2018/09/28

「ガンダムデイズ」を読む

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週末に届いた小田雅弘著「ガンダムデイズ」を読んだ。作者の小田さんは伝説のモデラー集団ストリームベースの中心人物。今の子達には川口名人が頭に浮かぶだろうが、我々世代はまず、小田さんなのである。

ガンプラブームの頃、その牽引の一つであった「月刊ホビージャパン」とその別冊「HOW TO BUILD GUNDAM」。さらに「コミックボンボン」が創刊、ガンプラがフィーチャーされ、裾野を広げた。その渦中にいた著者が当時を回顧した雑誌連載、それらをまとめたものが本作となる。

ちなみに「月刊ホビージャパン」でガンプラが取り上げられた当時は中学生、購読者だった。ガンプラをキレイに作る事など出来るはずもない。手にした「ホビージャパン」に注ぐ目は写真集的、作品の出来を超えた世界観を楽しむものだった。「HOW TO BUILD GUNDAM」のトリプルドムはアニメの世界を飛び出していた。

その続編「HOW TO BUILD GUNDAM 2」で目立っていたのが、徹底工作と題された1/144ジオングだ。比肩無きクオリティーとそのディティール。キットとは別物。再構成されたボディとシャープなラインは小田さんのイマジネーションと高い工作力の賜物。初見当時、度肝を抜かれた事が思い出される。本著でもターニングポイントの一つとしてこのジオングの事が取り上げられていた。学生モデラーゆえ試験シーズンとの横睨みの中での取り組み、その過程が興味深い。

もう一つ、イマジネーションの賜物がMSVだ。大河原邦男氏のイラストから派生、「HOW TO BUILD GUNDAM 2」でも黒い三連星MS-06Rザクが発表された(同誌面ではゲルググキャノン他多くのMSVが登場)。その後、バンダイが本格的にシリーズ化を進めるが、まさに小田さんの存在ありきだと判る。AFV、飛行機モデラーとしての知識を活かし、裏方としてその世界観を広げていく。

この本を読んでいて楽しいのは読者として表舞台を知っている事で、今回裏側に何が起きていたか判る事だ。メディア、ライター、モデラー、キーマンらよく知る各人の名、点が線で繋がっていく。そしてそれぞれで化学反応が起き、現在までのガンプラの潮流となる。その一つ一つに裏付けされた根拠と経験。フルアーマー、パーフェクト、レッドウォーリアとガンプラの系譜、顛末も楽しく読ませてもらった。

そして何より原点はザクへの拘り。大河原ザクへの追求、イマジネーションによる補間。振り返り今見ても「HOW TO BUILD GUNDAM」での作品群は引けを取らず、しかも色褪せない。第一次ガンプラ世代、殊更当時、「ホビージャパン」「コミックボンボン」を読んでいた人には堪えられない本だ。

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2016/05/12

バンダイ「スター・ウォーズ 1/12 ダース・ベイダー」を作る

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 C-3PO/R2-D2に続き、バンダイ「1/12 ダース・ベイダー」を作ってみた。難易度はC-3POとR2-D2の中間。むしろ3POに近いが、塗装が生じる点からやや難しといったところ。塗装必要箇所は生命維持装置のモールド部、ベルトのバックル、ライトセーバーの持ち手、ヘルメット内の後頭部。持ち手、後頭部以外はシールが用意されているが、手持ちのガンダムマーカー(With 爪楊枝)で対処した。さすがに後頭部は塗装したが、いずれ白めに塗り直したいと思う。

 このベイダー、パーツ全体で優れているのは、あらかじめつや消し箇所は処理されている事。だから基本的に先の塗装必要箇所を除き、そのまま組み上げる事ができる(シール使用で)。ただ説明書の塗り分け通りに黒をつや消しの有無、調色を加え、エアブラシで吹いている。また目の部分も指定通りにクリアオレンジを塗った。僅かな色差も良く見るとアクセントとなる。

 このベイダーはアクションフィギュアであるが、せっかくの可動も同じプラ製のマント部がスポイルする。動かすたびマントが外れるのは結構なストレスだ。もっとも劇中のベイダーは大きな動きはあれど、派手な殺陣ではないため、いっそマントは固定してもいいかもしれない。

 お膳立てができたところで同スケール、手元にあるS.H.Figuarts ルーク・スカイウォーカー(Ver.EP6)と戦ってもらった。その姿、なかなかのもの。ライトセーバーを交える写真は劇中を意識し、ホワイトバランスを変えてみた。ベイダーは同じS.H.Figuartsにもあるが、コストパフォーマンスは圧倒的にプラモシリーズが上。個人的にはこれで十分。ストーム・トルーパー、ボバ・フェットと次々と欲しくなる。

 実はC-3PO、R2-D2、ダース・ベイダーが揃ったところである野望が浮かんだが、それが具体化した時にご披露したい。

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2016/03/13

バンダイ「スター・ウォーズ 1/12 C-3PO/R2-D2」を作る

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 久々のプラモ作り。題材は遅ればせながら「スター・ウォーズ」のR2-D2/C-3POのコンビ。ただキットはC-3POは単体、R2-D2はR5-D4、またはBB-8とのセット売りとなっている。先行してメッキパーツのC-3POを素組みで完成させ、追ってR2-D2(R5-D4とのセット)を作った。

 C-3POに関しては何も言う事はない。合わせ目はあるが、メッキパーツが光り過ぎて気にならない。腕は固定肘または可動肘の2種用意され、好きなほうを選べる。腰の配線もシールで再現、爪楊枝でならせば配線したかのように見間違う出来。審査に厳しいルーカスフィルムを相手にした完成度、スナップフィットで組み上げられる単純さ、さすがはバンダイと思う(稀に期待を裏切るが)。

 一方のR2-D2もほぼ完ぺきに近い作りながら合わせ目があり、特に頭部は目立つ。別途頭部を組んだ後にパテ処理、ペーパー掛け、マスキング後にシルバーを塗装。ドーム型の頭部がきれいに仕上がった。本体部は下地に黒を、その後ボディーカラーの白を吹いた。青の部分は下地シルバーにクリアーブルーとした。全体にトップコート(半光沢)で仕上げ。

 なお頭部の丸い点灯部はネイルアートに使うラインストーン3㎜を使用。クリアレッドとクリアイエローを塗って貼り付けている。レンズや角型点灯部は100均の光るテープを使用。これだけ手を掛けると素組みとは違った出来栄えになった。アーム等取り付けパーツもあるが、3POとのディスプレイが前提のために作っていない。イメージはエピソード4エンディングの授与式。だからR2-D2のスミ入れは下品になるかと止めている。

 C-3POとR2-D2のツーショットはこれまで何度見たことか。それが手元にあるだけで感慨深い。さらにルークにハン・ソロ...やっぱ個人的にはクラシック「スター・ウォーズ」(エピソード4~6) なんだよね。ルークのS.H.フィギュアーツが欲しくなった。ハン・ソロ、レイアもエピソード4で出してよ!

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2014/06/15

フィットシャトルハイブリッドをオレ色仕様にする(完結篇)

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 ダービー観戦を挟み、実は"オレ色仕様"にする計画は着々と進んでいた。シリーズ2回目にして完結篇、色剥がし、下地作り、リペイント、仕上げである。

 色剥がしに6日間漬けていたボディを取り出す。塗装はひび割れ、浮いた状態となっていた。これを丁寧に剥がしていく。ここではもちろんゴム手袋必須。すると間もなく白いボディが現れた。これを水洗いしながら、歯ブラシを使いながらさらに残った塗装を剥がす。完全に塗装を剥いだところでボディは1週間程乾燥させた。

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そして塗装プランは次の通り。
1.黒で下地作り。
2.ターコイズパールを吹く。
3.クリアで仕上げ。

 カーモデルのボディ塗装としてオーソドックス。カギは1と2になる。実車のホライズンターコイズパールを実現するため、Mr.クリスタルカラーが必須だった。このパール塗料は下地色に反映され、色調を変える。大雑把に言えば青緑のホライズンターコイズパールを前提とした場合、黒の下地としたターコイズパールが適しており極似していた。最初は色を作る事も考えたが、素人が手を出すよりも結果、最良の選択となった。

 エアブラシで黒を吹く。ラッカー系重ね塗りを踏まえ、同じMr.カラーを選択。さすがに乾燥は速い。1時間半の間、黒吹きと乾燥を繰り返す。全体に黒が行き届いたところでいったん休止。一週間後の翌週に持ち越した。作業上発生したキズはここで修正。1500番ペーパーで水研ぎ。再度、黒を吹いて下地は終了した。

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 そしてボディ塗装のメインイベント、ターコイズパール吹きだ。この塗料はエアブラシ専用といっていい。グリルなどをマスキングした後、色を少しずつ重ね、仕上げていく。吹きと乾燥の合間、パール成分が溶剤の底に沈殿してしまうため、色吹きをする直前に"うがい"を必ず入れる。そして吹いてみると少しずつ青みを帯びてくる。色を重ねていくと緑が強く出てきたかなぁと感じたのでパール吹きは終了。重ね加減、やり過ぎに注意したいところだ。

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 仕上げはMr.スーパークリアー(光沢)。何度か吹きと乾燥を繰り返し、途中1500番ペーパーで水研ぎを入れる。水研ぎの後、ボディを触ってみて平滑である事を確認していく。ただ研ぎ過ぎて色が剥げてしまっては水の泡。なるべくクリアーを厚く吹き、乾いたところでまた水研ぎ。やがてクリアーが馴染むとあの実車の色、ホライズンターコイズパールとなり、最後に仕上げの厚吹きを施して乾燥。外しておいたパーツを元に戻していく。そしてまるで実車のようなフィットシャトルが現れた。

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 塗装剥がしで無くなったリアのロゴプレートは写真を縮小してシールで再現。実車のナンバーも同様に縮小して貼ってみた。息子曰く家の車と同じ、なかなかの感動ぶり。付属のディスプレイケースに戻すとこれまた見栄えがいい。今回はボディのみに手を入れたが、カーモデル作りもなかなか楽しいものだと思う。

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2014/05/18

フィットシャトルハイブリッドをオレ色仕様にする(1)

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 ホンダのサイトではディーラーに置いてあるカラーサンプルのミニカーが売られている。実はフィット3が発表になる前に念のため、買っておいたのだ。我が車の色はホライゾンターコイズパール。だがガソリン車と併売のため、そちらにその色は用意されているが、フィットシャトルハイブリッドにない。フロントグリルやライトカバーはハイブリッド仕様なため、明らかにガソリン車と異なる。そこでハイブリッドにあるアラバスターシルバー・メタリックのミニカーを購入し、オレ色仕様にすべく計画した。

 まずボディをバラしてみる。裏のネジを外すとボディが取れる。そこからは慎重な手触りでパーツを外していく。外すというより剥がす感じ。プラモデルと違いパーツ請求ができない一発勝負。ボディ裏をみると各パーツは凸部を焼いて潰してあるため、そのバリを爪で剥がしつつ外していく。一時間近く掛け、ほぼ破損なく全パーツを外す事ができた。

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 そして新しい色を塗るためには今の色を剥がすしかない。ただどんな塗料が塗られているか判らない。一般的にはラッカー系のうすめ液が挙がるらしいが、素材がプラっぽいため、劣化が懸念される。そこでググってみると「ガソリン車の水抜き剤」が最適との情報を得た。仮にABS材でも大丈夫らしい。表面の塗料を剥がすのには最高一週間近く掛かるという。ボディが入るタッパーを探すと内容2リットルのものが最適。試しにバラしたボディを漬けた場合、1.8リットル必要だった。

 市販の水抜き剤は180ミリリットルのため、10本購入した。ただDIY店で同ブランドは10本揃えるのは難しい。数件探したが無理だった。その上、水抜き剤はイソプロピルアルコール99%以上と注文が付く。買ったのはイエローハットのノンブランド品、しかもアルコールの%表示無し。同じ棚の呉の水抜き剤も表示無しだし、他メーカーは本数が足らなかった。ギャンブラー的判断にダメ元で使ってみることにした。それでも総額15百円オーバーとなる。果たして週末、ボディ色剥がしは吉と出るだろうか?

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2014/05/03

MG 1/100 RB-79 BALL Not Ver.Kaを作る

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 MG 1/100 RB-79 BALLを作ってみた。1/100スケールはVer.Ka(カトキ版)でメカメカしいデコレーションが施されている。それが個人的にどうもいただけなかった。ファーストの中におけるボールの立ち位置は所詮ヤラレメカ。であるのならできるだけアニメ版に近づけたくなった。これまで素組みにトップコート仕上げで臨んでいたところを一念発起、アニメ版に近づけるべく自己解釈の改造を加えてみた。

 改造点を挙げると以下の通り。
・ボール頭上部?バーニア?の穴埋めとスジ彫り追加。
・前部2カ所のバーを取り除いて穴埋め。
・サブアームは取り付けない(だけ)。

 パテ盛りなんて第一次ガンプラブーム以来、しかもど下手な技術で何処までできるか。まずは素組み後、一旦解体。頭部カバーを0.3mmプラバンで裏貼りし、タミヤパテで整形した。同様に前部バーの取り付け穴も穴埋め。整形は鉄ヤスリと耐水ペーパーで行ない、スジ彫りした。整形後はサーフェイサーでキズチェックと外装の色統一を図る。その後、人生初のエアブラシにてアニメ版をイメージして塗装。水性ホビーカラーをすみれ色をベースに白を加えたものを吹いている。スミ入れとデカール貼り後、トップコートで仕上げた。

 本当はボール頭下部の整形をできるだけ球形にしたかったが、他パーツとの兼ね合いから穴埋めに留まった。またアニメ版で印象的な縦のスジ彫りも技量を考えオミット。入院前にパテ盛りと整形、サーフェイサーまでは終えており、退院後に上記の仕上げとなった。なおネットで見たMGボールの作例から内部フレームは赤で仕上げたが、写真を撮り忘れてしまった。

 Ver.Kaの白気味の成型色に比べ、吹いた色のほうがしっくりくる。穴埋め後の整形とスジ彫りも「らしく」仕上がった。まぁ素人の作品にしては上手くできたと思う。サブアームを付けた写真も載せたが、それなりには似合うが、やっぱりアームはオリジナルのほうが良い。是非、MGジムVer.2.0とセットでどうぞ。

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