2026/10/12

「水谷千重子 ありがとうコンサート in 沼津」@沼津市民文化センターへ行く

今日は盟友N氏と沼津市民文化センター大ホールで開催された「水谷千重子 ありがとうコンサート in 沼津」へ行ってきました。水谷千重子と言えば芸能生活50周年を迎えた演歌の大御所。浮き沈みの激しい芸能界を生き残ってきた…という設定の友近の作る人気キャラクターの一人。そんな彼女をフィーチャーしたコンサートなのです。

開演前、お笑いなのか、音楽なのか、はたまたどちらでもないか、頭の中では謎でした。でも終わってみればタイトル通りに終始、友近が演じる水谷千重子の紛れもないコンサートです。演歌の方のコンサートは楽しいと聞きますが、演歌の世界を捉えつつ、水谷千重子ワールドが展開されていました。

冒頭は「東京ブギウギ」で開幕。イントロが流れ始める頃、うっすらシルエットが見えて彼女の存在を感じました。派手な着物姿の水谷千重子。ちなみに着物の柄はのちのトークで判明、飼い犬のヨークシャテリアにトヨタマーク2。彼女はマーク2が好きなのです。チェイサー、クレスタとの3兄弟の話が出ていましたが、柄は初代(インスタで確認)なので当時は3兄弟では無かったです。

さらに大野雄二作曲の「愛のバラード」。ご存知、「犬神家の一族」のメインテーマ。この曲に歌詞があるのを初めて知りました。「残酷な天使のテーゼ」の高橋洋子の歌ったアルバムで千重子ちゃんは知ったそう。そんなこの曲を春日神社の歌の奉納で歌ったということです。MISIAも歌った場所なのだと強調して欲しいと言っていました。

あとはキーボード、ギター、サックスのシンプル構成でジャージーな選曲。目下、千重子ちゃんはジャズにハマっているそうで地方のジャズイベントにも招待されるそうですが、名スタンダードの「You'd be so nice to come home to」は気持ちいいくらいに雰囲気を醸して歌っていましたね。北原ミレイの「石狩挽歌」もジャージーに変身。とにかく友近….いや水谷千重子は歌が上手いです。

間に質問コーナーや水谷千重子のオリジナル曲を挟みつつ、皆の知る曲知らない曲を歌います。玉置浩二の「ファンファーレ」も良かったです。アンコールは本田美奈子の「翼」で締めてくれました。約2時間のステージ、「また沼津に呼んで下さい」と千重子ちゃんに観客の我々も満足の一日でした。

….その後、沼津の街、居酒屋へ盟友N氏と飲みに行ってほろ酔い、 記憶とセトリが合っていないかもしれません(おしまい)

261012_01

| | コメント (0)

2026/10/10

「DIGGER ディガー」を観る

今日はトム・クルーズ主演最新作「DIGGER ディガー」を観てきました。監督に「バベル」や「レヴェナント 蘇えりし者」等のアレハンドロ・G・イニャリトゥを迎え、トム演じる石油採掘会社を経営するロックウェルの丁々発止、とにかく喋りまくる社会風刺に満ちたコメディ政治劇です。

物語はそんな感じで始まりますが、まもなくあることを知らされます。何故、ここまでロックウェルのクセが強いのか、彼の世界観が見えてくるのです。ある種のメタファーも感じます。それらを頭に入れつつ観ていくと、物語はそれ程複雑ではありません。終盤に至る結末も何となく読めてしまいました。ただそのクセの強さを楽しむポイントはいくつかありました。

配役の妙、ロックウェルと対峙する大統領はジョン・グッドマンだったんですね。トム同様、特殊メイクのおかげでエンドロールまで気付きませんでした。この人もクセが強かったです。さらに旬のジェシー・プレモンスも登場、こちらは見た目同様元々クセの強い人ですから。本作でもその魅力を発揮、世界観を支えます。

物語上のクセは言えません。序盤が掴みにくい分、むしろそれが判ったところから集中力が増しました。ただ単に政治劇だと思って観ると相当な肩透かしを喰らいます。何が起きても受け入れて下さいませ。この世界観、嫌いじゃないです。ただここで訴えていることは既にアメリカ以外の国、いや全世界、アメリカの為政者以外は実感しているはずなので…

そう、この映画はアメリカ国内から発せられた声なのです。そして製作、配給はワーナー・ブラザース。先日、御存知の通りにパラマウントとの統合が決まってしまいました。政府寄りのパラマウント主導となれば、政府批判を含んだ題材は避けられるでしょう。たぶんワーナー発、本作は最後の骨太作品になるかもしれませんね。

261010_01

| | コメント (0)

2026/10/09

「汝、星のごとく」を観る

今日は横須賀流星、もとい横浜流星、広瀬すず共演「汝、星のごとく」を観てきました。「流浪の月」の凪良ゆう原作を「正体」他数々の作品で横浜とコンビを組んだ藤井道人監督が描きます。瀬戸内を舞台に、親との関係に問題を持つ二人を高校生の出会いからの15年に渡る人生を描いたドラマ。二人は導き合いながらも高校卒業を境に大きな転機を迎えていきます。

単に恋愛ドラマというよりかなり重い作品です。広瀬すず演じる暁海は実の母の人生を背負いつつ、上京し成り上がっていく横浜演じる櫂との格差、母のことで縛られたことによる苦しみに悩んでいきます。また櫂が暁海に求めるもの、二人の間の溝が広がっていく様が息苦しくなるくらいに伝わってきます。変わっていく価値観、でも実際の二人の気持はラストシーンに集約されていました。

「流浪の月」同様に何かを背負った人生を描くことが凪良ゆう作品なのだと思います。この映画の登場人物誰もが何かしら事情を持っていて、特に今治の島社会はそれを露骨に映し出します。それは別に島社会だけの問題でなく、のちに順風満帆だった櫂も飲み込まれていきます。結局、島社会も一般社会も渦の大小はあっても大差無いのですよ。

前半は広瀬が、後半は横浜が物語を引っ張ります。横浜流星が原作に惚れ込んだというだけあって、終盤に至っての演技には惹き込まれました。高校時代のところで横浜、広瀬すず共に17才に見えるのも凄いですよ。もちろん年相応で成長していく様、表情と佇まいも見事。個人的には母親のことで悩む暁海の立場、心情に寄り添って観ていました。

そして良作の影に松村北斗ですね。登場シーンは多くないものの、絶妙なポジショニングに存在感がありました。そして長谷川博己。二人の運命を常に見守り、力になる存在。そんな長谷川が演じる独特の価値観を持つ北原先生の言葉の数々に納得してしまいました。二人の母親を演じた木村佳乃、尾野真千子の演技も印象に残りました。藤井監督の手堅い演出、そして演技、物語共々ドラマチックな作品だと思います。

261009_01

| | コメント (0)

2026/10/08

「ファーストボイス」を観る

今日は綾瀬はるか主演「ファーストボイス」を観てきました。1989年から90年代にかけて争われた日本初のハラスメント裁判を描いた法廷ドラマです。一応、「この物語は、実話(日本初のハラスメント裁判)に着想を得て作られたフィクションです」と冒頭にテロップが出てきますが、事実は近からず遠からずではないでしょうか。

それは何故かというと物語はデフォルメされているようで既視感に溢れていたからです。職場で直接タッチは無かったけれど、飲みの席の女性に対する描写とか、嫌だろうなぁと思うことが当時多くありました。それが当時の年配の男性にとっては当たり前。ただ女性たちを助けることが出来なかった、その思いはこの映画での鈴鹿央士の役柄と一緒でした。

でも正直にかつリアルに描こうとすれば、別の方向性、たぶんここまで観られる作品にならなかったのだと思います。ユーモアではなく、何処かエッジを和らげた表現、綾瀬はるかとファーストサマーウイカのキャスティングも絶妙です。感情移入よりも親近感、いや感情移入もあるのですが、惹き込むような深さはありません。

法廷劇としての行方は推して知るべし。どちらかといえば当時の女性に対する考え方、社会の風潮、その描写がリアルでした。男のほうが偉い、男を立てる、今や前時代的なお話なのですが、その時代を知っているからこそ今がある、今との違いが良く判ります。水川かたまり、工藤阿須加、筒井道隆の今で言うヒールっぷりが憎いぐらいにハマっています。

時代を映す描写も懐かしくウイカのボディコンと派手メイク、綾瀬はるかの”勝負服”も似合っていました。いや冒頭の綾瀬はるかの表情が良かったですね。メイクが薄く、またこれまでにない落ち着いた彼女の語り口。勝手に10年後の彼女の演技が楽しみになりました。モニター山本こと迫田孝也は本作では良い夫でしたね。ブロッコリー見つかったでしょうか。

本作は傑作というタイプではありませんが、題材に対してこの映画の観易さは本当に捨て難いものだと思います。

261008_01

| | コメント (0)

2026/10/07

第105回凱旋門賞を振り返る

日本時間10月4日日曜の夜11時を過ぎたころ、フランスでは第105回凱旋門賞が行われました。日本からは宝塚記念馬メイショウタバル、G2を2勝しているアドマイヤテラが参戦。ただ戦前の予想はやはり現地組優勢の感は否めませんでした。そこで馬券は日本馬は買わずに穴目を狙い、3才馬ベンヴェヌートチェッリーニ、サンダリングオンと5才牝馬カルパナ09・12・15番の馬連・ワイド3頭ボックス(計6点)を買って楽しむことにしました。

レースは外目の枠から13番ゲートからの発走、武豊のメイショウタバルが押し出されるように逃げる形で始まりました。ペースはゆったり流れているようでしたが、ヨーロッパの馬場は徐々にタバルのスタミナを奪っていきます。フォルスストレートを過ぎたところで仕掛けどころ、タバル失速のあとに次々と襲い掛かります。東スポの動画でペリエが3箇所の我慢を挙げていましたが、凱旋門賞で先行は至難の業なのでしょう。

その中で目立っていたのはやはり昨年の勝ち馬ダリズですね。直線までじっと我慢。別次元の瞬発力であっという間に先頭に立ち、そのまま押し切り連覇を達成しました。古馬斤量59.5キロでのパフォーマンスに疑問があったのですが、全く問題でなかったですね。恐れ入りました。ただワイドで期待していた馬で最先着はカルパナの5着。恵量と内枠有利のアドバンテージを狙った3才馬たちは活かせませんでした。

正直、勝負目をもって馬券を買っていなかったのでレースが終わると早々に就寝。何せ「VIVANT」第19話が終わったあと、猛烈な睡魔に襲われて、何度か寝落ちしてましたから。

閑話休題。話を凱旋門賞に戻します。やはり日本馬にとって異次元のレースです。遡ればエルコンドルパサーのような長期滞在、またはオルフェーヴルのような特異的な血統背景、ナカヤマフェスタのような馬場適性(血統もあるんでしょうが)がハマった時、好走の可能性があります。今回のメイショウタバルやアドマイヤテラはその点で足らなかったのでしょう。蛯名正義とステイゴールドはとにかく凄い実績です。

また今思えばディープインパクトの3着入線やキズナの4着は彼らの産駒のヨーロッパでの活躍をみれば、凱旋門賞好走の表れだったと言えます。ただし勝ち負けのレベルとは別。しかし少しずつヨーロッパに適性のある馬が増えてきていることはいずれ….私が生きているうちに見られるかどうかはわかりませんが、日本馬の未来に期待したいところです。(おしまい)

261007_01

| | コメント (0)

2026/10/03

ピーター・バラカンの出前DJ「抗議する音楽」@大中寺へ行く

今日は盟友N氏と映画「用心棒」を観たあと、沼津市の大中寺で行われた昨日からのイベント二日目、ピーター・バラカンさんの出前DJ「抗議する音楽」へ行って来ました。テーマは昨年と同じ、プロテストソング、レベルソングを集めたものです。主催の大中寺副住職、下山光順さんが選んだこのテーマは今の世界を見据えた、心からの平和を望むからこその思いです。

実際、バラカンさんのトークからも放送の電波に乗らないお話で本音レベル。我々も言葉にはしないものの、異口同音に感じていることです。避けて通りたい気持もありますが、このイベントは「抗議する音楽」を通して今一度考えてみようという試みです。冒頭はボブ・マーリーの「So Much Trouble in the World」でスタートしました。

注)ワインを飲みながらだったので、かなり記憶が飛んでしまっているかもしれません。帰宅後すぐにひと眠りして書き始めましたのであしからず(苦笑)。

さらにバラカンさんの解説を挟みつつ、トム・ペティやライ・クーダー等、盟友N氏のフェイバリットアーティストが続きます。ルシンダ・ウィリアムスやザ・ステイプル・シンガーズ、メイヴィス・ステイプルズの曲も本堂に朗々と再生されていきます。スピーカーは昨日と同じ、NS-1000M、本堂の天井スピーカーと並列で鳴らしているようでした。

盟友N氏は終盤で流れたピーター・ガブリエルの「Biko」の音が印象的だったと話していました。

ちなみにアンプはサンスイのAU-α707Extra(特別仕様のα707L Extraだったかもしれません)。下山さんが長く使っていなかったNS-1000Mの修理先で見つけたそうです。往年のオーディオファンからすればこのアンプ、垂涎の逸品。ピアノブラックのボディに最終段にMOS-FET、バランス出力が特徴。昨日の映画も同じ組み合わせで再生したそうです。「とにかく重かった」とお話されていました。

ちょっと横道に逸れてしまいました。ちょうど「Peter Barakan's Music Film Festival 2026」が終わった直後とあって、そことの繋がりも多くありました。音楽映画は切っても切れません。ちなみにバラカンさんの最新本は「MUSIC FILM MAGIC! ピーター・バラカンが選んだ音楽映画」です。この日、曲が流れたニーナ・シモン、バーバラ・デインの出演作も紹介されています。

特に「叛逆のサウンドトラック」のお話が耳に残りました。音楽訪問団からコンゴ紛争の背景、稀少金属、大国の駆け引き…ヒロシマ・ナガサキに繋がっていく2時間半の力作です。既に私は作品を観ていただけに、理解が深まりました。そこからのランキン・タクシーのある楽曲が紹介されました。日本からも「抗議する音楽」があったのですね。バラカンさんも「○○○では放送できないけど」と苦笑されていました。

このほか沢山、いろんなお話があったのですが、心に留めておきます。現在の世界事情に関してはバラカンさんと同じ思いです。音楽も映画もそれを深く見ていくとその裏側のものも見えてきます。異を示していても迎合していくことが恐ろしい、それが今の大国の為政者を支えている、そんな違和感が世界に立ち込めています。

来年のテーマが「抗議する音楽」から変わることができていたらいいですね。

追伸.
出前DJのあとはファン懇談を含めたサイン会となりました。昨年も参加しましたが、気がつけば盟友N氏はその先頭にいました。私は出遅れて4番手、競馬なら致命的です(笑)。N氏はサインをしていただく際、仕事の名刺を差し出していました。超天然の彼らしからぬファインプレーです。去年はバラカンさんとの3ショットを撮ったのですが、今年はお互い2ショットです。

私は最新本、そしてBarakan BeatのTシャツにサインしてもらいました。もうこれでこのTシャツは着納め、額装したいと思います。あと番組のリクエストに応えていただいた件のお礼をいいました。

そのあとは昨年同様、食事と歓談場所が用意され、多くの人が集っていました。私と盟友N氏が入口でお酒を飲みつつ、椅子に座っているとバラカンさんが「一杯飲もうかなぁ」とその和の中に入って行って驚きましたよ。ちなみにバラカンさんに沼津で何を食べましたか?とお聞きしたところ、「(お昼に)お寿司」とおっしゃっていました。(おしまい)

261003_03 261003_02 261003_04 261003_05 261003_06



| | コメント (0)

午前十時の映画祭16「用心棒」を観る

今日は盟友N氏と午前十時の映画祭16「用心棒」を観てきました。1961年公開、三船敏郎主演、黒澤明監督の黄金コンビによる娯楽時代劇。この作品はずっと我がオールタイムベストワン。初めて劇場のスクリーンで観られる機会、午前十時の映画祭16今回のラインナップで一番楽しみにしていました。もちろん次回上映の「椿三十郎」もマストです。

物語は2つのヤクザがぶつかり合う宿場町。力の均衡が町を寂れさせていました。そんな中、素浪人の男が現れてそんな事情を知るとある考えが浮かぶのです。そこから2つのヤクザを挟んだ素浪人の駆け引きが始まります。腕っぷしの良さを買われた素浪人は名を「桑畑三十郎」と名乗り、彼らの用心棒となっていくのですが…

この作品が(勝手に)ローカライズされてマカロニウエスタン、イーストウッドの「荒野の用心棒」が生まれたり、ケビン・コスナーは「ボディガード」の中で本作をリスペクトする等、公開当時大ヒットを記録し、サムライ=三船敏郎を世界の人々に印象付けました。先日観た「レッド・サン」での三船の風貌は明らかに「用心棒」オマージュでだと気付きます。

この作品の好きなところを挙げていったら枚挙に暇がありません。練り込まれたシナリオ、魅力的な登場人物とその配置、シリアスとユーモアのバランスは娯楽作の金字塔。もちろん黒澤明の巧みな演出、そして三船敏郎の魅力、これに尽きます。男が惚れる男の中の男。本作を観ていて見惚れてしまいました。何度観ても彼のキャリアハイの作品だと思います。

DVD、輸入ブルーレイと本作を何度も観てきました。だから多くのシーン、プロット、セリフは頭に染みついています。例えば「強んだってなぁ」と三十郎が切り出す瞬間の三船とその後の加東大介の表情が堪りません。また三船に負けないくらいギラついている卯之助を演じた仲代達矢のヒールぶりも印象的です。いやどの登場人物も魅力的で惹き込まれてしまいます。

今もこの作品の三十郎は自分の理想の男だと思っています。やはり好きなのは彼のシリアスとユーモアのバランスですね。しかも静かなシーンと殺陣の瞬発力のコントラストは見事です。できる男だからヤクザの間で引き合いに会う。でもそれを逆手に取って両者を潰しにいく知略、しかも時に人情も感じさせる人柄も堪りません。

今回の上映を観ても、オールタイムベストワンは揺るぎない様。大傑作です。

261003_01


| | コメント (0)

2026/10/02

「Mini Music Film Festival@大中寺」へ行く…【ジェイムズ・ブッカー/愛すべきピアノ・ジャンキー】再見

261002_03

今日は盟友N氏と音楽イベント「Mini Music Film Festival@大中寺」へ行って来ました。「Music Film Festival」といえばピーター・バラカンさん。そう、これは先日まで都内で行われていた「Peter Barakan's Music Film Festival 2026」のミニ出張版です。その舞台は沼津市にある大中寺。昨年、バラカンさんのイベントが行われた場所でもあります。今年はミニ映画祭とのセットとなりました。

上映された作品は「ジェイムズ・ブッカー/愛すべきピアノ・ジャンキー」。私は今年の6月に一度劇場鑑賞しています。ただ心残りも…それは静岡シネギャラリー3本勝負を行なった日で最後に観た作品だったことです。2時間級をほぼ間髪入れずに3本観たことで、この作品を満喫したとは言い切れませんでした。今回はそのリベンジの位置づけでもあります。

ただそんな作品のリベンジだけでなく、ピーター・バラカンさんによる生作品解説が聞けることも大きな動機でした。盟友N氏は一瞬迷ったようですが、今回の鑑賞のあとの様子を見てももう一度観てよかったと思います。確実に作品の印象はかなり変わりました。やはり映画鑑賞に体調は重要なのです。本当に今日はそれを思い知りました。

作品の詳細は前回の感想に譲ります。ただ今回は一度観ていたこと、さらに万全の体調で臨んだおかげでブッカーの音楽性をより深く感じることができました。前回同様、音の多さは言うまでもありませんが、その音楽のバリエーションが凄まじいです。上映後のバラカンさんの解説にもありましたが、他人の作品もブッカーの手に掛かればブッカーの作品になる…確かにそう思います。

また監督のリリー・キーパーがこの作品を撮るキッカケ。バイト先にジュークボックスからのブッカーの逸話、生まれる興味。映像を学んでいた彼女がこの音楽人を記録に留めたいという動機に繋がりました。製作から公開までに10年。多くの人にとって無名のブッカーが知る人ぞ知る存在まで駆け上がりました。世界でこれほどこの作品が上映されているのは日本だけでは?とバラカンさんは言っていました。

上映後のトークショーでは作品にまつわるブッカーの楽曲を紹介しながら、映画の内容が深堀りされていきます。バラカンさんは時折「(何を話そうか)忘れちゃったなぁ」と照れを見せますが、ほぼ湯水の如く様々なエピソードが飛び出します。バラカンさん自身も音楽出版業界にいる頃のブッカーの楽曲との縁、のちに自身の「Music Film Festival」で採り上げるまでの経緯等、興味深くお話を聞きました。

今回のイベントでバラカンさんのMacBookのMusicアプリの具合が悪く、再生に手こずる場面も。バラカンさんは結構焦っている様子でしたが、ほぼリスナーであろう今日の観客(かくいう私も)はそれをも楽しんでしまいました。バラカンさん曰く「生放送で無くてよかった」は微笑みながらも本音だったかもしれません。

今日のイベント、簡易スクリーン上映でしたが、音が良かったです。スピーカーがあの名機ヤマハNS-1000M(遠目だったので型番はおそらくの予想)。何せ私は80年代頃はオーディオファンだったのでそういうところに目が行きます。映画自体も音の良さを感じましたが、上映後の楽曲紹介でも真価を発揮していました。願わくば音楽とはスピーカーで朗々と鳴らすべきものだと切に思います。

最後に流れたジョン・クリアリーの新譜、またそこにブッカーとの縁も。バラカンさんのトーク共々大満足の一夜でした。明日の出前DJも楽しみです。

261002_01

261002_02 261002_04



| | コメント (0)

2026/10/01

「ディスクロージャー・デイ」を観る

今日は映画の日。スティーブン・スピルバーグ監督最新作「ディスクロージャー・デイ」を公開初日に観て来ました。本来は今夏日米公開だったものが、遅れてやっとやっと10月日本公開。スピルバーグとて興行という険しい壁に追いやられた格好です。ただその見立て、この作品を観たあとに思う部分は少なからずあります。

恋人ジェーンを救い出し、ある組織から追われているケルナー。組織にとって彼らが持つ情報が重要だったのです。時同じくローカル局のアンカーマン候補、お天気お姉さんのマーガレットは放送中に不思議な言葉を発し、倒れて病院に運ばれます。そんな彼女は近づくFBIと称する男たちを違う組織と見抜きます。そして彼女のスマホに着信が入るのです…

エンターテイメント色の強いイメージのスピルバーグ作品ですが、近年はそれ程でありません。そんな中、この「ディスクロージャー・デイ」は非常に真面目な姿勢で作られたSFサスペンスです。派手なシーンは散りばめられていますが、政府の陰謀と隠された謎、物語はシリアス調に進みます。それ故に万人受けする内容では無いかもしれません。

かつての東スポ読者(あの一面とか)、テレ東やりすぎ都市伝説(関暁夫)が好きな人ならピンとくるプロット、新鮮味よりも真面目に描こうとしているからこそ惹き込まれるシーンも多いです。物語は世界危機に瀕する状況、ズバリ現実の今を映していますが、その上で「(こんな時こそ)まずは冷静になろうよ」とスピルバーグは言っているような気がします。

ただこの作品が夏の書き入れ時を外された理由も見え隠れします。全般地味な作品だからです。キャスティングも地味。コリン・ファース演じる組織のボスも完全なヒールでなく過去を引き摺る男。一方でエミリー・ブラントの孤軍奮闘ぶりが光ります。彼女の存在が物語を保たせている感さえ思わせます。

音楽は名パートナーであるジョン・ウイリアムズ。彼の持ち味は感じましたが、これぞと印象に残る音は無かったかも。あとファンタジー色はあってもユーモアが足らないかな。でもそれだけスピルバーグ(物語は彼自身の原案)は真剣に取り組んだ作品だと言えます。嫌いじゃないです。だから最後まで緊張感を持って見届けることができました。その点でも大人向けのSFですね。

261001_01

| | コメント (0)

2026/09/30

「ハート・オブ・ビースト」を観る

今日はブラッド・ピット主演の「ハート・オブ・ビースト」を観てきました。「フューリー」以来、ブラピと再タッグのデヴィッド・エアーが監督したサバイバルアクション作。特殊部隊出身の退役軍人が相棒の元軍用犬と共にアラスカの大自然の中、立ち向かっていく姿が描かれていきます。

物語は予告編の域を出ませんが、その内容は想像以上でした。先の通り、骨子は非常にシンプルです。しかも登場人物は僅か。ほぼ全編ブラッド・ピット演じるジェームズと相棒犬のオーディンの描写に留まります。彼らが相手をするのは大自然。劇中の飛行シーン、山々と木々の中でその世界を満喫する主人公。だが自然は突然、牙を剥きます。

この時、劇場で観るべき作品だと実感しました。飛行中やテント内で嵐に出くわすシーンの臨場感は劇場ならでは。大画面と共に音響の素晴らしさから我々もジェームズたちと同じ状況を体感できます。そんな臨場感だけでなく、彼らが受ける衝撃、痛みも含めてびんびん伝わってきます。特に後半に至る流れはスクリーンに釘付けでした。

この映画の主役はオーディンだと思います。ブラピは助演ともいうべき立場。オーディンは物を言わない分、その表情で観る者を惹きつけます。私が犬好きだったらさらに評価が上がったでしょう(私は子供の頃、犬に噛まれて何処か苦手意識が…)。オーディンの献身的な姿、また家族以上の関係性をジェームズの言葉からも感じます。

彼らが切り抜けてきた戦場。退役後、ジェームズが自然に身を委ねた理由にその体験が大きいことが劇中で語られていきます。物語自体は作られたものですが、その背景はオーディンを始めとする軍用犬が戦場で活躍する一方、そんな軍用犬たちもその過酷さから同じ境遇を今も患っている、全編で静かなるメッセージとして伝わってきました。

260930_01

| | コメント (0)

より以前の記事一覧