2021/03/31

「ウマ娘」受け入れ難し

TVCMも多数打たれる人気のスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。以前、派生したアニメシリーズの第1話を観たが、正直受け入れる事ができなかった。

どうやら競走馬を女の子に擬人化、実際の競走馬のルックスとエピソードを織り交ぜたものらしい。所詮はゲームと割り切れる大人じゃないので、この設定がまずダメ。競馬の魅力を微塵も感じないもの。原体験、これまで競馬を観てきた来た者にとって全てが我慢ならない。

競馬は牡馬(男馬)、牝馬(女馬)がレースを競う。しかし擬人化されてゲーム、アニメは女の子だけが登場。アニメ第1話を観る限り、主人公はスペシャルウィークで実際は牡馬。「ウマ娘」では皆んな女の子になって、父子が紡ぐ血統のスポーツである部分は一切伝わらない。スペシャルウィークとサイレンススズカが同じサンデーの子という背景はアンタッチャブルなのか。

ウィキの物語解説を読むと怒りは増してくる。当時外国産馬であるエルコンドルパサーはダービーに出れなかったし、スペシャルウィークと同着はあり得ない。2着のボールドエンペラーをぶっちぎった。武豊念願のダービー初制覇に母馬キャンペンガールの運命、関係者の姿は何処にも無く、コンセプトは可愛く明るくスポ根が信条らしい。

実話を映画やドラマにする際、脚色される事が多いが「ウマ娘」の世界観は範疇を遥かに超え、原型を留めていない。実際の競馬の感動はその比でない。
牝馬のウオッカがダービーで牡馬を蹴散らす光景は現実でこその快挙。牝馬が再びダービーを勝つまで64年掛かってんだ。競馬マンガなら「みどりのマキバオー」のほうが何万倍、いや数字に表せないほど感動的だよ。

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2020/09/30

静岡県立美術館「富野由悠季の世界」へ行く

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今日は静岡県立美術館で開催中の「富野由悠季の世界」へ行ってきた。先週連休後の休館日と知らずに行ってのリベンジ。どっぷりと富野ワールドに浸り、昼飯も食べずにぶっ続けで楽しんだ。

なお展示は撮影禁止なので、入口だけをパシリ。平日だけど人の入りは7割くらいと多めだった。

展示は富野監督の学生時代、大学までの制作物、虫プロ時代の資料、そしてフリー、サンライズ以降の作品群に分けられる。もちろん展示はサンライズ以降の作品に大きく割かれていた。だがそこまでの道程にこそ、富野監督のきめ細かな視点、原点が伺える。入口間際には監督の父親が戦中に関わった与圧服のレプリカも展示され、これってノーマルスーツじゃんと思わせる。SFへの関心はここから始まったようだ。

ガンダムでは安彦良和、大河原邦男、イデオン、ザブングル、ダンバインでは湖川友謙、エルガイム、Zガンダムで永野護、ターンエーではシド・ミードに安田朗。今回「富野由悠季の世界」であると同時に富野監督と彼らアーティストとの化学反応を見せられた思い。そして今も続く創作意欲。

展示で長く足を留めたのは、勇者ライディーン、ザンボット3、ガンダムシリーズ、そしてイデオン。以下はその雑感。

ライディーンはOP、EDのコンテにその映像が懐かしく、ザンボット3は最終回のドンデン返しに関し解説。企画段階で方向性は見えていたようだ。

機動戦士ガンダムは第1話「ガンダム大地に立つ」をフィーチャー。立ち上がってザクを仕留めるまでの流れが絵コンテ、解説と共に理解を深める。ガンダム、上手からの攻めにサーベルの持ち手の意味まで考えつかなかった。40年以上経た今、驚きを隠せない。

劇場版「めぐりあい宇宙編」、コンスコン隊の戦況をTVで見つめるララァとシャア。この件の意味、そして身を挺してシャアを守る心理の裏。当時の小学生目線のままで気づけなかった。

ターンエーガンダム、黒歴史という言葉への想い。戦中生まれの監督。解説を読んでいると戦争の風化、監督曰く「忘れる時は一千万人単位」と心に残る。過ち、伝統を祭りにのせて後世に残す意味。ターンエーでお祭りのシーンが多かった意味もわかった。

中でもイデオンは見直したいなと思わせる。ロゴデザイン、メカ、物語へのこだわり。異文化、テーマの深淵さに改めて触れる。メカデザイナー山根公利製作のプラモ、ガンガルフの展示に富野監督との逸話も良かった。

展示の中程でプロモデラーMAX渡辺の作品群を鑑賞。素人時代「ホビージャパン」に載った1/60グフとザクを含め、近作メガサイズガンダムまで多数。初期に手がけたグフの手書きマーキングがいい。これに限らず、お宝なおもちゃ群も懐かしさでいっぱい。

開館から4時間、気がつけば午後2時。圧倒的な物量、これらをまとめた方々に恐れ入る。もう少し見て居たかったけど体力がもたない。本気で見たら一日で終わるだろうか。手書きの資料では字が見えない事も...メガネ作っておけばよかった。会場で買った記念本を読みつつこれからも「富野由悠季の世界」を楽しみたい。

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2018/09/28

「ガンダムデイズ」を読む

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週末に届いた小田雅弘著「ガンダムデイズ」を読んだ。作者の小田さんは伝説のモデラー集団ストリームベースの中心人物。今の子達には川口名人が頭に浮かぶだろうが、我々世代はまず、小田さんなのである。

ガンプラブームの頃、その牽引の一つであった「月刊ホビージャパン」とその別冊「HOW TO BUILD GUNDAM」。さらに「コミックボンボン」が創刊、ガンプラがフィーチャーされ、裾野を広げた。その渦中にいた著者が当時を回顧した雑誌連載、それらをまとめたものが本作となる。

ちなみに「月刊ホビージャパン」でガンプラが取り上げられた当時は中学生、購読者だった。ガンプラをキレイに作る事など出来るはずもない。手にした「ホビージャパン」に注ぐ目は写真集的、作品の出来を超えた世界観を楽しむものだった。「HOW TO BUILD GUNDAM」のトリプルドムはアニメの世界を飛び出していた。

その続編「HOW TO BUILD GUNDAM 2」で目立っていたのが、徹底工作と題された1/144ジオングだ。比肩無きクオリティーとそのディティール。キットとは別物。再構成されたボディとシャープなラインは小田さんのイマジネーションと高い工作力の賜物。初見当時、度肝を抜かれた事が思い出される。本著でもターニングポイントの一つとしてこのジオングの事が取り上げられていた。学生モデラーゆえ試験シーズンとの横睨みの中での取り組み、その過程が興味深い。

もう一つ、イマジネーションの賜物がMSVだ。大河原邦男氏のイラストから派生、「HOW TO BUILD GUNDAM 2」でも黒い三連星MS-06Rザクが発表された(同誌面ではゲルググキャノン他多くのMSVが登場)。その後、バンダイが本格的にシリーズ化を進めるが、まさに小田さんの存在ありきだと判る。AFV、飛行機モデラーとしての知識を活かし、裏方としてその世界観を広げていく。

この本を読んでいて楽しいのは読者として表舞台を知っている事で、今回裏側に何が起きていたか判る事だ。メディア、ライター、モデラー、キーマンらよく知る各人の名、点が線で繋がっていく。そしてそれぞれで化学反応が起き、現在までのガンプラの潮流となる。その一つ一つに裏付けされた根拠と経験。フルアーマー、パーフェクト、レッドウォーリアとガンプラの系譜、顛末も楽しく読ませてもらった。

そして何より原点はザクへの拘り。大河原ザクへの追求、イマジネーションによる補間。振り返り今見ても「HOW TO BUILD GUNDAM」での作品群は引けを取らず、しかも色褪せない。第一次ガンプラ世代、殊更当時、「ホビージャパン」「コミックボンボン」を読んでいた人には堪えられない本だ。

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2016/09/11

「メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人」を読む

 大河原邦男著「メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人」(光文社新書)を読んだ。きっかけは5月に放送されたBS朝日「ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~」での一編。ただ録っておいて観たのは先日。元々ガンダム熱というより別の熱さを持つインタビュアー松岡修造に違和感を持ったが、自らのデザイン哲学を冷静に"職人"と言い表す大河原さんと対照的、ミスマッチさは面白かった。そして番組の題材とされたのが本著だ。

 自分はアーティストでないと言い切り、熱い技術論を戦わすような本ではない。タイトルの通り、大河原さんのスタンスはこの仕事に携わった時から変わっていない事が判る。特にアニメ黎明期、スポンサーとの関係、求められるものへの回答が当時のデザインであった。基本的なアニメ業界の成り立ち。おもちゃを遊ぶ子供たちを念頭に置いたデザイン(主役メカ)、取り組む姿はやはり職人と言える。

 タツノコプロからキャリアをスタートさせた事、デザインの分業制等、自身への影響が語られている。中村光毅氏(タツノコ時代の上司、ガンダム美術設定)との関係、タツノコ作品でのキャリア経験、そして機動戦士ガンダム第1話試写の衝撃。読んでいく自分にほぼリアルタイムである出来事だからこそ、読み応えを感じるエピソード。撒かれた種、そして現在へ。気が付けばあっという間に読み終えてしまった。

 アニメ業界の仕事本として読んだ場合、その現実に落胆する面があるかもしれない。しかしどの業界であれネガティブな側面はある。しかも仕事="生活のため"という部分は逃れられない。だからこそ職人に徹する、心構え等、社会人にとって感じるものは多い。もちろん実力無くしてはここまで語れないし、大河原さんの仕事は我々世代の血や肉になっている。それを一緒に回顧する意味でも本著は興味深い一冊だ。

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2014/05/03

MG 1/100 RB-79 BALL Not Ver.Kaを作る

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 MG 1/100 RB-79 BALLを作ってみた。1/100スケールはVer.Ka(カトキ版)でメカメカしいデコレーションが施されている。それが個人的にどうもいただけなかった。ファーストの中におけるボールの立ち位置は所詮ヤラレメカ。であるのならできるだけアニメ版に近づけたくなった。これまで素組みにトップコート仕上げで臨んでいたところを一念発起、アニメ版に近づけるべく自己解釈の改造を加えてみた。

 改造点を挙げると以下の通り。
・ボール頭上部?バーニア?の穴埋めとスジ彫り追加。
・前部2カ所のバーを取り除いて穴埋め。
・サブアームは取り付けない(だけ)。

 パテ盛りなんて第一次ガンプラブーム以来、しかもど下手な技術で何処までできるか。まずは素組み後、一旦解体。頭部カバーを0.3mmプラバンで裏貼りし、タミヤパテで整形した。同様に前部バーの取り付け穴も穴埋め。整形は鉄ヤスリと耐水ペーパーで行ない、スジ彫りした。整形後はサーフェイサーでキズチェックと外装の色統一を図る。その後、人生初のエアブラシにてアニメ版をイメージして塗装。水性ホビーカラーをすみれ色をベースに白を加えたものを吹いている。スミ入れとデカール貼り後、トップコートで仕上げた。

 本当はボール頭下部の整形をできるだけ球形にしたかったが、他パーツとの兼ね合いから穴埋めに留まった。またアニメ版で印象的な縦のスジ彫りも技量を考えオミット。入院前にパテ盛りと整形、サーフェイサーまでは終えており、退院後に上記の仕上げとなった。なおネットで見たMGボールの作例から内部フレームは赤で仕上げたが、写真を撮り忘れてしまった。

 Ver.Kaの白気味の成型色に比べ、吹いた色のほうがしっくりくる。穴埋め後の整形とスジ彫りも「らしく」仕上がった。まぁ素人の作品にしては上手くできたと思う。サブアームを付けた写真も載せたが、それなりには似合うが、やっぱりアームはオリジナルのほうが良い。是非、MGジムVer.2.0とセットでどうぞ。

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