「バック・トゥ…」を彷彿とさせるし、4x4、叩き掛ける台詞も同じ。さらに「ロマンシング・ストーン」のルペの逃げ道まで登場する。まるで「ゼメキス・ジ・オリジン」といった作品だ。ただ演出は時代を感じさせ、ドタバタぶりが懐かしい。しかも主役、登場人物の一人を、スネークことカート・ラッセルが演じているから尚更可笑しい(製作は「ニューヨーク1997」の前年)。

 個人的に目立っていたキャストはアルフォンソ・アラウ。如何わしいメキシコ人バイヤーを演じていたが、のちの「ロマンシング・ストーン」でも再び売人として出演。その片鱗が見れて嬉しい。彼以外にもマーティのお兄ちゃんとか、ゼメキス作品の俳優が居た気がする。

 本作以降、ゼメキスの演出は時代に寄り添うように変化。そうした柔軟ぶりがゼメキスの身上に思う。それだけに本作の演出は貴重だ。最近コメディから遠ざかっているゼメキスだが、今の彼が作ったらどんな作品を作るのだろうか。

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