2023/03/19

Netflix映画「西部戦線異状なし」を観る

今日はNetflix映画「西部戦線異状なし」を観た。今年の米アカデミー国際長編映画賞(旧外国語作品賞)受賞。最優秀作品賞は惜しくも逃したが、けっして「エブエブ」に勝るとも劣らない。1917年第一次大戦下のドイツ。北フランスへ侵攻した主人公パウルの目を通した戦況、その大局が描かれる。

有名な原作は1930年にハリウッド映画化されたものの英語映画。今回の再映画化はドイツ語、だからこその外国語作品。ドラマなら吹替でも映画は原語で観たいし、役者本人の演技、セリフを通して伝わるものがある。そして最新の映像技術は戦争の持つ怖さ、虚しさを伝えていく。

「プライベート・ライアン」以降戦争映画は大きく変わったと言われるが、本作もその流れを汲んでいる。しかしそれ以上に汗臭く泥だらけで肉片、いや肉体が飛び散っていく。戦局劣勢のドイツはフランスと停戦交渉に入るも、物語は最後の最後まで進んでも戦争に勝者無しの印象を深める。

戦場、最前線を率いる将軍、交渉団の三者の描き 方が対照的。特に泥水をすするパウルたちに対し高級料理に舌鼓を打つ将軍、その飼い犬。強奪までし得る戦争下の心理状態。停戦の知らせに喜びの反面、思わぬ形で戦友を失うパウル。そして名誉のために再び戦火に戻されてしまう悲しさ。

とにかくこの映画の中の出来事は何もかも痛々しい。戦争の本質とはそういうもの。それも解らず、やれ国防、それに向けた憲法改正だと躍起になる輩は想像力の欠如。政治家なら他に出来る事を考えて欲しい。劇中のセリフ「平和なら軍人は不要」という言葉が非常に重く感じた。

230319_02


| | コメント (0)

「第95回アカデミー賞授賞式」を観る

WOWOWオンデマンドで「第95回アカデミー賞授賞式」を観た。例年ならノーカット字幕版を録画、それを少しずつ毎日観ていくのだが、何とDIGAにトラブル。一切録画されていなかった。毎回保存してきたのに...と思いつつ、私にはWOWOWオンデマンドがあった。本当に良かった。全編観るのは年功行事だからね。

さて今回、オスカーを席巻したのは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。放送中の日本語字幕(コメント)は「エブエブ」と略されていた。作品自体はオスカー級と思えなかったが、ある意味時流に乗った受賞だったのでは?と思う。Me Too、ポリコレ、その上での多様性への流れ。ハリウッド人材(アカデミー会員)の多様性の現れでもある。

授賞式の雰囲気もそんな感じ。ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンとアジア系俳優の受賞に壁は感じなかった。司会ジミー・キンメルに94才の出演者ジェームズ・ホンまで弄られつつ、尊敬と温かい笑いに包まれていた。作品賞のプレゼンターがハリソン・フォード、受賞直後にスピルバーグが映されるとキー・ホイ・クァンとの「魔宮の伝説」復活が瞬間訪れたのは感慨深い。

同じくアジア勢席巻の旗頭「RRR」のフィーチャーぶりも目立った。歌曲賞まで受賞した「Naatu Naatu」のパフォーマンス。司会のキンメルは「受賞コメントが長いと「Naatu Naatu」軍団登場で退場させます」と笑わせる。実際、そこまでの事は無かったけど。今年そんな輪の中に日本映画勢が居なかったのは少し寂しい。

また今年の特徴として去年授賞式放送でカットされたスタッフ部門(美術や音響他)が復活した事だ。たとえ世間の目は作品や俳優に向かってもハリウッドの人々にとって賞の重みは平等。実際、授賞式は彼らのコメントや経歴を知る貴重な時間だった。そして追悼のコーナー。この一年間亡くなった俳優、スタッフを悼む。このコーナーがあるから毎回授賞式を観ている。日本アカデミー賞ってこういう試みしてるのかな。

作品賞ノミネートでまだ観ていないものが多い。たとえ「エブエブ」が受賞しても、心の中の作品賞は別のものになりそう。でもダニエルズの前作「スイス・アーミー・マン」は面白かったよ。それと授賞式を通して、ハリウッドは完全にコロナ禍前に戻った印象だった。(おしまい)

230319_01

| | コメント (0)

2023/03/18

「シン・仮面ライダー」を観る(ネタバレ無し)

今日は庵野秀明監督作品「シン・仮面ライダー」を観てきた。「仮面ライダーBLACK SUN」に続く仮面ライダー生誕50周年プロジェクトの最後を飾る本作。人類抹消を目論むショッカーと仮面ライダー本郷猛たちの戦いを描く。

これまでの「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に対して個人的1勝1敗[シン・エヴァは除く]の印象。そして今回の「シン・仮面ライダー」はどうか。物語はズバリ庵野監督らしい脚色に謎用語が飛び交うも"仮面ライダー"最初期のピースも散りばめられ、いつの間にかその世界観に入っている。

ただテレビシリーズ原体験者からすると物足らなさは否めない。確かにビジュアルは洗練されている。ダークな色使いの1号は踏襲された上シャープな印象、変身プロセスもスピーディー。オーグと呼ばれる怪人たちは対照的に今風で色鮮やか。その分おどろおどろしさは後退、ズバリ怖くないのだ。

物語のテーマ、救済の部分からすれば怖さは不要、ノイズなのかも。確かにお約束の泡泡死後描写はある。でもショッカーは組織として人類を陥れる得体の知れない怖さが欲しかった。また映像が銀塩タッチ(フィルム感が極小)でない事も怖さを感じなかった要因だ。

もう一つアクションシーンがダメだった。あの大野剣友会によるライダーアクションをノスタルジーと言われてしまえば仕方ないが、本作のCGアクションは味気なく淡白すぎた。ライダーはできるだけライブアクションでなきゃいけないと思う。特にトンネルの"あのシーン"は実写版キャシャーンを思い出してしまった。

とはいえ、池松壮亮=本郷猛と一文字隼人=柄本佑のコントラストやグッドルッキングな浜辺美波はいい。そしてラストシーンに至るライダーマスクはそう来たかと思わせた。結論「シン・仮面ライダー」は引き分け扱いという事で(「シン・ウルトラマン」よりは性に合った。シンシリーズは1勝1敗1分け、あくまでシン・エヴァは除く)。
230318_02

| | コメント (0)

「ブラッシュアップライフ」を観る[完走]

日本テレビのドラマ「ブラッシュアップライフ」(全10話)を観終えた。第4話オンエア後、ナイツ・ザラジオショーでナイツの二人が神回と絶賛。すぐさまTVerで追っかけ見事にハマった。ちなみに当時4話まで配信。多くのドラマは開始3話を過ぎる頃、1話の配信を残して最新回のみとなるが、このドラマのように数話見逃してもTVerに残してくれると非常に助かる。日テレは何でもHuLuではねぇ。

このドラマの面白いところは繰り返す人生とノスタルジーのシナジーにある。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(特にPART2)のように何処か俯瞰で見守り、主人公がトラブルを回避、このドラマでいうところの"徳を積んでいく"。しかもその過程が我々の生きてきた時代とラップ。生活や文化、家電にテレビ番組とその一つ一つが懐かしい。時代を懐かしむ点はNetflixの「ストレンジャー・シングス」にも相通じるだろう。

そして圧巻は細かく張り巡らされた伏線と膨大なセリフ量、それを構築したバカリズムの脚本。伏線に関しては本当に楽しんで作っているのだと想像。普段一人舞台のバカリさんだが、これだけの登場人物を絶妙に動かすのはさすが。この脚本に多くの実力派俳優が集うのは納得。ドラマ「選TAXI」は早々離脱したが、本当に今回のドラマは参った。

そして1シーン最大7~8ページのところもあったという膨大なセリフ量。沈黙を嫌う位に埋め尽くされたセリフ。正直その中身は他愛のないもの。そこがタランティーノ風であり、我々の普段の生活に顧みれば親近感が湧いてくる。一方、間(ま)を重視するような映画では成り立たない。リラックスした中で観るドラマでこそスパイスとして効いてくる。

繰り返す事で生まれる面白さ。普段の生活で3回言葉を繰り返すだけで面白くなるし、吉本新喜劇のギャグのほとんどは繰り返しに導かれて成り立っている。このドラマはその原点に立ち返り、ドラマそのものを繰り返して笑いと興味に繋げている。最終回はリアタイ視聴、パーソナルで壮大な世界観にシュールなオチも良かった。再放送があったら録画して何度も楽しみたいなぁ。

230318_01

| | コメント (0)

2023/03/16

「Winny」を観る

今日は仕事帰りに映画「Winny」を観てきた。2002年に開発されたファイル交換ソフト「Winny」。その利便性の反面、普及とと共に違法な使い方から社会問題となっていた。著作権違反ほう助を名目に開発者金子勇氏は逮捕。だが開発者=犯罪者とする警察に異論を呈し、弁護士たちが立ち上がる。映画は彼らとその行方を描いていく。

「食べるためのナイフを殺人に使ったら、ナイフ職人を罪に問えるか」と例える通り、技術の有用性と倫理観を突きつける。そして逮捕までの空白の2カ月が示す権力側の意図。やがて金子氏を封じる如く長きに渡る裁判が始まる。だがその終わりの虚しさ。まさに権力が技術を殺す。この映画を通し、かつて技術立国だった日本の最後を描いているのかもしれない。

裁判で執拗に論点をずらす検察。だが物語は並行して起こるもう一つの事件を起点に権力側が恐れていた意図を晒す。今や20年経って進化したネット社会。国はその技術を取り込み、監視と世論誘導まであり得る時代。一方で吉岡秀隆演じる警官が危険に遭う姿を見ると、金子氏が技術追求した匿名性こそ今の社会で重要なのだと思う。

この映画は優れた法廷ドラマでもある。弁護士チームのバランスといい、それを再現する個性的な俳優陣の演技。特に吹越満演じる秋田の冷静な分析と戦略。映画を超えてその視点に唸る。またチームを率いる壇を演じた三浦貴大が素晴らしい。ただそれも純粋にプログラム作りに勤しむ金子氏が居てこそ。東出昌大に実際の金子氏の姿が重なった。

タイトルバック、そしてラストと何度か映る星空が金子氏の人間性を表しているよう。作品冒頭、金子氏の部屋にあった入門書「こんにちはマイコン」(すがやみつる著)が懐かしかった。幼少期のエピソードにPC8801が出てくるところ等、パーソナルコンピュータの黎明期を思い出させる。日本技術史の1ページとしてこの映画をオススメしたい。

230316_01

| | コメント (0)

2023/03/11

「フェイブルマンズ」を観る

今日は盟友N氏とスティーブン・スピルバーグ監督作品「フェイブルマンズ」を観てきた。最近は"映画"を題材にした作品が多いが、スピルバーグの自伝的という触れ込みの本作。幼少期、映画に目覚めて作品作りに勤しむ主人公サムと彼の家族のと関わりを中心に描かれていく。

スピルバーグの映画作りの原点から始まり、興味を持った時の輝き。物語はハートウォームに進むかと思いきや中盤で大きく動く。作品作りの狭間で知る事実。それが主人公たち家族に影を落とす。だからといって湿っぽくならないのがスピルバーグ。何処かドライ、その理由がこの映画に秘められていると思う。

本作は一般的にいわれるエンターテイメント作品では無い。だが家族や仲間たちの出来事の中にエンターテイメントは潜んでいる事を教えている。サムの作品は家族記録に卒業映画等々、面白おかしくカッコよく皆を魅了。こういうのを見せられると創作意欲を刺激させられる。最近家族記録作ってないなぁと自己回顧。

カリフォルニアへ移ってからは一旦映画作りから離れ、家庭と学校生活に悩むサム。そんな中、初めてできたガールフレンドのモニカからカメラを借りる話が出ると、湯水の如くメーカー名が出てくるところがスピルバーグらしい。この彼女が可愛いんだよな。サムが部屋に遊びに行った時のエピソードもカワイイ。

プロムで流れたサムの作品に観客は釘付けと熱狂(時代からも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出させるなぁ)。サムをイジメていたヤツから受けた言葉はある意味で最大の賛辞。それら原体験の積み重ねが今のスピルバーグを作っている。そして社会へ漕ぎ出す彼の前にあの偉大な人が現れる。しかも演じていたのは....。この対面シーンは凄かった。

音楽はオールデイズに抑え気味のジョン・ウイリアムズのスコアが心地いい。エンディングもスピルバーグらしからぬ徹底したドライさ。自分のお話だからなのかな。たまにやらかす最後の最後でダラダラとヒューマニズムを押し付けるスピルバーグは嫌いだけど、その点で本作は良かった。

230311_01


| | コメント (0)

2023/03/05

Netflix映画「ちひろさん」を観る

今日はNetflix映画「ちひろさん」を観た。漫画原作を有村架純主演で映画化。Netflixからの配信と同時に劇場公開もされている。今回は配信での視聴。弁当屋さんでバイトするちひろを主人公に人々との交流と自分を見つめる姿を描いたヒューマンドラマ。

何ともほっこりする作品。鈴木慶一演じるホームレスのおじさんの末路には驚いたが、それも彼女のやさしさからと後に解る。何も言わなければ黙っているだろうし、声を掛けられれば時に厳しくもやさしく包み込む。そんな雰囲気がこの物語にあって、ちひろに小学生のまことや高校生のオカジが惹かれていくのも理解できる。

ただのやさしさだけに留まらない姿勢を演じた有村架純に感じる。ちょっと色っぽいシーンに至る流れも等身大のちひろっぽく素直。それでいて男女観に対しての宇宙人論にもほっこり。曲者リリーさん演じる店長が父親扱いされ苦笑い。そんな関係がとても温かい。それが自然なんだ。視線、表情を含めて"ちひろさん"に惚れてしまった。

感情移入は主人公のちひろに限らず、それぞれ積み重ねられたエピソードに血が通っていて琴線に触れる。中でも冷めた家族間の繋がりに爆発させるオカジ、焼きそばをほおばる彼女につられて泣いてしまったよ。また風吹ジュン演じる多恵の手元が映った時、女優魂を感じずにはいられなかった。

海辺のアパートに住むちひろさん。窓を通して映る波と明かりが織り成す光と影が印象的。物語も含め、こういう描写が映画的で好き。焼津市でロケーションされた事も身近に感じる要因なのかも。映画を観終わる事が寂しい位、オススメの作品です。

230305_01

 

| | コメント (0)

2023/03/04

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観る

今日はミシェル・ヨー主演「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観てきた。A24にロッソ兄弟がプロデュース。夫婦でコインランドリーを経営する平凡な主婦エヴリンが突然出くわす並行世界=マルチバース。そこで様々な可能性を見い出し、その世界の危機を救うべく立ち上がる姿を描く。

かつて香港映画界をジャッキー・チェンらと牽引、近年は国際スターとして活躍するミシェル・ヨー。そんな彼女が主演、今年のアカデミー賞でも台風の目となっている本作。目を見張るアクション、「トゥモロー・ネバー・ダイ」「グリーン・ディスティニー」以降で彼女のフィジカル面が最も活かされた作品だと思う。

物語の主題は自分探しに人生賛歌、家族との対話等々。ただ自分探しの部分では長い間エヴァのお世話になった身として新味に欠ける。特にテレビ版最終話を思わせるところもあったり。また近年のトレンドもあってこれでもかのマルチバースは食傷気味に思ってしまう。

導入部から世界観が入り組んでいるせいもあり、一度でそれを理解するのは難しいかもしれない。ただミシェル・ヨーに加え、「グーニーズ」のキー・ホイ・クァンのクンフーも痛快で、アクション面での見どころは多い。世界観もどこか「マトリックス」を彷彿とさせる部分も見られた。

彼ら究極のマルチバースともいうべき姿は面白い。また全ての可能性は平凡な姿だと諭す点には同意する。ちょっと期待値が高過ぎたか。ただ作品賞はともかく、
ミシェル・ヨー全開でアカデミー主演女優賞ならあり得るのかも。あとエンドロールで知る事になるが、”ボディービル界の百恵ちゃん”こと西脇美智子さん出演に注目。

230304_01


| | コメント (0)

2023/02/26

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3を観る

Netflixで「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3(全8話)を日本語吹替で観終えた。エルによって閉じられたゲートがソ連の実験で秘密裏に開けられてしまう。それを機にホーキンスでは謎の事件が続出。平和の日々を得たマイクたちに三たびマインドフレイヤーとの闘いが始まるのだった。

最終話でまさか"泣ける"ストレンジャー・シングスになると思わなかった。シーズン2のボブの件は突然過ぎて呆気に取られたが、本シーズンでの溜めに溜めた演出とこれまでの思い入れもあってグッと胸に来る。ヤツが心を開いた瞬間、ホッパーの思いがエルに届いた時、本当に泣けてきた。

ただ物語はあくまで「ストレンジャー・シングス」。様々なオマージュを交えてSFの王道を往く展開。今回はドン・シーゲル監督のあの作品(「ダーティハリー」じゃないよ)とか、ズバリT2とか。暗殺者がホッパーたちを追うカメラワークなんて"そのまんま"だもの。そして1985年といえばあの作品で劇中に"そのまんま"登場(吹替はあの人のものでしたよ)。BGM共に物語とリンク、その演出に脱帽した。

そしてまさかのT-800 VS レッド・ガーディアンが待っているとは(あくまで妄想レベル)。対決状況がまるでT2。冒頭ソ連の超兵器が登場した時、そんな事微塵も感じなかったが、最終話でアクションが続く中、シチュエーションが重なっていった。しかも...そりゃ泣くしかないでしょう。それにしてもここまで緻密に物語を構築したダファーブラザースには頭が下がる。

シーズン的には「アメリカ北東部から85'巣立ち」。実にこの物語は子供たちの成長をみるアメリカ版「北の国から」なのだ。いつの間にか親目線。エルとホッパー、バイヤーズ一家とホーキンスの街、そして仲間たちとの別れ。そうした情緒、この作品独特のオマージュが入り混じって琴線に触れる。

続くシーズン4への謎。そしてシーズン5(ファイナルシーズン)のアナウンス。先に4を観るか、5が出るまでシーズン4を待つか。シーズン4のためにもう一カ月だけNetflix契約するかと。今もう一つ、別に見続けたい作品ができてしまったしね。

230226_01

 

| | コメント (0)

2023/02/23

「BLUE GIANT」を観る

今日は間髪入れず10分後に映画2本目。ジャズアニメ「BLUE GIANT」(ブルージャイアント)を観てきた。上京したサックス奏者の大がピアニスト雪折と出会い、かつての同級生の玉田を巻き込んでジャズトリオを結成。デビューライブから彼らが目標とする「SO BLUE」のライブまでを描く青春サクセスストーリー。

アニメと侮るなかれ。最初から最後まで音楽に溺れて物語に浸たれるいい映画。実は原作は第一巻(Kindle本)だけを持っているが、その後機会無く止まっていた。原作は大の学生時代から描かれていたが、映画でその辺は回想止まり。上京後の2年間を主に小細工せずどストレートな構成。

大の演奏は既に秀でた存在。雪折とのコンビネーションと玉田のスキルアップでトリオは成長、3人の友情も演奏を重ねて強く結び付きあう。声を充てた3人(山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音)は違和感なくとても良かった。演技がいいからそのまま物語に惹き込まれていく。

そして何より音楽、ジャズ演奏のシーン。「THE FIRST SLAM DUNK」同様、モーションキャプチャーはマンガを超えた迫力を演出。映画を通してまるでライブを観ているようだった。音楽は上原ひろみ。彼女のセカンドアルバム「Brain」は持ってるせいか、曲(特にメイン曲「FIRST NOTE」)の端々に彼女のメロディーを感じ、劇中のアンコール演奏は堪らなかった。

ライブが大きくなるたび劇中の3人を支えた人々の気持ちに感情移入、物語と音楽の織り成すシナジーに気がつけば涙が。年のせいで涙腺が弱くなったのか、いやこの映画が良かったのだ。原作を読み直し、読み進めたくなった。もちろん続編「BLUE GIANT SUPREME」映画化にも期待。

230223_02

| | コメント (0)

より以前の記事一覧