2020/07/12

「ハウス・オブ・カード 野望の階段 」シーズン1と2を観る

WOWOWで放送されている「ハウス・オブ・カード 野望の階段 」シーズン1と2を吹替版で観終えた。と言いつつ、WOWOWでシーズン2はまだ最終回に至っておらず。先般の豪雨で録画できなかった21章と22章。結局、Netflixで追い駆け、その面白さに追い越してしまった。

アメリカ。ウォーカー大統領の下、民主党下院議員院内幹事を務めるフランシス・アンダーウッド。大統領から国務長官就任を袖にされた一方、教育改革法案可決の票取りを任される。だがフランシスはその第一稿をワシントン・ヘラルドのゾーイにリーク、ウォーカー大統領の就任式前に報道させるのだった。

「セブン」のデヴィッド・フィンチャー監督が製作総指揮。主演のケヴィン・スペイシーも同じく名を連ねる。リアリティと漂う重厚感にフィンチャー色溢れる映像。政治の駆け引きとアクの強いフランシス=ケヴィン・スペイシーの役回りに引き込まれる。しかも隠された裏の顔こそ本作の真骨頂。だが裏の顔は作品を超え、そののち降板に至るとは...

作品中の裏の顔はルッソ、そしてゾーイの顛末に現れている。とにかく野望の階段を昇るためには容赦無し。そしてフランシスの真意は第4の壁を壊すセリフで我々に訴えてくる。時に自ら人間性を問う事もあるが、徹底してヒール。だからこそ魅力的な主人公。

その裏を知って知らずかフランシスの妻クレア。成り上がりのフランシスを助ける。もちろん彼女にも裏の顔、時に復讐のために身を晒す事もある。この夫にこの妻あり。演じるロビン・ライトは美しく、いろんな意味で引き込まれる。突然のフランシス、シークレットサービスとの件には参った。

さてこのシリーズ。フィンチャーの意向か、いやスペイシーによるものか。突然エロいシチュエーションに陥る回がある。英雄、色を好むといったところ。家族内鑑賞は注意するべし。

重要な役でのちのオスカー男優マハーシャラ・アリが出演。個人的に気になるのはダグことダグラス・スタンパー。フランシスを支える功労者。時折見せる善の顔が痛々しい。窓から覗いてあんな事されてりゃ落ち込むわい。

CVでは
フランシスを石塚運昇、ウォーカーを山寺宏一と「カウボーイビバップ」の名コンビ二人が充てている。そしてレイモンド・タスクが羽佐間道夫なのです。渋みを増した声で最初判らなかったが、この作品の重みを支えている。

着実に野望の階段を昇るフランシス。そしてシーズン3へ。ファイナルシーズンへの顛末は知りつつも、そこまでの道程が楽しみだ。

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2020/06/27

「仁義なき戦い」を観る

今日は盟友N氏と劇場で「仁義なき戦い」を観てきた。徐々に映画館は新作公開にシフトしつつあるが、まだまだ弾(タマ)は足らない。そんな時劇場で「仁義なき戦い」が観られるとは。この機会、弾(タマ)は逃せない。

第二次大戦終戦直後の広島呉。広能昌三はいざこざの中、闇市で力を伸ばす山守たちと出会う。そして山守たちに代わり、暴漢を射殺。刑務所に収監された。出所後、広能はさらに勢力を増した山守たちに迎い入れられるも、長老の大久保、勢力を分ける土居との仁義なき戦いに巻き込まれていく。

言わずと知れた東映最強のプログラムピクチャー。飯干晃一原作、実録任侠物としてシリーズ化され、第五作まで作られた。個人的にはこれまで輸入DVD (安価だがら)で観たり、東映チャンネルの集中放送を録ったりの作品でもある。

画面を通して感じる凄まじいエネルギー。深作欣二の演出に手持ちカメラの揺れは持ち味。シネスコ画面一杯に立ち尽くす菅原文太がカッコいい。土居暗殺直前、売女を抱く広能。そしてラストシーン、葬儀で銃を放った後に放つ名セリフ。最初から最後まで名シーンの連続。練りに練られた笠原和夫脚本の素晴らしさ。

それに限らず個性豊かなキャスト。梅宮辰夫、松方弘樹、渡瀬恒彦、田中邦衛、川地民夫にもちろん金子信雄。山守演じる金子のタヌキぶりは最終作まで続いていく。さらに川谷拓三や先日亡くなった志賀勝等、演者一人一人が見逃せない東映オールスター。彼らの一挙手一投足、表情を捉えるからこそ大画面が活きてくる。

個人的に印象的なのが、坂井暗殺のシーン。動、バイオレンスがメインの本作で、背景が玩具屋というコントラスト。襲われる坂井に心の中とは。直前、車中で坂井を予言する広能のセリフも心に残る。

もちろん忘れてならないのが、津島利章の音楽。メインテーマに限らず、血湧き肉躍る映像との相乗効果。「仁義なき戦い」を名作とする大きな理由でもある。

余談だが、原爆のスチルで始まる本作。エンドロール前、対照的に原爆のスチルで終わる「太陽を盗んだ男」。どちらも好きな作品だが、原爆や戦争を最大の暴力として扱うのは両作共通のアイデンティティーなのだろう。

最近の邦画は綺麗過ぎ、洗練され過ぎ、企画はボーイミーツガールばかり。それと比べて「仁義なき戦い」は対照的だ。バイオレンスである意味雑で荒削り。しかしこの疾走感は何事にも代えがたい。先日観た「マッドマックス2」にも共通する時代を超えた迫力。本当に劇場で観て良かった。最後に邦画に一喝...

「山守さん 弾(タマ)はまだ残っとるがよう」

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2020/06/20

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」を観る

今日は「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」を観てきた。「レディ・バード」のコンビ、監督グレタ・ガーウィグと主演シアーシャ・ローナンによる名作「若草物語」。若い四姉妹だけでなく、ローラ・ダーン、メリル・ストリープ、クリス・クーパーらベテランが脇を固める。

南北戦争時代のアメリカ、マサチューセッツ。メグ、ジョー、ベス、エイミーの四姉妹。従軍牧師の父と離れ、母と生活していた。隣の屋敷に住む幼なじみのローリーらと共に成長していく彼女たち。そんな中、ジョーは予てからの夢である作家を目指す。

昔、アニメや旧作のテレビ放送で何となく知っている「若草物語」。アニメは新田恵利の主題歌だったような。ジョーが髪を切って売るエピソードだけは記憶に残っている。そんな中、お気に入りのシアーシャ・ローナンが主演の「若草物語」とあって観に行く理由は充分。

本作独自と思うが、現在軸と過去が入り混じる構成。女性映画である事、序盤に戸惑うもエピソードの積み重ねで濃密な作品。手法だけは高度になった現代と違い、姉妹同士、人との関係性だけが彼女たちを成長させていく。上映時間の中でそんな姿が汲み取れ物語に引き込まれた。

女性の進出が遥か先の1860年代。結婚こそ女性の生き方だった時代。そんな中で目指す生き方、描く過程に時代は変わっても「レディ・バード」との相似性を感じる。描くは姉妹の巣立ち、それも女性監督グレタ・ガーウィグならでは、と思う。

そんな物語もさることながら、姉妹を演じる4人が上手い。等身大の演技が魅力のシアーシャ・ローナン。長女エマ・ワトソンは如何にもの年上感、繊細さに病に伏す三女エリザ・スカンレン、ピアノ・ソナタ ”悲愴”が沁みます。そしてジョーを食う程の存在感は四女エイミーを演じたフローレンス・ピュー。特に彼女の今後に期待したい。
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2020/06/17

「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観る

今日は「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観てきた。競馬ファンならビッグレッドファーム?と勘違いしそうなタイトル。原題は「THE BIGGEST LITTLE FARM」で最大で小さな農場...といったところ。舞台はアプリコット・レーン・ファームという農場である。

料理家のモリーは全ての食材を作り得る農場を夢見ていた。映像カメラマンの夫ジョンもその夢に興味。そんな中、殺処分されそうになった犬テッドの身元を引き受ける。だがアパートで犬を飼うには鳴き声等、環境は厳しい。ジョンはテッドのため、モリーの夢のため、夫婦二人で農場作りに乗り出した。

荒れ果てた農地に緑が芽生え始め、動物に樹木、生態系の相互関係の下に大成していく。記録として撮り始めた映像の力。一年一年、困難に立ち向かい、解決の糸口が見えた時、次なる経験となる。観察こそ大事。コヨーテら天敵でさえ、相互関係では重要だと知らされる。

豚のマギーのエピソードなど時に牧歌的、微笑ましいシーンも多い。挿入される動物、生物、虫たちの映像は監督でもあるジョンの面目躍如。

この作品の欠点があるとすればネガティブな面、毒となる存在が無い事。難敵、カリフォルニアを襲う嵐でさえ、自然の一部。自然と共存する事は一筋縄ではいかない。だがそう思わせないようどんなに悪い出来事も純粋に映る。

人を雇い、土地を改良し、樹木や動物を飼うのに資金の調達だってあるだろうし、ビジネス的な側面はほぼ描かれない。邦題の副題は「理想の暮らしのつくり方」とあるが、それ故やや弱い。この映画でさえ、牧場のプロモーションに思える。ただ穿った見方しかできない自分の考え過ぎかもしれない。

それでも本作はドキュメンタリーとしてこの農場のあり方を訴えるには十分だし面白かった。思わず土弄りがしたくなった。

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2020/06/13

「コマンドー4Kニューマスター吹替版」を観る

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「コマンドー4Kニューマスター吹替版」いよいよ静岡県東部、シネマサントムーンに登場。早速盟友N氏と観てきた。何しろ「コマンドー」は思い出深い作品。ロードショー時に劇場で、何度も再放送を観たし、以前WOWOW放送の吹替版を採り上げた事がある。それ以来最高の環境での我が記憶との答え合わせ。

物語は割愛。忘れてるシーンがいくつか。例えばモーテル以降の流れとか。記憶の中では武器屋に飛んでいた。でもインパクトあるシーンが多いのが「コマンドー」。同時期公開の「ポリス・ストーリー」と双璧となる、ショッピングモールでのアクション。さらに赤いオープンカーとシュワ登場の瞬間、その顛末、黄色いポルシェ追走するシュワに笑う。

この吹替はWOWOWでも放送されたテレ朝版。ベストメンバー、聴き慣れたキャストが嬉しい。当時のシュワは演技よりも筋肉だった時代。玄田哲章さんの声と共に演技力が倍増され、メイトリックスのユーモアあるセリフも味が出る。事件に巻き込まれ、掛け合うシンディ=土井美加さんもいい。

そしてもう一人爪痕を残したのがベネット役のヴァーノン・ウェルズ。こちらもシュワとの掛け合い、アクションが見どころ。そんな真のラスボスの声は石田太郎さん。奇しくも先日観た「AKIRA」(大佐役)繋がり。「マッドマックス2」でのヴァーノンといい、好きな作品は繋がり、付き合いが長く、しかも深くなる。

今回最大の発見はシュワ絶頂期の若い肉体美を再認識。
ボートを漕ぐ際の胸筋、上腕筋の盛り上がりとシワのコントラストがスクリーンに炸裂。テレビサイズではわかるまい。別にそっち系の気は無いが、やっぱ同じ男としてスゲーと思う。敵の島へ上陸、戦闘準備に入り、銃を肩に乗せ立つ姿がカッコいい。タミネ撃ちと呼ばれたUZI片手撃ちにも感激。

80年代でジョエル・シルバー印、シュワのアクションを完璧な吹替版で満喫。昨夜TVで観た「バック・トゥ・フューチャー」と同様、本作もオールデイズな作品なのだと思う。

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2020/06/08

「AKIRA【IMAXレーザー版】」を観る

今日は念願の「AKIRA【IMAXレーザー版】」を観てきた。元々は4月上映だった作品。コロナ禍、緊急事態宣言終了を経ていつまで上映しているか判らない。思い立ったら吉日。

今回の
IMAX版は4Kリマスター上映。30年前の作品だけに画質向上の恩恵は小さい(時にピンボケ箇所もあったり、ただこれはマスターの問題)。だがIMAXに最適化されたかのような音が凄い。オープニング、タイトルバックの打音から、大団円、エンドロールと音は別物、明らかに違っていた。

そもそも芸能山城組の音楽はレンジが広く、しかもバイノーラル録音による包囲感が特徴。ヘッドホンで聴くと音が回る回る。

しかしこのIMAX版は明らかにシアターサウンド。刺激的な重低音は鳴りを潜め、全帯域フラットな味付け。個人的にはLD版が至高だが、最近聴いたAKIRAの音の中ではベストと思う。あくまでこの音が自宅で再現できればだが。

さて先に述べたようにこのリマスター、画質面の恩恵は小さい。冒頭から映像の持つ疾走感、相応の大画面の迫力は想像通り。だがIMAX版の真骨頂は物語後半にあった。

オリンピック会場、アキラを納めた球体が浮上する構図。そして鉄雄と金田、SOLとの攻防。SOLがデカい。さらに大佐と鉄雄の対峙、背景はオリンピックスタジアム。何という巨大感。大友克洋はここまで考えて構図を決めたのか?画の印象の違いに唖然。

これまで「AKIRA」はテレビサイズ、42インチ、70インチで観てきたが、これほどに別物と感じるとは思わなかった。暴走する鉄雄、表現の緻密さといい、アキラの覚醒となるクライマックスでは音の迫力と相まって放心状態。エンドロールで「金田」のテーマを噛み締める。帰りの車中で再度聴いたのは言うまでもない。

とにかく近場でIMAX版AKIRAが上映されるのなら絶対観に行くべき。

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2020/06/07

「マッドマックス2」を観る

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今日は劇場で旧作「マッドマックス2」を観て来た。オーストラリア産、1981年12月公開のお正月映画。メル・ギブソン、ハリウッド進出の足掛かりとなった大ヒット作。公開後、アクションだけでなく、様々なカルチャーに影響を与えたのはご存知の通り。

大戦により文明が崩壊した世界。人々は暴力と略奪の下に生きていた。マックスは石油精製設備を持つ砦を見つける。だが同じく暴力組織を束ねるヒューマンガスもその砦を狙っていた。砦のリーダー、パッパガーロはマックスの手腕を買い、砦脱出のトレーラー運転を彼に託す。

公開当時、中坊だった頃。まさに映画は娯楽で友達と一緒に出掛けるイベントだった。時同じく映画チラシブームで本作のチラシも持っている。ただ残念ながら「マッドマックス2」は劇場で観なかった。

その後、ゴールデン洋画劇場で何度もテレビ放送され、マックス=柴田恭兵の吹替で観た。でも時の流れによる記憶の薄れ、シーンカット、小さなテレビでは伝わらない迫力。それを補いたくて今回の機会に観に行った。そしてそれは正解だった。

確かに最新作「怒りのデス・ロード」の迫力、スピード感は素晴らしかった。それに面白かった。でも洗練され過ぎた感は否めず。その答えが「マッドマックス2」にあった。とにかく荒削り。一部、速回しを使う等、過度と思える演出もある。でもそれを補う程の迫力。それが今、シネスコ画面いっぱいに展開。もう唸るしかない。

加えてオリジナリティーあるビジュアル。プロテクタースーツにモヒカン、世紀末カー&バイクのオンパレードに加えインターセプターV8。もし本作が無かったら、マンガ「北斗の拳」は違った作品になっていただろう。「怒りのデス・ロード」でさえ、本作を追ったリブートでしかないのだから。

暴力という人間の根源を描きながら、ヒーローを求める。西部劇へのオマージュ。しかしマックスはアンチヒーロー。その価値観が素晴らしい。そしてパッパガーロの思惑が判った瞬間、何とも言えない味わいを感じるのです。ジャイロ・キャプテンら個性あるキャラに溢れるユーモアも見逃せない。「マッドマックス2」はジョージ・ミラーの代表作というだけでなく、映画史に残る傑作。

追伸.
本作で気を吐いたヴァーノン・ウェルズ。東映ヒーローか?あんな身軽なキャラだったんだ。そして近々、彼の出たもう一つの代表作を観に行きたいと思います。

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2020/06/06

「男はつらいよ」(4Kデジタル修復版)を観る

今日は映画館で「男はつらいよ」4Kデジタル修復版を観てきた。コロナ禍の最中、映画館は旧作であふれている。「男はつらいよ」は日本が誇るプログラムピクチャー。原体験、昔は寅さん大会なんてのもあった。これまでテレビで何度か観たけれど、第一作はまともに観た事が無かった。年始に「お帰り 寅さん」を観た経緯もあって足を運んだ次第。

東京浅草、帝釈天の団子屋とらや。20年ぶり、伯父夫婦に育てられた妹のさくらへ会いにやって来た寅次郎。感動の再会もつかの間、さくらの縁談をぶち壊してしまう。そんな時、寅次郎は隣の印刷工場に務める博に呼び出され対決する事になる。

実質48作続いていく中のファースト寅さん。テレビで見る寅さんは面白いが、劇場で観る寅さんはもっと面白い。これぞ劇場体験、大スクリーンに映る寅さん。立板に水の如き口上、一挙手一投足、表情に笑いが溢れるコメディアン渥美清の真骨頂。本作で何処か憎めない寅次郎は既に完成していた。おいちゃんの「バカだね〜」の一言のたび、思わずニヤけてしまう。

「お帰り 寅さん」でも思ったが、倍賞千恵子の輝き、可愛さといったら凄い。4Kデジタル修復版だからではない。ホント可愛いんだから。そりゃおいちゃんおばちゃんに啖呵を切っても、寅さんもさくらには頭が上がらないよ。ちなみに縁談壊したお見合い相手が広川太一郎とは思わなかった。セリフはほぼ無く、美声は聞けなかったけど。

さくらと博の仲を取り持ちながら、御前様の娘に惚れる寅次郎。ギャンブルに焼き鳥屋とデートするその姿が可笑しい。これってこち亀の両さんだよな。同じ浅草をホームとするこち亀が、寅さんにインスパイアされたのはいうまでもない。

第一作にしてロードムービーの要素、マドンナにふられるフォーマットも完成。笑って、笑って、そしてちょっとだけしんみり泣かせる。山田洋次の脚本もさることながら、山本直純の音楽がいいんだな。帰り道、寅さんになったような、つい主題歌を口ずさんでしまう。そんな昭和体験ができて楽しかった。
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2020/05/25

「国家が破産する日」を観る

緊急事態宣言解除で約2ヶ月ぶりに劇場で映画「国家が破産する日」を観てきた。英題は文字通り「DEFAULT」。韓国を舞台に1997年のアジア通貨危機、その顛末を描いていく。

1997年韓国。経済好調に反し、国内金融は不良債権が増大。状況悪化を察知した韓国銀行の通貨政策チーム長ハンは政府と共に対策に立ち上がる。時同じく海外からの資金引き揚げを察知したユンは会社を辞め、金融コンサルタントとして大きな賭けに出た。

金融危機に取り組むハン、劣勢に立たされる食器工場経営者ガプス、これを好機と動く金融コンサルタントのユンの姿が描かれる。三者三様、それぞれの立場で物語は進む。

わずか七日間の出来事。瞬く間にウォン安が進み、政府とハンは追い込まれる。いやこの政府にとって折込済みか。韓国にとって民族分断が朝鮮戦争なら、格差による人民分断が本作の描くところ。あの「パラサイト」にも繋がる背景。大企業を保護し、中小企業に非正規社員は切り捨てる。この点、国は違えど起きる出来事は一緒。

問題は史実通り。IMFが介入しメデタシメデタシ…ではなく、そこからが本番。韓国政府の容認した金融緩和とアメリカへの買い叩きにある。金融緩和なんてある意味手打ち。いや反論の余地無し。交渉役IMF専務理事をヴァンサン・カッセルが演じているが、フランス人の彼だからこそしがらみなくキャストされたのでは?と勘ぐってしまう。

前半あまりにテンポが良過ぎてついて行くのに必死。金融に長けていないと辛いかも。三人の登場人物のどの立場で観るかで印象は変わる。観ていて思うのは状況を見渡す姿勢と必要性。しかもそこにキレイ事はない。そして二度と失敗しない事、生き抜く事こそが大事だと思い知らされる。

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2020/05/04

「コンディション」を観る

巣篭もり対策で今月からNetflixを契約。そこで観たのが「コンディション」。2011年公開、スティーブン・ソダーバーグ監督作品。ソリッドな作風もさることながら、この映画の出来事は公開から9年後の今、現実のものとなってしまった。

会社重役のベスは香港出張を終えて帰国。空港で咳き込むベス。家で出迎えた夫のミッチとその息子は彼女の異変に気づく。そして緊急搬送先でベスは原因不明の死を遂げる。時同じく世界各地で同様の死因者が現れた。WHO、米国のCDCのメンバーはその原因を探るべく調査を始めるのだった。

映画は空想や過去を描くだけではない。時に我々への警告も描く。

ご存知の通り、全世界はコロナ禍にある。この映画のストーリーラインはまさにそのもので中国、香港を起点にウイルスは全世界へ伝播していく姿が描かれる。そこに関わるアプローチ、出来事は、今後目の前で起こるかもしれない。生死に関しクールで平等。ネットにマスコミ、玉石混交の情報が入り乱れるのも現実通り。

映画では暴徒化した市民が店や民家を襲う描写があったが、現実は幸いそこに至ってはいない。でも日本のコストコでマスクに群がる様を見ると紙一重かも。いやこれから起こるかも。

この映画で辛辣なのはWHOにCDC、国家や企業間の利権争いに言及している事。収束に向けてワクチンが開発される過程、その後にあり得る。しかもワクチン提供イコール、全て終わりとは限らない。米国内の提供順に誕生日が使われていたが、そうなれば最大365日要する事になる。

現実に戻ると、WHOは中国推しのテドロス事務総長だし、ワクチン製造と提供は一筋縄ではいくまい。映画以上に中国の影響力は大きい。自国重視のトランプも黙ってないだろう。治療薬でさえ、争奪戦が繰り広げられている中、我が宰相の政策とダメダメさはとても心配でならない。

閑話休題。映画としては豪華スターが集い、ソダーバーグらしい映像でサスペンスフル。でも何より、この映画を見入る動機は現実が追いついた事に尽きる。そして我々へその先にあるものも見せていく。だから今こそこの作品を観て欲しい。

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