2009/08/23

ブエナビスタの進む道

 凱旋門賞を目指し、G2札幌記念に出走したブエナビスタが2着敗れた。勝ったヤマニンキングリーはローカルとはいえ、古馬重賞で連対を重ねてきた馬。休み明けに加え、マイナス20キロではあったが、内枠と積極的な位置取りで結果に結びつけた。一方、ブエナビスタは今までの最後方待機から、中段を進む位置取り。小回り札幌コースの形状からすれば、当然の騎乗。上がり35秒1も上々。だが勝ち馬とのクビ差は簡単に縮まるものではない。

 シンボリルドルフ、ディープインパクトといった最強馬でさえ、古馬との緒戦で勝てるほど甘くはなかった。今回のケースと異なり、G1戦だった事、また臨戦過程等で違いはあれど、少なくとも古馬から斤量2キロの恩恵は受けており、そこに見えない壁があった事は否定できない。今回のブエナビスタ、斤量52キロを裸同然と取る意見もあったろうが、彼女にとってそれ以上に未知の要素は数多くあった。

 きゅう舎サイドはそれを越えられると判断し、今回の出走に踏み切ったはず。ただ「負けてなお強し」の内容では満足せず、凱旋門賞断念となったようだ。今回の判断はしばらくの間、競馬ファンで賛否両論となるだろう。名を棄てて実を取る、次走は秋華賞との事。しかし凱旋門賞へ進む事も、パスして秋華賞へ行く事も、どちらもブエナビスタにとって高いハードルだ。

 凱旋門賞は言うまでもなく古馬との世界最強馬決定戦。対して秋華賞のほうが圧倒的に容易く思える。しかし今回の敗戦は秋華賞への課題を露呈した。京都内回り、小回りコースへの適性、脚質の限界、また同世代が相手となれば、当然斤量の恩恵はない。最大のライバルはレッドディザイアだが、オークスのレースぶりをみれば、逆転は甘くない。きっと今回のブエナビスタを見て、レッドディザイア陣営も同じ事を感じ取ったのではないか。

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2009/06/07

名馬の条件

 安田記念のウオッカは圧巻だった。抜群の手応えで向かった府中の直線。だが目の前は壁ができ、判断を迫られる鞍上武豊。そして行き場を失い首を上げるウオッカ。万事休すと思われた瞬間、僅かな間隙をぬって伸びてきた。結果、2着のディープスカイに3/4馬身差をつけて優勝。安田記念連覇に初の10億円牝馬誕生の瞬間でもあった。さすがはダービー馬、天皇賞を勝った馬は伊達じゃない。

 それから遡る事14年前、同じ府中の直線、全く同じように進路を絶たれた馬がいた。それが二才時(当時呼称三才)のエアグルーヴ。オープン戦のいちょうステークスで、致命的ともいえる不利を受けたものの、きっちり1馬身差をつけ勝った。のちにオークス、二千メートル戦となった秋の天皇賞を牝馬で初めて制する事となる。奇しくも手綱をとったのは武豊。少々の不利では負けない、それが女傑の条件なのかもしれない。

 致命的な不利で思い出されるのが、2000年の有馬記念。年内古馬長距離GI(及び出走重賞)完全制覇のかかったテイエムオペラオー。直線の短い中山で進路を阻まれ、悲鳴に近い絶叫の中、壁をこじ開け、着差こそ僅かハナ差だったが、永遠のライバル、メイショウドトウを退けて勝っている。着差やタイムではなく、勝ち続ける事もトップホースに要求された条件なのだ。

 その点、今回の安田記念、ウオッカの2着に敗れたディープスカイは少々だらしない。昨秋の天皇賞以降勝ち星から遠ざかり、春シーズン叩き2戦目に打倒ウオッカを目指したものの、敗戦に陣営はあくまで目標は宝塚と一言。だが正直、安田でのパフォーマンス、走破タイムも平凡。宝塚記念の出走馬はまだ決まっていないが、天皇賞組、その他の重賞組等、けっして侮れないメンバーだ。果たしてディープスカイは「目標は宝塚」を結実できるのだろうか。

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2009/05/31

2009年ダービー生観戦記

 朝、地デジテレビのdボタンを押すと、東京の降水確率20%だった。「これなら天気はもってくれるはず」と思ったものの、その希望は午後になって打ち砕かれた。良馬場、好時計で走った皐月賞組を上位にとっていた予想は、白紙に戻さざる得ない。とは言うもの、簡単にはいかない。直前の芝レースむらさき賞の上がり38秒2、若干でも外から差し脚が決まる馬場を望みに、皐月賞上位組ボックスを中心。さらに皐月賞惨敗で買う事を止めていたロジユニヴァースを、馬体重回復から追加...とそこまでは良かった。

 レースはマイルカップを勝ったジョーカプチーノの果敢な逃げ。外から早々二番手につけたリーチザクラウンがつける。横山典ロジユニヴァースはそれを見た三番手。アンライバルドら皐月賞上位組は中段待機。悪化した馬場、前半ハイラップで進むジョーカプチーノの逃げは、明らかに自殺行為。武豊リーチの位置こそ本来踏むべきラップ。先頭とリーチの位置取り差は徐々に広がり、このレースの主導権は武豊に握られた。

 最後の直線に入ると、ジョーカプチーノは簡単に交わされ、リーチ先頭と思いきや、ロジユニヴァースが内からすり抜け引き離す。後からは何も来ない4馬身差、2分33秒7とまるでヨーロッパ競馬のような勝ち時計。全ての馬が上がり40秒前後にとどまり、序盤の位置取りで決まったダービーであった。生観戦、ウイニングチケットの勝ったダービーから16年。ここまで極悪馬場のダービーは観た事が無い。速い馬アンライバルドら皐月賞上位組の運は尽き、今年は格言通り、運の強い馬が勝った。

 歓声に包まれ、1コーナーをウイニングランする横山とロジユニヴァース。鞍上は信頼に応えたベテラン、やっと届いたダービージョッキーの座。ファンの前で帽子を取り、静かに頭を下げる横山典弘。当然、彼の勝利を喜ばない競馬ファンはいない。リーチを外したため、馬券は当たらなかったが、嬉しい瞬間に立ち会えてよかったと思う。今年のダービー、間違いなく主演は横山典、助演はもちろん武豊だろう。

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2009/05/03

波乱の天皇賞・春

 忌野清志郎が亡くなった。日本ロック界の影響は言うまでも無く、その先見性と破天荒な姿が消える事が寂しい。個人的に、いや競馬ファンとして彼の曲「競馬場で会いましょう」は傑作だと思う。清志郎と競馬のミスマッチ感覚を通り越し、独特の世界観に溢れていた。シンプルな曲調は競馬ファンの琴線に触れる。この曲がリリースされた頃、タイマーズとしての活動時期(再結成)と重なるが、何処か郷愁を誘う味わいがあり、両者は似た雰囲気を持っている。今も競馬ファンはこの曲を愛している...合掌。

 そんな週末、春の天皇賞が行なわれた。かつては序盤は淡々と、後半は熱くなる杉本アナの実況が重なり、多くの名勝負を生んできた。メジロマックイーンやテイエムオペラオー、最近ではディープインパクトがこの天皇盾を制している。だが、そんな最強古馬決定戦の趣きがあったのはひと昔前の事。特にここ数年、同じ長距離戦であるクラシックの菊花賞と共に、やや格が落ちた感は否めない。そう思う競馬ファンは少なくないはずだ。

 人気のGIウィナー二頭、アサクサキングスとスクリーンヒーローは、直線見せ場も無いまま、馬群に飲み込まれていった。アサクサは昨年三着だったが、やはり前走のタフな競馬が相当応えたのではないか。スクリーンヒーローは同じ理由も当てはまるが一方、父の活躍距離からすると、今回の三二〇〇メートルはやや長かったかもしれない。また今年のように混戦と言われる年ほど、春天は活きのいい四才馬が活躍するものだが、出走馬自体二頭と物足りなく、勝ち馬の影を踏む事すらできなかった。

 勝ったのはマイネルキッツ。メイショウサムソンと同じ世代、六才馬である。父チーフベアハート、その産駒をみてみると、春天の距離は不向きに思える。しかし本職ステイヤー不在の中、前走日経賞二着の実力から何かしらの可能性はあった。でも勝ち切るイメージまでは至らず。経済コースを通り、アルナスラインを抑えて勝った姿に驚きを隠せなかった。買った馬券は日経賞組、アルナスラインからの馬連数点、アルナス=マイネルからの三連複数点。当然、そのヒモにドリームジャーニーは押さえていた。春天スタートから3分14秒後、買った馬券は勝った馬券になった。本当に久しぶりのロングショット。何を隠そう、そんな自らの姿にこそ一番驚きを隠せなかった。

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2007/12/24

有馬記念回顧:騒ぐのは人間だけ

 日本競馬界、一年の総決算、有馬記念が終わった。戦前、ダービー馬ウオッカ、天皇賞春秋連覇のメイショウサムソン、ダイワメジャー、スカーレットの兄妹対決に加え、ヨーロッパのトップジョッキー マイケル・キネーンが一週間だけの短期免許で参戦のも大きな話題。しかし終わってみれば、人気薄のマツリダゴッホが先行抜け出して1着、2,3着にダイワスカーレット、ダイワメジャーの兄妹が粘り、三連単は80万馬券となった。年度代表馬を狙っていたウオッカもサムソンも、掲示板に載る事は無かった。

 一番人気サムソンの敗因は体調、精神的な面を含めてベストに無かった事のようだった。馬体重はプラス2kg。だがサムソンはこの馬体重での連対が無いのが、レース前に気に掛かった。スタート後はダッシュがつかず、手綱をしごく鞍上ばかりが目につき、今までにない中団の競馬。最後の直線も先頭を捉える勢いもない。中団にいた有力馬もサムソンを警戒したのか、共倒れのように着外。唯一、ポップロックが掲示板内を守ったが、ジャパンカップ組が揃って惨敗は残った事実。意外に今年のJCはタフな競馬だったのかもしれない。まして今回の中山コースは馬場悪化しタフだった。競馬好きの新入社員は「強気の武は消し」と断じ、ポップロックから買ったらしいが、マツリダゴッホはノーマーク。共倒れまでは読めなかったようだ。

 奇しくも有馬記念といえば、古くはユーワジェームス、メジロデュレンの夢(ユメ)馬券、ダイユウサクとメジロマックイーン(松田優作とSマックイーン)、9.11の年にはマンハッタンカフェとアメリカンボスの組み合わせのような、謎めいた結果を伴う事がある。語呂合わせや社会情勢で馬券を買う方法にタカモク式があるが、今回はちょっと浮かばない...と思っていたら、身近な人の名の語呂馬券に気がつかなかった。毎度買っていたのに、有馬だけはその買い目を忘れていた。ただボクよりも、その名の当人のほうが後悔は大きかったようだ。

 競馬の面白さの原点は、馬耳東風という言葉が表していると思う。他の公営ギャンブルは圧倒的に人間の関わるウェイトが大きいが、競馬は馬という我々と意志(言葉)の疎通ができない動物が介在する事で、不確定要素は一気に高まる。しかも様々な人間の欲が入り混じり、目の前の事実を捻じ曲げていく。「競走馬は走ってナンボ」ではあるが、彼らにとって走る事、勝つ事=喜び程度しか本能的に認識していない。あの岡部さんが現役騎手時代、「騒ぐのは人間だけ」とマックイーンVSトウカイテイオーの天皇賞・春の戦前、そう洩らしていたが全くその通り。大波乱も万馬券も、騒ぐのは人間だけ...だから競馬なのだ。

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2007/09/30

今日は一日、リターンズ。

 身近な富士での開催とあって久しぶりにF1中継を観た。まさにF1が富士の裾野にリターンズ。だが前日からの雨も本戦で止む事は無かった。国際映像に絶好の富士山も雨に濡れ、霧に包まれる。それゆえクラッシュとリタイアが多かったのは残念。30年前の富士も雨だったというが、三開催中二開催が雨となると「雨の富士」という代名詞も付きそう。そんな中、セーフティーカー(ベンツじゃん。妻の報告は誤報)が終始先導するレースに物足りなさを感じつつも、終盤に至る二着以下のバトルは見応えがあった。そんなバトルがドライバー達のフラストレーションを映すようでもあった気がする。

 そんな何度もセーフティーカーが入る展開ゆえ、F1中継は放送時間が約20分延長された。その煽りを受けたのは競馬GIスプリンターステークス。フジテレビ「スーパー競馬」は当初の予定から短縮版ながら、放送延長でさらに短くなってしまった。放送開始5分後、本馬場入場無くいきなりゲートイン。電撃の6ハロンは不良馬場の中、1分9秒4で決着した。勝ったのは3才牝馬アストンマーチャン。乗り替わった中舘英二は久々のGI勝利にリターンズ。ローカルではおなじみ、彼らしい逃げとスピードが身上のマーチャンが見事ハマり、一番人気サンアディユ以下、後続馬の追撃を見事封じた。牡馬牝馬混合GIで牝馬が1、2着というのも珍しい。

 F1、競馬共に地上デジタル放送で視聴した。デジタルハイビジョン時代ながら、雨にかげったF1マシンとサラブレッドを映す映像はやや解像度が乏しかった。ハイビジョンも天気には勝てない。しかし音声は隔世の感があった。ナローなステレオからデジタルへ。F1サウンドも競馬場の歓声も部屋に轟いた一日。それだけでなく、実は懸案だった不調のアンプが、オーバーホールを経て本調子を取り戻したからだ。左チャンネルとマスターボリュームの不調で修理を依頼したところ、メーカーのサービスはクリーニングで充分と全て無料で対応してくれた。スポーツ観戦後、そのアンプと凱旋門を通して、WOWOWで録ったばかりの「スーパーマン・リターンズ」を再生すると、その地響きとサラウンドに唖然。18年選手のアンプKA-5010も見事リターンズした。ケンウッドさん、あなた方の仕事と心意気に感動。本当にありがとう!

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2007/08/19

競馬ファンの失われた週末

 遅れて来た夏休みがやっと始まったと思いきや、中央競馬が夏休み。いや馬インフルエンザによる開催中止が発表されたのだ。週末はPATに向かうどころか、その動向に目が行くばかり。今も再開の見通しは立っていない。しかも発症した馬の数は増える傾向にあり、JRAも現状把握に躍起である。だが一方で馬主やきゅう舎関係からは、開催をひっくり返した今週のドタバタ、JRAの行なった対応への不満が多く出ている。

 馬インフルエンザは中央競馬だけでなく、交流レースの増えた地方競馬へも飛び火。集客を見込める夏休みに大きな打撃。それだけでなく中央、地方を問わず、競馬ビジネスに携わる全ての人たちに大打撃を与えている。そして海外を狙うメイショウサムソンをも巻き込み、遠征に関する情報が錯綜(さくそう)。陰性反応、凱旋門賞出否白紙が、一転して今日の午後には出走を発表された。だが出否を決める最後まで、楽観できない日々が続くのは変わらない。

 今はこの事態が収束する事を祈らずにはいられない。じっくり時間を掛けてもいい、むしろ見切り発車に勇み足で歩を進め、事態を悪くしないで欲しい。秋のGIシリーズを前に、目の色を変えたい気持も抑えるべき。日本は世界の競馬、パートI国になったのだから、立場を考え自制すべき時である。東方の一国だけの問題ではない。浅はかな判断は、昨秋のディープ失格の原因を思い出させる。今もJRA、所轄官庁の農林水産省の危機管理を問われる事態は続く。

 実は最も深刻なのは全国の競馬依存症の方々、いや競馬ファン。週末を餌に日々を過ごす者にとって週末を失う事は、月曜からの活力を失う事に匹敵する。まさに『失われた週末』。いまや『たしなむ』程度になったボクには無縁だが、多くの競馬ファンには禁断症状が続くだろう。だからといって他のギャンブルに手を出せば、返り討ちする姿が待っている。今は黙って、再び優駿たちが無事ターフを駆ける姿を待とうではないか。

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2007/07/14

ロデオボーイに乗る

 実家の父から「ロデオボーイツーが欲しい」と言われ、はや一ヶ月。今週あたま、アマゾンに注文、そしてロデオボーイIIがやってきた。人から買ってもらう事を嫌う父には代引き。深夜放送のプライス、3万円を覚悟していたようだが、税込み17,710円(購入当時)と肩透かしを喰らったよう。「父上、世はネット時代。少しでも安くが身上なのですよ」。差額得した分はいずれ還元してもらおう。

 ロデオボーイが到着した日、既に父は3回乗っていた、いや騎乗していた。実際に乗ってみると、「騎乗している」とつい言いたくなってしまう。とても17,710円の買い物とは思えない代物。馬に乗った時の前後の揺れ、それは決して単純でなく、歩いている馬上をうまく再現している。スピードは4段階、オススメは2段目か3段目。さすがに4段目は速過ぎ、非現実的な揺れになってしまい残念。4段階をクロスオーバーさせた設定も可能だが、やや単調だし、任意で切り替えたほうが現実的かもしれない。

 ロデオボーイで重要な意味を果たすのは手綱。スピードは1段目、片手を手綱に添えた時、まるで戦国時代の武将になった気分になる。スローな分、エクササイズ度は下がるが、なかなか優雅で乙なもの。もちろん両手を添え、競走馬と同じように、首筋に手を乗せる感じもいい。思わず馬と呼吸が合っているかのような錯覚すら感じてしまう。競馬用語でいう折り合いがついた感じ。このロデオボーイ、やはり只者ではない。ちなみに母は片手つかみでその名の通り、ロデオ気分を楽しんだそうだ。

 このロデオボーイの不満、それは騎乗時間の把握が難しい事。一回の騎乗は15分だが、減算タイマー表示があると良かった。そしてもう一つ、それは鐙(あぶみ)のない事。競走馬にしろ、乗馬にしろ、騎乗者の足を添える鐙がある。実際、馬との呼吸を取るには、手綱と共に不可欠なアイテム。確かに下半身強化のためのロデオボーイは、鐙は必要ないかもしれない。鐙に乗る事でバランス運動に変わってしまうからだ。しかしそこは競馬好きには不可欠な雰囲気。時々、鐙に足を乗せてみたい欲求に駆られる。鐙作りには父も乗り気。果たしてどうなる事やら。

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2007/07/12

選挙次第、名前次第

 第二十一回参院選が公示され、三七七人が立候補した。選挙戦のスタートに怪気炎を挙げる各政党。そして比例区には多数のタレント候補が送り込まれている。その中にはヤンキー先生やテレビで人気の弁護士、そして某女性ゴルファーの父親等が挙がるだろう。だが考えて欲しい。彼らの顔は知っていても、ズバっとフルネーム出てくる事は少ない。ひどい時はニックネーム、例えば『さくらパパ』程度しか、一般有権者には認知おらず、意外にそのハードルは高い。

 各政党はタレントの認知度を狙って、客寄せパンダ的に出馬させている。比例区は政党名か、または立候補者の名前が書かれた票が全国的に集票されるシステム。したがって政党名が出てこなくても、パンダとなった有名人、いや候補者の名前が書かれていれば良い。しかし名前を間違えられれば無効、ニックネームもカウントされない。投票所にも候補者名簿が貼り出されてはいるが、比例区でも相当量の候補者が並ぶはずだし、そこから意中の候補者が見つかるかは有権者次第となる。

 この選挙期間で如何にこの客寄せパンダたちの名を認知させるか。まず、あらかじめ認知度の高い人を候補者に選ぶ事。芸能人は芸名での出馬が可能なため、名前は短く単純なものが理想。そこでこんな人を候補に立てたらどうだろうか。例えば『タモリ』はいうまでもなく、間違えの少ない名前の筆頭。それ以前に知名度ナンバーワン。それよりも短い名前なら『ゴリ』(ガレッジセール)。ゴリという名を間違えるほうが難しい。カタカナ名前が馬鹿げているならオススメは『猫ひろし』。下手すると『猫』一字でも票になるのではないか。つまり若手お笑いはそんな候補者の宝の山。今回の選挙は間に合わないが、各党の選挙本部の方々、本案を一考願いたい。

 ちなみに今回の選挙、フジ系バラエティー「ジャンクSPORTS」でおなじみ、あの有名馬主が国民新党から出馬する。今年は若駒競走馬のセレクトセールに出没しなかった同氏。競馬の世界を通り越し、自らが出走の舞台に立った。果たして結末はどうなるのか。ちなみに投票の際、『フサイチ』では票になりませんけど。

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2007/06/30

オペで北海道へ行く(早来篇)

 函館の後、苫小牧でフェリー乗船となるが、その前に行きたいところがあった。それこそは早来、過去二度行った社台スタリオンステーションである。競馬好きにとって、外せない場所を最終日に組み込んだ。函館からその前日千歳に宿泊。そして早来へ移動。もちろん妻にとって初めての場所、サラブレッドを生で観る事自体が初めての出来事。道中、時折見える牧場の風景、放牧される母馬と子馬たち。そこが馬産地である事を印象づける。そんな中、裏道と思しきナビ指示をした妻に疑問を投げたが、さすがは「地図を読める女」。一切の間違いはなかった。誠に失礼致しました。

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 例年なら早来だけでなく、北海道初日の滞在地、静内でも牧場巡りをしたいところだったが、オフシーズン、まだ種付けシーズンでもあり、そちらは観る事ができなかった。ただここ社台は、そんな時期でもファンサービスも兼ねて、人気馬を午前中の数時間だけ放牧させている。放牧開始時間に合わせ、オペを走らせ、着くといましたトウカイテイオー、アグネスタキオン、クロフネ、ゴールドアリュール、キングカメハメハ、そして中央の柵にはディープインパクト。引退したばかり、種牡馬デビューしたディープである。

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 まず見た目。何せ五才、まだまだ現役でもおかしくない。競走馬時代と馬体に差異はほとんどないように思う。そしてただひたすら、脚元の草を食べるディープ。いやディープに限らず、どの馬ももぐもぐタイムのため、動きが少ない。放牧場を駆け抜けるディープを観たいところだが、なかなかそのチャンスに恵まれなかった。そのためしばらくは他の馬たちに目を向けることにした。隣にいるのはトウカイテイオーである。今ではこの放牧場で最古参となってしまった彼。しかし後ろ脚の沈むテイオーの踏み込みは変わらない。強いて挙げれば、ひ腹に年が伺われるが、何せ19才ですからね。

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 いろいろこの場でお話を聞くと、テイオーはディープが来てから気が気でないらしい。中山や府中で何度も奇跡を魅せてくれて、ファンを熱狂させたテイオー。だが隣に突如現れた若き七冠馬に嫉妬。テイオーの周り、始めのうちはそんな威圧感に溢れていたという。最近になってディープのほうが慣れてきたようで、この日もクロフネやアグネスタキオンに顔を向けていた。むしろテイオーは我が道を行くように馬場を闊歩。柵内に設置された、テイオー専用の日さしが彼の孤高さを物語る。

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 タキオンやクロフネは奥の柵に放牧されていた。以前、ここを訪れた時、ディープの場所にはスペシャルウィークが居たのだが、話を聞くと種牡馬になって翌年以降、ここに放牧されなくなったという。気性が荒い事が原因らしいが、前に来た時はそんな片鱗を見せていなかったのが不思議。当時、スペシャルを観れたのはラッキーだったのかも。むしろ種牡馬生活を満喫しているディープも、いつそんな変化を見せるのか。とても種付けに積極的だという。

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 やがて昼に近づき、放牧時間が終わる頃、何かに感づいたかのように、ディープが駆け始めた。その瞬間を待っていたのか、ボクも含め、沢山の人々がシャッターを切っていた。平成の天馬はターフを去っても、遠く北の大地で変わらずに飛んでいた。その動きは現役を離れた今も変わらない。そして放牧時間を終え、ディープたちは馬屋へ帰っていった。なおこの日は平日、まだ競馬北海道シリーズが始まる一週間前にも関わらず、道内外からファンが集まっていた。その中でも沼津ナンバーは異彩を放っていたようだった。

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最後に...これからもボクら二人、北海道旅行に早来は欠かせないだろう。いや早来と千歳の組み合わせは必須となった。実はこの後、千歳空港で食事、土産を大量に買い込んでいる。その理由、何より妻は空港が好きなのである。旅客機の離発着する姿、乗客の搭乗、旅客機に群がるスタッフ、特殊車両等、その動きが楽しいのだという。確かに観ていると楽しい。そして旅立つ旅客機が轟音を立て、やがて豆粒のように空へ消えていく。前日の夜も空港のレストランで食事。食事の後も二人で夢中になって観ていた。また土産、特にお菓子関係はここでまとめて買うのが吉。帰りのご飯もここで買っていった。今回の旅行、飛行機は使わねど、空港を楽しむ。そして苫小牧からフェリー、大洗へ戻っていったのだった。海上、フェリーで空弁を食べたのは、たぶんボクたちだけだろう。

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そして総計二千キロ、無事安全に走ってくれたオペよ、ありがとう。(完)

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2007/05/27

古馬任三郎、女傑誕生の2007ダービーを振り返る

 いつもある前日夜の宴が仕事で潰れ、当日輸送となった今年のダービー。特急あさぎりに乗り、府中本町に着いたのは午前10時。先乗りしたメンバーのために、近所のイトーヨーカドーでジュースとお菓子を仕入れた。ところが絶好の天気、まして10万を超える人々が集う府中が間近とあって、同じように食料を仕入れる人の多い事。買い物に30分かかり、やっとメンバーと合流する事になった。

 今年でダービーは第60回優勝ウイニングチケットの年から14年連続参戦。勝ったり負けたり、思い出も多いが、今年のダービーはどうも戦前から勝つ気がしなかった。それは本命をヴィクトリー、鞍上田中勝春への心情馬券だったからだ。昨秋のJC、ハーツクライの一件ですっかり懲りたはず。しかし一本かぶりの一番人気フサイチホウオー、いや彼のオーナーへの不信感が、あえて軸をヴィクトリーに替えさせていた。しかも二着はおろか、三着は読めない。馬券は馬連、馬単、単勝にとどめ、三連複と三連単は一点も買わなかった。

 レースは福永のアサクサキングスが逃げる展開。そこに皐月賞馬ヴィクトリーはいない。出遅れ、さらに2コーナーから先団に動いた瞬間、ヴィクトリーから勝機は無くなっていたかもしれない。そしてそのヴィクトリーをマークしたかのように、フサイチが好位を追走。誰もがアンカツの勝利を確信したに違いない。そしてレースはフサイチを中心に動いていたかに思っていた。

 直線、最内で粘るアサクサキングスを巡り、外から襲いかかった馬たちが続々脱落。ヴィクトリーも坂の途中で馬群に消えた。そして弾けるはずのフサイチホウオーは伸びない。そして気がつけば、坂を外から猛然と駆け上がったのは四位のウォッカ。かつて強いダービー馬、三冠馬たちが通った直線外のヴィクトリーロード、二着のアサクサに三馬身差をつけた圧勝。道中他の馬からはノーマーク、ウォッカの二分二十四秒五の勝ち時計も、三十三秒フラットで上がる姿に余裕が感じられた。

 戦前、僕ら仲間のウォッカに対する評価。馬券は買うが、トリ紙にならない程度のヒモ評価が圧倒的だった。しかも連に絡んだ馬も人気薄。馬単、三連単等、当たるわけがない。ただ安めにヴィクトリーからの馬連を買いつつ、単勝も買っている。ヒモが判らないレースなら、ヴィクトリー、そしてウォッカと単勝数点だけで勝負すべきだった。それにしても新たな女傑誕生と同時に、上位とみていた皐月賞組のだらしなさが目立つ。

 今年の春クラシックはとにかくウォッカに酔わされた。桜花賞では圧倒的な人気を裏切って二着。それでいて牡馬挑戦、ダービー参戦。昔からの競馬ファンなら、当然大舞台でそんな牝馬は買わないだろう。でも勝った。まるで夢を見ているようだ。こんな形で酔わされるなんて、どうせなら勝利の美酒を酔いたかったけども。でもこれも競馬なんだ。父タニノギムレット、親父似のウォッカのウイニングランに酔うのが精一杯、そんな今年のダービーだった。

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               祝!ウォッカ

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2007/05/26

古馬任三郎、2007年ダービーを考える

 馬券に情けは無用だとわかっている。しかし彼の場合、いや今回のチャンスをモノにして欲しいと思う。ボクが競馬を始めた頃、競馬新聞の出馬表での彼の表記は、▲田勝だった。馬の血統や適性がわからない頃、騎手の名前で買うのが第一歩。そんな中、彼の絡んだ馬券が穴を開け、競馬を始めて一週間後に万馬券をプレゼントしてくれた。今、競馬をしているのは、明らかに彼のせい、いや彼のおかげなのだ。

 やがて減量騎手の称号が取れ、出馬表の名は田中勝と変わっていた。ヤマニンゼファーでG1安田記念を勝ち、さらに翌年セキテイリュウオーで秋の天皇賞を二着。順風満帆に思えたその後のキャリアは足踏み。彼を絡めた馬券は平場、特別、重賞もG2まで。G1では論外となるのが当たり前だった。宝塚記念で人気だったゼンノロブロイも馬券にならず。ただのちのロブロイはペリエの手によって年度代表馬となった。単に馬が本格化前だったのか、手綱さばきの違いだったのだろうか。

 そんな勝春が正月の重賞を連勝。勢いは止まらず、関東リーディングが第一位。その矢先、飛び込んできたのが、皐月賞でのヴィクトリーの騎乗依頼。「岩田(康誠)君のように乗ってくれ」と調教師の指示。ただ実際は馬の気任せ、向こう流しまもなく先頭に立ち、最後は二の足、三の足を披露、ハナ差を凌いだ。一見、棚ボタ勝利のように思える。しかし馬の気を損ねない事、いつも笑顔を忘れない自然体の騎乗が彼らしい。芽生えた何気ない自信は、ダービージョッキーになる可能性を醸す。この時期、このレースを勝つジョッキーとはそういうオーラを秘める。

 直線が延びた新装府中となって以降、ダービーで二分二十三秒台のレコードもある。そんな芝コース、先行馬にとって時計が速くなる事は大きなリスク。ただ週末の雨で馬場が渋り始め、1コーナーまでに掛からず先手が取れるようであれば、他馬に出し抜く事も可能。皆の目がフサイチホウオーやウォッカに向かうのは望むところ。皐月賞馬でも人気にならない、何か今年、サニーブライアンが二冠馬となった年に似ている。皐月賞の時も思ったが、田中"勝"春に"ヴィクトリー"とはでき過ぎだ。最後の心情馬券はヴィクトリーから数点狙ってみたい。日曜は府中で逢いましょう。

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2007/02/18

古馬任三郎 Season9「第24回フェブラリーS」

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予想.
◎:シーキングザダイヤ
○:サンライズバッカス
▲:ブルーコンコルド
△:アジュディミツオー
×:フィールドルージュ

 休み明けの馬も多く、冬場の馬体重増減読めず。本当は五才馬サンライズバッカスを目論んでいたが、土曜朝のオッズが一番人気だったため、順当にシーキングザダイヤへ切り替えた。オッズが割れていたのも気になったし。ただやっぱり下り坂の六才、さらに休み明けが怖くて、本命を含めた五頭の馬連ボックスで当てにいった。

結果.
 締切直前、馬体重を8キロ戻したシーキングザダイヤが一番人気。ファンからの支持、困った時の武豊頼みが伝わってくる。ただし3.9倍が表すように人気は割れた。二番人気のブルーコンコルドまで差は無かった。レースはダイワバンディットが逃げる展開。不良馬場で46秒6のペースは先行馬にキツイ。好スタートを決めた公営の雄、内田博幸のアジュディミツオーは直線、手応えが怪しくなっていた。

 直線伸びてきたのはアンカツのサンライズバッカス。さらにその後方から、地方GI連勝の幸英明ブルーコンコルドが追い詰める。メンバー最速35秒フラットの上がりをみせた二頭だったが、終わってみれば位置取りの差。サンライズバッカスが一馬身半差の圧勝。連対馬を除けば人気馬総崩れ。高齢馬も勢いあるブルーコンコルド以外は惨敗に終わった。ある意味ダート戦線、その世代交代を表した結果である。

 勝ったサンライズバッカスは充実の五才馬。適距離、そして馬の勢いもあるが、鞍上のアンカツ自身の勢いも見逃せない。特に牡馬クラシックはフサイチホウオーとのコンビで席巻。その勢いを今年のGI戦線へそのまま持ち込んだ形だ。一方、騎乗停止で出遅れた武豊。ディープ引退、大きなお手馬を失った今、緒戦から流れを戻したかっただろう。混戦、今年のGI戦線を映したような一戦だった。

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2006/10/13

ディープインパクト引退とガイアの夜明け「知られざる競走馬ビジネス」を観る

 大きく動いた今週の競馬関連ニュース。金子真人オーナーの意向で、ディープインパクトの年内引退が決まった。競馬ファンにとっては青天の霹靂といった感じ。それは管理する池江泰郎調教師、騎乗する武豊騎手にとっても同じ、残念というか、無念に近いコメントが印象的だった。世界を勝てる馬など滅多に手掛けられるものではない。まして凱旋門賞での惜敗の後、次こそは海外GI制覇という夢は、次の産駒につながれる形となった。

 ちょうど先日の「ガイアの夜明け」では競馬ビジネスをテーマに扱っていた。ちょっと競馬をかじったファンならば、『馬主は好きなだけではやっていけない』とわかっている話であっても、実情を改めて伝えられると解りやすい。ましてあの関口房朗オーナーの口から、『レースだけでは儲からない』と言われると、一見華やかに思える世界も泥臭くなってくる。今や馬主はダービーを勝つためでなく、優れた種牡馬を発掘するためなのである。

 セレクトセール、セリもその一つ、キンコンカン(金子、近藤[アドマイヤ]、関口[フサイチ])の日本三大馬主に、ドバイ[アラブ首長国連邦]シェイク・モハメドのダーレージャパンという構図。特に金子氏とダーレーが、クロフネの弟を競り合うところは迫力があった。高橋力代表がアゴを下げれば、競る価格は上がっていく。気がつけば三億円。クロフネの馬主であった金子氏は降り、ダーレージャパンが競り勝った。だがドバイのオイルマネーにとっては容易いものなのかもしれない。

 しかしダーレーの馬は中央競馬で走れない。JRAが馬主申請を却下しているからである。これは日本の馬主と生産者たちを擁護する意味もある。既にJRAは、外国の馬に日本のGI競走を解放する政策をとっているが、完全解放は更なる問題(生産者撤退、賞金の海外流出)を引き起こす事を懸念しているのだ。ダーレー側は徹底抗戦の構え。裁判に打って出れば、客観的な見方だがJRAは負けるだろう。だって裁判に勝つ事さえ、オイルマネーにとっては容易いものなのかもしれないから。

 さて、ディープインパクトの存在は国際レーティングランキングでも判る。2006年8月のランキングではハリケーンランに続く2位。その逆転の場が凱旋門賞だった。しかし上位馬を退けながら伸びを欠いたディープの走りを見て、ダーレーの高橋代表は『企業秘密』と購買意欲を胸の内に留めている。世界の種牡馬品評会、いや記録会ともいうべき凱旋門賞の後、オイルマネーは動いたのだろうか。一部では、今年ドバイの競走を勝った、金子氏のユートピア号をダーレーが買ったのはその伏線と言われている。

 そうした動きを考えると、金子オーナーは今後の海外遠征のリスク、正直言うと種牡馬価値を下げかねないパフォーマンスを嫌ったのかもしれない。名より実を採ったのだろう。経済動物であるサラブレッド、しかも引退後に51億円のシンジケートとなれば、来年の海外挑戦を遥かに上回る実が待っている。前述の『レースだけでは儲からない』馬主の立場を考えれば、これを裏付ける。また一方で調教師、騎手の夢に挑戦できなくなった無念さは強く伝わってくるが、仕方あるまい。残る天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の三戦のうち、あと何戦になるか判らないが、有終の美を飾れるか、注目したい。

061013

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2006/10/02

凱旋門賞回顧:ディープインパクトが飛ばなかった日

 今や孤高の最強馬、ディープインパクトは日本でそんな馬だ。一流アスリートたちと同じように、ライバルを世界に求めるのは当然である。そして彼(いや陣営)はフランスの凱旋門賞、競馬ファンには言わずと知れた世界最高峰のレースを選んだ。二ヶ月の調整期間を無事に過ごし、とうとう名実共に晴れの日を迎えた。うらやましく思う(地元のオッズを1.1倍に動かした)四千人近い日本人と共に、ロンシャン競馬場の興奮は最高潮に到達した。

 スタートは良過ぎたくらいのディープインパクト。ただ序盤はやや折り合いを欠いた素振りを見せ、鞍上武豊が手綱を伸ばす場面もみられた。坂を越してから落ち着いた感は伝わってきたが、昨年の菊花賞も似たレース。ディープの底力はこれからと、じっとレースの行く末に目を向けていた。最終コーナーをハリケーンランらと併走するディープ。そこから突き放すかに思えた...が、やはりロンシャンの直線は甘くない。途中先頭に立ったが、最後は三才馬レイルリンク、六才牝馬プライドに交わされた三着に終わった。

 着差も僅か、負けてなお強しの競馬ではあったが、ディープは飛ぶ事ができなかった。斤量、ローテーション、ヨーロッパの芝適性、展開、敗戦の理由は挙げたらキリが無い。しかし二分三〇秒台(その後、主催者側の誤計測で二分二十六秒三〇に訂正。それでもタフなコースなのは間違いない[後日加筆])のレースで上がり三十三秒台の脚は望めないのは判っていたし、それを考慮した乗り方を期待していたのも確かだ。それゆえ予想外に先行したのは誤算に思える。ただもう今年のロンシャンの着差は縮める事はできない、その事実だけは残った。

 少頭数ゆえの騎手の駆け引き、うまく目標にされた感もある。ファーブルきゅう舎の三頭出し。まさに肉を斬って骨を立つ、一頭が勝てればよしとレイルリンクがいいところで出し抜けを喰らわした。有馬記念でハーツクライに敗れた時のように、差された二頭に巧く乗られた気がする。この時、あれだけ長いロンシャンの直線が、まるでゴールの瞬間、中山のように見えていた。何度も言うが、ロンシャンの直線はただ者ではない。

 今日見た夢がつながるか、それがディープ陣営の課題だろう。これから日本に戻って戦うか、もう一度世界に挑戦するか。少なくとも今日の三着は、世界に対する挑戦権を初めて得た証しだと思う。そしてディープはもう日本だけに留まる馬ではない。リスクは大きいが、今後も挑戦する価値は大いにある。鞍上武豊にとっても、リベンジの時が欲しいだろう。ディープが再び羽を取り戻す、世界の強豪馬を負かす瞬間に出会いたい。

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2006/09/30

ディープインパクトと武豊、世界最高峰の凱旋門賞へ

週末は競馬ファンとして見逃せない一大イベントがある。いよいよ始まる秋のGIシリーズ、その第一弾スプリンターズステークスではない。もちろんご存知の通り、あのディープインパクトが出走する凱旋門賞の事である。10月1日が日本競馬のメモリアルデーになるか否か、ディープの走り、武豊の手綱にかかっている。八頭の少頭数となったが、その品格は揺るぎない。

 世界のナンバーワンレース、凱旋門賞の歴史はヨーロッパ競馬の歴史といっても過言ではない。武豊自身、勝ちたい世界のビッグレースの一つに挙げている。人気を二分するのは昨年の優勝馬ハリケーンラン、そして我らがディープインパクト(本来ならエレクトロキューショニストと三強を形成するはずだったが、非常に残念な急逝)。ちなみにハリケーンランは日本馬(正確にいうと日本調教馬)最先着エルコンドルパサーを破ったモンジュー産駒といういわく付き。

 京都競馬場なら間違いなくディープ有利となるだろうが、今回は完全なアウェー戦。しかも初の海外挑戦。ただ池江泰郎きゅう舎はステイゴールドで海外GI勝ちの経験があり、とても心強い。しかしマイナス材料も少なくない。ヨーロッパ以外に優勝馬が出ていないのは単なる偶然。芝や競馬の質の違いが最も大きい。しかし近年、日本馬のヨーロッパ競馬挑戦では結果を残すケースも多く、馬場適正は充分にあると言える。

 むしろ最も不安なのは、三ヶ月も開いたローテーションだろう。近年、日本馬のレベルアップは血統の充実と、調教技術の向上が挙げられる。ちょっと昔なら、前哨戦を調教代わりに使い、目標のレースに臨むのが通例だった。だが今では常勝が当たり前となり、それは前哨戦も同じ。そして支えるのが調教技術の高さである。ただ超A級馬の集う凱旋門賞、果たして三ヶ月ぶりの実戦で通用するのだろうか。調教で補えない面は存在するからだ。他のライバル馬との大きな違いはそこにある。しかし今回のローテーションは、ややガス欠気味、不完全燃焼となった昨年の有馬記念2着の反省ともとれる。今更、外野はとやかく言うものではないだろう。

 去年はちょうど弾丸ツアーで訪れた京都競馬場。しかも無敗、クラシック三冠達成に熱くなっていた頃。さすがにフランスまでついて行く事はできなかったが、日曜深夜(月曜0:25頃)はテレビにかじりつきたい。馬券を超えた世界、レースがそこにある。杉本節ならどんな実況をするのだろうか、そんな妄想が駆け巡る。『さぁ、ロンシャンの長い、長い直線に入った。武豊、ディープインパクト、京都で魅せた走り、羽ばたく姿を見せてくれ』

060930

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2006/05/28

UMAP、今年の日本ダービー語録

 いつものダービーウイークと違い、所用があって前日入りが出来なかった今年のダービー。10時過ぎ、競馬場入口で待ち合わせ。ゲートを挟んで入場券を渡してもらい入場。そして前日の宴に酔ったUMAPメンバーとの再会、感慨に触れるも、当日輸送は人間にとってもつらい。片道三時間の代償は少なくなく、茫然自失、しばらくは仲間たちの会話を聞き入るくらいしかできなかった。しかし競馬場はいい。まだ前日、そして当日の雨雲が残った曇天ではあったが、生で観る緑のターフはとてもまぶしく、新鮮であった。

 そんなダービーの結果はご存知の通り。石橋守騎乗のメイショウサムソンが、一番人気に応えてくれた。だがレースが始まるまでの間、わがUMAPのメンバーのウンチクが炸裂した。たった一人だけど...

 彼、ツリキチの意見はこうだった。「今年は馬単でオレの歴史が変わる!」と息巻くツリキチ。そして三つの理由を述べていった。
1.四倍台(直前で三倍台となったが)の一番人気は来ない。
2.石橋守騎手は東京で勝った事が無い。
3....三つ目は何か言っていたけど、どうでもいい事だったので忘れてしまった(当日来ていたUMAPメンバー、情報求む!)。

 まずクラシックで三倍台の一番人気は少なくない。ましてツリキチ、彼の場合は単勝や複勝コロガシが大好きなのにも関わらず、持論を曲げてそんな理由を立てていた。今までなら「単勝で三倍ならオイシイよ」と鼻息が荒いはず。ただこうやって勝ち馬の馬券を買わないでもらったほうが、メイショウサムソンの単勝馬券を買ったこちらとしては、オイシイのはいうまでもない。

 そしてツリキチは馬券に関する嗅覚がなかった事。今年、あれだけベテランが勝ってきた春のGI。例えばオークスの勝利ジョッキー本田優だって、東京勝ちのイメージは少なかった。それにメイショウサムソンと石橋守には、サニーブライアンの大西直宏と同じ匂いがプンプンしていた。UMAPの盟友SH氏はそう漏らしていた。ただ最終的には馬が大事。それに昼から一緒に芝のレースを観ていたのに、勝ち馬の連対脚質を全く考えていなかったのは致命的。結果、ダービーでツリキチの馬券は馬単どころか、一切当たっていなかった。そしてヤツの歴史は変わる事は無かった。彼にとって良かったのか、悪かったのか...

追伸.
UMAP[UMA AMUSEMENT PEOPLE]とは学生卒業以来結成14年の競馬サークルです。

060529
競馬場、食い散らかすなよ!ツリキチ?いやSさんか(^^ゞ

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2006/05/14

今年のJRAブランドCM=イム・ヒョンジュ「序曲」を観る

 毎年、何気に競馬ファンとしてJRAのCMに注目している。しかし今年の中居クンシリーズは契約二年目のためかシンプルなドラマ仕立て、音楽もとってつけたような物足りなさであった。そして毎週GIが続くと、レース名だけを換えた手抜きも目立つ。正直、今年のCMは中居クンと井崎先生(お間違いなく「イサキ」先生である)のキャラがあっての事。過去、キムタクも出演したシリーズではあるが、タレントに頼った演出とそこからの脱却はなかなかできないようだ。

 JRAには、先のようなタレントを使ったCMともう一つ、ブランドイメージCMがある。数年前なら小田和正の「woh woh」「風の街」、そして一昨年はゴスペラーズの「街角-on the corner-」、そして昨年はヒトトッチこと一青窈の「影踏み」、彼らの曲をBGMに使った、タレント映像抜きのシリーズである。競馬にまつわるイメージ、例えば昨年の場合は牧場で生まれた産駒が、その後レースに出走し、引退、そして次の産駒に繋いでいく、まさに長きに渡り血統を紡いでいく、競馬の魅力を訴えた作りが好感だった。

 そして今年はいきなりアグレッシブな作りに変貌。いや、これがまたカッコいい。『競馬が教えてくれたこと』というテロップから始まり、『スタートは平等に与えられる』『一人で戦うのではない』『自分を信じよう』『プレッシャーを楽しもう』...『夢見ることは、戦いつづけることだ』と詩的に結ぶ。サラブレッドの一瞬を捉えた映像がインサートされ、まるで人生が重なってくる想い。そう競馬は擬人化される面も多く、そんな競馬の持つ魅力、攻めの姿勢が見事映像化されている。

 今回のBGMはカテゴリーならクラシック、イム・ヒョンジュ「序曲」という曲である。UMAPの盟友S氏が電話口でよく真似する、『アーァ、ア、アーァー』というボーカル部分はまさにオペラ、このCMを劇的に演出している。たった30秒のCMがこれほどの気分の高まりを伴うのは、この楽曲による部分が大きい。いや映像とガップリ四つに組んだ傑作。ちなみにこの曲は、歌っているイム・ヒョンジュの「ロータス」というアルバムに収録されている。そして聴いて『みんなで真似しよう』...アーァ、ア、アーァー...

060514

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2006/05/08

それはハーツから始まった!新・橋口きゅう舎の快進撃

 気がつけば春のGIシリーズは中盤戦に入った。そんな中、昨日のNHKマイルカップは橋口きゅう舎のロジックが優勝。三番人気の馬を"人気薄"と称した武豊に驚いたが、三着までの善戦マンだったロジックがノリのファイングレインとの接戦、デッドヒートを制して勝ち切るのにもっと驚いた。今や橋口きゅう舎はGIレースの常連。しかし最近、調教VTRを見ていて驚かされる出来事があった。橋口きゅう舎が変わったのだ。そしてそこにコース追いで調教されるロジックがいた。

 橋口きゅう舎というと最終追いは必ず坂路調教だった。菊花賞を制したダンスインザダークも坂路調教だったと記憶する。昔はステイヤーというと坂路よりコース追いが主。栗東に坂路ができてからも、しばらくはそんな雰囲気があった。坂路はスタミナと瞬発力を同時に養うのに適してはいるものの、どちらかというと中距離向きであった。しかし時代はスピードが問われつつも、スローペースで瞬発力勝負に移ると、距離を問わず坂路調教馬の好走が目立ち始めた。

 しかしそんな橋口きゅう舎がコース追いで仕上げるようになった。事の始まりは今年のドバイ遠征。場所はナドアルシバ競馬場。ただドバイでの調教は過密でかつ、かなり時間も限られたものだったらしい。もちろんそんな制約の多さから、コースでの仕上げしかできない訳で、坂路調教ばかりだったハーツクライ、ユートピアもコースで追われて出走した。そして皆さん、ご存知の通り、ハーツはシーマクラシック(G1)を、ユートピアはゴドルフィンマイル(G2)を勝つという快挙。橋口先生はこの出来事で気を良くしたらしく、この日を境に橋口きゅう舎=坂路調教という定説は崩れたのだった。

 この一年、調教に限らず、橋口きゅう舎は激変した。そしてハーツクライの存在が大きい。武豊、横山典弘、安藤勝己とトップジョッキーを乗せた初期、追い込み一辺倒だったこの馬が、ルメールを背にした瞬間、追い込んでよし、逃げてよしの自在脚質に変貌した。そしてディープを破ったあの有馬記念につながっていく。橋口きゅう舎の馬が逃げるなんて誰が思いつくだろうか。橋口きゅう舎にとって、ハーツによってもたらされた出来事は数知れない。

 社台の良血馬が目につく橋口きゅう舎だが、ザッツザプレンティ、ツルマルボーイ等、自きゅう舎ブランドによる血統馬の活躍も見逃せない。そして橋口先生のえびす顔からは、その人柄が滲み出ている気がする。昨年の有馬記念、競馬予想TV!SPで音無先生と一緒にインタビューを受けていた時は傑作だった。二人の言葉は必ず「ディープインパクトがいるからね」と締めていた。そして橋口先生は「位置取りは好位からやや後ろですよ」とおっしゃっていた。レース中の心中、お察しします。そしてありがとうございました。

追伸.
 ちなみにNHKマイルカップ、コラム「古馬任三郎」ではファイングレインに印を打ちませんでしたが、実はボックスに加えていました。九番人気のノリは怖かったので。もちろんロジックもありがとう(^^ゞ

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2006/05/03

飛んだ!ディープインパクト[思い出の天皇賞・春]

 日曜、京都競馬場で行われた天皇賞・春。圧倒的な一番人気に応え、ディープインパクトがレコードタイムで優勝した。一〇戦九勝、これでGIは四冠目となった。この勝ちには驚く事が多かった。まず勝ちタイム、レースぶり、そして馬体重。中でも過去最軽量となった馬体重四三八キロは発表時、思わず減りすぎたのでは?と心配になった。しかし実際にテレビ画面を通して観たパドックでは、むしろその馬体からはまさに研ぎ澄まされたような鋭さを感じた。

 昔、メジロマックイーンの春天三連覇を阻んだのがライスシャワー。ミホノブルボンの三冠も阻んだライスが、最強ステイヤーとして名高かったマックイーンを破るために行なった方策。それが極限まで馬体を十二キロも絞り、ギリギリの仕上げでレースに臨む事だった。そして道中は徹底してマックイーンをマーク、二馬身半差をつけてゴールした。しかも当時のレコードを樹立。とにかくこの時、ライスシャワーは小さくも、見た目はそれ以上に見えたのが印象的だった。今回のディープはそんなライスに近い気がする。

 そしてレコードというと、マヤノトップガンの春の天皇賞を思い出す。前年の代表馬サクラローレル、そして武豊の駆るマーベラスサンデーと三強を形成していた。前走、終始最後方からという大胆なぶりが印象的だったマヤノトップガン。鞍上田原成貴の奇策は、実は本番天皇賞への伏線だった。最後方では無かったが、出走十六頭中の後方を進むトップガン。しかも内でじっと我慢し、折り合いに専念していた。そして圧巻は直線。放たれた弓矢のように、外から二強を並ぶ間もなく交わし、ライスのレコードを二秒以上縮めた。戦後の田原は満身創痍を思わせる風貌、まさに渾身の騎乗だったのだろう。

 そして今年、ディープインパクトはそんな先輩二頭を相手に仮想するかのようなレース。敵は出走馬にいなかったのだ。そしてライス、トップガンの走破タイムをさらに大きく上回った。菊花賞で折り合いの難しさを露呈したディープインパクトだったが、今回は折り合って馬なりの道中、直線は究極の上がり三十三秒五。更なる大きな成長を見せた。そしてディープは飛んで、海外に自らの道を開いた。夏にはヨーロッパで待つライバル、ハーツクライとの戦いも待っている。でもディープのレース、やっぱ儲からなくてもいいから、馬券当てたかったなぁ。

追伸.
 ディープといえば金子オーナー。何とオーナーの持ち馬ユートピアが、あのモハメド殿下率いるドバイのゴドルフィンへ金銭トレード。占めて四億六千万円との事。ドバイワールドカップでカネヒキリが後塵を拝す事になったが、このユートピアの件はオーナーだけでなく競馬ファンも想定外の出来事となった。ここ数年GIといえば金子オーナー。二頭のダービー馬、一方はもちろん四冠馬ディープインパクト。ブラックホークのスプリンターズSで始まったGI勝ち。とにかくこの人、ディープ以上に凄すぎます。

060503

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2006/04/09

中央競馬、思い出の桜花賞を振り返る[ユキノビジン]

 今日の桜花賞、アンカツ騎乗のキストゥヘヴンが優勝。予想を立てた上で、キス=キッス馬券は想定の範囲内だったが、今年の桜花賞の一、二着組み合わせがそれ以上に絶妙だった点は興味深い。勝ったキストゥヘヴンの父はアドマイヤベガ。彼の母はベガ。そして93年の桜花賞、ベガに騎乗していたのは武豊。そのベガは松田博資きゅう舎所属の競走馬だった。同じきゅう舎、今回二着したアドマイヤキッスの先輩でもある。個人的にはベガを巡る運命で終わった桜花賞といえよう。

 実はベガの勝った桜花賞、馬券を買う事ができなかった。その頃はもう地元に帰っていたし、今のようにPATの権利が無かったからだ。しかし過去の桜花賞の中でもこの93年が一番思い出深い。その理由は勝ったベガよりも、二着に来たユキノビジンに惚れていたからである。まずその名前が美しい。中央競馬ではユキノの冠で走る馬はいるが、この馬はその流れではなく、元々走っていた地方に由来する。彼女は地方競馬、岩手競馬出身だった。岩手に雪の美人、これほどハマったネーミングは数少ない。

 中央緒戦はクロッカスS。今では東京の芝一四〇〇メートル戦となったが、当時は二月開催、牡馬牝馬混合、中山の芝一六〇〇メートル。とにかくその勝ちっぷりが強烈、印象的で、すぐに彼女の姿に惚れてしまった。鞍上は安田富男。自著で泥棒ジョッキーと称していたが、何となく憎めないオジサン。そんな美女と野獣、雪の美人とオジサンの組み合わせは何とも琴線に触れた。だからこそ桜花賞、一番人気のベガよりもユキノビジンに目が行った。

 当時の快速馬マザートウショウが逃げる淀みのないペース。追走するベガに追い込みを賭けるユキノビジン。五番人気を覆したものの、その差はクビ差まで迫るのが精一杯だった。オジサンとユキノビジンの夢は次走のオークスへ。しかしオークスでは中距離馬サクラユタカオー産駒ゆえか、勝ったベガとの着差はさらに広がった。しかし二着を死守。オジサンとの夢は秋につながると思いきや、思わぬコンビ解消を言い渡される。それでも惚れたユキノビジンを追い駆けて、ボクは京都のエリザベス女王杯を観に行った。

 最後は名手岡部の手綱でターコイズSを勝ったものの、GIでユキノビジンの活躍を観る事無くそのまま引退。ただ今でも彼女は安田富男とのコンビが一番だったと思う。そして美しさと強さを兼ね備える名馬を多く見て来たが、ここまで惚れる牝馬にはいまだ巡りあっていない。そうした見方は何処かプライベート、恋愛感と重なる気もする。思い出は簡単に消え失せない。桜花賞の頃になると思い出すのは、やっぱりユキノビジンなのだ。

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          ユキノビジンと安田富男

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2006/04/08

競走馬にとって残念な出来事、それでも春は来る

 日本競馬界にとって残念なニュースが入った。まずメジロマックイーンが亡くなった事。父子三代天皇賞制覇、偉大なるステイヤーの血を引き継ぎ、菊花賞、そして春の天皇賞を二連覇した。惜敗した関東G1の中でも秋の天皇賞、十八着降着は競馬を始めたばかりの頃ゆえ、現場にいたせいもあって、とても印象に残っている。ただその反面、勝ったG2の鮮やかなこと。引退レースとなった京都大賞典勝ちタイム2分22秒7は、酷量59キロで達成したもの。老いてなお強し、スピードを増し白くなった名優は、鞍上武豊にリップサービスとはいえ、「マイルチャンピオンシップに出してみたいほど」と言わしめた。引退後、晩年はさらに白く、牧場にいた彼はその強かった頃の面影は無かったが、やはり名優だった。

 もう一つは、昨年の日米オークス馬シーザリオの引退。牡馬をも豪快に差し切る斬れ味。オークスはスタート後、道中は窮地に立ちながら、その能力で勝ちを導いた。そしてアメリカンオークスは鞍上の好判断、馬なりで直線最後は後続を突き放した。スペシャルウイークへの父親孝行、そして祖父サンデーサイレンスとその母国への恩返し。欧米に対する日本馬のレベルアップを象徴する痛快な出来事だった。昨年はラインクラフト、エアメサイアと三冠を分け、今年の活躍が期待されただけに本当に残念と思う。

 競走馬にとって残念な出来事、やはり引退と当たり前だが亡くなる事だと思う。引退は通常二、三年、競走生活の短い競馬にはいつもつきまとう。特に脚元の故障はシーザリオの例だけでなく、メジロマックイーンも数々の名馬たちも、走る強い馬ゆえに引退に追い込んでいく。ただ引退セレモニーにたどり着ける馬、さらに血を残していける馬はもっと少ない。その一方で競走途中で故障した場合、予後不良と呼ばれる薬殺処置が施される。天寿をまっとうできる馬もこれまた少ないのは、競走馬ゆえの宿命ともいえる。

 競馬の楽しみには紡がれていく血のつながりがある。途絶える名馬の血もあれば、その兄弟によって報われる血の宿命もある。今年もやってきた春シーズン、桜花賞から始まるクラシック、そしてディープインパクトを始めとする古馬たちの戦いの裏で、長きに渡る血は脈々と息づいていく。競馬はそんな背景を知れば知るほどに面白い。そして知れば知るほどに馬券は当たらなくなるんだけどね。だから競馬は面白い。

060408
  余生を送る名優メジロマックイーン(02/08/15撮影)

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2006/03/27

昨日の高松宮記念と宮川泰さんが逝く

 昨日はGI高松宮記念だった。日本二大珍名馬主の一人、小田切有一氏の持ち馬オレハマッテルゼが快勝(もちろんもう一人は、マチカネ軍団の総帥細川益男氏)。オークス馬ノアノハコブネ以来のGI勝利である。ノアノハコブネの鞍上は当時騎手だった音無秀孝調教師。その縁が二十年を経て、以来のコラボレーションが再び実を結んだ。元々小田切氏の馬を管理する事が多く、リーディング常連ながらGI勝ちがこれが初めて。今回の鞍上、柴田義臣騎手にも六年ぶりのGI勝ちをプレゼント。とにかく久々尽くしの高松宮記念だったと思う。

 高松宮記念は中京競馬場、関西エリアのレースとして扱われる。その違いの一つはファンファーレ。GIのファンファーレは東が「ドラゴンクエスト」シリーズでおなじみ、すぎやまこういち氏。西は宮川泰氏の手によるものである(ただし宝塚記念は一般公募)。そう先日亡くなった宮川泰さんの事だ。そんな間際の高松宮記念、中京に宮川さんの作ったファンファーレがこだまする。しかしだ。実況アナもその背景を紹介せず、しかもファンファーレは生演奏ではなかった。正直、ガッカリした。

 大きなGIでは生演奏が必須。ダービー、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念は必ず生演奏である。確かに今回の高松宮記念はGIと呼ぶには格が落ちる。しかし作曲者の亡くなった直後の対応として是非生演奏し、背景を紹介する等して功績を称えるべきだった。それが亡くなった功労者に対する儀礼だと思う。ファンファーレが宮川氏の作った格式あるものに代わり、GIの雰囲気は確実に変わった。昨年、ディープインパクトの三冠のかかった菊花賞、ファンファーレのリズムに合わせ、観客が拍手する姿はその場にいて全身に響いた。そして約三分後、あの感動が体に走った。ディープの走りを振り返る時、かならず宮川さんのファンファーレがある。

 宮川泰さんというとボクら世代にはやはり「宇宙戦艦ヤマト」。猛々しい主題歌、大人の愁いに溢れる「真っ赤なスカーフ」、そして美しさに満ちた数々のスコア群。子供の目から見たちょっと背伸びした大人の世界を体現したのが宮川さんの音楽だった。「宇宙戦艦ヤマト」にはロマンという言葉がまず浮かぶ。音楽の持つ重要性、けっして映像サイドの世界観だけで、あの雰囲気は得られなかったと思う。そして晩年、ビートたけしのバラエティ番組「スーパージョッキー」にコメンテーターとして出演していた宮川さん。お茶目さも宮川さんのトレードマーク。「宮川先生!」とたけしにツッコミを入れられていたのが懐かしい。謹んでご冥福をお祈り致します。

kingofturf
  「King of Turf」
中央競馬のファンファーレ

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2006/03/26

寝ずに生で朝までドバイワールドカップを観る

 今年は野球でワールドベースボールクラシックが開催され、サッカーはワールドカップが控えている。そして馬の世界は毎年この時期、ドバイワールドカップが開かれている。中東の産油国ドバイはいずれ枯渇する化石燃料を見据え、地元の産業、工業への投資が盛ん。世界一規模のホテル、世界最大級の室内スキー場等、リゾートも拡充されている。そして十数年前から馬の生産にも力を入れ、世界中の良血を導入。今では世界の競馬を席巻する程の勢力となっている。そしてドバイの競馬はナドアルシバ競馬場、シェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィンを中心に展開。その大一番がドバイワールドカップである。ドバイワールドカップは武豊が勝ちたい世界のレースの一つに挙げているほど(残りはフランスの凱旋門賞、アメリカのブリーダーズカップ、そして日本のジャパンカップ)。歴史は浅いものの、それでも世界の有力馬、騎手が集まり、大きなお祭りであると同時に、その実力と腕を世界にアピールする場でもある。

 25日22時半、グリーンチャンネルの生中継はゴドルフィンマイル(G2)から始まった。出走馬はユートピア。国内交流重賞、ことさらマイル戦には強いユートピアが、久々武豊とコンビを組んでの参戦。元々、ドバイの馬場は先行前残りの傾向が強い。その上、中継でも指摘されていたが、今年は硬く調整されたというスピード馬場。そんな中、好スタートでユートピアが馬群を引っ張り、直線ではグイグイと後続を引き離し圧勝。昨年の勝ちタイムよりも速く、しかも楽勝である。あの勝負服が一足お先にドバイの地で勝利した。

 続くUAEダービー(G2)は三才馬同士のレース、クロフネ産駒フラムドパシオン、南半球生まれのガブリン(4才馬だが南半球生まれゆえ出走可能)が出走。特にフラムドパシオンは父譲りのスピード、ダートでは負け無し。世界のダート競走は一八〇〇メートルから二〇〇〇メートルが激戦区。またアメリカでは大一番ケンタッキーダービーが控える。そういう意味からも、今後のフラムドパシオンの力比べとして格好のレースとなった。レースはペリエ騎乗のガブリンが逃げる展開。フラムドパシオンのスタートはやや後手気味。中団からのレースを余儀なくされた。直線でガブリンは失速。その半ば、飛び出してきたものの、前をカットされた分、仕掛けが遅れて三着を死守が精一杯。遥か先を地元ドバイのディスクリートキャットが圧勝。前述のケンタッキーダービーの有力馬に数えられている馬だが、やはり世界は広い。しかしながらフラムドパシオンのポテンシャルを示す結果であった。ガブリンは七着だった。

 ドバイゴールデンシャヒーンは短距離ダート一二〇〇メートルのレース。交流重賞常連のアグネスジェダイが金沢競馬の吉原騎手を迎え参戦。地方中央問わぬ国際派森きゅう舎らしい起用。ただし結果はアメリカ馬上位独占、アグネスは六着だった。

060326 一旦休憩の入った中継はドバイシーマクラシック(G1)芝二四〇〇メートルから再開。シーマクラシックといえばG2時代、ステイゴールドが勝ったレースでもある。そして今回、有馬記念でディープを破ったハーツクライが参戦した。橋口きゅう舎としてはユートピアの勢いに乗りたいところ。ジャパンカップで戦った女傑ウィジャボードが目下の相手である。レースは序盤からハーツクライは有馬の再現か、先手を取って逃げた。スローなのか、行く気任せ、ルメールの手綱は冴え、直線では他馬が並ぶ事さえ、許さなかった。それでもゴールするまで緊張感が走り、(馬券を買っていないのに)思わず観ているこちらから声が出た。JCや有馬を思い出させる。そして気がつけば圧勝。画面からは指を突き上げるルメールの姿、橋口調教師のえびす顔、そして「次はキングジョージに行きたいね」と高らかな宣言。ハーツクライ、ステイゴールドと同じ勝負服が再び世界を制した。

 続くドバイデューティフリー(G1)は芝一七七七メートル。アサクサデンエンに昨年の香港マイルの覇者ハットトリックが登場、日本の春秋マイル王が揃った。おなじみ香港のブリッシュラックら八か国から参戦、解説である"世界の"合田直弘氏が「こんなレース観た事ない」といわしめたメンバー。スタート後先行したアサクサデンエン、出遅れて後方からの競馬となったハットトリック。両馬全くいいところが無く、アサクサデンエンは直線手前で失速、ハットトリックは末脚不発。二頭共いいところが無く後方馬群に沈んだ(ハットトリックが十二着、アサクサデンエンは十五着)。水が撒かれたらしい重い芝適性と遠征の難しさ、やはり世界の壁は厚かった。

 最後はドバイワールドカップ(G1)、ダート二〇〇〇メートルと最高の舞台。昨年のJRA最優秀ダート馬カネヒキリ、そしてそのカネヒキリと前走戦ったスターキングマンが参戦。カネヒキリがステップに使ったフェブラリーSを圧勝、そして昨年末のJCダートは接戦ながらレコード勝ちと今回の期待は膨らむ。イタリアからドバイへ移籍したエレクトロキューショニストがライバル。移籍後、ダートを圧勝したという。同馬がブックメーカーでは一番人気。スタート後、カネヒキリは四番手を追走、スターキングマンは後方につけた。カネヒキリ、好位追走して手応えがいいと思いきや、なかなか伸びない。むしろ追走するペースが早かったのか、五着死守が手一杯。そして後方から伸びてきたのはゴドルフィンの勝負服のエレクトロキューショニスト。ゴール後は鞍上デットーリの絶叫がドバイに響いた。スターキングマンは八着に終わった。

 今年のドバイ遠征、日本馬は九頭中、二頭が勝利。中でもハーツクライの存在は出色だった。一方、期待のカネヒキリが五着と惜敗。だが海外競馬はシーズンが始まったばかり、リベンジの機会はまだ数多い。世界へ向かうか、日本で迎え撃つ立場となるか、興味は尽きない。次はアメリカ、イギリス、そしてあのディープインパクトへ夢はつながった。それではオヤスミナサイ(-_-)zzz

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2006/03/19

スポーツ満開、クラシック、春競馬開幕

 今日は熱い一日だった。まずはWBC、ワールドベースボールクラシック。いよいよ三度目の正直となるか、好敵手韓国との準決勝である。上原の好投に応える打線。長打を打ち、身をふり絞るように走る松中。二塁打となり、ベースをコブシで叩く。この瞬間、まるで日本代表にスイッチが入ったような気がした。その直後、多村の送りバントは失敗したが、代打起用に福留がツーランホームランで応え、一気に日本へ勝機が訪れた。その後は打者一巡、さらに八回に追加点を入れ、日本代表は6-0で韓国を下した。韓国の好プレーに対し、日本のエラーやミスが目立ち、六回までこう着状態が続く中、正直諦めムードも芽生えていた。しかし諦めるものではないと、米-メキシコ戦の結果は教えてくれていた。こういう日はスポーツっていいなぁと思う。

 クラシックといえば、いよいよ春競馬、クラシックの季節が始まる。競馬でクラシックといえば、牡馬(男馬)、牝馬(女馬)の三才三冠路線を指す。春なら牡馬は皐月賞、ダービー、牝馬は桜花賞とオークスがある。そして今年のクラシック路線は牡馬牝馬共に混戦といっていい。牡馬はアドマイヤムーンが一歩抜け出た感はあるが、それでも僅差。特に鞍上武豊は、この他に噂の三億円ホースで無敗のフサイチジャンクが控え、お手馬どちらを選ぶか注目されている。また同じフサイチ冠のリシャールは今日のトライアルを二着、重め残りにまだ成長の余地が残こしている。正直、何を軸にするかすら決めかねる事態だ。しかしそれに輪を掛けて難しいのは牝馬路線。レベルの低かった昨年の阪神JF、その後重賞連勝馬もおらず、こちらこそ何が勝ってもおかしくない状況である。とにかく今年のクラシックは悩みが多い分、楽しみも大きい。ただし馬券が当たればではあるが...

 さて実はWBC、日本が決勝進出を決めた同じ時、阪神大賞典に久々のディープインパクトが出走していた。馬体はギリギリに仕上げられ、しかも道中は菊花賞でないにしろ、やや折り合いを欠いた感じは伝わってくる。しかし結果は圧勝。玉砕気味に逃げたトウカイトリックは二着に粘り、直線馬なりで抜け出したディープは完勝。ただ勝ちタイムは稍重のためか平凡。しかし長距離のスペシャリストがいない今、あまり気にする要素ではあるまい。そして最も打倒ディープに近いと思われたインティライミは、八着に惨敗。休み明け、叩き二戦目で上がり目の無い結果、特に春の天皇賞に向け、長距離適性に大きな影を落とした。ライバル不在、ディープの四冠目は磐石となったといえよう。ただこういう日、あんな馬券を買っていてはダメだなぁと思う。買った馬券は推して知るべし。

 来週は古馬短距離路線の高松宮記念。実は高松宮記念も混戦なのだ。とにかく各出走馬とも不安要素が多く、多頭数の中京競馬場とくれば、その年の馬場状態等、様々な問題が予想を惑わせる。それでも来週はやってくる。そして宝塚記念の七月まで悩みの日々が続いていく。いよいよ古馬任三郎が再始動です。

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2006/01/01

第7回遊舟ダイナミック大賞各賞発表

年始恒例「遊舟ダイナミック大賞」。筆者の独断と偏見で2005年を振り返ります。

まずはコラム:2005年総括、景気回復乗って乗り遅れて
 皆さん、あけましておめでとうございます。昨年の紅白は白が勝ちましたね。今年もよろしくお願いします。閑話休題...2005年、清水寺で書かれた今年の漢字は「愛」。そもそもは日本漢字能力検定協会が全国公募、その集計された一位が「愛」だったという事。別に清水寺の大僧侶が選んだ文字ではない。しかし本当に今年を代表する文字は「愛」だったのだろうか。愛・地球博を引き合いに出すには短絡的過ぎるし、卓球の福原愛ちゃんや女子ゴルフの宮里藍ちゃんらの名から採ったのなら、オジサンのダジャレ以下。女性天皇の渦中の女子、その騒動に起因したのなら、それは筆者の好みの話題ではない。反面教師、世間を騒がせた犯罪に愛が足らないとのたまう方もいるだろうが、それは愛でなく単純にモラルの欠如に他ならない。

 確かに政治は好景気の兆しに助けられた感がある。だが小泉劇場はパフォーマンスを武器に大衆の興味に入り込んだ反面、徐々に本当の腹の底を現しつつある。その第一弾、数々の増税案の中、愛煙家のため息聞こえてきそう(ただ何度も言うが、喫煙者が社会の弱者だとは思わない)。もちろんそれだけでなく、貧富の差を増長させる増税案。総理は在任中は増税しないというが、2006年9月以降の保証は無い。マスコミ共々、もっと先にできる事を追求するが、そんな事何処吹く風。なし崩し的に政策を進めているのが、大衆の選んだ現政権なのである。ただ他に選択肢は無いのだが。

 なお昨年のこのコラムでも景気復調の兆しを述べたが、今年はそれが本物だと裏付ける出来事が多く現れた。個人投資家、デイトレーダーの台頭。みずほ証券の株式売買ミスは世間を騒がせ、20億円もの利益をあげた個人投資家まで登場。その一方、セキュリティ問題を提唱する結果となった。いやそれよりも4月、JR西日本の福知山線で起きた列車事故、トドメは暮れの団欒に衝撃が走った耐震強度偽装問題。ゼネコンを台頭させる構図を作った民間への業務委託が、その間隙を作った。内容はどうあれ、そのすべてにシステムの抜け道が見えてきた。確かに国、民間との役割を見直すいい機会なのだが、その代償はあまりに大き過ぎた。好景気の兆しは財布のヒモを緩ませる一方、時に身の引き締まる一年だったと思う。こんな年、どうみても「愛」じゃないでしょう。

 さてそんな一年を過ごし、買ったものを挙げていくと、かなり自分への投資に代替するものばかりだった。車、パソコン、ケータイ、携帯デジタルオーディオプレーヤーなど等。その中に新三種の神器の薄型テレビは含まれていないが、地上デジタル放送が広範囲となった2005年ゆえ、いずれ買う事になりそう。コンテンツの録画方法だけが宙に浮いているが、話し合いでなく時間が解決する方向で進んでいる。だが如何に情報を選別し、その中から有益なものを得るかがカギとなっていく。それゆえに街のお店で買い物をする事は限りなく少なくなった2005年。筆者が興味を持ったモノたちとは...?

[各リンク先]
遊舟ダイナミック大賞
遊舟特別賞
遊舟映画賞
遊舟DVD賞
遊舟音楽賞
遊舟競馬賞
遊舟テレビ賞

講評.

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2005/12/25

今年の有馬記念を私的に振り返る

 今日の有馬記念をもって、中央競馬の全日程が終わった。まだ地方交流戦の東京大賞典等が残ってはいるが、芝コースのレースが主体の中央競馬にとってほぼ終戦といっていい。そしてその大一番の有馬記念、大本命馬のディープインパクトが初めての敗戦を味わい、けっして大波乱では無かったものの、暮れの中山に何とも言えない沈黙が流れた。それは英雄、無敗の三冠馬に対する想いに一つの終止符が打たれた瞬間でもある。そう『ディープインパクトも負けるのだ』と。大方の観戦コラムはこちらに書いたので、ここではあくまでディープに限って考えてみたい。

 パドックに現れたディープインパクト。ただ弾けるような馬体に見えなかった。しかし他馬と同じように冬場ゆえの毛ヅヤの悪さかと思われた。馬体重は440キロ、マイナス4キロの臨戦過程。調教量は前日に見た「競馬予想TV!」で調教捜査官こと井内さんが指摘していたが、内容は充分もラストの伸びが足らぬと苦言。また年内最終戦らしからぬ最終追い切りの物足りなさも感じられた。しかし三冠馬、底知れぬ力に期待をしていたのも事実。それは関係者、マスコミ、そしてファンを含めてだったのだと思う。

 ボクは予想コラムの中でディープ抜けの可能性を示唆した。理由はその時に記さなかったが、三冠馬ディープでさえ、中山コースで34秒台の上がりが限界だという事に気づいたから。もちろんコース形態に起因する面もある。だからこそ過去の実績として33秒台の瞬発力は東京、京都と大きなコースでしか真価を発揮できなかったからだ。そうなれば前で競馬のできる馬、しかも同じように34秒台で上がってこれる馬であれば、チャンスが生まれてくるというもの。今年の古馬戦線、秋の天皇賞の走破タイムの遅さにレベルの低さを感じたものの、逃げたストーミーカフェを除けば、上がりが32秒から33秒台という事実。それが古馬の底力でもある。そして対抗馬にはゼンノロブロイを挙げた。しかしご存知の通りにロブロイはプラス12キロの馬体重で、割り引きざるえない対象となっていた。

 おそらくハーツクライがいつものお決まりのポジションでレースを進めていれば、ディープインパクトは勝っていただろう。たとえ前述で指摘した調教の問題があったとしても、連を確保した以上、そのタラレバは成立する。実際今日のレースでも展開が向いた形で伸びて来ている。レースの上がりは35秒5、ディープは頑張っても34秒台だったのではないか(翌日の公式発表では推定34秒6)。武騎手が「(最後は)飛んでいなかった」とコメントしているが、それはハーツクライを差し切れなかったからこそ。この競馬をして34秒台で上がってくるだけでも普通の馬なら凄い事。ただそれ以上の脚は鞍上を含め、ファンも望んでいたのだが。

 ハーツクライ、ルメールの位置取りは想像以上に前過ぎた。ボクの予想では好位につけ、内を抜け出す形で脚を使う、ダイユウサク的な競馬をイメージしていたからだ。実はレース直前、ボクの頭の中でロブロイの馬体増から、対抗にハーツクライが急浮上。前走、アルカセットは交わせなかったものの、その鬼脚に期待していた。だが今回のハーツの競馬は逃げてはいないものの、95年有馬のマヤノトップガンに近い。ルメールの騎乗はマスコミやボクらファンの想像を超えていた。いやそれがあったからこそ、あの武豊でさえ直線前にいるハーツに驚いたのでは、と思う。とにかくハーツクライの奇策はディープよりもインパクトがあったという事だ。

追伸.
 ハーツが気になって、買ってあったディープからの馬連、三連複に加え、ハーツの単勝、三連複のヒモでもあったリンカーンへのワイドも追加。三連単、馬単を買わなかったので大爆発とはいかなかったけど、思わぬ年越しの餅代となりました。ありがとうアイリッシュダンス、ありがとうルメール!

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  心からの叫び「そのままーっ」

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2005/12/24

ディープインパクト、前人未到の無敗四冠馬を目指す

 世間的にはMerry Christmasな季節。特に金曜からの三連休を楽しんでいる方が多いと思います。しかしボクはいつものように、今日からの二連休。ただそのテンションはクリスマスに感化されるよりも、別のところにベクトルは向かっています。そもそも去年の今ごろは人生最大の大泣きして「冬のソナタ」(完全版)を観ていましたが(もちろんドラマに泣いたわけではありませんけど)、今年は最初から割り切って、一人のんびりのクリスマス。いや明日の中央競馬フィナーレ、有馬記念への戦闘モード突入です。

 今や一般のニュースで扱われるほど、ディープインパクトは社会に知れた競走馬となりました。その戦績よりも世間的には『とにかく凄い馬』として、そのぶっちぎる姿が年末のニュース総決算に何度も登場しています。でも最も重要なのは、また競馬で負けた事がないという事実。これは競馬において大きなウェイトを占めています。まず競馬には『負けてなお強し』という言葉があります。いい競馬をする事、結果を残す事が競走馬に求められるからです。それが勝ち取る賞金に反映され、しかも実績を残す事で種牡馬として、第二の馬生を送る事ができます。そんな幸せを味わえるのはほんの一握り。しかしディープは現時点、それだけでなくいまだ負けていないのです。

 競馬で負けるのは恥じる事ではありません。負ける事で問題点を修正し、次の結果につなげる。過去、そうして生まれた名馬を数多くいます。逆にディープ陣営にとって、負けられない競馬が続くのは大きなプレッシャーでしょう。しかも今度の有馬は歴戦の古馬(四才以上)との戦いになります。「学生野球からプロ野球に進む」というと例えが正しいか判りませんが、レースの厳しさはクラシック戦線に比べレベルが上がる事は必至。またディープ以外の陣営が異口同音に指摘したのは菊花賞で見せた隙、初めてみせた掛かり癖でした。

 それゆえ今回のディープには、クラシック以上に完璧な競馬が求められます。特にジャパンカップ上位馬はレコード決着に負けても、今まで以上の強敵。ただ走る事が歴史を塗り替えるディープの走り。ハードル越えは容易いかもしれません。それを見極める意味でも重要な一戦だと思います。しかしながらボクの中ではディープ抜けの可能性は否定しません。ちょっとだけタテ目をおさえます。でもレース後、武豊が鞍上で四本目の指を立てられる事を祈りつつ、結果はどうあれ、ディープが無事に新たなステージへ進んで欲しいと思っています。なにしろ『無事之名馬』というのが一番ですから。

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   さぁ有馬、四本目が立つか?

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2005/11/30

デットーリ・マジック炸裂[ジャパンカップを観る]

 古馬任三郎の生観戦後記の通り、土日は東京競馬場でジャパンカップを観て来た。大抵の事はそのコラムに書いたが、あらためてデットーリの事について考えてみたい。デットーリのフルネームはランフランコ・デットーリ。イタリア、いや世界のトップジョッキーである。世界の大レースを数多く制し、また世界の名馬の鞍上にいるのが彼だ。ラムタラが凱旋門賞を勝った時の鞍上も彼だったし、彼が乗ってJCを制したファルブラヴは、翌年本格化し欧州年度代表馬に選出されている。世界のホースマンが注目、名馬に乗るだけでなく、育てているのも彼の強みだろう。

 今年、ジャパンカップの当日の彼は積極的なレースが目立った。ペースを見極め、行く時は行けるし、抑えるべき時はしっかりと抑える。どちらかといえば、経験の少ない二才馬のレースでは先団で早めに仕掛け、上級クラス、条件戦になるとペースに合わせたレースを心掛ける。小島太きゅう舎が積極的にデットーリの騎乗馬をサポートしていたが、それだけでなくデムーロの乗り替わりとなった騎乗馬でも結果を残す(それにしてもグリーンチャンネルで観ていて絶望的な落馬と思われたが、奇跡的に軽症だったデムーロ。本当によかった)。とにかく彼のレースぶりは信頼できるばかりだ。

 ジャパンカップではアルカセットに騎乗。だが彼にとってのお手馬はもう一頭、ウィジャボードがいた。馬場適性からアルカセットでJC参戦を進言した事は知られているが、実は今回のレース中最もマークしていたのが、そのウィジャボードであった。実際、常にアルカセットの前にウィジャボードがいた。牝馬にして昨年の欧州代表馬、実力を認めた上でのマーク。また彼女の位置取りに何らかのカギがあったからなのだろう。実際、彼女、ウィジャボードはレコード決着の中、五着に粘っている。

 ここで考えたいのが、連対したアルカセットとゼンノロブロイの位置取りの違い。ロブロイは八番枠を利しそのままスタート。鞍上デザーモは直線、馬場の真ん中を伸びようとした。一方、アルカセットは出遅れ気味のスタートから、すぐに最内を進みレースを進めていった。直線で内が伸びる傾向にあった事もそんな騎乗にあたるが、ただレコードで決まった事を考えると、ロスなき位置取りが最も効果的だった事が解る。欧州のように力勝負の馬場なら外を狙うもいいが、スピード偏向の日本の馬場であればなるべく外は周りたくない。ロブロイにとって普段のGI戦なら、勝ちに等しいレースになったと思うが、今回は究極のスピードを試されたサバイバル戦。デザーモの「直線、馬場の真ん中を...」というちょっとしたロスが命取りだったと考える事もできる。

 とにかく今年のJCは、普段デットーリが乗る欧州のレースよりも、勝ちタイムが4秒近く速いレースだった。それでも彼はそんなレースに対応した。日本競馬の傾向を熟知し、しかも勝って結果を残した。これは凄いことだ。過去、多くの外国馬が「勝ちに来た」と豪語してきたが、最も結果を残しているのがデットーリだと言えよう。ディープインパクトがもしこのJCを走っていたら...回避を決断させた強敵、最も恐れていたのが、このデットーリ・マジックだったのかもしれない。

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    JCデー、デットーリ・マジックが始まる

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2005/10/30

古馬任三郎の競馬観戦裏コラム[天皇賞・秋]篇

 ええー、昨年は鞍上ペリエの騎乗を受け、劇的に秋のGI三連勝を勝ち取ったゼンノロブロイ。一年先輩のシンボリクリスエスが四才を最後に早々と種牡馬入りした後、彼は五才の秋も現役続行中である。そんな今年休み明けの宝塚記念を三着、あいだに英国遠征をはさんだ今回の参戦。英国では惜しい二着ではあったが負けは負け。しかも今回の天皇賞も二着に惜敗。勝ちタイムは二分〇〇秒一と良馬場の中、近年稀に見る低レベルの決着に終わった。春同様、天皇賞の威厳は失いつつある。

 これが昨年の年度代表馬?と疑問符のつく、今年のゼンノロブロイの成績。イマイチ君だった昨年春の時点に戻ってしまったようだ。なにしろ去年の春、宝塚記念を終えたところまででは、会心の勝利は神戸新聞杯という印象だけの馬であった。もちろん鞍上に恵まれていなかった事も大きい。当時、凡走の片棒を担いだのはヨシトミとカツハルである。そして三着さえ稀に逃す安定度のブレもあり物足らない。それゆえ今回の天皇賞も連軸から外してしまった(今回の秋天だって軸から馬連でヘブンリーロマンス買ってたんだから)。例え鞍上がボクの好きなノリであってもね。実際、今回のレース結果は二着とはいえ、今後の秋GIに暗雲をもたらすものである。

 そんな時に思い出したのが、あのテイエムオペラオー。彼も年度代表馬となった年、GI五勝を含む重賞八連勝というとてつもない記録を打ち立てた。有馬記念なんて様々なアクシデント(直前の鼻出血、馬群に包まれた勝負どころ...など)を跳ね返しての優勝。ここまでの戦績、毎度二着のメイショウドトウはいつまで戦っても、勝てないんじゃないの?と思われていた。そんな翌年、エイプリルフールではシャレにならないオペラオーの凡走。春天は勝ったものの、宝塚ではドトウに初めて先着を許した。そして連覇を狙った秋の天皇賞で重馬場とアグネスデジタルの強襲に泣いている。この時の勝ちタイムは当然の二分〇二秒二。とはいえ年度代表馬となった翌年、ピリッとしないオペラオーとなってしまった。だからこそ今年のロブロイが被ってみえる。

 この後、オペラオーはジャパンカップに進み、その年のダービー馬ジャングルポケットにクビ差惜敗。ちなみにディープインパクト陣営はこの天皇賞の結果をみて、JC参戦を考えているそうだ。たぶんそうなる公算は高そう。もしそうなればロブロイ二着、ディープ一着と歴史は繰り返す可能性は高い。しかし冒頭でも述べたとおり、ロブロイがそれほどの信頼が置ける馬ならば...という条件付き。ただ個人的にはまだまだそう思えないんだよなぁ。デザーモもポカする時も少なくないし。とにかく今はディープ陣営のコメントを待ちたい。

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2005/10/24

無敗・三冠・菊花賞観戦弾丸ツアー無事終了&プチ京都見物

 昨日はとにかく無敗の三冠馬誕生に酔った。公言通りに前日から深夜、寝台特急に乗って京都入り。弾丸ツアーの理由は日帰りにあったが会社から一報が入り、翌日月曜の出勤が回避された(そもそも会社自体は休日)。完全な弾丸では無くなったが、ツアー前半の疲れは間違いなく弾丸級である。しかも明日は日の出前、早朝からお呼びが掛かるとあって、この日記を書き終えたら、気持ちはスリープモードに切り替えなければならない。とはいえ、あの興奮と感動を味わった後、疲れなんて何処かにすっ飛んでしまった感が強い。

 競馬観戦を終えた昨夜、宿を取ったホテルに移動。実は朝一番の新幹線で帰る事を想定して、事前に宿はとっておいたのだ。それから夕飯を食べようと散策。宿は三条付近だったが、どうせ京都に来たのだから和食でも食べましょうと歩くが、なかなかいい店が見つからない。確かに宿まではよかったが、食事までは想定の範囲外だった。結局、歩くだけ歩いて関西のわりに濃口の中華そばと焼めしを食べ、ビール中ビンを飲む。石和温泉でドンチャン騒ぎしているであろう同僚を思い浮かべつつ、一人だけの弾丸ツアーを楽しむ。

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  ディープインパクトは上がり33秒3[平均時速64.9キロ]

 ホテルに戻るとテレビで日本シリーズを観戦。第一戦に続きロッテの猛打が爆発。そして菊花賞の生観戦コラムを書き始めるが、体は正直に疲れからアルコールを受け入れ、ゲーム終了の頃にはそのまま爆睡。気がつけば翌朝、今朝の午前七時。もし事前の予定通り、朝一番で戻る事になっていたら、完全に遅刻であった。ホテルで簡単な朝食(込みで6,000円台とは安い)、それから観戦コラムの残りを書きつつ、近場に二条城があるので朝からプチ京都見物に切り替えた。

 二条城は1603年に徳川家康が造営。その後、大政奉還の舞台にもなった歴史的な建物、世界遺産である。歴史マニアでないので細かい事は分からないが、とにかく建物内部は古くもその作りは繊細。二の丸御殿内、古くから多くの人が歩んだであろう廊下で歩を進める。微妙に鳴く廊下が興味深い。そして城内、とにかく外国の観光客が多く、建物を前に写真を撮る人が多かった。なお当たり前だが内部は撮影禁止。その上、外であろうが三脚使用禁止には正直参った。

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           二条城、二の丸御殿


 実は今回の京都遠征は公には内緒、だって会社の旅行を蹴ってまでも...である。土産は両親にだけ、おかげで土産代は助かった。ひかり号に乗り、二時間の道中。バイオTの本領発揮。処理は速いし(バイオC1比)、何よりバッテリーの持ちは、その後喫茶店に持ち込んだ合計三時間を経てもやっと50%を切る程度。これなら予備のバッテリーは要らないかもしれない。やっぱり新しいパソコンはいいね。無敗の三冠馬誕生と、旅の余韻に浸りながら、明日に備えて早く寝ようっと。

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2005/10/19

無敗・三冠・私的菊花賞物語に弾丸ツアー決行

 いよいよ今週末はGI菊花賞。皐月賞、ダービーに続く牡馬(男馬)のクラシック第三弾である。競馬でクラシックとは三才馬だけによるレースを指している。春の有力馬、ことさらダービー馬らが菊花賞を勝つ難しさは、無事に夏を越す点にあるとこのコラムで述べた事がある。既に今年のダービー二着馬のインティライミは脚部に不安が出て調整に失敗。勝つチャンスがあったとしても、出走しなければ意味は無し。出走できたとしても、あらゆるプレッシャーとの戦いが待っている。

 トウカイテイオーは無敗でダービーまでを制覇。しかしレース中の骨折で菊花賞を断念せざる得なかった。その後、骨折から復活。翌年の春の天皇賞に無敗のまま出走した。この時は前世代のメジロマックイーンとの頂上対決に破れ、無敗の帝王伝説は終わっている。このレースの敗北で長距離に対する、菊花賞で勝てたのだろうかという疑問は立つ。だがその後テイオーの活躍を考えると、無敗三冠馬の可能性は否定できない。父シンボリルドルフ無敗の三冠馬という偉業があったからこそ、菊花賞出走断念は残念な結果であった。

 ちょうど競馬を始めた翌年がミホノブルボンの年だった。浅く覚えた血統論に距離の壁を皆で論議。もちろん血統は競馬の要素であるが全てではない。それはミホノブルボン、ダービーでの圧勝が表している。さらに前哨戦の京都新聞杯も快勝、ここまで無敗、だからこそ菊花賞に熱い視線を注いだ。そして終わって落胆も大きかった。淀の直線、杉本清アナの落胆が伝わる実況が懐かしい。ダービー以来、ひたひたと足元に忍び寄る影に勝てなかったブルボン。勝ったのはライスシャワー、ブルボンの負けた菊花賞は稀代の名ステイヤー誕生の瞬間でもあった。

 そして今年、ディープインパクトはトウカイテイオー、ミホノブルボンの両頭の菊花賞に該当しない。むしろシンボリルドルフと同じ存在。唯一無二、孤高、無敗の三冠馬。ルドルフの手綱を取った当時の岡部騎手。そんな岡部が今年引退し、ユタカが三冠馬になるであろう馬に乗る。そこには何とも運命を感じて仕方が無い。中央競馬の長い歴史の中、無敗、二頭目に三冠馬誕生に、京都へ菊花賞弾丸ツアー決行。何と日帰りである。でも絶対に行くよ。それ程に意義ある事なのだから。

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   頼むぞ!ディープインパクト

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2005/10/16

たくみよアンタ、そんなに予想に自信があるのか

 今日の秋華賞はエアメサイアが優勝。直線、圧倒的な一番人気ラインクラフトを交わしての勝利。クビ差でも勝ちは勝ち。現役最強ジョッキー武豊の真骨頂のようなレースぶりである。一方、ラインクラフトは負けてなお強しの内容。ただ鞍上福永祐一は、ゴールと同時に武豊との騎手同士独特の緊張感を満喫しただろう。それ程に今回の二頭のマッチレースは力がこもっていた。馬券は馬連のみ的中とガミってしまったが、それでも直線、二頭のマッチレースは満喫できた。

 競馬予想は楽しい。馬の能力、力関係、展開、コース適性、血統、騎手、きゅう舎など、あらゆる要素を交えて予想を立てていく。基本的に勝ち馬を予想するのが競馬の醍醐味だが、今では三着入着までが馬券の対象となるので、最も重要なのが連、すなわち二着になる事だったりする。二着に絡めてこそ的中となるわけだ。ただこのところ増えた三連複、三連単、これらはより馬券を難しくしている事に気づかされる。一、二、三着を当てる事、実は容易でない。まして当たってもマイナス収支、トントンだったりとがっかりする事も少なくない。

 ただ予想における感情の起伏が競馬の醍醐味ともいえる。しかもお金を賭けた勝負。できる限り自分の判断で買い目を決めたい。しかし得られる情報に限りはある。そんな時に競馬新聞等の情報源を頼りに馬券を買ってみるといい。馬券の組み立て、知識の少ない初心者には大きな参考となる。ただ競馬新聞の予想の場合、どのように予想するかというより、何を買うかに焦点が行ってしまう。そんな中、面白いと思ったのがCSフジテレビ739の「競馬予想TV!」である。

 レース予想だけに割いた番組で、特にGIの時はまるまる二時間が一つのレースの予想が展開される。ボクのようなスピード指数派もいれば、血統、調教重視等、予想の切り口を見ているだけで楽しい。番組は土曜の夜に放送。したがって金曜の夜、GI予想を立てるボクには関係ないが、ただシーズン中は欠かさず見ている。番組中、子供じみたやり取りがあるのはご愛嬌。ただ真剣に語り合った予想の果て、買い目発表ではせこい買い方、多点数買いにややがっくり来る事も少なくない。

 まぁ番組は好きで見ているから、そこまではいい。ただ見逃せない出来事が番組外で一つあった。それは『4コーナーの番人』として番組に登場する三流お笑いタレントの事。番組当初は馬体予想家として、似ても似つかぬイラストに馬体のウンチクを語っていた。だが当たらぬ結果で新たに『馬群マスター』という予想法を構築。4コーナーでの馬群の形から勝ち馬を当てる予想である。ボクは番組内で彼の予想を見るのはかまわない。だが彼のブログを見たら、何と有料予想をしているらしいではないか。

 番組中、他の予想家は競馬ビジネスの中に身を投じて、その結果として予想を披露している。もちろん予想の出来不出来は死活問題。しかしその三流お笑いタレントにとって所詮は片手間の予想でしかない。だからそんな予想を有料で公開しようとする考えが気に入らない。ボクは予想する事が好きだから、それを趣味の範囲としてホームページに掲載している。でもとてもお金を取ろうなんて思わない。はたして彼の予想にお金を払う人がどれだけいるかわからないが、お金を取って予想するという責任を彼は理解していない。たくみよアンタ、そんなに予想に自信があるのか。そんな彼、秋華賞の本命馬はジェダイト、13着でした。

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2005/10/05

強い馬には逆らうな

 先日のスプリンターズSは香港、いや世界最強馬のサイレントウィットネスが圧勝した。短距離、スプリント戦で二着に1馬身1/4差というのはかなり決定的な差。そしてそんな二着は日本最強短距離馬のデュランダル。結果は一番人気だったが、それでも馬連4.3倍は点数を絞って買った者にとって、けっして悪い配当ではないだろう。まして出走直前に馬券を買える環境であれば、馬体重の増減で買い目や配分を減らす事もできる。前日投票は便利だが、大金になるほどそうしたリスクを負う事にもなるので注意したい。

 さて秋のGIシリーズ、これからも堅い決着が続きそうだ。三才クラシックでは牡馬ならディープインパクトに異論なし。三才牝馬もラインクラフトとエアメサイアとの一騎打ちになる公算が高い。古馬戦線も牡馬ならゼンノロブロイ、牝馬ならアドマイヤグルーヴ。そしてJCあたりからディープインパクトが参戦するであろうから、そこからさらに堅い馬券になっていくだろう。今からその時のオッズを考えるだけでも非常に恐ろしい。有馬記念なんてどんな事態になっている事やら。

 近年、圧倒的支持とそれに対する結果を伴った例、中長距離路線で挙げてみると、三才時のビワハヤヒデ、ナリタブライアンの兄弟、スペシャルウイーク、テイエムオペラオーとメイショウドトウ、シンボリクリスエス、そして昨年のゼンノロブロイとどの馬も名馬と呼べるレベルにある事に気づく。実際に過去、秋GI戦線でそんな馬たちを外し、痛い目に会う事も少なくなかった。外して当たった時の喜びはひとしおだが(例えばSクリスエスが三着に破れたタップダンスシチーの勝ったJC)、ほとんどのレースで苦杯をなめるわけで、長いGIシリーズの中で精神的にあまりいいものではない。

 運だけでなく、予想にも流れがある。今回、スプリンターズSを的中させた事で、次回の秋華賞は馬券が堅く決まろうが迷わず馬券購入できる。しかし一旦負ける、しかも初戦負けると予想ロジックに狂いが生じ、つい大穴狙いをしたくなってしまう。過去を振り返ってもその繰り返しだったと反省している。そして今年、前述の通り冷静に考えて、やはり点数を減らして確実性を採るべきだと思う。そもそも点数が増えるのは歓迎すべき事ではない。また三連単は予想収支から儲けが最終的に馬連と大差なければ、迷わず諦めるべきだろう。

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       昨年秋GI三連勝のゼンノロブロイ

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2005/09/27

マル外旋風再び

 人気が盛り返しつつある相撲界。その象徴が秋場所、琴欧州の連勝による台頭、そしてそれを阻んだ横綱朝青龍の意地。やや強引さが目立った横綱の相撲も、負けられないというより、勝たせはしないという気合がこもったものだった。それが我々観る者に伝わって、久々に力の入った観戦となった。どんなスポーツにもライバルは必要だ。正直ここ数年、あまり相撲を観たいと思わなかったが、今回はそんな気持を引き戻す大きなきっかけになったのではと思う。

 大相撲と競馬、一見何のつながりも無いような気がするが、実はその立場は微妙に似通っている。ここ数年、売り上げの減少は止まらず、人気も下火である感は否めない。しかし復活の兆しは現われている。それがヒーロー誕生だ。競馬の世界では無敗の二冠馬ディープインパクト。大相撲では朝青龍と琴欧州という新たなライバル関係、彼らの存在こそがヒーロー誕生に相当するだろう。スポーツには魅せる要素が必要だが、ディープにしろ横綱たちにしろ、そうした側面を満足する力量を持っている。

 だが実はそればかりではなかった。朝青龍、琴欧州共にいわゆる外国人力士である。高見山以降、小錦、曙と登場してきたが、朝青龍が外国人力士の真打ちの感が強い。それ程に横綱の相撲は力強く、迫力を感じる。そこに琴欧州という同じ海外からの力士の登場。しかもまだまだ強くなる能力を秘めている。外国人力士の登場は日本の歴史として続いてきた大相撲に対し、必ずしもプラスと言いがたい面もあるが、レベルの底上げには貢献してきたように思う。

 実は競馬界、ディープインパクトの登場までは相撲でいう外国人力士、すなわち外国産馬が支えてきた面が大きい。ここ数年だけでもシンボリクリスエス、クロフネ、メイショウドトウらGI馬の名前が挙がってくる。競馬は優秀な種牡馬の導入で強い馬作りを目指してきたが、そればかりでなく、マル外こと外国産馬たちが日本競馬のレベル押し上げてきた点に異論はないだろう。島国根性の最たる閉鎖的な考え方だけでは発展は生まれない。今や日本馬は次々と海外の大レースに出走、結果を出し始めている。

 大相撲も海外巡業は行なわれているが、あくまで巡業レベルでの事。また人気を盛り返したとはいえ、マーケティング的には袋小路に入りつつある。再び外国人力士が台頭してきた事で、海外を含めた戦略は急務。もちろん内外を含めて障壁は高く、非常に難しい問題だが、日本文化としてでなくスポーツとして、その魅力を訴えられるようになれば面白いのでないか。IT時代、その方法はいくらでもあると思う。

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2005/09/25

さぁ、京都へ行こう!

 今日の神戸新聞杯は圧倒的な一番人気、二冠馬ディープインパクトが圧勝した。二着シックスセンスには二馬身半、しかも時計も優秀な横綱相撲とくれば、結果はまさに「三冠に向かって視界よし」。シンボリルドルフに次ぐ無敗の三冠馬への王手をかけた事になる。これが如何に凄いことか。まず日本競馬の歴史を遡っても、そのルドルフ以外、過去に無敗の三冠馬はいない。シンザンも、ナリタブライアンも三冠馬となったが、前哨戦で負けている。負けずに勝ち続ける事の難しさは、競馬ファンであれば誰もが難しいと思うはず。

 何故、無敗の三冠馬となるのが難しいのか。やはり皐月賞、ダービーの後の調整が挙げられる。たとえ涼しく夏を過ごそうにも、体調を壊したり、逆に楽をさせ過ぎて調整不足で秋を迎える事がある。ダービーから菊花賞への間隔が長いのだ。アメリカ三冠路線はわずか一ヶ月弱の間に、三つのレースを終える短期決戦。一方、競馬の母国イギリスも日本同様に三冠は長い路線を踏むが、菊花賞にあたる長距離戦セントレジャーは今や中距離偏向の中、その意義を失いつつある。日本はまだ春の天皇賞と共に長距離戦の代名詞が菊花賞。ただここ数年は欧州同様の見識が広まりつつあった。

 そんな中でのクラシック三冠への挑戦、同世代の頂点であるダービー馬が長距離戦へ挑む事。これは単に三冠を獲るためのものでなく、偉大なる先駆者に並ぶ事、いや彼らを超える結果を残す事が重要なのだ。何故なら負けるはずが無い、世代最強は既に実証済み。そこに『無敗の三冠馬』という名、さらに大きな結果を残す事こそ、やや下火の日本競馬の人気を呼び戻すものとなる。少なくとも全ての競馬ファンは、無敗の三冠馬誕生を待ち望んでいる。今日の神戸新聞杯、単勝一番人気110円という支持はその表れといえる。三連単時代、今の競馬界にとって、ディープインパクトは間違いなくヒーローなのである。

 11年前、ボクはナリタブライアンの三冠達成を観るために京都競馬場を訪れた。競馬人生の中で三冠馬を観る事、そんなチャンスは二度と無いだろうと思ったからだ。しかし今年、今度は無敗の三冠馬誕生の瞬間という、我が競馬暦に最大のチャンスが訪れた。競馬ファンを除けば、別にどうでもいい事だろう。でもそこに競馬を知る者と知らない者の大きな差があるのだ。歴史的快挙、いや日本競馬において歴史的名馬の道程、しかも無敗の三冠達成を見逃さない手は無い。10月23日、どんな用があったとしても、たとえどんな事を言われようが必ず京都へ観に行ってやる。興奮、感動...etc、それだけの価値がそこにあるから。さぁ、京都へ行こう!

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2005/09/12

勝ち馬に乗れ

 小泉自民党の圧勝に終わりそうな9.11衆議院選挙。出口調査、開票速報が出た瞬間、悲喜こもごもの顔が各局の特番から流れてきた。いや圧勝という言葉では済まない、着差は今年のダービーでのディープインパクト級の大差の勝利。二着に圧倒的な五馬身差をつけ、レコードタイのオマケつきだったディープインパクトのパフォーマンスと、今回の自民党の勝利と重なってくる。勝つであろう、大勝は判っていても、小泉自民党のパフォーマンスはその想像を遥かに超えていた。

 自民党の集票パターンも、単勝支持率1.1倍のディープインパクトと何となく似ている。競馬では勝つ馬を予想するのが鉄則。ただギャンブルだから大穴を狙いたくなる。しかし強い馬なら「勝ち馬に乗れ」の格言の通り、勝つであろう党、その大きな流れで候補者にも投票した、その結果がトリプルスコアの自民圧勝を引き出した。遊説先、有権者の熱狂から少なくとも、小泉総理は優れた集票マシーンだという事だ。民主党は対抗馬であっても、遠く後塵を拝す事はマスコミから伝わってきていた。ただ競馬と違い、二着には賞金すら用意されていない。議席を失うだけだ。

 今回の衆議院選挙、表向きは郵政民営化が、だが本当はねじれ現象がテーマだった。中央と地方のねじれが取り沙汰されたが、そこではさらに地方の中でもねじれを引き起こす。それが露呈した事により、旧態依然の地方癒着の論理が崩壊。地方の中に勝ち馬に乗ろうという流れが生まれ始めた。事実、刺客を推したのは、ねじれで生まれた支持層からだった。だが本当に必要なのは官僚のねじれ、いやねじり切る事であり、これは国民の手の届かないところ。本当にそれができるのか、力を与えた総理がそれをできるのか。

 強い馬には展開要らず、これは競馬の格言である。だが、これからの小泉総理には展開要らずと言えるのかどうか。ボクはアイドルホースという言葉が嫌いだ。人気と実力が伴ってこそ、名馬として歴史に残る。今回のフィーバー型の選挙上手はまだしも、小泉総理の政治手腕はアイドルホースの域を出ておらず、本音は小泉総理にディープインパクト級の信頼を置く事はできない。ただとにかく結果を見た今は、総理の公約が口実だけに終わらない事を望むだけだ...

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2005/08/16

北海道へ行って来ました

 北海道へ行って来ました。先週の8月11日から昨日の15日朝まで、早来、静内、日高の馬産地を巡り、最後は開催の始まったばかりの札幌競馬を楽しんできました。まさに競馬ファンにとっては垂涎の夏休みメニューを堪能してきました。

 初日は早来社台スタリオンステーションでスターホース4頭トウカイテイオー、クロフネ、シンボリクリスエス、キングカメハメハを目の前にし、翌日は静内のレックススタッドではエイシンプレストン、ヤマニンゼファー、エアジハード、ジェニュイン他。あいだ日高軽種馬農協門別種馬場ではあのテイエムオペラオー。静内地方に戻ってビッグレッドファーム(明和)ではステイゴールド、アグネスデジタル、マイネルラヴら、アロースタッドではブライアンズタイム、ラムタラ、サクラローレル、メジロライアン、ツルマルボーイ他、そしてアンバーシャダイ。挙げていけば、ここ十年程の競馬の歴史に再会した感があります。しかも愛嬌あり、人見知りあり、それぞれの馬たちの性格もいろいろ。ただここにいる彼らは、選ばれたトップホースたちですからね。一方では星屑の如く消えていった馬たちがいるという事になります。でもこんな時だけはロマンを感じるんですよね。

 日曜は札幌競馬場へ足を運び、競馬観戦。やっぱ競馬はライブですよ。ロマンを感じた牧場巡りから博打の鉄火場へ。せっかくピュアな気持になったのに、少し汚れになってしまったかもしれません。勝負馬券にロマンは禁物ですから。牧場巡りと札幌競馬観戦の詳しい事は別の機会に書きたいと思います。

 それにしてもこの旅行の間、北海道の食も満喫しました。摂ったカロリーを考えるとぞっとします。ウニ、いくら、カニ、ジンギスカン、そして今流行のスープカリー。やっぱ時代はスープカリーですよ。あまりの美味しさに絶句、ちょっとした田舎町、特にウチの地元みたいなところでやれば、絶対ウケると思うけどなぁ。そして今日から仕事なんだけど、それが実は一番、ぞっとする話だったりするんですけどね。

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          嗚呼、夏競馬、札幌競馬!

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2005/07/04

ユーイチ&シーザリオ、痛快なアメリカンオークス勝利

 競馬をやっていると痛快な事がある。荒れたレースを的中させた時、強い馬が出て、もう何も言えないくらいに圧勝してしまう時、いろいろある。最近なら二冠を達成したディープインパクトの勝ったダービー。ああいうレースを見せられるとただ笑うしかない。そんな中、日本時間の今朝、アメリカから痛快なニュースが飛び込んできた。何と日本のオークス馬シーザリオが、GIアメリカンオークスを勝ったというのだ。昼に会社のパソコンで初めてそのニュースを見た時、背中がゾクゾクしてきた。帰宅後に映像を見て、鳥肌が立った。

 日本馬がアメリカのGIを勝つ、これほど痛快な事は無い。過去、日本馬で海外重賞を勝った馬は古くはハクチカラあたりらしい(ニュースからの引用(^^ゞ)。しかしGIとなるとシーキングザパール(仏モーリスドギース賞)、タイキシャトル(仏ジャック・ル・マロワ賞)、エルコンドルパサー(仏サンクルー大賞)、アグネスワールド(英ジュライC)、ステイゴールド(香港ヴァーズ)、アグネスデジタル(香港カップ)、エイシンプレストン(クイーンエリザベスⅡ世C、香港マイル)とステイゴールドを除けば全てマル外、外国産馬。日本から勝ちに行くリスクと共に、まだ血統の壁があった。だがシーザリオは違う。"(父)"とつく通り、父内国産馬という立場である。

 アメリカの競馬ファンは驚いただろう。父スペシャルウィーク、Specialweek?そんな馬は聞いた事がないと思ったのではないか。だがシーザリオがサンデーサイレンスの孫だと知って納得したに違いない。ひと昔前なら、良血は潰されると危惧された東方の島国で、脈々と英雄の血は広がっていた。いや日本のファンならご存知の通り、サンデーサイレンス産駒はGIを勝ちまくり、次世代に血を繋いでいった。その一頭がスペシャルウィーク。筆者的には最強のサンデー産駒(Dインパクト登場までは)だと思っているが、その彼の産駒がダービー二着(インティライミ)、そして今回の日米オークス制覇と大活躍。ただシーザリオ自身、このレースで二番人気に支持されていたように、単なる刺客という評価ではなかったようだ。

 夢の実現は馬の能力だけで決まらない。ユーイチこと福永祐一の好騎乗、これに異論はあるまい。日本のオークスでは後手を踏んだスタートが響き、「馬に無理な競馬をさせた。馬に助けられた」と自らを正した彼だが、今回は無理の無いよう二番手を進み、最後の直線、ゴール前では4馬身差をつけた。とにかく今年のユーイチは違う。けっして同じ間違いは起こさない。しかもチャンスに強くなった。それは有力馬で結果を出す事、特にお手馬で出す結果は揺るぎ無い。メイショウボーラー、ラインクラフト、そして今回のシーザリオ。皆、ほぼユーイチが手綱を任されている馬たちである。

 以前、インタビューでユーイチは「そうしないと(武)豊さんには敵わないから。自分でいい状態に持っていったり、自分の乗りやすいようにしないと」と話していた。理想に近いレースを進めるため、そして勝つためにはそうした努力が必要というのだ。しかも今年は結果を出している。先の馬による春のGI4勝が光っている。そして海の向こうでの更なる戴冠。武豊もうらやむであろうアメリカでのGI勝利。しかも日本調教馬であり、内国産馬。ちなみに武豊はスペシャルウィークに乗っていた。

 アメリカンオークスを狙った陣営も評価に値する。新進の角居調教師はデルタブルース、このシーザリオとGI馬を手掛けている。日本でオークスを勝った直後、シーザリオとディアデラノビアでアメリカンオークスを目指すと明言。そして結果を出した。でもこの「結果を出した」というのが難しい。前述の通り、日本から勝ちに行くリスクは尋常でない。ジャパンカップで外国馬を迎え討つのとは大きく違う。アメリカの牝馬戦線を見据え、しかも勝てる競馬を実現したのは凄い。とにかく今回のアメリカンオークス優勝には、いくつもの痛快が秘められている。とにかく今回の優勝は痛快だ。

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2005/05/30

日本ダービー、ひさびさ東京競馬場へ行く

 昨日、ディープインパクト同様、無事に迎える事ができたダービーデー。快晴、東京競馬場で生観戦できる喜びもあってか、とにかく感動したダービーだった。戦前取り沙汰された無敗、二冠という言葉だけの問題ではない。その圧倒的なレースぶりに言葉を失う。ゴールを過ぎた後のウイニングラン、聞き慣れたユタカコールも今日この日だけは体に震えを感じた。もちろん、馬券は本線的中、三連複も合わせてプラス収支。だからこそ嬉しさはひとしおなのだ。

 もし今回、ディープの馬券で何も当たらなかったら、ボクの中で彼はずっとヒール(悪役)になってしまっただろう。競馬には巡り合わせというのがある。当てさせてくれた恩というか、だからこそ次のレースを応援したい動機が生まれる。確かにディープのような馬なら、馬券上消す事は容易ではないが、ちょっとした儲けに対するスケベ心が当たり馬券的中を狂わせてしまう。レースを終えて武豊同様、当たって良かったと手を胸に撫で下ろしている心境である。それにしても今季百勝目がダービーとは、武豊にして出来過ぎな話だなぁ。

 実は二着のインティライミの馬券だが、馬単(5.9倍)から枠連(5.5倍)に引き下げた。筆者の買う金額程度では大差なかったからだ。また三連単でなく三連複中心となった理由はインティライミに対する信頼度、特に二才時の新潟遠征で結果が出なかった事に起因する。遠征、惨敗は競馬では少なくない事。結果として杞憂だったのは幸い。ただ馬連(5.4倍)よりは配当が良かったのは、皆の視線が馬連、馬単、三連単に偏っていたせいだろう。いつも言うが「競馬の基本は枠連」である。ディープインパクトは別として、今回のインティライミの走り、先行しての粘りは昨年のダービー上位馬よりも価値がある。秋以降の成長に期待したい。

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 なお半年ぶりに訪れた東京競馬場、とうとう無線LANスポットが登場した。ただエリアは狭いし、数も少ない。iSPOTと呼ばれるスペースだが、無料でIDもくれるし、手持ちの機器があるなら是非利用したい。今回、パソコンは持ち込まなかったが、PDA(クリエTH55)によるネット接続は試す事はできた。多様、情報の大きくなったオッズ取得を考えると、やはり便利。もっとエリアが増えて欲しい。

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2005/04/09

武豊TV!

 武豊は名実共に日本を代表するトップジョッキーである。その武がよく言葉にするのがシュミレーション。我々でいう展開予想だが、騎乗する立場となればスタート、コースや位置取り、さらに仕掛けどころに加え、相手との位置関係が加わり、とても難しいものとなる。しかしそのシュミレーションの中で、最高のパフォーマンスを引き出すのがプロ。そんな武豊が自らの騎乗を、各開催終了時に解説する番組が「武豊TV!」(CSフジテレビ739)である。

 競馬を少しでもやった事のある人ならば、如何に展開予想が大事か判るはずだ(なお競馬予想に展開予想を持ち込んだのは故・大川慶次郎氏と言われている)。たとえ強い馬だったとしても、抜け出そうにも馬群や前の馬に遮られたり、弱い馬でも人気馬が牽制し合って自滅する中、勝ち切る場合もある。しかし、そこに生まれる展開のアヤにはしっかりとした裏づけがある。正直、第一回の放送から早々、目から鱗が落ちた思いだ。

 競馬におけるスタートの大事さは言うまでも無い。しかしゲートを出た後の馬群の隊形が如何に形作られるか。しかもレースにおける主導権、勝ち馬の存在は何処にあるかを解説。もちろん出走馬のクセ、古馬と三才馬のレースにおける傾向の違いも興味深い。特に経験の浅い三才馬。逃げ馬が物見をしながら走れば、勝負どころの直線手前、内が空くとは理にかなった理論。これはチューリップ賞を勝った弟幸四郎の事を言ったものだが、勝っても負けてもそこから学ぶ点があるとのは、トップジョッキーであろうと変わらぬ言葉である。

 ちなみに"友人"と公言する見栄晴との掛け合いトークが軸。同じフジテレビ739の「競馬予想TV!」の姉妹番組でもある。見栄晴自身も競馬に関する見識が高く、展開、馬場の程度と武に鋭く質問。今後も"友人"らしい見栄晴のツッコミに期待したい。次回はアドマイヤマックスで外枠不利を覆した高松宮記念、さらに今週の桜花賞、来週の皐月賞と有力馬の解説が目白押し。競馬ファン必見、CSを見る事ができる環境ならば、是非見て欲しい番組だ。

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2005/03/26

惨敗、コスモバルクの行方

 今日は少々お出掛けをしてから、G2日経賞を馬券は買わずにテレビ観戦、気になっていたコスモバルクが出走するからだ。昨年、地方馬ながらクラシックは皆勤賞で参戦し、さらにジャパンカップを二着と好走。さすがに有馬記念は御釣りが残らなかったが、今もファンの多い馬だ。そんなコスモバルクはホッカイドウ競馬のトップジョッキーの一人、千葉津代士を鞍上に迎えた。これまで中央参戦に関し、バルクの背中は五十嵐冬樹が任されてきたが、交替した形。中央で人気馬の乗り替わりは少なくない。だがバルクとなれば、話は違う。それだけに今年初戦が気になっていた。

 そんな胸騒ぎは現実となる。本馬場入場、キャンターに返すと突然イレ込むようになっていた。さらにレース発馬直後も止まらない。常に頭を振るバルク。これほどひどい姿は見た事がない。お手代わりの上、千葉はバルクを気持良く走らせる事ができなかった。たぶん五十嵐ならとりあえず行かせて、気持をなだめさせただろうが、千葉は馬群に入れて折り合わせようと試みている。普通の馬ならこれでいいのだが、バルクは違う。だからこそなかなか結果に結びついてこなかったのだ。今回の日経賞、道中のスタミナをロスし、伸びを欠いて六着に敗れた。

 コスモバルクの歯車が狂い始めたのは、前走の有馬記念からである。オーナーサイドがゼンノロブロイをマークするよう五十嵐騎手に指示。五十嵐は敢えて行く形を採らず、道中は抑えてレースした。ただ客観的に見ても、そんな指示が適当だったとは思えない。そして今回の乗り替わり。しかも戦前、天皇賞・春の出走権を得られなければ、中央入りが宣言されていた。すなわち今回の敗戦でバルクは田部調教師の手を離れる事になる。経済動物たるサラブレッドゆえ、今回の決断はやむを得ないと思う。

 しかしマイネルの岡田総帥の執る闇雲な姿勢はどうかと思う。自分の馬と割り切るなら、有馬記念出走は余計に思えるし、距離適性の限界を露呈した菊花賞を考えれば、春の天皇賞よりも宝塚記念を重視したローテーションが良かろう。それなのにファンの馬だからと有馬記念を走らせる一方、今回のように中央転きゅうを口にする。ファンは地方馬だからと声援を送っているのに、その心理は理解しない。しかもどっちつかずの姿勢は、せっかく能力のある馬を苦しめる。ただどんな立場であれ、強い競馬をすればファンは自然とついてくるのだから。

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2005/03/12

岡部の乗った名馬たち

 電撃的に引退報道された9日の翌日、岡部騎手が記者会見を開いた。「月並みですが、(関係者、騎乗した馬たち)ありがとうございましたと言いたい」と結んでいた通り、岡部の言葉には後悔よりも感謝にあふれていた。ご存知の通り、岡部といえば七冠馬シンボリルドルフと言われそうだが、そればかりでなく数々の名馬(迷馬)に乗っている。筆者的に岡部の乗った、ちょっと変わった馬を回顧してみたい。

 筆者がまず思い浮かべたのが、マチカネタンホイザである。冠名マチカネ(馬主:細川益男オーナー)が初めて本腰を入れた馬?と言われている。そもそもマチカネといえば、オテモヤン、スキヤネン、コンチキチ、オイデヤス他、正直勝つ気があるのか?と思わせる馬名ばかり。しかしタンホイザは違った。馬名九文字の制限に泣かされ、最後の"ー"は省かれたが、父ノーザンテーストで関西のトップトレーナー伊藤雄二きゅう舎の所属。岡部はそんなタンホイザをデビューから騎乗していた。

 しかし相手が悪かった。あの二冠馬ミホノブルボンの年である。朝日杯、皐月賞、ダービーと善戦するもブルボンの後塵を拝し、三冠目の菊花賞では二着に下がったブルボンさえ捉えきれずに三着。名前のように高らかな美酒に酔う事ができなかった。しかしタンホイザの本領発揮は古馬になってからである。岡部を鞍上に重賞を二勝。やがて岡部ラインの柴田義臣にスイッチ。現在表記の五才になってから、重賞実績を買われたタンホイザはGIに出走するも鼻出血で出走回避が続いた。タンホイザときて、鼻出血とイメージするファンも少なくない。でもこの馬のここまでの素質は、岡部が育てたものなのだ。生涯成績、重賞四勝はダテでない。

 地方競馬から挑戦が続く中央競馬だが、昔は転きゅうが少なくなかった。ツーワエースそんなマル地馬で転きゅう後は泣かず飛ばず。しかも父ルセリという地味な血統背景。しかし中央デビュー戦から岡部が手綱を取り、最終的にはオープンクラスまで登りつめる事ができた。ただオープンの壁は容易いものでは無く、準オープンへの降格もあったが、重賞の舞台、中山記念へ進む。この時の鞍上は蛯名正義。ツーワエースは現在表記の七才での出走だった。結果は13着。ただ馬齢を考えれば、しかもここまで現役を過ごせたのは、中央で岡部が育てた功績といえよう。是無事名馬という言葉を体現した一頭でもある。

 一万回を超える騎乗回数の中、GI勝ちや勝ち星ばかりを取り沙汰されるが、岡部の功績は育てるという競走馬の原点にある。競馬で岡部からの乗り替わりは勝負、と言われたのもそうした背景。主戦を務めた藤澤きゅう舎の名馬たちも、岡部が乗ってこそGIの舞台に登りつめた馬も多い。シンボリクリスエス、タイキシャトル、シンコウラブリイ、そしてゼンノロブロイまで枚挙暇が無い。さて何故、マチカネタンホイザとツーワエースを挙げたかといえば、筆者の競馬暦の中で高配当を与えてくれた二頭だからである。そんな二頭を育てた、信頼できるホースマンが現役引退した寂しさを、いろんな意味で強く感じた。

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2005/03/09

岡部騎手引退に想う

 あの岡部幸雄騎手(以下敬称略)が現役引退すると、一部マスコミで報じられた。ボクはそんな事を露知らず、観終わった「24(Twenty-Four)1st Season」の感想でも書こうと思った矢先、UMAPのS氏から「東スポを見たか?」とその一報を受けた。驚きと同時に、何となしにそんな時期が近いうちに来るのだろうと思っていたのも事実。ただ思い起こせば、競馬を始めて岡部無くして、今の自分は無かったと感じる事も少なくない。それ程、競馬を少しでも知る者には影響力のある人だった。

 競馬を始めた頃、岡部を先生と呼ぶ友達たち。岡部無くして当たり馬券にならない。当時、武豊はまだ若手だった頃で、関東のベテランは岡部、柴田政人、小島太、関西では河内洋、南井克己、田原成貴らが台頭。まだ短期免許、外国人騎手が来ていない時期、年間100勝がある意味、トップジョッキーの証だった頃でもある。もちろん関東のトップは岡部。岡部が乗ればレースも締まる。乱ペース、超スローでなく、淀みないペースで流れていった。さらに蛯名正義、柴田義臣、田中勝春、橋本広喜らが岡部ラインとして、彼に学ぶ若手として集っていた。ちなみに競馬で競輪におけるラインは存在せず、あくまで指導を請う先生であった。

 だからこそ馬券を買う上でも先生である。もちろん岡部はトップジョッキーであるから、有力馬にも乗る。それだけ当たり馬券に最も近い存在となる。しかし豪快な差し切りというイメージは無い。先行、好位差しという、一見面白みの無い騎乗である。ただ岡部が大事にしてきたのは「馬優先主義」という事。馬に負担を掛けず、しかもレースのたびに馬に教育を行っていく。競走能力と気性をコントロールする事は紙一重。その点、東西の調教師たちは岡部に騎乗依頼し、トップホースに導かれていた。あのシンボリルドルフも岡部無くして三冠はあり得なかったかもしれない。またビワハヤヒデ、タイキシャトル、シンコウラブリイ、ジェニュインとお手馬を挙げていくだけで、如何に馬券に絡んでいたかがわかるだろう。

 そんな岡部に転機が訪れたのが2002年の暮れ。有馬記念に騎乗した後、オーバーホールの名目で競馬界を離れた。そして昨年の二月、坊主頭で久々の勝利を収めた岡部。その目には涙があふれていた。自分も含め、多くのファンは復活にもらい泣きした。そしてその時の騎乗馬は、のちの桜花賞馬ダンスインザムード。しかし桜の舞台、鞍上に岡部はいなかった。クラシック競走で唯一、勝っていない桜花賞で、絶対の有力馬を逃す事になる。先を見据えた陣営は迷わず、武豊を選んだ。岡部の心中を察する事ができないが、おそらくプロたる気持が先立ったのではないか。ここにも岡部の「馬優先主義」を感じる。

 岡部で印象に残ったレースというよりその背景。まずトウカイテイオーで勝ったジャパンカップ、そしてトウカイテイオーに負けたビワハヤヒデでの有馬記念。自ら手掛けたルドルフの子で念願の勝利。しかも国際GI元年である。あの当時、岡部は番組キャスターだった明石家さんまに向かって「たくさん儲かりましたか?」と興奮して語っていた。一方、その一年後、ビワハヤヒデの鞍上にいた岡部は「唯一負ける可能性があるとすれば、テイオー」と有馬記念の戦前に公言。結果は岡部にとって痛し痒しだっただろう。しかし結果が全ての世界。その酸いも甘いも感じたのが先の二つのレースなのである。

 さて週刊ギャロップに「馬優先主義」の連載を持つ岡部。一昨年以来、復活を目指す中、「完調までまだまだ」という言葉が何度か書かれていた。また復活を果たした後も、重賞勝ちはなく二着へ持ってくるのが精一杯。かつての岡部の姿はなかった。しかし競馬を見る目は今だ衰えず。先の「馬優先主義」のコラムを読んでも、鋭い指摘が多い。かねてから調教師ではなく、騎手の育成を明言してきた岡部。その後の活動にも期待したい。

 最後に岡部のお茶目なエピソードを一つ。五才(現在の四才)でジャパンカップを勝ち、六冠目を制したシンボリルドルフ。春の天皇賞を勝った時点、岡部は鞍上で右手を開き、五本の指を立ててその強さを誇示した。しかし六冠目となれば、六本目の指が欲しい。岡部は迷わず、空いた片手の指を一本重ねて六冠目を表し、その姿は何処か微笑ましかった。もちろんその後勝った有馬記念では両手を使って七冠を示したのはいうまでもない。

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      ジャパンカップ表彰式での岡部騎手

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2004/12/26

有馬記念、結果は積極性の差

 今日は中山競馬場で秋競馬のフィナーレ、有馬記念が行われた。今回の注目点は二つ。一つはゼンノロブロイが秋のGI三連勝を果たし、そのボーナス二億円を手にするか、もう一つは地方ホッカイドウ競馬所属のコスモバルクが、何処まで頑張れるかという事だった。結果はご存知の通り、ゼンノロブロイが優勝し、その賞金に加えボーナスまで獲得した。そしてもう一方の雄コスモバルクはデビュー以来、最悪の11着でゴール。明暗を分ける事になった。両者の違いはその積極性だったと思う。

 単なるラッパだったのか、戦前のコスモバルク陣営、いやオーナーサイドの意向で「ロブロイマークで控えて競馬せよ」と指示が飛んでいた。しかし鞍上の五十嵐冬樹にとってバルクは、馬任せに走らせる事こそが最善と考えていた。確かに引っ掛かったダービー以外はその戦法で結果を得ているわけで、今回の指示はレースをする上で相当に悩ませたのだと思う。そして今日のレースぶり。もちろん馬の仕上がりピークは過ぎている上、お釣りが無かった事もあり得る。ただ何故ロブロイマークなのだろう?

 まずロブロイとバルクの瞬発力、切れ味には大きな違いがある。少なくともロブロイの瞬発力は古馬でも最強であり、そんな馬より後ろで競馬をする事は負けを認める事に等しい。しかも今回のロブロイは完全にタップダンスシチーをマークする形で、終始二番手につけていた。しかも二着したのはタップだった事を考えると、積極的にレースを進めた事がロブロイ最大の勝因であった。ペリエはバルクが完調であろうとなかろうと、二番手の競馬を想定していたのだ。

 競馬にとって持ち味を生かす事が大事。先行差しを藤澤きゅう舎が徹底させるのはそのため。彼らにとっての持ち味、勝利の方程式だからだ。バルクの持ち味は何か?彼はマーク屋ではない。やはりバルクのように並んで負けない馬こそ前で競馬をさせるべきである。結果的には、陣営にとって後悔の残る競馬だったのではないだろうか。だが最も悔しかったのは、判っていながら苦渋を強いられた五十嵐騎手なのかもしれないが。

 ちなみに馬券は当たりました。馬連、その上三連単も...と買ったつもりがPATでタップダンスシチーの馬番のチェックをし忘れ、初の三連単的中を逃してしまいました。まぁそういう日もありますよ。馬券は馬連で充分プラスですから平気です。とはいえ、万馬券だったしやっぱ当てておきたかったけどね。ああっ、逃した魚はデカかった(泣)

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2004/12/24

年度代表馬の行方

 今年ほどつらい12月はない。去年の今頃のモチベーションと比べると雲泥の差。その上、街中はこのイルミネーションと雰囲気。一度楽しい12月を味わってしまうと、そのギャップに打ちのめさせる。一ヶ月前からの暗転。趣味と物欲に走ってきたが、それだけでは到底埋まらないものを今は強く感じている。来年は自分にとって節目の年。果たして走りきれるか、バテてしまうか、何かが起こるのか、起こすのか。遅れて今頃、ドラマ「ラストクリスマス」の最終回を観ながら感慨にふけている。

 しかし前に進まねばならない。週末は有馬記念。もう一度、今年応援してきた馬たちに託す...有馬記念の予想をしているとそんな気持も生まれてくる。今年、蔭ながら応援してきたのはやはりコスモバルクだろう。私だけでなく、多くの競馬ファンの意中の馬が今のバルク。かつてのオグリキャップのイメージを重ね、しかもクラシックを皆勤、さらにジャパンカップまで劇走。馬券を組み立てる上で買わなかったレースは無い。ただ有馬記念で馬券的中を考える中で、バルクを軸にはし難い。

 でもコスモバルクの走りっぷりを見ていると、そうした常識を吹っ飛ばす勢いを感じる。前走、見事に鞍上ルメールと折り合ったバルク。さらに直線では並んだ相手に絶対負けない二枚腰。惜敗した皐月賞、ハイペースに泣いたダービー、距離不適が囁かれた菊花賞とクラシック全て、直線では惨敗覚悟ながらもけっして並んだ馬には負けなかった。そしてJCでは外国馬ポリシーメイカーを競り落とした。まさにJC二着はバルクの真骨頂だった。

 そんなバルクを育てた田部調教師。チーム・コスモバルクばかりがクローズアップされるが、田部師の人柄もバルクの強さと重なる。今月始め「酔いどれない競馬」に出演した田部師。実直ながらユーモアに溢れた人柄は北の大地ゆえかもしれない。そんな中、着実にバルクを育て、しかも印象深いレースを続ける手腕。バルクの能力もあるが、ハンデの克服は田部師の力抜きに考えられない。そして有馬記念の結果がどんな事になろうが、競馬ファンにとっての年度代表馬はコスモバルクではないだろうか。

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2004/11/29

競馬場は楽しかった...あくまで昔の話だけれど

 昨日はジャパンカップ、ジャパンカップダートと二つのGI、競馬ファンとして満喫した一日だった。しかしそのダメージは大きく、今日有休をとって正解であった。やはり静岡からの遠征は相当キツく、前日入りであったにも関わらず、今朝は体が動かない状態だった。そもそも昨日のうちに観戦コラムを書き終えるつもりが、今日のお昼前まで掛かってしまう始末。もちろん昨日の録ってあったスーパー競馬を観ながらだったゆえだが、ただ二レースとも当てていれば気分もいいだろうが、ひとレースだけで嬉しさ半減。外れたレースを評価するのはつらいものである。

 競馬を始めた頃、府中のGIといえばこちらから毎週遠征していたのを思い出す。ダービーは1994年のウイニングチケット以降毎回参加、皆勤賞ものである。そしてそこから数年、府中のGIはほぼ必ず出掛けていった。安田記念、オークス...あの頃は疲れ知らず、翌日は勝とうが負けようが、次のGIへの渇欲に溢れていた。だがそれが一つ、また一つと減っていき、今ではダービー、秋の天皇賞、ジャパンカップと三レース行く程度になってしまっている。それにはいくつかの理由があった。

 確かに競馬場でのライブ感は捨てがたい。目の前で馬が走る、そして当たった時の喜び。競馬の醍醐味がそこにあるからだ。しかし競馬場で予想する楽しさは消え失せようとしている。昔はひとレース、ひとレースの間に次のレースを予想する楽しさがあった。仲間と一緒であれば歓談し、一人であればパドックに予想にと集中する。しかし他場の特別レースの馬券が買えるようになり、忙しさは増し始めた。そして他場の全レース、ワイド、三連複、そして射幸心を加速させる三連単と競馬場はオッズの坩堝と化し、情報の波に巻き込まれていく。そして人の多さと相まって、楽しさよりも息苦しさばかりが目立っている。

 馬券の売り上げよりも、如何にリピーターを増やす事ではないか。まず難易度の高い馬券ばかり増やす事は適切といえない。二頭当てるので精一杯なのに、今やJRAは三頭、しかも着順通り当てる三連単を売る事に躍起になっている。筆者は馬連で万馬券を取った事が競馬を始めた大きな理由。むしろシンプルイズベスト、単勝や枠連、馬連を見直すいい時期かもしれない。そして競馬場。一日11レースでも十分、他場の馬券なんていらない。もっとのんびり馬券が買えるようにして欲しい。

 なお一般観客席にも禁煙席を作って欲しい。昨日は一日中、観客席で嫌な思いをした。嫌煙者にもやさしい競馬場であって欲しい。昨日の全レース終了後、足元には新聞やマークカードのクズと吸殻で溢れていた。041129.jpg
        昨日(11月28日)の東京競馬場

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2004/11/27

ジャパンカップ、ジャパンカップダート同日開催に思う

 明日28日はジャパンカップ、ジャパンカップダートの二つの国際GIが行われる。これは中央競馬にとって画期的な出来事。外国招待馬を迎えて二つのGIを同日開催する事自体が初めてだが、そもそも中央競馬でGIを同日二つ行うのも初(地方競馬ではジャパンブリーダーズカップでクラシックとスプリントのGI二戦はある)。あのGIのファンファーレが二レース続く事でどんな興奮を与えてくれるのだろうか。競馬場の雰囲気を今から考えてもゾクゾクしてくる。

 そもそも同じ日にGIが数レース組まれるのは海外ではアメリカのブリーダーズカップ、ドバイのワールドカップに代表されるように存在し、またGI以外に重賞を同日に組むケースも少なくない。アジアなら香港の年末恒例の国際競走が挙げられるだろう。しかし日本では重賞をメインレース、露払いとして特別レースを組む程度にしか日程が組まれない。その上、闇雲に重賞ばかりを増やし、毎週何らかの重賞勝ち馬が生まれる。重賞本来の価値は落ち、物足りなさは否めない。むしろ重賞は厳選すべきで、海外ではGIが降格するケースも多い。厳選された重賞だけが残り、さらに同日に開催されるのであれば競馬ファンの気持も盛り上がる。

 もしジャパンカップに同日組む重賞があるとすれば、思い当たるのが安田記念。安田記念は東京で行われる春のマイル王決定戦、秋には京都のマイルチャンピオンシップがある。もし春と秋の開催場所を入れ替える形にすれば、ジャパンカップ、ダート、そしてマイル戦のGI三レースが楽しめるようになる。しかも入れ替えても開催上大きな支障は無い。マイルCSは春の京都最終日に組めばいいし、バッティングするNHKマイルカップを前後にずらせばいい。そもそも春のマイル王決定戦に三才馬を必ずしも出走させる理由は無いし、NHKマイルはトライアル(中山)と本番(東京)が違うコースというのも解せない。しかも安田記念は国際競走。これ以上の好材料はないだろう。

 厳選された重賞を同日に組まれる楽しみ。だがジャパンカップ、ジャパンカップダートの同日開催はJRA創立50周年の今年だけという。しかし武豊のコラムにあるように「今年の結果次第では再度検討の対象」となるよう。もちろんファンとしては今年得られるであろう興奮が続く事を期待したい...と言いつつ、あと一日先にある興奮なのだが。さて明日の今頃は東京競馬場にいます。馬券よりもいいレースが持論だが、やっぱりこんな日だからこそ当てたいなと気持です。

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2004/11/21

マイルチャンピオンシップ

 今日のGIはマイルチャンピオンシップ(以下マイルCS)。かつてマイルCSというと名マイラーの存在が思い出される。ニホンピロウィナー、サッカーボーイ、オグリキャップ、ダイタクヘリオス、ノースフライト、そしてタイキシャトル。しかしそんなタイキシャトルを最後に名マイラーという名は廃れつつあった。名マイラーにはマイルでの圧倒的な連対率、そして春秋連覇等、いくつかの条件が挙げられる。今日の勝ち馬デュランダルはマイルCS二連覇を達成し、久々に名マイラーと呼べる存在となった。

 ここ数年のマイルCSはアッと言わせるレースが多かった。アッと言わせるばかりか、思いもしない馬が勝つ。後に芝ダート、距離を問わずオールラウンダーとして名を馳せるアグネスデジタル、高速馬場を平均ペースでしのいだゼンノエルシド、テイオー産駒のせん馬トウカイポイント。だが彼らはこのレースを勝っても、けっして名マイラーとは呼ばれない。アグネスはまだしも、ゼンノエルシドやトウカイポイントは一時の勢いで勝った感が強いからだ。

 そもそもマイルCSの歯車を狂わせたのは、トロットサンダーが勝った年だと思う。中央入り後も連勝しながら、初重賞挑戦がGIだったトロットサンダーが、二着に連れて来たのがメイショウテゾロ。重賞ウイナーながら三才馬で人気薄。馬連は十万馬券を記録。マイルCSで有名だった一番人気の圧倒的な連対率は途絶えた。おそらくこの時、多くの競馬ファンはマイルCSに対する考え方が変わったのではないか。しかしその翌々年にタイキシャトルが登場し、絶対マイラーの存在が再びクローズアップされた。

 だが名マイラーと呼べる存在のいなかった数年間、勢いに任せて勝った馬ばかり。しかも連動して春の安田記念も馬券は荒れてマイル路線は群雄割拠。そんな中、やっと名マイラーの一歩を踏んだデュランダル。王座統一に向け、名刀の輝きには一点の曇りもない。だが強いて挙げればライバルがいない事、マイル路線の層の薄さが物足りなさを感じさせる。六才となる来年も現役となるデュランダル、そんな彼に引導を突きつける馬は登場するのだろうか。

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2004/11/14

前半の反省、後半のGI戦線を占う

 中央競馬の秋GI、エリザベス女王杯で5戦を終えて残りは6戦。筆者は古馬任三郎(ふるうまにんざぶろう)として予想しているが、ここまで2勝。秋華賞はヤマニンシュクルを対抗に指名しながら馬券作戦の失敗、菊花賞と秋の天皇賞は軸馬が走らなすぎた。ただ悲しいかな、昨年の今頃は1勝しかしていなかったので、それに比べれば遥かにマシ。でも会心の一撃的な馬券的中は欲しい。そこでこれまでの秋GIの結果を踏まえて、後半のGI戦線を占う事としたい。

 牡馬クラシック、古馬戦線が混沌としたのは、ダービー馬キングカメハメハが参戦しなかった事。菊花賞に向わず、しかも参戦予定だった天皇賞・秋を前にリタイア。能力的にどちらに出ても勝ち負けになる馬であったので、その一角を失う事は波乱を予感させ、実際に両者の結果は大波乱となった。菊花賞は大穴馬デルタブルースの激走、天皇賞はシルバーコレクターのゼンノロブロイが勝利。しかも天皇賞は二着に三才牝馬ダンスインザムードが残った。そもそもダンスインザムードは一番人気になった秋華賞で失速。休み明けとはいえ、負けすぎの感が強かった。それなのに中一週で望んで二着に善戦。しかも三着はアドマイヤグルーヴ、今日のエリザベス女王杯の勝ち馬ともなった。

 ああだこうだここまで書いてきたが、結局何が言いたいかといえば、牝馬、しかも二歳牝馬が台頭する古馬路線とは如何に層が薄いのだという事。今後、ジャパンカップや有馬記念を見ていく上で、絶対軸になるような馬が見当たらないのだ。ここ数年なら必ずそんな馬がいた。シンボリクリスエス、テイエムオペラオー、スペシャルウイーク等、結果はどうあれ、馬券を組み立てる上で必ず中心にいる馬がいたものだ。しかしゼンノロブロイにその資格があるとは思えない。善戦マンが飛車角落ちでもぎ取った勝利にとどまる程度。また三才勢もコスモバルク一頭にすがる形に一抹の不安は否めない。ジャパンカップは外国馬で掲示板が埋まる気がする。アタマはデットーリ...彼は馬じゃないが。

 短距離路線はズバリ、デュランダル。ここまでのパフォーマンス、連対実績を踏まえて外す事ができない馬。しかも前走で叩かれた上昇度は買い、でもヒモ候補は多い。だが春、左回りで泣いた馬たちに逆転の目がアリ。逆もまた真、右回りがからっきしダメな馬もいるし。二才GIは牝馬がラインクラフト、牡馬はまだまだ混沌。一連の二才重賞が終わる来週まで見極めたい。だが朝日杯は黙って1枠から買おうと思っている。朝日杯ってそういうものです。

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