2021/04/10

「21ブリッジ」を観る

今日は盟友N氏と「21ブリッジ」を観てきた。「ブラックパンサー」でおなじみ、昨年急逝したチャドウィック・ボーズマン主演、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のルッソ兄弟製作のクライムスリラー。

閉店後の飲食店を二人組の強盗が襲った。彼らは依頼され、地下室のコカイン強奪が目的だったのだ。だが依頼を超える300kgのコカインが眠っていた。だが間もなく深夜の警らで訪れた警官数人に見つかってしまう。銃撃戦の最中、二人はコカイン30kgを手に脱出するも警察は非常警戒をかけていた。NY市警のアンドレは彼らを追うのだが。

プロローグ、幼少時代のアンドレと背景が語られ、後半大きく動いた物語とリンクしていく。物語は70〜80年代のスリラーを思わせ、事態が明らかになった時のアンドレ、チャドウィック・ボーズマンの表情が悲しい。本作で彼のアクションも見られるが、画面から感じる凄み、当時の病状からも満身創痍だったのだと思う。

ただ本作のストーリーテリングがいけない。この手のスリラーを観てきた方ならコカイン強奪の経緯で、後半の展開は気づいてしまう。しかも市警と分署の関係が解らないと、アンドレが事件を追いかける流れが見えない。しかも中盤までは銃撃戦ばかりでやたらと人が死ぬ。その理由も最後まで見ればわかるが、中弛みの原因となっている。

チャドウィックに加えてJ.K.シモンズやシエナ・ミラーを配し、キャストはA級感で物語はB級。強盗の一人を追い込む際のアクションは一瞬熱くなるが見どころは少ない。ルッソ兄弟の「シビル・ウォー」のアクションは素晴らしかったが、映画はあくまで監督のもの。その点でも割引せざる得ない。

最後にチャドウィック・ボーズマンさんのご冥福をお祈り致します。

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2021/03/31

「ウマ娘」受け入れ難し

TVCMも多数打たれる人気のスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。以前、派生したアニメシリーズの第1話を観たが、正直受け入れる事ができなかった。

どうやら競走馬を女の子に擬人化、実際の競走馬のルックスとエピソードを織り交ぜたものらしい。所詮はゲームと割り切れる大人じゃないので、この設定がまずダメ。競馬の魅力を微塵も感じないもの。原体験、これまで競馬を観てきた来た者にとって全てが我慢ならない。

競馬は牡馬(男馬)、牝馬(女馬)がレースを競う。しかし擬人化されてゲーム、アニメは女の子だけが登場。アニメ第1話を観る限り、主人公はスペシャルウィークで実際は牡馬。「ウマ娘」では皆んな女の子になって、父子が紡ぐ血統のスポーツである部分は一切伝わらない。スペシャルウィークとサイレンススズカが同じサンデーの子という背景はアンタッチャブルなのか。

ウィキの物語解説を読むと怒りは増してくる。当時外国産馬であるエルコンドルパサーはダービーに出れなかったし、スペシャルウィークと同着はあり得ない。2着のボールドエンペラーをぶっちぎった。武豊念願のダービー初制覇に母馬キャンペンガールの運命、関係者の姿は何処にも無く、コンセプトは可愛く明るくスポ根が信条らしい。

実話を映画やドラマにする際、脚色される事が多いが「ウマ娘」の世界観は範疇を遥かに超え、原型を留めていない。実際の競馬の感動はその比でない。
牝馬のウオッカがダービーで牡馬を蹴散らす光景は現実でこその快挙。牝馬が再びダービーを勝つまで64年掛かってんだ。競馬マンガなら「みどりのマキバオー」のほうが何万倍、いや数字に表せないほど感動的だよ。

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2021/03/28

テレビより、やっぱりラジオ

「私にとってラジオは大人の本音が聴ける場所でした...」と始まるTBSラジオ「問わず語りの神田伯山」。仕事では気遣い、腹が立つ事ばかり。新聞やテレビは偏向報道ばかりだし、ネットはフィルター無しに主張のぶつかり合うSNS、読んでいて疲れてしまう。そんな中、大人の本音が聴けるラジオこそ、今最も求めているもののような気がする。

テレビとはキャスターやMCが仕切るものの、構成に沿ってほぼ番組は形作られる。しかも大半が収録済みを放送。生放送はニュースとワイドショーばかり。速報性が求められるものの、主張は予定調和で視聴者は置いてきぼり。たまに異を唱えれば、キャスター交替まで起こるほど。政治家、権力に忖度するようでは報道なんてできやしない。

一方ラジオはパーソナリティが核。一番の魅力はパーソナリティとリスナーの間の距離感。リスナーはパーソナリティの言葉の一つ一つに耳を傾ける。時に笑い、本音、そして毒もあり。その点で生放送がいい。癖になるリアタイ感。まれにradikoタイムフリーで聴いた時、突然音楽が流れると、何か引っ掛かる事を言ったんだなと想像してしまう。

ラジオはパーソナリティの技量が問われる。むしろ意外な驚きがあって、それを機に聞き始める事もある。深夜はTBSラジオのJUNKが面白い。しかもテレビと違って他局間の敷居が低い。南キャン山ちゃんの「不毛な議論」での一件は「オードリーのオールナイトニッポン」まで飛び火した。オードリー若林突然の登場「不毛な議論」は神回だった。

前にも書いたが、ラジオでニュース番組は聴かない。お上手な事しか言わないし、ラジオの特性で主張が強過ぎるから。むしろラジオならではの部分を楽しみたい。例えば「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」。ユーミンが「春よ来い」をバックに天気予報を読むのだ。これだけでも聴く価値あり。ラジオはそんな魅力に満ちている。

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2021/03/26

「ノマドランド」を観る

今夜はフランシス・マクドーマンド主演「ノマドランド」を観てきた。ノマドとは流浪の民。家を持たず、車上生活を続ける彼らの姿を追うロードムービー。

2011年、リーマンショック後のアメリカ。経済不安の中、石膏事業名高い都市から人が消えた。ガンで夫を亡くし、家を追われたファーン。彼女は車を生活拠点に季節に沿って移動、仕事を変えつつ過ごしていた。同じ車上生活者、道中で出会う人々の境遇は様々。彼らは別れと再会を繰り返していく。

マクドーマンド演じるファーン、そして取り巻く人々を通して描く人間讃歌。格差社会への批判も垣間見える。しかし主人公ファーンは狂言回し。彼女は物語のための虚像(演じ手)であり、周りの人々こそ現実流浪の生活をしている事が興味深い。演技抜きの素人らしさも伝わる。まるでマクドーマンドの目を通したドキュメンタリーに見えてくる。

ただオスカー女優、マクドーマンドも負けていない。序盤からノーメイクに顔のシワを晒し、素人衆の演者に溶け込む凄さ。泥臭く勤める仕事も生活の生々しさも伝える。某巨大通販会社に始まり、国立公園のスタッフ等、ガチンコで彼らの生き様をみせていく。特に外は極寒、車中での就寝には観ているこちらが参った。

さよならはないという彼らの信条。彼らの心の結びつき、周りの人々のエピソードにこの映画の伝えたい事が凝縮されている。ラストシーンを通して再出発していくファーン。今年のオスカーは先週の「ミナリ」同様、今のアメリカの姿が問われているのだろう。

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2021/03/20

「ミナリ」を観る

今日は今年のアカデミー賞にもノミネートされている「ミナリ」を観てきた。昨年アカデミー賞に吹いた韓国映画の風。本作は同じ風にあらず、エンターテイメント性抜きで挑んだ。「ウォーキング・デッド」のグレン役でおなじみ、スティーヴン・ユァンが主人公のジェイコブを演じる。

1980年代のアメリカ。ジェイコブとモニカは韓国からの移民。二人の子を連れ、アーカンソーへやって来た。ジェイコブは農場を作ろうとしていたのだ。だが畑を満たす水でさえおぼつかない。子供たちの世話に苦心していたモニカは自分の母を家に迎えた。そしてジェイコブの畑が軌道に乗りかけた時、ある出来事が襲う。

家族間は韓国語だが、基本的に英語劇。韓国移民黎明期の葛藤も見えてくるが、悪人は出てこないし、映画として静かで起伏は大きくない。その点で観る側を選ぶ作品。ただ家族にフォーカスする分、感情移入しやすい。夢を追う夫、現実を見つめる妻。その姿を見る子供たち。芽が出ない農地と背景。家族の危機に小さな光明。物語は静かに美しく終わる。

ミナリとは韓国語でセリの意味。タイトルは伏線として残るが、物語はジェイコブの苦闘、そしてその子デビッドとモニカの母との関係が軸となる。特に後者は作者である監督の想いが反映されたと思う。最初は嫌がったデビッドさえ惹かれる逞しさ。それこそタイトルを含めたテーマなのだろう。

子を持つ親、子からみた親への想いは国、人種、時代を問わず普遍。本当にこの作品は静かに力強い。そして3世代それぞれの想いを理解できる年齢になったのだと痛感した。

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2021/03/14

Anker Soundcore Life U2を買う

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外出、ウォーキング用に使っていたBluetoothイヤホンがご臨終。代替品は迷わずAnker Soundcore Life Q30を買った経緯から、同じAnkerのU2を買ってみた。

基本的にワイヤレスイヤホンは消耗品。音楽を聴く程度なら安価な中華イヤホンでいい。でもワンランク上の音が欲しくなった。そこで安価、いやAnker。Amazonでポチって税込¥3,990円。総じてコストパフォーマンスは高い。

箱の中身は本体、耳の大きさに合わせたイヤーチップとイヤーウイング大中小5種、そして充電用USBケーブルとシンプル。取り付けてみたものの、イヤーウイングの使いみちはいまだ謎。耳から取り外し易さなのかな。幸いイヤーチップは我が耳にジャストフィットで密閉度が高くて外れ難い。

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音の素性の良さはQ30譲り。これまでの中華製イヤホンより明らかにクリア。しかもイヤーチップのおかげで低音再生にも効果を発揮する。たとえQ30程に低音は出なくとも十分。何より驚いたのはRadikoを聴いた時だ。Q30で聴いた時と同じモニター感。間近で話しているような感覚が素晴らしい。これを聴いてしまうとこれ以上安くていいとは言えない。

操作性もQ30譲り。Bluetooth接続、解除時のアナウンスも同じ。強いて問題点を挙げると次の2点。(1) Anker謹製のアプリに製品登録が無くイコライザが使えない。(2) バッテリ残量が判り難い。

(1)は無くとも音がいいので不要(もし低音が物足らなければイヤホン自体にBassUp機能あり)。(2)はバッテリ長寿命を狙うとフル充電したくない。ただ24時間保つバッテリは使用状況から逆算して充電したい。

カバンに放り込んだりしてもイヤーチップは外れない。イヤーチップだけ無くしては大変だから。ただラフな使い方に対し、細いケーブルの断線が心配。そうならないよう注意して使っていきたい。

 

 

 

 

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2021/03/10

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観る

第一作序から14年、延期となっていた新劇場版完結篇「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観てきた。「シン・ゴジラ」を経てあらゆる技術を投入した2時間35分の大作。気をつけて語ってもたぶんネタバレになりそうなので、未見の方は読まないで下さい。先に言いますが、間違いなく観て損はありません。それでは10行程飛ばします。

エヴァとは超SF、超リアリズム、そして純文学だと思う。テレビシリーズ、旧劇場版も同様ではあったが、本作はより色濃くかつバランスがいい。序盤の味わいは「アベンジャーズ/エンドゲーム」を思い出す生活感溢れるリアリズム。だが物語が進むたびエヴァらしい超SF描写、圧倒的情報量で人類補完計画、碇ゲンドウの野望が繰り広げられていく。

その行く末はパーソナルな部分に斬り込むエヴァらしさ。ある種呆気に取られ、扱いがぞんざいだった旧劇場版と異なる救済。本作ではシンジだけでなくほぼ全てのキャラクターに及ぶ。特に碇親子の関わり方は作品、形は違えど「エンドゲーム」におけるトニー・スタークの立ち位置に近いかもしれない。

徹底して嫌なものを見せ、現実へ帰れと突き放した旧劇場版。本作では同じ轍を踏まずに降り立つ着地点。第三作Qにおけるエヴァの呪縛、14年がここで効いてくる。 言いたい事は旧劇と同じでも、その殻の破り方が違う。むしろこの語り口はまるで観客に寄り添うようだ。キャラクター、監督スタッフ、そして観客の心の救済。もう「気持ち悪い」なんて言わせない。まさに大人の終劇。

それにしてもエヴァらしくSF描写が凄い。想像をはるかに超える冒頭のエピソード、新エヴァシリーズ、怒涛の戦闘に世界観。劇中経過14年あっての更なるオーバーテクノロジー。旧劇あっての点もあるが、人類補完計画、フォースインパクトと凝視。これまでの伏線回収にこぼれ落ちるほどの情報量とセリフ。もう一度観るか、IMAXもありかなんて思わせる。

けどエヴァはもう卒業でいいんじゃないか。本作で俺の呪縛は完全に解けたよ。きっと庵野監督も。エログロ無し、物語として序盤のリアリズム描写に惹かれたし、そのおかげでメッセージはちゃんと受けとった。今だからこそポスターのキャッチも強く伝わる。もし次に観る時はあくまでSFとして エヴァの世界観に浸りたい。

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2021/03/07

WOWOW「古舘伊知郎 トーキングブルース -やっかいな生き物-」を観る

WOWOWで録ってあった「古舘伊知郎 トーキングブルース -やっかいな生き物-」を観た。現代日本最高の語り部である古舘伊知郎。ライフワークとしていた「トーキングブルース」を昨年コロナ禍無観客配信で復活。その後12月、恵比寿ガーデンプレイスで行われた有観客ライブが放送された。

12月時点、古館さん目線で社会にニュース、有名人をぶった斬る。発信側に居た古館さんだからこその切り口。スマホキャリアの攻防、コロナウイルスと感染者報道、GoTo、大坂なおみ、米大統領選、食文化....etc。

テーマは「物語を生きる」。ライブは金言の宝庫。数字は便利だが真実を話さない、数字に毒されている、結局は好きか嫌いかで生きている、遠くのものには美しく怒れる。どこまで真剣に接する事ができるか。目の前の出来事が何処まで真実か。自戒と尊敬を込め、時に自主規制音が入りつつ、古館流の語りを加えていく。

圧巻は大統領選の件のリアルタイム感。自らの見解と開票速報と成り行き。その状況描写はさすが古館さん。抜群の語彙力とトークで再現していく。我々の知っているアメリカへの問い掛け、現総理の叩き上げ物語には納得。さりげなく"東京新聞望月さん"と入れていくあたりが古館さんらしい。世情を映した秋田音頭はお見事。

もちろん2時間近いトークの源泉は古館さんの圧倒的な知識にある。そこから繰り出す古館さんの物語力に敵わない。ブルース=嘆きと悲しみ、そして笑いと真面目なエロスを交えつつ、だからこそ惹きつけられる。

最後は言葉のエキスパート古館さんが神田伯山直伝の講談を披露。しかも題材は中村仲蔵仕立ての「愛の不時着」。観た直後だからこその描写力に張扇の音が心地いい。ぐいぐいと物語前半のクライマックスへ。締めは「続きはNetflixで」なんてWOWOW放送なのにいと可笑し。

トーキングブルースとはイデオロギーの押し付けでなく、偽善承知あくまで古舘節。プロレス実況に始まった古舘節の集大成。コロナ禍、社会の鬱憤に共感する語り口。もし機会があればライブで観たいな。

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2021/03/06

「ウエストワールド」(1973年劇場公開)を観る

先日NHKBSプレミアムで放送された「ウエストワールド」を観た。マイケル・クライトン脚本・監督によるSF映画。HBOでのリメイクドラマは記憶に新しい。

近未来。古代ローマ、中世、アメリカ開拓時代の3つの世界で構成するテーマパークが作られた。観客はそれぞれの世界に入ってその時代を体験できる。その世界観に没入できる最大の理由は観客以外の人物が全てロボットという事。しかも人を傷つけない仕組み。西部劇さながらの体験ができるのだ。だがある日突然、ロボットたちの動きに異常が見られ始める。

子供の頃、ゴールデン洋画劇場で「ウエストワールド」はよく放送してた。でも全て通して観たのは初めて。最大の理由は顔パッカン。「600万ドルの男」「バイオミック・ジェミー」のフェンボットも同じ。一種のトラウマで顔の内部にメカが見えるのが子供心どうにも怖かったから。見た目精巧なターミネーターより、内部構造がシンプルな彼らのほうが何気に怖い。

見どころは荒野の七人、ユル・ブリンナーのガンマン姿に顔パッカン。今観て映画としてはイマイチ。90分の小品だから我慢できたが、物語のテンポが悪い。ロボットの反乱というより機械エラーによる恐怖。1968年公開の「2001年宇宙の旅」のHALのほうが深みがある。HBO版はAI時代、そのテーマの深みを補った格好。隔世の感、ビジュアルも圧倒的だからね。

物語の構造は同じクライトン原作の「ジュラシックパーク」と同じ。そしてユル・ブリンナー演じるガンマンは反乱ロボット映画の元祖。故障した彼はまさにターミネーターなのだ。ターゲットを見つけ、執念の追跡。外観の出来でロボットか否か判る事もその共通点。少なからずキャメロンは影響を受けただろう。そんな傑作SF群のエッセンスがこの作品にはある。

「ウエストワールド」を観ると続編「未来世界」も観たくなる。こちらは水曜ロードショーでよく放送してた。ただこの手の懐かシネマは地上波で観る事は難しい。午後ローでさえ最近の作品ばかりだから。どうせなら連作で、日本語吹替で観たいよな。

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2021/02/27

「愛の不時着」を観る

Netflixで「愛の不時着」全16話を日本語吹替版で観た。昨年から話題になっていたが、Netflix再契約を機会に昨年末から観始めた。連チャンで見ず、週一の1話ペースで視聴。

財閥の令嬢で実業家のセリはパラグライダーを飛行中、突如竜巻に巻き込まれてしまう。不時着したのは北朝鮮の非武装地帯。見つかったセリは逃走も人民軍の中隊長ジョンヒョクの家で匿う事になる。国の違う二人は衝突するも、やがてお互いを想う仲となる。だが韓国に帰す事こそ大事と手を尽くすジョンヒョクだが...

第一次韓流ブームの頃から日本のドラマの影響を言われているが、その指摘は今更感。面白いものは面白い。美男美女のラブストーリーにサスペンス。そして韓国ドラマらしく笑いの要素も交える。フォーマットは1話約80分、最終話は110分。映画ならトータルダレてしまう長さだが、テレビドラマなら1話ずつ気軽に観れる分その心配はない。

まずセリとジョンヒョクの関係性は観ていて飽きない。徐々に互いを思いやる関係は視聴者の想定通り。だがそれを超える伏線を用意するから見応えがある。やがて明らかになるセリとジョンヒョクの運命の糸、二つの国を通し危険を度外視して互いを護る姿に惹かれた。現実、分断の続く中限られた条件下で精一杯のハッピーエンドと言えるだろう。

日本語吹替版、セリの声を充てたのは沢城みゆき嬢。声質と演技、マウントの高い雰囲気がセリにマッチしており、それだけで導引力は高い。さらに北での第5中隊や村人たちとの交流、その後の恩返しはみゆき嬢の声無くしてイメージできない。日本でのブーム、影の立役者は彼女だと思うのです。

第5中隊のメンバーも個性的でいい。特にシリーズ後半は彼らを通して伝わるカルチャーギャップが可笑しい。中でも先輩隊員のピョ・チスがいい味を出してる。セリとのツンデレ感も時にシリアスな物語のスパイスになった。ジュモクもいいよね。北なのに韓流好きとは。そしてセリが仕掛けるサプライズに観ているこちらまで驚き。

ジョンヒョクの婚約者ダンに、スンジュンの二人の末路、耳野郎こと保衛部のマンボク、村の婦人たちにもちろん悪役チョ・チョルガン。どのキャラも立っているし、三ヶ月近く追ったドラマだから、物語だけでなく登場人物たちに情が湧いてしまったほど。観終えた今、ロスっぽい感情が芽生えている。

印象的に登場するトラックを見て「マッドマックス」好きなスタッフなのだろうなと思ったら、セリが劇中で「好きな映画は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」」と言った瞬間、思わず膝を叩いた。こういう洋画ファンを意識した演出もこの作品の好きなところ。

スイスの風景を見て、実際に乗った登山列車を思い出す。視聴者にとってもコロナ禍、二人の旅路を通して海外旅行する気分なのかも。またスイスに行きたいな。

さて次は「梨泰院クラス」なのかもしれないが、残念ながらNetflixの契約は今月末で一旦止め。再契約は「全裸監督」の新シリーズ待ちになりそうです。

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