2007/09/30

今日は一日、リターンズ。

 身近な富士での開催とあって久しぶりにF1中継を観た。まさにF1が富士の裾野にリターンズ。だが前日からの雨も本戦で止む事は無かった。国際映像に絶好の富士山も雨に濡れ、霧に包まれる。それゆえクラッシュとリタイアが多かったのは残念。30年前の富士も雨だったというが、三開催中二開催が雨となると「雨の富士」という代名詞も付きそう。そんな中、セーフティーカー(ベンツじゃん。妻の報告は誤報)が終始先導するレースに物足りなさを感じつつも、終盤に至る二着以下のバトルは見応えがあった。そんなバトルがドライバー達のフラストレーションを映すようでもあった気がする。

 そんな何度もセーフティーカーが入る展開ゆえ、F1中継は放送時間が約20分延長された。その煽りを受けたのは競馬GIスプリンターステークス。フジテレビ「スーパー競馬」は当初の予定から短縮版ながら、放送延長でさらに短くなってしまった。放送開始5分後、本馬場入場無くいきなりゲートイン。電撃の6ハロンは不良馬場の中、1分9秒4で決着した。勝ったのは3才牝馬アストンマーチャン。乗り替わった中舘英二は久々のGI勝利にリターンズ。ローカルではおなじみ、彼らしい逃げとスピードが身上のマーチャンが見事ハマり、一番人気サンアディユ以下、後続馬の追撃を見事封じた。牡馬牝馬混合GIで牝馬が1、2着というのも珍しい。

 F1、競馬共に地上デジタル放送で視聴した。デジタルハイビジョン時代ながら、雨にかげったF1マシンとサラブレッドを映す映像はやや解像度が乏しかった。ハイビジョンも天気には勝てない。しかし音声は隔世の感があった。ナローなステレオからデジタルへ。F1サウンドも競馬場の歓声も部屋に轟いた一日。それだけでなく、実は懸案だった不調のアンプが、オーバーホールを経て本調子を取り戻したからだ。左チャンネルとマスターボリュームの不調で修理を依頼したところ、メーカーのサービスはクリーニングで充分と全て無料で対応してくれた。スポーツ観戦後、そのアンプと凱旋門を通して、WOWOWで録ったばかりの「スーパーマン・リターンズ」を再生すると、その地響きとサラウンドに唖然。18年選手のアンプKA-5010も見事リターンズした。ケンウッドさん、あなた方の仕事と心意気に感動。本当にありがとう!

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2007/09/26

妻、FISCOでスパイになる

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 仕事が帰ると、妻がおもむろにケータイの画面を見せてきた。そこに写っていたのは富士スピードウェイ。富士霊園の帰り、F1が開催される直前の富士スピードウェイをスパイ、いや写真に撮ってきたのだった。

 妻曰くFISCO(富士スピードウェイ)内は当然のように入場禁止。その入口で待っていると、警備員を顔パスで通り抜けていくスープラらしき車があったそうな。見た目はワンメイク仕様、どうやらF1のセーフティーカーらしい。妻は「F1の放送で見れば、判断がつくよ」と興奮気味。しかし如何せん、遠めに撮影したセーフティーカーはまるでマガジンXの如く、何が写っているか判り難い...無念。

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 しかしもう一枚は完璧。場内オフィシャルスタッフ向けの案内板である。上からチームスタッフ、???Club(スタッフ向けカフェ?)、国際メディア(プレスルーム)、サポートイベント、チームデリバリーエリアの順。その上に輝くはF1のロゴ。「Fと1の間、黒字で1がトリックアートのように浮かび上がる」とは妻の弁。確かにそう見える。このロゴは所かしこに見られたという。

 ちなみにFISCOの入口周辺にはカメラ片手の人が少なくなかったという。先乗りしたファンたちだろう。ただ今日の時点では大きな動きは無かったようだ。FISCO周辺に規制が掛かる金曜からが本番。ただそんな中、貴重なスクープ写真(?)を撮った妻はスパイの素質があるのかも...ね。

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2007/05/27

古馬任三郎、女傑誕生の2007ダービーを振り返る

 いつもある前日夜の宴が仕事で潰れ、当日輸送となった今年のダービー。特急あさぎりに乗り、府中本町に着いたのは午前10時。先乗りしたメンバーのために、近所のイトーヨーカドーでジュースとお菓子を仕入れた。ところが絶好の天気、まして10万を超える人々が集う府中が間近とあって、同じように食料を仕入れる人の多い事。買い物に30分かかり、やっとメンバーと合流する事になった。

 今年でダービーは第60回優勝ウイニングチケットの年から14年連続参戦。勝ったり負けたり、思い出も多いが、今年のダービーはどうも戦前から勝つ気がしなかった。それは本命をヴィクトリー、鞍上田中勝春への心情馬券だったからだ。昨秋のJC、ハーツクライの一件ですっかり懲りたはず。しかし一本かぶりの一番人気フサイチホウオー、いや彼のオーナーへの不信感が、あえて軸をヴィクトリーに替えさせていた。しかも二着はおろか、三着は読めない。馬券は馬連、馬単、単勝にとどめ、三連複と三連単は一点も買わなかった。

 レースは福永のアサクサキングスが逃げる展開。そこに皐月賞馬ヴィクトリーはいない。出遅れ、さらに2コーナーから先団に動いた瞬間、ヴィクトリーから勝機は無くなっていたかもしれない。そしてそのヴィクトリーをマークしたかのように、フサイチが好位を追走。誰もがアンカツの勝利を確信したに違いない。そしてレースはフサイチを中心に動いていたかに思っていた。

 直線、最内で粘るアサクサキングスを巡り、外から襲いかかった馬たちが続々脱落。ヴィクトリーも坂の途中で馬群に消えた。そして弾けるはずのフサイチホウオーは伸びない。そして気がつけば、坂を外から猛然と駆け上がったのは四位のウォッカ。かつて強いダービー馬、三冠馬たちが通った直線外のヴィクトリーロード、二着のアサクサに三馬身差をつけた圧勝。道中他の馬からはノーマーク、ウォッカの二分二十四秒五の勝ち時計も、三十三秒フラットで上がる姿に余裕が感じられた。

 戦前、僕ら仲間のウォッカに対する評価。馬券は買うが、トリ紙にならない程度のヒモ評価が圧倒的だった。しかも連に絡んだ馬も人気薄。馬単、三連単等、当たるわけがない。ただ安めにヴィクトリーからの馬連を買いつつ、単勝も買っている。ヒモが判らないレースなら、ヴィクトリー、そしてウォッカと単勝数点だけで勝負すべきだった。それにしても新たな女傑誕生と同時に、上位とみていた皐月賞組のだらしなさが目立つ。

 今年の春クラシックはとにかくウォッカに酔わされた。桜花賞では圧倒的な人気を裏切って二着。それでいて牡馬挑戦、ダービー参戦。昔からの競馬ファンなら、当然大舞台でそんな牝馬は買わないだろう。でも勝った。まるで夢を見ているようだ。こんな形で酔わされるなんて、どうせなら勝利の美酒を酔いたかったけども。でもこれも競馬なんだ。父タニノギムレット、親父似のウォッカのウイニングランに酔うのが精一杯、そんな今年のダービーだった。

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               祝!ウォッカ

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2007/05/26

古馬任三郎、2007年ダービーを考える

 馬券に情けは無用だとわかっている。しかし彼の場合、いや今回のチャンスをモノにして欲しいと思う。ボクが競馬を始めた頃、競馬新聞の出馬表での彼の表記は、▲田勝だった。馬の血統や適性がわからない頃、騎手の名前で買うのが第一歩。そんな中、彼の絡んだ馬券が穴を開け、競馬を始めて一週間後に万馬券をプレゼントしてくれた。今、競馬をしているのは、明らかに彼のせい、いや彼のおかげなのだ。

 やがて減量騎手の称号が取れ、出馬表の名は田中勝と変わっていた。ヤマニンゼファーでG1安田記念を勝ち、さらに翌年セキテイリュウオーで秋の天皇賞を二着。順風満帆に思えたその後のキャリアは足踏み。彼を絡めた馬券は平場、特別、重賞もG2まで。G1では論外となるのが当たり前だった。宝塚記念で人気だったゼンノロブロイも馬券にならず。ただのちのロブロイはペリエの手によって年度代表馬となった。単に馬が本格化前だったのか、手綱さばきの違いだったのだろうか。

 そんな勝春が正月の重賞を連勝。勢いは止まらず、関東リーディングが第一位。その矢先、飛び込んできたのが、皐月賞でのヴィクトリーの騎乗依頼。「岩田(康誠)君のように乗ってくれ」と調教師の指示。ただ実際は馬の気任せ、向こう流しまもなく先頭に立ち、最後は二の足、三の足を披露、ハナ差を凌いだ。一見、棚ボタ勝利のように思える。しかし馬の気を損ねない事、いつも笑顔を忘れない自然体の騎乗が彼らしい。芽生えた何気ない自信は、ダービージョッキーになる可能性を醸す。この時期、このレースを勝つジョッキーとはそういうオーラを秘める。

 直線が延びた新装府中となって以降、ダービーで二分二十三秒台のレコードもある。そんな芝コース、先行馬にとって時計が速くなる事は大きなリスク。ただ週末の雨で馬場が渋り始め、1コーナーまでに掛からず先手が取れるようであれば、他馬に出し抜く事も可能。皆の目がフサイチホウオーやウォッカに向かうのは望むところ。皐月賞馬でも人気にならない、何か今年、サニーブライアンが二冠馬となった年に似ている。皐月賞の時も思ったが、田中"勝"春に"ヴィクトリー"とはでき過ぎだ。最後の心情馬券はヴィクトリーから数点狙ってみたい。日曜は府中で逢いましょう。

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2007/02/18

古馬任三郎 Season9「第24回フェブラリーS」

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予想.
◎:シーキングザダイヤ
○:サンライズバッカス
▲:ブルーコンコルド
△:アジュディミツオー
×:フィールドルージュ

 休み明けの馬も多く、冬場の馬体重増減読めず。本当は五才馬サンライズバッカスを目論んでいたが、土曜朝のオッズが一番人気だったため、順当にシーキングザダイヤへ切り替えた。オッズが割れていたのも気になったし。ただやっぱり下り坂の六才、さらに休み明けが怖くて、本命を含めた五頭の馬連ボックスで当てにいった。

結果.
 締切直前、馬体重を8キロ戻したシーキングザダイヤが一番人気。ファンからの支持、困った時の武豊頼みが伝わってくる。ただし3.9倍が表すように人気は割れた。二番人気のブルーコンコルドまで差は無かった。レースはダイワバンディットが逃げる展開。不良馬場で46秒6のペースは先行馬にキツイ。好スタートを決めた公営の雄、内田博幸のアジュディミツオーは直線、手応えが怪しくなっていた。

 直線伸びてきたのはアンカツのサンライズバッカス。さらにその後方から、地方GI連勝の幸英明ブルーコンコルドが追い詰める。メンバー最速35秒フラットの上がりをみせた二頭だったが、終わってみれば位置取りの差。サンライズバッカスが一馬身半差の圧勝。連対馬を除けば人気馬総崩れ。高齢馬も勢いあるブルーコンコルド以外は惨敗に終わった。ある意味ダート戦線、その世代交代を表した結果である。

 勝ったサンライズバッカスは充実の五才馬。適距離、そして馬の勢いもあるが、鞍上のアンカツ自身の勢いも見逃せない。特に牡馬クラシックはフサイチホウオーとのコンビで席巻。その勢いを今年のGI戦線へそのまま持ち込んだ形だ。一方、騎乗停止で出遅れた武豊。ディープ引退、大きなお手馬を失った今、緒戦から流れを戻したかっただろう。混戦、今年のGI戦線を映したような一戦だった。

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2006/10/13

ディープインパクト引退とガイアの夜明け「知られざる競走馬ビジネス」を観る

 大きく動いた今週の競馬関連ニュース。金子真人オーナーの意向で、ディープインパクトの年内引退が決まった。競馬ファンにとっては青天の霹靂といった感じ。それは管理する池江泰郎調教師、騎乗する武豊騎手にとっても同じ、残念というか、無念に近いコメントが印象的だった。世界を勝てる馬など滅多に手掛けられるものではない。まして凱旋門賞での惜敗の後、次こそは海外GI制覇という夢は、次の産駒につながれる形となった。

 ちょうど先日の「ガイアの夜明け」では競馬ビジネスをテーマに扱っていた。ちょっと競馬をかじったファンならば、『馬主は好きなだけではやっていけない』とわかっている話であっても、実情を改めて伝えられると解りやすい。ましてあの関口房朗オーナーの口から、『レースだけでは儲からない』と言われると、一見華やかに思える世界も泥臭くなってくる。今や馬主はダービーを勝つためでなく、優れた種牡馬を発掘するためなのである。

 セレクトセール、セリもその一つ、キンコンカン(金子、近藤[アドマイヤ]、関口[フサイチ])の日本三大馬主に、ドバイ[アラブ首長国連邦]シェイク・モハメドのダーレージャパンという構図。特に金子氏とダーレーが、クロフネの弟を競り合うところは迫力があった。高橋力代表がアゴを下げれば、競る価格は上がっていく。気がつけば三億円。クロフネの馬主であった金子氏は降り、ダーレージャパンが競り勝った。だがドバイのオイルマネーにとっては容易いものなのかもしれない。

 しかしダーレーの馬は中央競馬で走れない。JRAが馬主申請を却下しているからである。これは日本の馬主と生産者たちを擁護する意味もある。既にJRAは、外国の馬に日本のGI競走を解放する政策をとっているが、完全解放は更なる問題(生産者撤退、賞金の海外流出)を引き起こす事を懸念しているのだ。ダーレー側は徹底抗戦の構え。裁判に打って出れば、客観的な見方だがJRAは負けるだろう。だって裁判に勝つ事さえ、オイルマネーにとっては容易いものなのかもしれないから。

 さて、ディープインパクトの存在は国際レーティングランキングでも判る。2006年8月のランキングではハリケーンランに続く2位。その逆転の場が凱旋門賞だった。しかし上位馬を退けながら伸びを欠いたディープの走りを見て、ダーレーの高橋代表は『企業秘密』と購買意欲を胸の内に留めている。世界の種牡馬品評会、いや記録会ともいうべき凱旋門賞の後、オイルマネーは動いたのだろうか。一部では、今年ドバイの競走を勝った、金子氏のユートピア号をダーレーが買ったのはその伏線と言われている。

 そうした動きを考えると、金子オーナーは今後の海外遠征のリスク、正直言うと種牡馬価値を下げかねないパフォーマンスを嫌ったのかもしれない。名より実を採ったのだろう。経済動物であるサラブレッド、しかも引退後に51億円のシンジケートとなれば、来年の海外挑戦を遥かに上回る実が待っている。前述の『レースだけでは儲からない』馬主の立場を考えれば、これを裏付ける。また一方で調教師、騎手の夢に挑戦できなくなった無念さは強く伝わってくるが、仕方あるまい。残る天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の三戦のうち、あと何戦になるか判らないが、有終の美を飾れるか、注目したい。

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2006/10/02

凱旋門賞回顧:ディープインパクトが飛ばなかった日

 今や孤高の最強馬、ディープインパクトは日本でそんな馬だ。一流アスリートたちと同じように、ライバルを世界に求めるのは当然である。そして彼(いや陣営)はフランスの凱旋門賞、競馬ファンには言わずと知れた世界最高峰のレースを選んだ。二ヶ月の調整期間を無事に過ごし、とうとう名実共に晴れの日を迎えた。うらやましく思う(地元のオッズを1.1倍に動かした)四千人近い日本人と共に、ロンシャン競馬場の興奮は最高潮に到達した。

 スタートは良過ぎたくらいのディープインパクト。ただ序盤はやや折り合いを欠いた素振りを見せ、鞍上武豊が手綱を伸ばす場面もみられた。坂を越してから落ち着いた感は伝わってきたが、昨年の菊花賞も似たレース。ディープの底力はこれからと、じっとレースの行く末に目を向けていた。最終コーナーをハリケーンランらと併走するディープ。そこから突き放すかに思えた...が、やはりロンシャンの直線は甘くない。途中先頭に立ったが、最後は三才馬レイルリンク、六才牝馬プライドに交わされた三着に終わった。

 着差も僅か、負けてなお強しの競馬ではあったが、ディープは飛ぶ事ができなかった。斤量、ローテーション、ヨーロッパの芝適性、展開、敗戦の理由は挙げたらキリが無い。しかし二分三〇秒台(その後、主催者側の誤計測で二分二十六秒三〇に訂正。それでもタフなコースなのは間違いない[後日加筆])のレースで上がり三十三秒台の脚は望めないのは判っていたし、それを考慮した乗り方を期待していたのも確かだ。それゆえ予想外に先行したのは誤算に思える。ただもう今年のロンシャンの着差は縮める事はできない、その事実だけは残った。

 少頭数ゆえの騎手の駆け引き、うまく目標にされた感もある。ファーブルきゅう舎の三頭出し。まさに肉を斬って骨を立つ、一頭が勝てればよしとレイルリンクがいいところで出し抜けを喰らわした。有馬記念でハーツクライに敗れた時のように、差された二頭に巧く乗られた気がする。この時、あれだけ長いロンシャンの直線が、まるでゴールの瞬間、中山のように見えていた。何度も言うが、ロンシャンの直線はただ者ではない。

 今日見た夢がつながるか、それがディープ陣営の課題だろう。これから日本に戻って戦うか、もう一度世界に挑戦するか。少なくとも今日の三着は、世界に対する挑戦権を初めて得た証しだと思う。そしてディープはもう日本だけに留まる馬ではない。リスクは大きいが、今後も挑戦する価値は大いにある。鞍上武豊にとっても、リベンジの時が欲しいだろう。ディープが再び羽を取り戻す、世界の強豪馬を負かす瞬間に出会いたい。

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2006/09/30

ディープインパクトと武豊、世界最高峰の凱旋門賞へ

週末は競馬ファンとして見逃せない一大イベントがある。いよいよ始まる秋のGIシリーズ、その第一弾スプリンターズステークスではない。もちろんご存知の通り、あのディープインパクトが出走する凱旋門賞の事である。10月1日が日本競馬のメモリアルデーになるか否か、ディープの走り、武豊の手綱にかかっている。八頭の少頭数となったが、その品格は揺るぎない。

 世界のナンバーワンレース、凱旋門賞の歴史はヨーロッパ競馬の歴史といっても過言ではない。武豊自身、勝ちたい世界のビッグレースの一つに挙げている。人気を二分するのは昨年の優勝馬ハリケーンラン、そして我らがディープインパクト(本来ならエレクトロキューショニストと三強を形成するはずだったが、非常に残念な急逝)。ちなみにハリケーンランは日本馬(正確にいうと日本調教馬)最先着エルコンドルパサーを破ったモンジュー産駒といういわく付き。

 京都競馬場なら間違いなくディープ有利となるだろうが、今回は完全なアウェー戦。しかも初の海外挑戦。ただ池江泰郎きゅう舎はステイゴールドで海外GI勝ちの経験があり、とても心強い。しかしマイナス材料も少なくない。ヨーロッパ以外に優勝馬が出ていないのは単なる偶然。芝や競馬の質の違いが最も大きい。しかし近年、日本馬のヨーロッパ競馬挑戦では結果を残すケースも多く、馬場適正は充分にあると言える。

 むしろ最も不安なのは、三ヶ月も開いたローテーションだろう。近年、日本馬のレベルアップは血統の充実と、調教技術の向上が挙げられる。ちょっと昔なら、前哨戦を調教代わりに使い、目標のレースに臨むのが通例だった。だが今では常勝が当たり前となり、それは前哨戦も同じ。そして支えるのが調教技術の高さである。ただ超A級馬の集う凱旋門賞、果たして三ヶ月ぶりの実戦で通用するのだろうか。調教で補えない面は存在するからだ。他のライバル馬との大きな違いはそこにある。しかし今回のローテーションは、ややガス欠気味、不完全燃焼となった昨年の有馬記念2着の反省ともとれる。今更、外野はとやかく言うものではないだろう。

 去年はちょうど弾丸ツアーで訪れた京都競馬場。しかも無敗、クラシック三冠達成に熱くなっていた頃。さすがにフランスまでついて行く事はできなかったが、日曜深夜(月曜0:25頃)はテレビにかじりつきたい。馬券を超えた世界、レースがそこにある。杉本節ならどんな実況をするのだろうか、そんな妄想が駆け巡る。『さぁ、ロンシャンの長い、長い直線に入った。武豊、ディープインパクト、京都で魅せた走り、羽ばたく姿を見せてくれ』

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2006/03/26

寝ずに生で朝までドバイワールドカップを観る

 今年は野球でワールドベースボールクラシックが開催され、サッカーはワールドカップが控えている。そして馬の世界は毎年この時期、ドバイワールドカップが開かれている。中東の産油国ドバイはいずれ枯渇する化石燃料を見据え、地元の産業、工業への投資が盛ん。世界一規模のホテル、世界最大級の室内スキー場等、リゾートも拡充されている。そして十数年前から馬の生産にも力を入れ、世界中の良血を導入。今では世界の競馬を席巻する程の勢力となっている。そしてドバイの競馬はナドアルシバ競馬場、シェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィンを中心に展開。その大一番がドバイワールドカップである。ドバイワールドカップは武豊が勝ちたい世界のレースの一つに挙げているほど(残りはフランスの凱旋門賞、アメリカのブリーダーズカップ、そして日本のジャパンカップ)。歴史は浅いものの、それでも世界の有力馬、騎手が集まり、大きなお祭りであると同時に、その実力と腕を世界にアピールする場でもある。

 25日22時半、グリーンチャンネルの生中継はゴドルフィンマイル(G2)から始まった。出走馬はユートピア。国内交流重賞、ことさらマイル戦には強いユートピアが、久々武豊とコンビを組んでの参戦。元々、ドバイの馬場は先行前残りの傾向が強い。その上、中継でも指摘されていたが、今年は硬く調整されたというスピード馬場。そんな中、好スタートでユートピアが馬群を引っ張り、直線ではグイグイと後続を引き離し圧勝。昨年の勝ちタイムよりも速く、しかも楽勝である。あの勝負服が一足お先にドバイの地で勝利した。

 続くUAEダービー(G2)は三才馬同士のレース、クロフネ産駒フラムドパシオン、南半球生まれのガブリン(4才馬だが南半球生まれゆえ出走可能)が出走。特にフラムドパシオンは父譲りのスピード、ダートでは負け無し。世界のダート競走は一八〇〇メートルから二〇〇〇メートルが激戦区。またアメリカでは大一番ケンタッキーダービーが控える。そういう意味からも、今後のフラムドパシオンの力比べとして格好のレースとなった。レースはペリエ騎乗のガブリンが逃げる展開。フラムドパシオンのスタートはやや後手気味。中団からのレースを余儀なくされた。直線でガブリンは失速。その半ば、飛び出してきたものの、前をカットされた分、仕掛けが遅れて三着を死守が精一杯。遥か先を地元ドバイのディスクリートキャットが圧勝。前述のケンタッキーダービーの有力馬に数えられている馬だが、やはり世界は広い。しかしながらフラムドパシオンのポテンシャルを示す結果であった。ガブリンは七着だった。

 ドバイゴールデンシャヒーンは短距離ダート一二〇〇メートルのレース。交流重賞常連のアグネスジェダイが金沢競馬の吉原騎手を迎え参戦。地方中央問わぬ国際派森きゅう舎らしい起用。ただし結果はアメリカ馬上位独占、アグネスは六着だった。

060326 一旦休憩の入った中継はドバイシーマクラシック(G1)芝二四〇〇メートルから再開。シーマクラシックといえばG2時代、ステイゴールドが勝ったレースでもある。そして今回、有馬記念でディープを破ったハーツクライが参戦した。橋口きゅう舎としてはユートピアの勢いに乗りたいところ。ジャパンカップで戦った女傑ウィジャボードが目下の相手である。レースは序盤からハーツクライは有馬の再現か、先手を取って逃げた。スローなのか、行く気任せ、ルメールの手綱は冴え、直線では他馬が並ぶ事さえ、許さなかった。それでもゴールするまで緊張感が走り、(馬券を買っていないのに)思わず観ているこちらから声が出た。JCや有馬を思い出させる。そして気がつけば圧勝。画面からは指を突き上げるルメールの姿、橋口調教師のえびす顔、そして「次はキングジョージに行きたいね」と高らかな宣言。ハーツクライ、ステイゴールドと同じ勝負服が再び世界を制した。

 続くドバイデューティフリー(G1)は芝一七七七メートル。アサクサデンエンに昨年の香港マイルの覇者ハットトリックが登場、日本の春秋マイル王が揃った。おなじみ香港のブリッシュラックら八か国から参戦、解説である"世界の"合田直弘氏が「こんなレース観た事ない」といわしめたメンバー。スタート後先行したアサクサデンエン、出遅れて後方からの競馬となったハットトリック。両馬全くいいところが無く、アサクサデンエンは直線手前で失速、ハットトリックは末脚不発。二頭共いいところが無く後方馬群に沈んだ(ハットトリックが十二着、アサクサデンエンは十五着)。水が撒かれたらしい重い芝適性と遠征の難しさ、やはり世界の壁は厚かった。

 最後はドバイワールドカップ(G1)、ダート二〇〇〇メートルと最高の舞台。昨年のJRA最優秀ダート馬カネヒキリ、そしてそのカネヒキリと前走戦ったスターキングマンが参戦。カネヒキリがステップに使ったフェブラリーSを圧勝、そして昨年末のJCダートは接戦ながらレコード勝ちと今回の期待は膨らむ。イタリアからドバイへ移籍したエレクトロキューショニストがライバル。移籍後、ダートを圧勝したという。同馬がブックメーカーでは一番人気。スタート後、カネヒキリは四番手を追走、スターキングマンは後方につけた。カネヒキリ、好位追走して手応えがいいと思いきや、なかなか伸びない。むしろ追走するペースが早かったのか、五着死守が手一杯。そして後方から伸びてきたのはゴドルフィンの勝負服のエレクトロキューショニスト。ゴール後は鞍上デットーリの絶叫がドバイに響いた。スターキングマンは八着に終わった。

 今年のドバイ遠征、日本馬は九頭中、二頭が勝利。中でもハーツクライの存在は出色だった。一方、期待のカネヒキリが五着と惜敗。だが海外競馬はシーズンが始まったばかり、リベンジの機会はまだ数多い。世界へ向かうか、日本で迎え撃つ立場となるか、興味は尽きない。次はアメリカ、イギリス、そしてあのディープインパクトへ夢はつながった。それではオヤスミナサイ(-_-)zzz

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2006/03/21

WBC、王ジャパン優勝、世界一おめでとう!

 世間は春分の日で祝日、そして今日は日本対キューバ、WBCの決勝戦...しかしボクは会社に出勤という事態。ちょうどお昼の時間、ネットで速報へアクセス。二回の表で4対1。試合の詳細を見つつ、お休みでテレビ観戦をする人たちをうらやんで昼寝。午後からは毒のある打ち合わせに出席。事務所に戻ってみると、八回裏で点数は6対5で1点差まで迫られていた。これぞキューバの底力...と想像しつつ、結果は10対6で王ジャパンがWBCを優勝。でもあくまでYahooの結果を見ての事。今日ほど早く帰宅したかった日は無かった。

 帰宅するとテレビではお祝いムード。優勝、しかも世界一だから当然。テレビもお茶の間ももう既にテンションが上がっている。まるで飲み会に遅れて参加した気分だ。
「早く、早く試合を見せてくれ」
そんな気持でいっぱいだった。でも街の様子ばかりが映されて、肝心の試合ダイジェストが始まらない。そしてやっとニュースはスポーツコーナー、試合の様子をやっと知る事ができた。川崎の自作自演、いやいや美技プレー、失点につながるエラー、そして追加点での神業ホームインと一人三様ぶりに酔う。もちろんイチローの的確なタイムリーヒット、MVP松坂渾身の一球一球、四番松中の頑張り等など、挙げていったらキリがないチームプレーを満喫。いやこの試合だからこそ、ライブで中継を観たかった。

 WBCの期間、イチローの一挙手一投足、試合後のひと言は注目に値した。その言葉は単にプロフェッショナルなものでなく、世界戦という重圧に加え、世界に比肩する実力を証明したかった気持が伝わる。物議を醸した「三十年発言」は、日本プロ野球の持つレベルと誇りの証でもある。二回の韓国戦での敗北を経て「みんなが知らない本当のイチロー」を知る事ができた。イチロー無くして今回の優勝は無かったかもしれない。イチローの醸すクールな中のホット(まるで一ヶ月前の荒川静香を思い出させる)。この一ヶ月で皆、イチローをより好きになった事だろう。

 ただそのイチローのモチベーションを後押ししたのは、やはり世界のホームラン王たる王監督の存在だと思う。世界に誇れる野球人。イチロー、野茂ら現役メジャーを除けば、王さんしかいない。そして日本代表メンバーも口々に「監督を胴上げしたい」と言っていた。長島ジャパンのような異様なプレッシャーはなく、しかも直前ドタバタのアテネオリンピックと違って磐石の準備は受け取れた。やはり監督と呼べる人が上に立つべきだ。これまでの日本一、リーグ優勝の手腕は伊達ではない。

 過去、日本プロ野球の危機を述べてきた事が多かったが、今回のWBCで新たな復活の起爆剤を得た気がする。ただ次のWBCは三年後らしい。それに本当はオリンピックと二年おきに開催されれば、選手生命の短いプロ野球選手たちの新たな目標にもなったろう。ちょっとその点だけが残念。やはりサッカーワールドカップや先日のオリンピックに限らず、世界、自国を背負うプレーは人を惹きつける。とにかく今回の勝利に同じ国民として「終わりよければ全てよし」の気持を感じずにはいられない。

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2006/03/19

スポーツ満開、クラシック、春競馬開幕

 今日は熱い一日だった。まずはWBC、ワールドベースボールクラシック。いよいよ三度目の正直となるか、好敵手韓国との準決勝である。上原の好投に応える打線。長打を打ち、身をふり絞るように走る松中。二塁打となり、ベースをコブシで叩く。この瞬間、まるで日本代表にスイッチが入ったような気がした。その直後、多村の送りバントは失敗したが、代打起用に福留がツーランホームランで応え、一気に日本へ勝機が訪れた。その後は打者一巡、さらに八回に追加点を入れ、日本代表は6-0で韓国を下した。韓国の好プレーに対し、日本のエラーやミスが目立ち、六回までこう着状態が続く中、正直諦めムードも芽生えていた。しかし諦めるものではないと、米-メキシコ戦の結果は教えてくれていた。こういう日はスポーツっていいなぁと思う。

 クラシックといえば、いよいよ春競馬、クラシックの季節が始まる。競馬でクラシックといえば、牡馬(男馬)、牝馬(女馬)の三才三冠路線を指す。春なら牡馬は皐月賞、ダービー、牝馬は桜花賞とオークスがある。そして今年のクラシック路線は牡馬牝馬共に混戦といっていい。牡馬はアドマイヤムーンが一歩抜け出た感はあるが、それでも僅差。特に鞍上武豊は、この他に噂の三億円ホースで無敗のフサイチジャンクが控え、お手馬どちらを選ぶか注目されている。また同じフサイチ冠のリシャールは今日のトライアルを二着、重め残りにまだ成長の余地が残こしている。正直、何を軸にするかすら決めかねる事態だ。しかしそれに輪を掛けて難しいのは牝馬路線。レベルの低かった昨年の阪神JF、その後重賞連勝馬もおらず、こちらこそ何が勝ってもおかしくない状況である。とにかく今年のクラシックは悩みが多い分、楽しみも大きい。ただし馬券が当たればではあるが...

 さて実はWBC、日本が決勝進出を決めた同じ時、阪神大賞典に久々のディープインパクトが出走していた。馬体はギリギリに仕上げられ、しかも道中は菊花賞でないにしろ、やや折り合いを欠いた感じは伝わってくる。しかし結果は圧勝。玉砕気味に逃げたトウカイトリックは二着に粘り、直線馬なりで抜け出したディープは完勝。ただ勝ちタイムは稍重のためか平凡。しかし長距離のスペシャリストがいない今、あまり気にする要素ではあるまい。そして最も打倒ディープに近いと思われたインティライミは、八着に惨敗。休み明け、叩き二戦目で上がり目の無い結果、特に春の天皇賞に向け、長距離適性に大きな影を落とした。ライバル不在、ディープの四冠目は磐石となったといえよう。ただこういう日、あんな馬券を買っていてはダメだなぁと思う。買った馬券は推して知るべし。

 来週は古馬短距離路線の高松宮記念。実は高松宮記念も混戦なのだ。とにかく各出走馬とも不安要素が多く、多頭数の中京競馬場とくれば、その年の馬場状態等、様々な問題が予想を惑わせる。それでも来週はやってくる。そして宝塚記念の七月まで悩みの日々が続いていく。いよいよ古馬任三郎が再始動です。

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2006/02/21

カーリング with Cool Beauties

 トリノオリンピックの日程も折り返しに入り、日本の獲得メダルはまだ一つもない事態。あとは女子フィギュアスケートに最後の望みを託すところだが、ちょっと待って欲しい。今、日本からトリノへ熱い視線を送っている競技、それが女子カーリングだ。日本の夜、ゴールデンタイムにNHK-BSでほぼ独占放送されるこのカーリングを見逃さない日はない。しかも緊張感あるいい試合をしてくれる。目下、四勝四敗で準決勝に進めるか、負けられない、しかも上位が負ける事が前提という薄氷を踏む立場。

 だが何気にチャンネルはカーリングの中継に固定され、夕食の団らんに彼女たちを応援。しかもなんとなくルールはわかっているようだが、実際はよくわからない。たぶん最後、真ん中近くにストーンを留め、多く残ったほうが勝ちなのだろう。またカムアラウンド、ダブルテイク、フリーズ等の専門用語の数々。英語の意味からテクニックは推測できるが、細かな意味はよくわからない。しかし世界の強豪と接戦、そんな彼女たちのカーリングは興味深く面白く映る。

 その理由の一つは「もしかしてこれってできるかも?」と思わせる事だろう。目標に向かってストーンを滑らし、送り出したい方向に回って、残りのメンバーがブラシで擦る。ブラシで擦る姿はお掃除姿を彷彿とさせ、何処か滑稽に見えるが、実は絶妙なタイミングで仕掛け、動かしている事に驚かさせる。さらにそのテクニックは氷上の状態、他のストーンとの位置関係、残り投石数等が関係している。また中継の解説からも、意外に戦略も単純ではない事が伝わってくる。

 そしてもう一つの大きな理由、プレイする彼女たちの姿が美しい事である。某サイトに載っている写真は正直写りが悪いが、中継での実際の彼女たちは別物で素敵。そして強豪と相対する姿がカッコいい。お気に入りは本橋選手と小野寺選手。デリバリー(投げ込んだ)した後、指示を出す声と顔つきがいい。ちなみに日本も戦った相手のカナダでは、教会の数よりカーリングのコート(?)が多いという(中継の解説者がやたらカナダをアメリカと勘違いしていたのはご愛嬌)。トリノ五輪の後、カーリングがブレイクしそう。ボウリング場がカーリング場になるなんて事は...やっぱないか。とりあえずこの後未明のスイス戦、頑張って下さい!

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2005/12/25

今年の有馬記念を私的に振り返る

 今日の有馬記念をもって、中央競馬の全日程が終わった。まだ地方交流戦の東京大賞典等が残ってはいるが、芝コースのレースが主体の中央競馬にとってほぼ終戦といっていい。そしてその大一番の有馬記念、大本命馬のディープインパクトが初めての敗戦を味わい、けっして大波乱では無かったものの、暮れの中山に何とも言えない沈黙が流れた。それは英雄、無敗の三冠馬に対する想いに一つの終止符が打たれた瞬間でもある。そう『ディープインパクトも負けるのだ』と。大方の観戦コラムはこちらに書いたので、ここではあくまでディープに限って考えてみたい。

 パドックに現れたディープインパクト。ただ弾けるような馬体に見えなかった。しかし他馬と同じように冬場ゆえの毛ヅヤの悪さかと思われた。馬体重は440キロ、マイナス4キロの臨戦過程。調教量は前日に見た「競馬予想TV!」で調教捜査官こと井内さんが指摘していたが、内容は充分もラストの伸びが足らぬと苦言。また年内最終戦らしからぬ最終追い切りの物足りなさも感じられた。しかし三冠馬、底知れぬ力に期待をしていたのも事実。それは関係者、マスコミ、そしてファンを含めてだったのだと思う。

 ボクは予想コラムの中でディープ抜けの可能性を示唆した。理由はその時に記さなかったが、三冠馬ディープでさえ、中山コースで34秒台の上がりが限界だという事に気づいたから。もちろんコース形態に起因する面もある。だからこそ過去の実績として33秒台の瞬発力は東京、京都と大きなコースでしか真価を発揮できなかったからだ。そうなれば前で競馬のできる馬、しかも同じように34秒台で上がってこれる馬であれば、チャンスが生まれてくるというもの。今年の古馬戦線、秋の天皇賞の走破タイムの遅さにレベルの低さを感じたものの、逃げたストーミーカフェを除けば、上がりが32秒から33秒台という事実。それが古馬の底力でもある。そして対抗馬にはゼンノロブロイを挙げた。しかしご存知の通りにロブロイはプラス12キロの馬体重で、割り引きざるえない対象となっていた。

 おそらくハーツクライがいつものお決まりのポジションでレースを進めていれば、ディープインパクトは勝っていただろう。たとえ前述で指摘した調教の問題があったとしても、連を確保した以上、そのタラレバは成立する。実際今日のレースでも展開が向いた形で伸びて来ている。レースの上がりは35秒5、ディープは頑張っても34秒台だったのではないか(翌日の公式発表では推定34秒6)。武騎手が「(最後は)飛んでいなかった」とコメントしているが、それはハーツクライを差し切れなかったからこそ。この競馬をして34秒台で上がってくるだけでも普通の馬なら凄い事。ただそれ以上の脚は鞍上を含め、ファンも望んでいたのだが。

 ハーツクライ、ルメールの位置取りは想像以上に前過ぎた。ボクの予想では好位につけ、内を抜け出す形で脚を使う、ダイユウサク的な競馬をイメージしていたからだ。実はレース直前、ボクの頭の中でロブロイの馬体増から、対抗にハーツクライが急浮上。前走、アルカセットは交わせなかったものの、その鬼脚に期待していた。だが今回のハーツの競馬は逃げてはいないものの、95年有馬のマヤノトップガンに近い。ルメールの騎乗はマスコミやボクらファンの想像を超えていた。いやそれがあったからこそ、あの武豊でさえ直線前にいるハーツに驚いたのでは、と思う。とにかくハーツクライの奇策はディープよりもインパクトがあったという事だ。

追伸.
 ハーツが気になって、買ってあったディープからの馬連、三連複に加え、ハーツの単勝、三連複のヒモでもあったリンカーンへのワイドも追加。三連単、馬単を買わなかったので大爆発とはいかなかったけど、思わぬ年越しの餅代となりました。ありがとうアイリッシュダンス、ありがとうルメール!

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  心からの叫び「そのままーっ」

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2005/12/24

ディープインパクト、前人未到の無敗四冠馬を目指す

 世間的にはMerry Christmasな季節。特に金曜からの三連休を楽しんでいる方が多いと思います。しかしボクはいつものように、今日からの二連休。ただそのテンションはクリスマスに感化されるよりも、別のところにベクトルは向かっています。そもそも去年の今ごろは人生最大の大泣きして「冬のソナタ」(完全版)を観ていましたが(もちろんドラマに泣いたわけではありませんけど)、今年は最初から割り切って、一人のんびりのクリスマス。いや明日の中央競馬フィナーレ、有馬記念への戦闘モード突入です。

 今や一般のニュースで扱われるほど、ディープインパクトは社会に知れた競走馬となりました。その戦績よりも世間的には『とにかく凄い馬』として、そのぶっちぎる姿が年末のニュース総決算に何度も登場しています。でも最も重要なのは、また競馬で負けた事がないという事実。これは競馬において大きなウェイトを占めています。まず競馬には『負けてなお強し』という言葉があります。いい競馬をする事、結果を残す事が競走馬に求められるからです。それが勝ち取る賞金に反映され、しかも実績を残す事で種牡馬として、第二の馬生を送る事ができます。そんな幸せを味わえるのはほんの一握り。しかしディープは現時点、それだけでなくいまだ負けていないのです。

 競馬で負けるのは恥じる事ではありません。負ける事で問題点を修正し、次の結果につなげる。過去、そうして生まれた名馬を数多くいます。逆にディープ陣営にとって、負けられない競馬が続くのは大きなプレッシャーでしょう。しかも今度の有馬は歴戦の古馬(四才以上)との戦いになります。「学生野球からプロ野球に進む」というと例えが正しいか判りませんが、レースの厳しさはクラシック戦線に比べレベルが上がる事は必至。またディープ以外の陣営が異口同音に指摘したのは菊花賞で見せた隙、初めてみせた掛かり癖でした。

 それゆえ今回のディープには、クラシック以上に完璧な競馬が求められます。特にジャパンカップ上位馬はレコード決着に負けても、今まで以上の強敵。ただ走る事が歴史を塗り替えるディープの走り。ハードル越えは容易いかもしれません。それを見極める意味でも重要な一戦だと思います。しかしながらボクの中ではディープ抜けの可能性は否定しません。ちょっとだけタテ目をおさえます。でもレース後、武豊が鞍上で四本目の指を立てられる事を祈りつつ、結果はどうあれ、ディープが無事に新たなステージへ進んで欲しいと思っています。なにしろ『無事之名馬』というのが一番ですから。

051224
   さぁ有馬、四本目が立つか?

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2005/11/30

デットーリ・マジック炸裂[ジャパンカップを観る]

 古馬任三郎の生観戦後記の通り、土日は東京競馬場でジャパンカップを観て来た。大抵の事はそのコラムに書いたが、あらためてデットーリの事について考えてみたい。デットーリのフルネームはランフランコ・デットーリ。イタリア、いや世界のトップジョッキーである。世界の大レースを数多く制し、また世界の名馬の鞍上にいるのが彼だ。ラムタラが凱旋門賞を勝った時の鞍上も彼だったし、彼が乗ってJCを制したファルブラヴは、翌年本格化し欧州年度代表馬に選出されている。世界のホースマンが注目、名馬に乗るだけでなく、育てているのも彼の強みだろう。

 今年、ジャパンカップの当日の彼は積極的なレースが目立った。ペースを見極め、行く時は行けるし、抑えるべき時はしっかりと抑える。どちらかといえば、経験の少ない二才馬のレースでは先団で早めに仕掛け、上級クラス、条件戦になるとペースに合わせたレースを心掛ける。小島太きゅう舎が積極的にデットーリの騎乗馬をサポートしていたが、それだけでなくデムーロの乗り替わりとなった騎乗馬でも結果を残す(それにしてもグリーンチャンネルで観ていて絶望的な落馬と思われたが、奇跡的に軽症だったデムーロ。本当によかった)。とにかく彼のレースぶりは信頼できるばかりだ。

 ジャパンカップではアルカセットに騎乗。だが彼にとってのお手馬はもう一頭、ウィジャボードがいた。馬場適性からアルカセットでJC参戦を進言した事は知られているが、実は今回のレース中最もマークしていたのが、そのウィジャボードであった。実際、常にアルカセットの前にウィジャボードがいた。牝馬にして昨年の欧州代表馬、実力を認めた上でのマーク。また彼女の位置取りに何らかのカギがあったからなのだろう。実際、彼女、ウィジャボードはレコード決着の中、五着に粘っている。

 ここで考えたいのが、連対したアルカセットとゼンノロブロイの位置取りの違い。ロブロイは八番枠を利しそのままスタート。鞍上デザーモは直線、馬場の真ん中を伸びようとした。一方、アルカセットは出遅れ気味のスタートから、すぐに最内を進みレースを進めていった。直線で内が伸びる傾向にあった事もそんな騎乗にあたるが、ただレコードで決まった事を考えると、ロスなき位置取りが最も効果的だった事が解る。欧州のように力勝負の馬場なら外を狙うもいいが、スピード偏向の日本の馬場であればなるべく外は周りたくない。ロブロイにとって普段のGI戦なら、勝ちに等しいレースになったと思うが、今回は究極のスピードを試されたサバイバル戦。デザーモの「直線、馬場の真ん中を...」というちょっとしたロスが命取りだったと考える事もできる。

 とにかく今年のJCは、普段デットーリが乗る欧州のレースよりも、勝ちタイムが4秒近く速いレースだった。それでも彼はそんなレースに対応した。日本競馬の傾向を熟知し、しかも勝って結果を残した。これは凄いことだ。過去、多くの外国馬が「勝ちに来た」と豪語してきたが、最も結果を残しているのがデットーリだと言えよう。ディープインパクトがもしこのJCを走っていたら...回避を決断させた強敵、最も恐れていたのが、このデットーリ・マジックだったのかもしれない。

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    JCデー、デットーリ・マジックが始まる

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2005/09/27

マル外旋風再び

 人気が盛り返しつつある相撲界。その象徴が秋場所、琴欧州の連勝による台頭、そしてそれを阻んだ横綱朝青龍の意地。やや強引さが目立った横綱の相撲も、負けられないというより、勝たせはしないという気合がこもったものだった。それが我々観る者に伝わって、久々に力の入った観戦となった。どんなスポーツにもライバルは必要だ。正直ここ数年、あまり相撲を観たいと思わなかったが、今回はそんな気持を引き戻す大きなきっかけになったのではと思う。

 大相撲と競馬、一見何のつながりも無いような気がするが、実はその立場は微妙に似通っている。ここ数年、売り上げの減少は止まらず、人気も下火である感は否めない。しかし復活の兆しは現われている。それがヒーロー誕生だ。競馬の世界では無敗の二冠馬ディープインパクト。大相撲では朝青龍と琴欧州という新たなライバル関係、彼らの存在こそがヒーロー誕生に相当するだろう。スポーツには魅せる要素が必要だが、ディープにしろ横綱たちにしろ、そうした側面を満足する力量を持っている。

 だが実はそればかりではなかった。朝青龍、琴欧州共にいわゆる外国人力士である。高見山以降、小錦、曙と登場してきたが、朝青龍が外国人力士の真打ちの感が強い。それ程に横綱の相撲は力強く、迫力を感じる。そこに琴欧州という同じ海外からの力士の登場。しかもまだまだ強くなる能力を秘めている。外国人力士の登場は日本の歴史として続いてきた大相撲に対し、必ずしもプラスと言いがたい面もあるが、レベルの底上げには貢献してきたように思う。

 実は競馬界、ディープインパクトの登場までは相撲でいう外国人力士、すなわち外国産馬が支えてきた面が大きい。ここ数年だけでもシンボリクリスエス、クロフネ、メイショウドトウらGI馬の名前が挙がってくる。競馬は優秀な種牡馬の導入で強い馬作りを目指してきたが、そればかりでなく、マル外こと外国産馬たちが日本競馬のレベル押し上げてきた点に異論はないだろう。島国根性の最たる閉鎖的な考え方だけでは発展は生まれない。今や日本馬は次々と海外の大レースに出走、結果を出し始めている。

 大相撲も海外巡業は行なわれているが、あくまで巡業レベルでの事。また人気を盛り返したとはいえ、マーケティング的には袋小路に入りつつある。再び外国人力士が台頭してきた事で、海外を含めた戦略は急務。もちろん内外を含めて障壁は高く、非常に難しい問題だが、日本文化としてでなくスポーツとして、その魅力を訴えられるようになれば面白いのでないか。IT時代、その方法はいくらでもあると思う。

050927

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2005/08/28

任三郎ぶらりひとり旅日記2005[俺だけの旅]をアップしました

 8月11日から15日までコラムを休載しましたが、その理由は北海道旅行にありました。既にお土産ネタは披露しましたが、実際に旅行中書いていた日記をアップするには、ちょっとボリュームがあり過ぎました。写真も多かったですからね。その点を踏まえて、前回と同じようにホームページ側にコンテンツを用意しました。写真とあわせた旅の思い出を書いた日記となっています。良かったらどうぞ。

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2005/08/07

バーチャ・アニキ

 ヤクルトの古田敦也捕手が昨日40才の誕生日を迎えた(誕生日おめでとうございます)。ヤクルトファンとしては何とも感慨深く、まだまだマスクをかぶって欲しいと望んでいるが、後進の育成を考えれば難しい時期。しかしプレーイングマネージャーの噂もあるように、野村前監督の後を追うような活躍があるかもしれない。ただ昨夜の巨人戦のように、ヤクルトは岩村、ラミレスの主軸に青木、宮本、宮出、リグスといった強打陣の前で、古田の七番打者という立場も難しくさせている。ただ彼ほど投手陣に絶大なる信頼を受ける捕手は少ないだろう。

 かつて40才になった古田を知った時と、同じような感慨を受けた事があった。それはとんねるずの二人が40代に入った時だ。何せ彼らが「貴明&憲武」で「お笑いスター誕生」に出ていた頃から知っている。何てったって「時代を先取るニューパワー」なんだから。そして西城秀樹の朝番組「モーニングサラダ」のレギュラー、さらに「オールナイトフジ」「夕やけニャンニャン」と二人はその地位を固めていった。歌のヒットや「みなさんのおかげです」(現在の「みなさんのおかげでした」)等は皆さんのご存知の通り。今や高額納税者の芸能人部門で名前が出てくる二人でもある。

 やはり年齢の近い人の活躍は刺激になる。特にアニキ分的な距離にある人からは大きい。その理由を考えると、自分に兄弟がいない事に起因すると思う。まず同い年の友達は遊び相手にはなっても兄弟代わりにはならない。ボクはカギっ子、学習塾ブームのはしりの時期。そんな時、身近にあるのがテレビだった。「バカ言ってんじゃねぇよ」とツッコミを入れるとんねるずを、アニキ代わりにしていたような気がする。たぶんバカやったり、笑わせてくれたり、画面から伝わるアニキ的な雰囲気を潜在的に欲していたのだろう。

 そう考えると、同じようにテレビを潜在的に親代わり、家族代わりに思う人も多いかもしれない。世間では便利屋さんが一人暮らしの人から、家族代わりに会話に付き合う仕事依頼も少なく無いという。昔、明石家さんまが、家族をネタにして「電子ポットに話しかける祖母」で笑いを取っていたが、あながち見当ハズレな時代ではなくなった。孤独さは耐えがたいもの。だが何でも代わりになるものでもあるまい。個人的にはバーチャ・カノジョだけは願い下げだ。

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2005/07/11

さらば破壊王...

 ボクは生粋のプロレスファンではない。毎週中継を観るほどのファンでもない。しかし猪木・馬場時代を共に歩み、藤波や長州らが新日の中で争うニューリーダー、鶴田から三沢へ引き継がれる王道を歩む全日を見続けてきた。ジャイアント馬場亡き後、本格的に再編、流動化、活性化した団体交流は第三、第四の新団体を生んでいった。そんな最中、新日で迷走していたのが第三世代となる蝶野正洋、佐々木健介、武藤敬司、そして橋本真也らだった。

 若手から脱皮し、新たな力を感じさせる彼らだったが、猪木というカリスマ越えは容易いものではなかった。だがその後の大きな世代交代を経て、蝶野は新日のトップに立ち、武藤は三沢らが抜けた全日を受けて団体の長へ、健介は夫唱婦随で団体を横断、新たなステージに立っている。しかし今日、日本のプロレス界に橋本真也の名はない。夜のニュースで40才の若さで亡くなった事実を知らされた。まだ若く、あまりに突然の訃報だった。全盛期を知っているだけにとにかくショックである。

 橋本は引退を賭けた試合で負け、その後ファンの嘆願で復活した経緯を持つ。ただそこに至る新日本プロレスは混迷を深めていた。頼みのプロレス中継は古舘伊知郎が番組を降板、視聴率低下にバラエティー番組化、やがて中継はゴールデンタイムを追われてしまう。ちょうどその頃に掛かっていたのが、橋本引退だった。真意は解らないが、客観的には勢いに任せた引退劇。だからこそファンの心は橋本復活に動いた。「破壊王」というニックネームにもあるように、パワー溢れるレスリングスタイルはまだまだ現役と思わせたからだ。

 のちに橋本は小川直也という好敵手を得て「破壊王」再始動、やがて対立から連携へと同じ歩を進め始める。深夜帯に移ったプロレス中継ではあったが、この頃からたびたびゴールデンタイムでの単発中継が増え始めた。当時、橋本VS小川も大きな目玉だった。ちょうど総合格闘技から再びプロレス熱が再燃した頃でもある。だが団体を飛び出し、長州と競合して立ち上げたZERO-ONEも昨年末に残念な結果。志半ばの感は否めない。しかし40才代といえばレスラーとして円熟期。これから次世代を迎え討つ壁となる立場。それが実現しなかったのは悔しい。橋本なら次はどんな手を打つだろうか。実は今もなお、日本のプロレス界は迷走から抜け出ていない。[ただ今はご冥福をお祈りします]

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2005/07/09

野球とソフトボール、オリンピック競技除外へ

050709 ロンドンに決まった次々期オリンピック夏季大会。そして実施競技で野球とソフトボールの除外が決定、日本国内で物議を醸している。ご存知の通り、野球とソフトボールは日本のメダル獲得で重要な競技。しかも金メダルが狙えるだけの実力を秘めているゆえに、今回の除外は関係者にとって、青天の霹靂といえる出来事だろう。ただそれぞれの協会も日本国内での競技普及ほど、海外でのその活動は容易くない。報道でもメジャーリーグの後押しが足らずと評されるように、世界的に連携、アプローチが掛けられないと難しいようだ。

 ただアテネオリンピックの野球を見ていると、確かにメダルがかかった試合として緊張感は伝わるものの、試合自体のクオリティは必ずしも高いものといえなかった。本選で日本が相手をした国は必ずしも強豪国とは言い切れず、しかもこれでもかの猛攻で日本の圧勝した試合も少なくなかった。確かに世界が集うオリンピックであるから、そうした要素は少なくない。ただ地区予選が必要ほどの競技でないのも確かだ。しかもそれでいてオーストラリアに足許をすくわれてしまった。また高校生ばりのヘッドスライディングの気持が伝わるのは、せいぜい日本人くらいではないか。仮にメジャーが出てきても、大会全体が盛り上がるとは言い切れまい。

 ロサンゼルス大会以降、急激に商業化が進んだオリンピック。今回の野球とソフトボールの除外は、関連団体や業界の弱さも露呈したことになる。野球もソフトも北京大会であわや除外の憂き目にあったように、当時から四年間の猶予を与えられたわけだが、その間の努力は報われなかった。また業界から相当なお金も動いていたはずだと思う。オリンピックではマイナーな競技も少なくないが、野球もソフトも競技地域の拡大が不可欠。徐々に底辺の拡大は進んでいるが、結果を得るに時間はまだまだ必要だと思う。

 ただ野球だけに話を戻すと、昨年の日本国内はプロ野球のドタバタが響いたものの、交流戦という新たな起爆剤を得た。しかしプロ野球人気完全復活とは言えない。そもそも国内の人気、足場固めそれなくして競技地域の拡大を訴えるには、やや本末転倒な話かもしれない。かつての威光に頼ってばかり、足許を見ない日本プロ野球機構もまだまだ努力不足。もし結果が得られれば、同じ形の団体球技としてソフトボール普及にも、おのずと重要な役割を果たすようになるだろう。

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2005/07/04

ユーイチ&シーザリオ、痛快なアメリカンオークス勝利

 競馬をやっていると痛快な事がある。荒れたレースを的中させた時、強い馬が出て、もう何も言えないくらいに圧勝してしまう時、いろいろある。最近なら二冠を達成したディープインパクトの勝ったダービー。ああいうレースを見せられるとただ笑うしかない。そんな中、日本時間の今朝、アメリカから痛快なニュースが飛び込んできた。何と日本のオークス馬シーザリオが、GIアメリカンオークスを勝ったというのだ。昼に会社のパソコンで初めてそのニュースを見た時、背中がゾクゾクしてきた。帰宅後に映像を見て、鳥肌が立った。

 日本馬がアメリカのGIを勝つ、これほど痛快な事は無い。過去、日本馬で海外重賞を勝った馬は古くはハクチカラあたりらしい(ニュースからの引用(^^ゞ)。しかしGIとなるとシーキングザパール(仏モーリスドギース賞)、タイキシャトル(仏ジャック・ル・マロワ賞)、エルコンドルパサー(仏サンクルー大賞)、アグネスワールド(英ジュライC)、ステイゴールド(香港ヴァーズ)、アグネスデジタル(香港カップ)、エイシンプレストン(クイーンエリザベスⅡ世C、香港マイル)とステイゴールドを除けば全てマル外、外国産馬。日本から勝ちに行くリスクと共に、まだ血統の壁があった。だがシーザリオは違う。"(父)"とつく通り、父内国産馬という立場である。

 アメリカの競馬ファンは驚いただろう。父スペシャルウィーク、Specialweek?そんな馬は聞いた事がないと思ったのではないか。だがシーザリオがサンデーサイレンスの孫だと知って納得したに違いない。ひと昔前なら、良血は潰されると危惧された東方の島国で、脈々と英雄の血は広がっていた。いや日本のファンならご存知の通り、サンデーサイレンス産駒はGIを勝ちまくり、次世代に血を繋いでいった。その一頭がスペシャルウィーク。筆者的には最強のサンデー産駒(Dインパクト登場までは)だと思っているが、その彼の産駒がダービー二着(インティライミ)、そして今回の日米オークス制覇と大活躍。ただシーザリオ自身、このレースで二番人気に支持されていたように、単なる刺客という評価ではなかったようだ。

 夢の実現は馬の能力だけで決まらない。ユーイチこと福永祐一の好騎乗、これに異論はあるまい。日本のオークスでは後手を踏んだスタートが響き、「馬に無理な競馬をさせた。馬に助けられた」と自らを正した彼だが、今回は無理の無いよう二番手を進み、最後の直線、ゴール前では4馬身差をつけた。とにかく今年のユーイチは違う。けっして同じ間違いは起こさない。しかもチャンスに強くなった。それは有力馬で結果を出す事、特にお手馬で出す結果は揺るぎ無い。メイショウボーラー、ラインクラフト、そして今回のシーザリオ。皆、ほぼユーイチが手綱を任されている馬たちである。

 以前、インタビューでユーイチは「そうしないと(武)豊さんには敵わないから。自分でいい状態に持っていったり、自分の乗りやすいようにしないと」と話していた。理想に近いレースを進めるため、そして勝つためにはそうした努力が必要というのだ。しかも今年は結果を出している。先の馬による春のGI4勝が光っている。そして海の向こうでの更なる戴冠。武豊もうらやむであろうアメリカでのGI勝利。しかも日本調教馬であり、内国産馬。ちなみに武豊はスペシャルウィークに乗っていた。

 アメリカンオークスを狙った陣営も評価に値する。新進の角居調教師はデルタブルース、このシーザリオとGI馬を手掛けている。日本でオークスを勝った直後、シーザリオとディアデラノビアでアメリカンオークスを目指すと明言。そして結果を出した。でもこの「結果を出した」というのが難しい。前述の通り、日本から勝ちに行くリスクは尋常でない。ジャパンカップで外国馬を迎え討つのとは大きく違う。アメリカの牝馬戦線を見据え、しかも勝てる競馬を実現したのは凄い。とにかく今回のアメリカンオークス優勝には、いくつもの痛快が秘められている。とにかく今回の優勝は痛快だ。

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2005/05/30

日本ダービー、ひさびさ東京競馬場へ行く

 昨日、ディープインパクト同様、無事に迎える事ができたダービーデー。快晴、東京競馬場で生観戦できる喜びもあってか、とにかく感動したダービーだった。戦前取り沙汰された無敗、二冠という言葉だけの問題ではない。その圧倒的なレースぶりに言葉を失う。ゴールを過ぎた後のウイニングラン、聞き慣れたユタカコールも今日この日だけは体に震えを感じた。もちろん、馬券は本線的中、三連複も合わせてプラス収支。だからこそ嬉しさはひとしおなのだ。

 もし今回、ディープの馬券で何も当たらなかったら、ボクの中で彼はずっとヒール(悪役)になってしまっただろう。競馬には巡り合わせというのがある。当てさせてくれた恩というか、だからこそ次のレースを応援したい動機が生まれる。確かにディープのような馬なら、馬券上消す事は容易ではないが、ちょっとした儲けに対するスケベ心が当たり馬券的中を狂わせてしまう。レースを終えて武豊同様、当たって良かったと手を胸に撫で下ろしている心境である。それにしても今季百勝目がダービーとは、武豊にして出来過ぎな話だなぁ。

 実は二着のインティライミの馬券だが、馬単(5.9倍)から枠連(5.5倍)に引き下げた。筆者の買う金額程度では大差なかったからだ。また三連単でなく三連複中心となった理由はインティライミに対する信頼度、特に二才時の新潟遠征で結果が出なかった事に起因する。遠征、惨敗は競馬では少なくない事。結果として杞憂だったのは幸い。ただ馬連(5.4倍)よりは配当が良かったのは、皆の視線が馬連、馬単、三連単に偏っていたせいだろう。いつも言うが「競馬の基本は枠連」である。ディープインパクトは別として、今回のインティライミの走り、先行しての粘りは昨年のダービー上位馬よりも価値がある。秋以降の成長に期待したい。

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 なお半年ぶりに訪れた東京競馬場、とうとう無線LANスポットが登場した。ただエリアは狭いし、数も少ない。iSPOTと呼ばれるスペースだが、無料でIDもくれるし、手持ちの機器があるなら是非利用したい。今回、パソコンは持ち込まなかったが、PDA(クリエTH55)によるネット接続は試す事はできた。多様、情報の大きくなったオッズ取得を考えると、やはり便利。もっとエリアが増えて欲しい。

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2004/11/02

楽天参入決定

 楽天は堂々と後出しジャンケンを制し、プロ野球十二球団目の地位を手に入れた。日本プロ野球機構は選手会との約束通り、プロ野球補完計画を遂行。だが長老たちはうるさい。そもそも経営に失敗した者たちの集団が各球団オーナーたちであって、彼らが選ぶ事自体間違ってはいる。そして外血といいつつ、経済界の息のかかる楽天を入れた事は一旦2リーグに戻し、世論の動きを見ながら球界再編を模索する上で、長いものに巻かれるオーナー、球団は必須。読売、西武他、スキャンダルで旧オーナーが失脚するも、経営として再編の意思は根強い。そんな中、参入相手としてライブドアは反逆色が濃く、比較的判り易い仙台決戦に楽天を巻き込んだ。経営背景を比較されれば、楽天有利は当然の事。出来レースとはいえくれぐれも三木谷社長には馬脚を露わさないで欲しいと切に願う。

 選ばれなかったライブドアは痛し痒しの結果。痛いのは十二球団目に選ばれなかった事。痒しの意味は参入が見送られ、株価が上昇した事である。そもそも春先、球団買収を表明した時点でライブドアの認知度は大きく上がり、企業としての彼らの欲求は満たされている。その上で堀江社長の満足度は新規参入であったから、個人としては不満足でも、企業家としての判断は五分五分だったと思う。気持の何処かに本気度が高ければ、サッカーや地方競馬参入でさらに話題を振り撒くだろう。

 今回、一連の騒動で損をしたのは、球団消滅の狭間でリストラされる人々。仙台では新たな雇用発掘となるが、同時に大阪での雇用は失われるわけで、全て万々歳という事にはならない。ただ唯一評価したいのは地方フランチャイズの実現である。ひと都道府県、ひとチームが理想だが、もっと場所が散らばってもいいはず。球場が用意できなければ、むしろもっと地方開催を増やして欲しい。

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