母の介護のため、実家住まいに戻る(その5):親のかかりつけ医は重要
認知症の家族を持つ身として如何に初動が大事だと痛感する。認知症発覚までは母たちと同居していなかったので、顔を合わせた僅かな時間でそれを汲み取れるかが重要だった。ただ同居していた父でさえ、母の老化と認知症の区別が付かなかったくらいだから、所詮家族の判断だけでは難しいかもしれない。
そんな時、かかりつけ医の存在がクローズアップされてくる。母は月一、近所のかかりつけ医から血圧の薬を処方されてきた。問診もあるわけで医者と患者間で相応の会話がなければならない。しかし、だ。認知症発覚以前であっても母は難聴ゆえに会話するには相当な労力を要していた、はず。
問診なら体調の変化も聞いてくるだろうに、そのかかりつけ医はちゃんと聞きもしなかったと思う。血圧測って、時々血液検査して、お決まりの処方箋を出すだけ。その医者にとって後期高齢者は黙ってお金を持ってくるカモネギ、ズバリ格好のお客さん。昔、同じ医者の問診を受けたが、横柄で良い印象はない。
数年前、父に医者を変えたほうがいいと進言したが、「ご近所(への気遣い)だから」と拒否された。もしかかりつけ医を変えて、その医者が異変に気づいていれば…いや、そもそもその医者がちゃんと問診をしてくれていれば、と思う。
それを後悔した出来事がある。認知症発覚後、父から「(母の)歯医者をお前の行っているところに変えて欲しい」と頼まれ、母を連れて行った。すると入れ歯の清掃ができていないと歯医者からの指摘。そもそも歯医者に行くまで入れ歯の事は聞いてなかったし、アップになった歯茎の映像には精神的に大きな衝撃を受けた。
たぶん母は入れ歯を作った歯医者からメンテ、使用していくか説明を受けたはず。だが父でさえ、母が入れ歯を洗っている所を見た事が無かったという。元々難聴を理由にちゃんと話を聞かない母だったが、認知症の初期段階が重なったのも災い。父も母一人で遠くの歯医者に行っていると過信していた。
歯医者さんの提案で月一、歯茎の清掃する事になった。会社へ介護を理由に月二日から三日は早退を申し出ているが、今はさらに歯医者の予定も組み入れている。認知症の家族を持つ身としてはお医者さんに正しい情報を伝え、生活と症状軽減のために最善を尽くすしかない。
またそんな不満、後悔もあって両親共、信用のできる自分のかかりつけ医に変えました。また高齢のご家族を持つ方(特に遠方)には一度かかりつけ医の問診に付き添う事をお勧めします。
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