映画「コンサート・フォー・ジョージ」を観る@静岡シネギャラリー
ビートルズ第3の男、レノン&マッカートニーだけではない事を知らしめ、メロディーメーカーとして活躍したジョージ。亡くなった翌年の2002年、友人であるエリック・クラプトンを中心に親交あるミュージシャン達がロイヤル・アルバート・ホールに集結してコンサートが催された。そんなコンサートがジョージ生誕80周年の今年リマスター化、20年を経て劇場公開となった。
コンサートはジョージの人柄を表すよう。ユーモアに溢れ、何処かシニカルも情緒的。久々、モンティパイソンの面々の寸劇のラストでは現場の観客同様に爆笑。彼らとビートルズとの縁というか、英国的笑いというか。そのメンバー、テリー・ギリアムも演者に戻って大いに笑わせた。
ただコンサートの本分は彼に捧げられた音楽。ステージではジョージの作品あるいは彼に捧げられた作品が並ぶ。耳馴染みのビートルズ時代、ソロ時代の曲が名演と共に甦る。特にステージの中心ではジョージの愛息、ダニーが演奏する姿。若き日のジョージそのものでクラプトンやポールの傍らに居ると感慨深い。
また「ハンドル・ウィズ・ケア」なんて復活トラヴェリング・ウィルベリーズだったし、「タックスマン」はトム・ペティが原曲同様にねちっこく歌う姿が印象的。個人的には「ホース・トゥ・ザ・ウォーター」を歌うサム・ブラウンが印象に残った。サムのお父さんジョー・ブラウンは縁でビートルズを前座にさせてたのね。
どの曲も素晴らしいが、やはり後半の連続コンボ。「マイ・スウィート・ロード」「オール・シングス・マスト・パス」「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の3曲に圧倒された。特に「ホワイル・マイ・ギター...」はホワイトアルバムが初CD化された時、最も聴いた大好きな曲だから(それがクラプトンの客演だったのも数年後に知る事になるのだけれど)。
またビリー・プレストンが歌う「マイ・スウィート・ロード」がこれまたいい。ドキュメンタリー「Get Back」を観た人なら判ると思うが、ある騒動直後のビートルズをビリーがサポート。色々な意味で彼がそこに居なければアルバム「Let It Be」は無かったかもしれない。実は騒動の発端はジョージだったし。そんなビリーがジョージのために歌う。それだけで泣いてしまう。
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