2009/09/13

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観る

 都市部での公開からはや2ヶ月。やっと我が街の映画館にも「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」がやってきた。夏休みシーズン、多くの子供向け作品にほとんどのスクリーンを取られていたが、それも落ち着き、地方部の映画館でやっと公開になったようだ。この間、何度も遠征を考えたが、さすがに妻とまだ小さい子供を残して行く事はできなかった。しかしやっとこの機会に恵まれ、本作を観る事ができて感謝、しかもその出来が良い。

 テレビシリーズの「アスカ来日」から「男の戦い」までを再構築。ただ物語は一見同じ韻を踏んでいるようで、味わいは異なる。まず一つは、新キャラのメガネっ子マリ登場が公言されていた事に加え、サードインパクト、人類補完計画に至るシナリオへの変化。そしてもう一つが、シンジら主要キャラの進む心理的道程である。特にテレビシリーズにあった遠回しな葛藤、旧劇場版のように気恥ずかしくなるシーンはない。その成長はストレートで気持ちよく、その分クライマックスで観る者の心を震わせる。

 そして感じるのは昭和の匂いかもしれない。"手料理"をキーワードに心を通わせ、指先に心境を窺わせる演出が心憎い。しかもレイやアスカ、ゲンドウまでも旧世紀版(世間的に旧シリーズをこう呼ぶらしい)と異なる側面を見せる。基本的に同じメッセージを伝えようとしてはいるが、その饒舌さ、濃密度は対峙する使徒との戦いと相まって、映画らしいカタルシスに溢れている。また音楽はおなじみ鷺巣詩郎によるスコアだけでなく、随所に昭和を感じさせるものも多く、そこに心は「ポカポカ」させられる。

 もちろんエヴァらしく謎解きたる側面も持つが、旧世紀版同様にそれは真意であるまい。あくまで主人公(と観客、そして製作者)の心の葛藤、成長こそがエヴァなのだから。ただ本作の終盤登場した、渚カヲルが駆るMark.06、真のエヴァンゲリオンの存在はいまだ謎ばかり(本編最後のカヲルによる映画「マトリックス」的なセリフもね)。新劇場版による更なる新展開、それがいよいよ次作「Quickening」で明らかとなるのだ。

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P.S.
 映画館に着くと個人的に耳覚えのある曲、映画「太陽を盗んだ男」「YAMASHITA」が流れていた。何故かと思ったら、今回のエヴァで使われていて二度驚いた。エヴァの世界の日常に流れるワンシーン、でも曲はノーカット。ただエンドロールではノークレジットだった(「破」のサントラには入っているようです)。ただそういえば、スタッフの一人である樋口真嗣氏が、「太陽を盗んだ男」の特典DVDに出ていたしね。

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2009/07/25

やっと、お台場ガンダム詣で

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 妻子を連れてあのお台場、ガンダム詣でへ行って来ました。25日早朝2時半起き、妻の綿密な計画の下、1才になったばかりの息子を起こさず車へ移動。午前4時出発。車が動いてから、さすがに息子も起きてしまったが、寝ぼけて黙っていた様子。休日ETCで混んだ東名、首都高、湾岸線を経て、午前6時にはお台場潮風公園へ着く事ができた。いつもながらカーナビいらず、地図を持った妻のナビのほうが完璧だ。

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 隣接する駐車場から階段を上がると、見えました。30年前から脳みそにインプットされた身長18メートル、あの白い機体。第一話「ガンダム、大地に立つ」...それが今、目の前で現実のものになっている。デカイと思ってはいたが、想像力は1分の1スケールに敵わない。このガンダムが収納される母艦ホワイトベースがあったらと、その大きさに思いやられる。

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 そして目の前のガンダムに近づけば近づく程、その姿に圧倒された。遠くではアニメを彷彿とさせるスリムなガンダム。一方、真下から見た時、まるで戦隊シリーズの巨大ロボットを思わせる。こんなガンダムは見た事がない。その場所、その場所、距離に応じて、このガンダムは顔を変えていく。何処から見ても完璧なデザイン、ポージング。拝む代わりにトータル300枚弱の写真を撮っていた。1年半前、奈良の大仏を撮った時と同じ枚数、いや同じ感動だったかもしれない。

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 早朝、まばらだった観客数も、イベント開始の午前10時には大きな人だかり。その頃ボクは1/144潮風公園限定ガンプラの超長い行列に参戦、お陰様で買う事ができた。買ったばかりの1/100マスターグレードがあるため、作るのは当分先。いや、もしかしたら、作らぬままコレクション行きか。なおオフィシャルショップではイベント用のポスターも売られており、そちらもゲットした。

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 クライマックスは1時間に一度のイベント。本編冒頭に流れるBGM「長い眠り」と共に、首を左右に振り、天を仰ぐガンダム。5分のイベントであったが、僅かながら動くガンダムを見られる感動。1979年の放送開始時、ボクは普通にダイターン3の後番組を観始めた小学生。まさか30年経って、ここまで捉えて離さない存在になるとは。やはりファーストガンダムは永遠のトリコロールヒーローなのだ。

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2008/01/19

勇者ライディーン、ついに超合金魂で登場

何故だろう?何故だろう?心が燃える
クリックしろ、クリックしろと誰かが叫ぶ

この写真を見たら、そんな歌が頭の中をよぎった。

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 ついに超合金魂に「勇者ライディーン」が登場する事になった。昨年末、ホビー系雑誌に次回作として挙がったライディーン。マジンガーZが超合金の誕生なら、このライディーンは超合金の革命といっていいだろう。ロボットから飛行形態ゴッドバードへ、変形という要素を織り込んだライディーン。変形に神秘的で流麗なデザイン(安彦良和氏による監修)と相まって、小さかった我々の心を捉えて放さなかった。それがいよいよ超合金魂で甦る。

 実はボクが初めて買った超合金が、このライディーンだった。誕生日に外食の前、おもちゃ屋さんで買ってもらった。ライディーンはロボット形態のみと変形できるデラックス版の二種があり、買ったのは後者。幼稚園児にデラックスの意味は伝わらなかったろうが、「形の変わるほう」を手に入れる事ができた。動きのないロボット形態より、ゴッドバードがお気に入り。今もマジンガーZより、超合金といえばライディーン、そんな気持ちが強い。

 今回の超合金魂はライディーン本体のみと、もう一つデラックス版(限定版)が登場。男なら迷わずデラックス版だ。何とあの人面岩に黄金のライディーン像が付いてくるのだ。ライディーンの魅力に「フェードイン」がある。主人公ひびき洸がスパーカー(バイク)で飛び乗り、導かれるシークエンス。洸のテーマ曲とCV神谷明氏のセリフが耳に残る。幼少期のサブリミナルか?ヤバい、ヤバ過ぎる。ついにポチッとしてしまった。

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2008/01/06

祝!サザエさん40周年、波平とケータイ電話

 何とサザエさんが放送開始40周年を迎えたという。放送後、妻の報告によれば、羽織袴の磯野一家の挨拶からスタート。そんな事とは全く知らず、出先からDSテレビで三本目の話を観たところ、ついに事態を起きた。

カツオの代役で火の用心の見回りに出た波平さん。
帯同していた花沢さんのお父さんと「体が冷えたから一杯どうでしょう?」と誘った後のこと。
磯野家の黒電話が鳴り、フネさんがとると、その先から波平さんの声が。
そして屋台で一杯する波平さんの手には、ケータイ電話があったのだ。
(ちなみに携帯電話は花沢さんのお父さんのもの)
瞬間、我が身に大きな衝撃が走った。
すぐに妻へこの事をメールで連絡。
だが、ずっと観てたはずなのに見逃したらしい...ケータイは東芝製だろうか?とは妻の弁。

サザエさん40周年の証、それは冒頭の羽織袴でなく、実はこのケータイ電話で無かろうか?
これぞ「るねっさーんす」(髭男爵風!)
今年はカツオくんがDSをする日も近いかもしれない。

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2007/12/09

続・ザクが作りたい

 急にツマからこう切り出された。「(あなたの)クリスマスのプレゼント、間違えると困るから、今度一緒に見てくれない」。その目的とはザクを買ってくれる事。どうやらツマがボクのブログを読んだようなのだ。そこで先週、ツマを連れ立ってといざらスへ向かった。目的はプラモデルコーナー、大人にはちと恥ずかしい。だが店の中はクリスマスムード、子供連れの家族で溢れていた。

 一応狙いは「1/100 ザク2 Ver2.0」、しかし今回はあくまで下見。シャアザクの箱には「Ver2.0」の文字はあったものの、量産型は見当たらなかった。あまりのガンプラの箱の多さに圧倒される我ら。すると横にいるツマはひと言、「ザクとシャアザクとハイザックって何が違うの?」
確かにシャアザクとザクの違いは説明しやすいが、ハイザックには参った。こりゃどう説明しようか、そう悩んでいたところ、BSデジタル、BS11で「機動戦士ガンダム」で放送が始まった。

 ザクの事を教えるのにはジャストタイミング。第一話「ガンダム大地に立つ」でガンダムがザクを切りつける、その瞬間だった。
「ザクって敵なの?」

 どうやらザク、ザクと言い続けて来たので、ガンダムの味方と考えていたようだ。しかも繰り出される質問から世界観、人間関係を教えるのに必死。冒頭でナレーション(その声は、ツマの好きな波平さんですよ!)がその世界観を言っているのにもかかわらず、先に質問されてしまう。第二話にしていよいよシャアザクが登場。「シャアは少佐だから赤いの?」これから新しいモビルスーツが出てきたら、何と説明しようか。いやいやモビルスーツの説明すら難しい。

 とりあえずこちらとしては、毎週日曜ヨル七時半、全四十三話最後まで付き合ってもらいますと宣言。ツマはそのひと言に恐怖した...

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       クイズ:これは何でしょう?

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2007/11/22

ザクが作りたい

 今、猛烈にザクが作りたい。あぁ、作りたい。ザクとはご存知「機動戦士ガンダム」の敵国側、モビルスーツの事。ガンダムに関して久しく触れる事が無かったが、思わぬところで再会。それがゲームセンターだった。

 妻の影響でUFOキャッチャーをする機会が増加。ほとんどのプライズが可愛い系ばかりの中、敢然と置かれていたのがザクだった。見つけたのは陸戦用ザクとザクタンクのコンパーチブル。正直、設定とは無関係なトランスフォームだが、出来はプライズ品の範疇を越えていた。当然、主人公メカ、ガンダムも同じようなフィギュアが多いのだが、思わず食指が伸びるのはザクに限られる。

 ガンダムも優れたデザインと思うのだが、SFドラマの主人公としては評価を下げざる得ない。圧倒する機動力が無ければ、目立つ白ボディーに兵器としてのバランスは劣る。その点ザクは、モノアイカメラに代表されるように、徹底して簡略化された兵器。その割にドイツ兵器にインスパイアされたラインが素晴らしい。しかも地味なカラーリング、量産される兵器という発想が、これまでのSFアニメには無かった。MSVバリエーションのような、砂漠仕様、水中用等多種多彩な展開もザクならではだろう。

 のちにザクをベースに敵味方無関係にバリエーションが展開。一方、ガンダムは安売りされるが如く、今も新シリーズが作られ続けている。さすがにザクが主人公となる物語は作られる事が無いだろうが、ザクという存在が様々な物語をインスパイアさせてくれる。ザクはアニメ界、永遠のグッドデザインなのだ。そしてその動機の一つがプラモデル。3億個を遥かに超えるバンダイの売り上げにも驚くが、20数年での進化はそれ以上に凄いらしい。

 かつて1/144、1/100、1/60とスケールで分けられていたが、今ではグレードが相当。HG、MG、PGとスケールが上がると共に、作り込み、パーツ量が違うという。かつて800円だったものが、今は3,000円オーバー。当然、物量そのものも確かに違う。手始めに1/100、MGのザクあたりを買うつもりだが、仕上げにこだわれば、キット価格以上、それ相当の投資も必要だろう。今は頭の中、どのように作ろうか夢想するのが、密やかな楽しみなのです。

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2007/09/05

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観る

 昨夜は会社帰り、12年ぶりのエヴァ、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観てきた。近場での上映はなく、富士のシネプレーゴまで久々の遠征。とはいえ、電車で20分ほどの距離ではある。劇場はボクのようなサラリーマンから、席の後ろではエヴァフリークの彼女を持つカップルまで様々。土曜のラジオ、アバンティのように聞き耳を立ててみると、キャラ解説をする彼女と明らかにビギナー、連れ込まれた彼氏の会話。果たして二人の映画デートは吉と出ますか?いやいやそれより、今回の新劇場版の出来が気になります。

 さてそのストーリーは第壱話から第六話に沿って進んでいる。ただ旧エヴァにあったような謎探しは影を潜め、ヤシマ作戦をクライマックスとした作品構成。あくまで序と位置づけ、ボクのようなエヴァ経験者には観易い作りである。旧エヴァはアダム、人類補完計画で物語を終始引っ張ってきたが、そもそも新劇場版でその必要はあるまい。今シリーズ製作、庵野総監督の主旨は別のところにあるのだから。この序、もしテーマがあるとすれば、何のために戦うか、ヒトゆえの戦わざる得ない運命なのだろう。それは旧シリーズを踏襲したテーマでもある。

 新劇場版、そのほとんどの作画、構図に手が加えられ、CGによる使徒、第三新東京市の防御システム等が大きな見どころとなっている。新劇場版で最もパワーアップしたのは、実は第三新東京市なのかもしれない。使徒もラミエルのように大胆な演出、変貌が加えられていた。もちろんエヴァ自身も描写がパワーアップ。射出されるエヴァ初号機、シンジのシミュレーションシーン等数多い。もちろん、一定の作画レベルで展開されるアドバンテージは大きい。お得意のタイアップも、劇場版ならではであった。

 庵野総監督の意図、リビルドの意義は強く感じる。そして今回の新劇場版:序を観ながら、昔セガサターンで出ていたエヴァのアドベンチャーゲームを思い出した。そう、これから展開される新劇場版は、新たな物語の分岐の一つであり、そのお膳立てとして、この序はストーリーラインを新たな映像で固めたのだ。前述の通り、謎は程ほど、あくまで物語の真意を伝えたいのは解る。もちろん庵野総監督らしいサービスはエンドロール後にも集約されており、これまでのファンなら、きっと新たな物語の分岐を観たくなるはず。

 ただこの劇場版、難点は少なくない。初心者向きに感じないのだ。確かに説明はあるが、カットと展開が速くて、ついて行くのがやっとに感じる。おそらく劇場では脱落者もいるだろう。またそれを助長するのが、セリフの聞き取り難さ。劇場による要因もあるだろうが、赤木リツコ女史のセリフは特に聞き取り難かった。パッケージソフト化の際は一考願いたい。また冒頭から、SF作品特有の敷居の高さもある。しかしこればかりは仕方がないところ。今は次作「破」の新展開に期待を持ちつつ、近場で公開される事を祈っております。

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2007/08/21

エコの時代

 今もガソリン単価は高騰。とにかくこのところの価格上昇は尋常でない。近場のガソリンスタンドではレギュラーがリッター145円。しかし愛車オペ(オペルアストラ)の場合はハイオク仕様のため、リッター157円にまで跳ね上がっている。世間同様,様々な工夫は実施済み。セルフスタンドは当たり前、週末の特売日を狙い、けっして満タンにはしない。とどめはガソリン会社のクレジットカードでの契約と支払い。ポイントで翌月の更なる減額を狙っていく。もちろんアクセルは踏み込まずにエコドライブ。帰りのルートも時間節約より、距離節約に切り替えた。

 いつまでガソリンは高騰するのか。短期では多少下がるだろうが、長期的には上がり続けていく。化石燃料ゆえ、未曾有の資源ではない。いずれリッター200円の時代はやってくる。車を持つ事は趣味でなく、贅沢な時代となるだろう。当然、自動車メーカーでもハイブリッドや代替燃料対応の開発に余念がない。特に軽自動車の燃費向上は近年稀にみる状況。いずれ国も一般の自動車並みに税金を取るに違いない。また個人的には、いずれ登場する電気自動車が本命だと思う。

 約25年前、「よろしくメカドック」(原作:次原隆二)というマンガがあった。元々は同じ週刊少年ジャンプ「サーキットの狼」の流れを汲みながら、カーチューニングという分野を見出した。物語は公道レース、ゼロヨン、さらに高速道路を封鎖した巨大レースへ発展、のちにアニメ化もされた作品である。だがその最終章、小排気量、さらに低燃費という地味な題材へと進んでいった。実際、その頃ともなると人気は落ち、ジャンプ連載の宿命、後半のページへまわされてしまう。

 しかしここでの物語の転換はある種、先見の明があった。当時の自動車開発はハイパワー戦争。これと逆行する作品のアプローチは、当然いずれ来るであろう時代を予見するものであった。そして今、そんな題材に挑むマンガを知らない。今こそ、低燃費をエンターテイメントできたら凄いのに。久しぶりに、実家にある「よろしくメカドック」の単行本を読みたくなった...とはいえ、やっぱ前半のキャノンボールトライアルやゼロヨンに熱狂してしまうのだろうなぁ。

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2007/07/30

人の耳は馬鹿にできない

 ファースト、劇場版ガンダムのDVDが再発売される。今やHDリマスターは当然、しかもオリジナル音声が収録される事になった。多く、いや大多数のファースト世代にとって朗報。何せ再発売前の現行ソフトは物議を醸していた代物。特別版と称し、劇場版の映像に再録された新音声、5.1ch化されたBGMと効果音のみを収録。見慣れた映像、そこに生じた違和感から非難を浴びていた。ただでさえ価格の高いバンダイビジュアル。今回の出来事は一部のファンから『想定の範囲』『次世代ディスクでまた儲けるのか』と早くもツッコミが入っている。

 過去、バンダイビジュアルのDVDソフトで音声再録は少なくない。劇場版パトレイバー第一作第二作、そしてAKIRAである。三枚ともオリジナル音声を踏まえながら、新録も収録。特にAKIRAとパトレイバー2はセリフがオリジナル音声に対し、5.1chの効果音と新録BGMを重ねている。そして興味深かったのが最初の劇場版パトレイバー。セリフ収録の独立トラックが現存しておらず、新録5.1ch用にオリジナル声優を総動員し、セリフの再録を行なった。初めて聴くならまだしも、同録のオリジナル音声と比較すると、声優陣の経た年齢まで見えてしまう、いや聴こえてしまうのが怖い。

 ただこれら三つのDVDは、オリジナル音声の入っていた分救いがあった。一方、前述のガンダム特別版はマ・クベの声も、ザクマシンガンの発射音も違和感ばかり。だってそのものが違うからだ。ただオリジナルとの違いはそればかりではない。まるで時代を封じ込めたかのような音がある。誰もが5.1chを望んでいるわけではない。ナローレンジだろうが、モノラルだろうが、馴染んだ音だからこそ、スッと物語に入り込む事ができる。侮る無かれ、人の耳は馬鹿にできない。

 ルーカスのように、CGでシーンを再構築したスターウォーズでさえ、オリジナル音声を踏まえたリテイク、気配りある音作りを感じる。特にセリフは、オリジナルをトリートメントしつつも、許容範囲を踏まえている。やはり老いたオビワンはアレック・ギネスでなければならない。実は人間にとって音の違和感のほうが、映像の違和感より生理的に受けつけないのかもしれない。声のアイデンティティーはオリジナルを超える事はできないのは、良くも悪くも栗田ルパンがいい例なのだから。

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2006/09/12

エヴァ再々起動

 あの「新世紀エヴァンゲリオン」が再製作される。正確に言うと、最終話を中心に全体的な手直しがなされるとの事。特に劇場版で描かれた最終、第26話について練り直されるらしい。庵野監督曰く「ほとぼりが冷めるのを待った」というが、昨年以降、パチスロ機で火がついた新たな客層、そしていまだに休火山化し燻っているファン層を見逃す手はない。すなわち巨大市場が眠り、今こそ興行的にビジネスチャンスでもある。重い腰を動かしたのは、そうした要求に応えざる得ない状況なのだろう。その先にはブルーレイBoxも見据えている。

 今回の再製作に「結末の解り難さ」を挙げているが、本当にそうだろうか。前回の映画化の時は、テレビ版では製作事情により主人公達の解放で終わった、人類保管計画を描く事に意義があった。実際、テレビ版に無かった、人類を個から解放し、一体化した世界が描かれていった。まさに不可侵、心の壁、ATフィールドの崩壊された世界である。そして現実を介在させ、またアニメという素材を対極に、観ている者に心の認識と現実への回帰を促した。

 すなわち劇場版ラストのセリフ「気持ち悪い」は、非現実に対する決別と取る事ができる。そんな意味深な言葉、どう取るかは観客に委ねられたわけだが、わからないとおっしゃる「アンタ馬鹿?」な人たちのために今回は再製作という事、それが大きな目的。しかし二つのエンディングでわからない、納得のいかない人たちに、第三のエンディングは福音をもたらすのだろうか。ボクはけっしてそうは思わない。だって二度ある事は三度あるのだから。

 エヴァ再々起動というと、今回の再製作に限らず、多くの話題が出ている。その中で最も大きなものは海外での実写化。OVA程度なら、かつてガンダムネタで「G-セイバー」なんかがあったりしたけど、あんなものじゃ誰も納得しないだろう。そしてバンダイネタなら超合金魂ではなく、今度は魂スペックなる可動戦士を出してくる予定。そして個人的な真打ちは、なんとダイヤブロックで初号機が登場だ。もうこうなれば何でもアリ。創造と造形に限界は無いのだ。

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ダイヤブロック 新世紀エヴァンゲリオン初号機

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2005/12/16

「スパイダーマン 東映TVシリーズ DVD-BOX」を観る

 子供の頃に受けた衝撃はなかなか忘れる事ができない。そんな作品が「スパイダーマン」。だが今皆の想像するスパイダーマンとは、サム・ライミ監督による映画シリーズだろう。CGと融合したアクションは素晴らしく、またあまりに青春した主人公の悩みがビンビン伝わってくる傑作だ。しかし今から遡る事27年前、スパイダーマンが日本にも存在した。もちろんマーベルコミックスと原作者スタン・リーのお墨付き。そのアクション、そしてアレンジは他の映像化の追随を許さない出来。そんな27年前のTVシリーズが、晴れてDVDとしてよみがえった。

 『他の映像化の追随を許さない出来』と言うのには大きく二つの理由がある。まず一つはCG抜きのアクション。子供の頃、とにかく驚かされたのが、壁を登るスパイダーマンに違和感を全く感じなかった事。裏話を聞けば、見えない位置からロープで引っ張ったり、また錯覚を利用したシーンも多かった。しかし観ている側からすれば、そこにいるのは壁を這うスパイダーマンであり、独特の動き一つ一つに魅せられる瞬間に出会える。あくまでコミックの存在を、数々の特撮ヒーローを生み出した東映が見事具現化したと言えよう。

 そしてもう一つの理由が、あのスーパー戦隊シリーズにつながる、敵キャラ=>敵巨大化=>味方ロボット登場のパターンを生み出した事だろう。もちろんロボット・レオパルドンは原作版に登場せず、あくまで日本のオリジナル。しかも「ロボットを出せ!」と言ったのは、スポンサーのポピー(現バンダイのオモチャ部門)。彼らにしてみれば、売れるオモチャが無ければ困るという訳である。そんな時プロデューサーが東映時代劇をヒントに、悪者を倒すとさらに大悪者が登場、そこへ助っ人という構図を当てはめたのだという。見事その手法は大当たりし、現在までスーパー戦隊シリーズに脈々と息づいている。そんな裏話、またここに書けない驚きの秘話(ブックレット)が載っているのも、単品でなくBOX仕様のいいところだと思う。

 さてそんなBOXの最終巻には、原作者スタン・リーのスペシャルインタビューを収録。「おおー、息子よ」と日本版スパイダーマンが登場、抱擁する場面に、ヒーローの出生に国境は無いのだとちょっと感動した。またある筋では放送当時、レオパルドン登場に激怒したと聞いていたが、今回のインタビューではその点微塵も感じなかった。ただリー氏自身は全話観た事がないみたいだし、GP-7を突然登場した飛行機と称し、あまり物語そのものは覚えていない様子。ただとにかく東映による日本版アクションには驚かされた事は判る。特典の主題歌CDと相まって、全話通して27年前にタイムスリップしてしまうDVD-BOXだ。

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2005/12/13

碇シンジ症候群(シンドローム)

 年に何度か、猛烈な自己嫌悪に陥る事がある。特に仕事やプライベートの全てが最悪な時期に差し掛かると、目も当てられない位に何事にもドロップアウトしてしまう自分がいる。むしろ仕事が忙しい時、他の事を考える暇がない時くらいのほうが健全。むしろそういう時ほど面白いものが書けるし、毎日暮らすのに張り合いが出てくる。しかし今はその自己嫌悪期間に入ったようで、ブログのネタは浮かばないし、筆(キーボードを叩く指)も進まない。ネタになりそうな事があっても、書けない事自体が最悪だ。

 そうこう言っても仕方が無い。ここに書く事こそ自己嫌悪から脱出する最善の手段。そう思ってとにかく書いてみる。まずこの事態、自己分析すると、自分の中がマイナスイメージで埋め尽くされている事に気づく。世の中、もっと大変な境遇、いや考えもしない事態、最悪命を奪われる機会さえあるのだからと慰めてみる。しかしそういう時こそ、そんな言葉は自らの耳、心には届かない。閉塞感だけで満ち、他人の笑い声さえ、苦痛に感じる事もある。そして結局悪いのは自分自身だと思い知らされる。自ら最悪の事態なんて決められない。だからこそ、そこからの脱出は相当に難しい。

 こうした心の葛藤はSFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公、碇シンジの姿に重なる。能天気でオタク心をくすぐるSFアニメから、徐々に自己深層心理に及び、やがてその葛藤までも物語に取り込んでしまった。物語中、碇シンジは自分自身何もできず、最終回を迎える。人類補完計画と呼ばれる物語のキモが進む中、最終的に自己の成り立ちを顧みて、自分という存在を確かめていった。多少誤魔化された気もするが、そうやって思わなければ、人生はやっていけない。そしてそれこそが自己嫌悪から脱出できる瞬間なのである。

 「新世紀エヴァンゲリオン」の登場人物たちはそれぞれに何かしら心を病んでいた。だが特に酷いのが碇シンジだった。わずかな才能と呼べるかどうかの能力を頼りに生きる様。そして放つ言葉とは裏腹に、逃げてばかり、まるで女の腐ったような心理状態は、まさに今の自分に同じ。そう思った時、心の何処かで「また碇シンジになっちゃったよ」と感じてしまう。これまで何度も経験してきている事だが、そうなった時は諦めつつも、どうしようもない自己嫌悪は気持ちのいいものではない。
物語中は絶えず「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ...」と逃げている主人公。
そんな劇場版のラスト、もう一人のヒロインの突き放すひと言「気持ち悪い...」
それが全てだ。

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2005/09/05

アニメもリメイク花盛り

 比較的にオリジナリティーが評価される日本のアニメーション。そのものズバリのリメイクよりも、続編やオマージュ程度に旧作を扱うケースのほうが多かった。しかしアイデアの枯渇は深刻なのだろう。ガン○ムの名を連ね、いまだ続く玩具メーカー主導の人気シリーズもあれば、深夜帯にマンガを原作にニッチ層を狙う戦略も目立つ。ただ本格的なリメイクとなると、なかなか難しい面が多い。かつてのファンを満足させ、しかも今の視聴者層も取り込まなければならない。

 今年に入って映画版仮面ライダー、ウルトラマン等の特撮組リメイク製作が先行する中、いよいよアニメも本格的にリメイク時代に入ったようだ。まずリメイクというか、再放送というのが正しい「まんが日本昔ばなし」の復活。しかも声の出演、市原悦子と常田富士男のかつての作品をデジタルリマスター化しての放送という。そもそも本放送時、どれだけ日本には昔話があるのだろうと思わせていたが、あえてリメイクとして新しいものに挑戦せず、再放送という形が興味深い。しかもゴールデンタイムでの復活のほうが挑戦的だ。

 そして最も驚愕させたのは「ガイキング」である。バイキングでもハイキングでもない、「ガイキング」のリメイク。「ガイキング」とはゲッターロボGの後番組として放送されたSFロボットアクション。当時のタイトルは「大空魔竜ガイキング」、ゼーラ星人の暗黒ホラー軍団と戦う大空魔竜の乗組員たちの戦いが描かれていた。ストーリーそのものは、毎回登場する敵メカを主人公ロボが迎え撃つオーソドックスな物語展開。ゲッターの後、東映アニメ自らが初めて原作を手掛けた作品でもある。

 ただ最も当時驚かせたのは主人公ロボのデザイン。大空魔竜の頭と上腕部、脚部のメカが合体、ガイキングという名のロボットとなる。超合金魂なんか見ても今でもカッコいいが、子供向きとしては異端なデザインだろう。そんな「ガイキング」のリメイクだが、ハードSF気味だった旧作の匂いはしない。主人公はどう見ても子供、しかもガイキングも大空魔竜もファンタジックな雰囲気を醸す。むしろ一見して思ったのは、これって「魔神英雄伝ワタル」じゃないの?物語予想を募集しているようだが、正直何で今?って感じだ。

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旧作ベース、超合金魂なんか見ても今でもカッコいい!

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2005/09/04

iTunesヘビーローテーションズ[その3]「金田」

 ボクは大の映画好きなので、iTunesにはサントラ盤がたくさん入っている。しかも洋画のサントラは輸入盤で比較的安く手に入るため、圧倒的に所有数も多い。だが邦画となると数は少なくなってしまう。邦画を本格的に観る様になったのは最近だし、過去の作品についても、余程気に入った作品でないとサントラは欲しいと思わない。そんな中、邦画の中でも比較的キャッチーな曲が多いのはアニメだと思う。手持ちは少ないが、気に入りやすい曲は意外に多い。

 だがアニメでも異色中の異色なのが、大友克洋の「AKIRA」である。アニメというとシンフォニックな音楽ばかりと思いがちだが、この「AKIRA」の音楽はまず一聴して度肝を抜かされる。周囲を回るコーラス、インドネシアの楽器ガムラン、腹に堪える大太鼓のオンパレード。読経まで登場するこれら音楽は、大友自身が抜擢した芸能山城組が手掛けている。しかもこの音楽が「AKIRA」の持つ世界観と実にマッチしており、「AKIRA」という作品が理解するのではなく、感じる映画と思わせる大きな理由だと思う。

 「金田」は「AKIRA」サントラ盤の冒頭を飾り、しかも映画の中でもスピード感溢れるバイクチェイスで使われている。当時、観た本作のレーザーディスクでも何度も観たシーンだ。映画の登場人物たちの名前がコーラスで連呼され、サビは「ラッセラー、ラッセラー...」とお祭り心をかき立てる。この心地良さ、アドレナリンの増大...これだけの説明では何が何だか解らないだろうが、とにかく感じる事が全て。17年を経ても、とにかくカッコいい音楽だと思う。

 わがiTunes、iPodのヘビーローテーションズの中でも第三位、42回の再生数の「金田」。どんな時に聴くかといえば、やはり高速ドライブに最適。この曲を聴いている三分間はニトロでも吹き込まれたように、感覚的に車のスピードは増していく。いやアクセルも深い。もし周りの車に煽られようものなら、タダで済むまい。劇中の主人公、金田(かねた)のセリフ「やっとモーターのコイルが温まってきたところだぜ」。まさに今のハイブリッド車なら、そんなセリフもアリかもしれないなぁ[高速運転はエンジンだけどね]。

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   「(金田...)..さんをつけろよ、デコスケ野郎!」

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2005/08/22

ガンダム的政治論「ギレン・ザビVS小泉純一郎」

こんな妄想をしてみた...

民衆を前、壇上にスーツ姿の男が上がった。男は熱く語りだした。
「我々は一つの法案成立の場を失った。しかし、これは敗北を意味するのか?いや!始まりなのだ!
超大国に比べ、我が国力は限られている。
にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か?
諸君!我がジミン党の政策目的が正義だからだ。これは諸君らが一番知っている。
我々はかつて敗戦国と追われ、国は一度大きな貧困を味わされた。
そして、一握りのエリートら官僚で膨れ上がった官庁が支配して60年、この国に住む我々が自由を要求して何度踏みにじられたか。
ジミン党の掲げる国民一人一人の自由のための戦いを神が見捨てるはずはない。
私の...!諸君らが支持してくれた郵政民営化法案は否決された。
何故だ!?

新しい時代の覇権を選ばれた国民が得るは、歴史の必然である。
ならば、我らは襟を正し、この政局を打開しなければならぬ。
我々は過酷な社会を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。
かつて、私は「全ての改革は郵政民営化無くして始まらない」と言った。
しかしながら郵政民営化否定論者共は、自分たちが既得権を有すると増長し我々に抗戦する。
諸君の父も、子もその彼らの無思慮な抵抗の前に屈していったのだ!
この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを、郵政民営化否決をもって我々に示してくれた!
我々は今、この怒りを結集し、衆議院解散を介して、初めて真の勝利を得ることができる。
この勝利こそ、国民全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!国民よ!
我ら国民こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。
郵政民営化を行なう我らこそ国民を救い得るのである。ジーク・ジミン!...」

コブシを振り上げる民衆、微笑む壇上、演説を終えたロマンスグレーの男(つづく)。

 実は金曜から土曜未明まで、翌日が休出であるのにも関わらず、NHK-BS2で放送されていた「まるごと起動戦士ガンダム」をほとんど見てしまった。土曜はうつらうつらな中、いつの間にか、今の日本の立つ政局とガンダムの世界観が混在してしまった。特に放送された映画版「ガンダム」の第一部、ザビ家の長男ギレンが弟ガルマの死に際し、国民の前であらためて鼓舞する有名な演説があるのだが、この演説と奇しくも小泉総理の郵政民営化を固持する姿がダブっていたのだ。しかもギレン・ザビと小泉純一郎、彼ら二人に類似点は少なくない。

 まず二人は演説がうまい。巧みと言っていい。国民の心をギュッとつかむ名演説は両者に共通している。ギレンの名演は冒頭のパロディの元ネタにもなっているし、ガンダムを政治色あるドラマに位置付けた功労者でもある。声をあてた銀河万丈氏の低音と迫力ある演技と相まって、その演説は劇場版第一部のラストをきっちり締めていた。これに対し、小泉総理は感情を露にした声質という点で劣るが、迫力とボキャブラリーでは負けていない。ワンフレーズ・ポリティクスの申し子らしく、記録より記憶を大事にしているとも言える。

 そして二人は独身である。実は重要なファクターでこのコラムでも触れた事があるが、当事者本人が政策の正しさに一直線となるも、一番の舵取りは奥さんだったりする。「世界は女性で回っている」なんて格言もあるが、それは正しい。奥さんは本当に身近な小さな政府の大蔵大臣でもあるからだ。だから同時に今の小泉総理の財布の中身が心配だったりする。自分も含め、独身者はお金に疎いからね。そんな人が年金だ、サラリーマン増税だなんて、人任せになるのは当然。ギレンも新型モビルスーツ投入やソーラレイで国費を潰したろうし。

 そして二人は身近に(体格が)大柄な人物がいる点も似ていた。ギレンの父、デギン・ザビはまさに大柄。しかもジオン公国の長でもある。だが長男たるギレンは着々と力をつけ、デギンの下から独立、一人歩きしていった。そしてギレンは和平を画策したデギンをソーラレイの標的とし、連邦軍共々粉砕した。いわゆる父殺しである。一方の雄、小泉総理も居ました、とっても身近なところに大柄な人。その人こそ森喜朗元総理、小泉総理の支持派閥の長である。しかも森氏にとって今回の騒動は自民党にとって死に等しい行為、肉を切って骨を絶つ派閥解体である。だからこそデギンと森氏は、その風貌だけでなくかなり似た立場である事がわかる。「干乾びたチーズとビールだけ...」と会談後姿を現した森氏が悲しい。

 ギレン・ザビと小泉純一郎。その行く末は気になるが、ギレンは妹キシリア・ザビの手によって死んでいった。最後は身内の裏切りである。無理な政策が様々な歪みを生み、結果として身を滅ぼした。一方、確かに小泉総理は策士である。解散直後、用意周到に様々な刺客、くノ一、ホリエモンと次々と切り札を駆使、一見巧く運んでいるように思える。しかし術に溺れるという言葉もある。郵政民営化、派閥解体が進み新たな自民党を生んだのち、果たして小泉総理にどんな結末が待っているのだろうか。ギレンならぬ『小泉純一郎の野望』の結末は如何に。

050822

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2005/07/31

「亡国のイージス」VS「機動警察パトレイバー2 the Movie」

 昨日は夏の邦画大作「亡国のイージス」を観てきた。物語は(亡国ならぬ)某国の活動家と憂国の自衛隊士官に対し、これに挑む専任伍長と防衛庁情報本部長らを含む内閣官僚の構図。亡国感を基に偽りの平和に終止符を打つべく、情報の開示を求めるイージス艦「いそかぜ」。海上自衛隊の協力もあって、映像的な見どころも少なくない。なおそれゆえにエンドロールで搭乗した艦船数とタイアップぶりに圧倒された。ただ撮影上の制約も多かったのだろう。本作のアクション、動の部分では物足りなさは否めなかった。しかしキャスティング、さすが阪本作品とあって分厚い演出は強く感じる。

 だが亡国論、平和の享受、そこに疑問を投げ掛ける作品といえば「機動警察パトレイバー2 the Movie」だろう。「亡国のイージス」が艦船一隻(とはいえイージス艦なのだが)が中心なのに対し、「パトレイバー2」の描くスケールはアニメゆえにとてつもなく大きい。冒頭、平穏さを破るベイブリッジへの爆撃。やがてその緊張は都内を戒厳令下レベルまで押し上げ、陸自の戦車や車両が都心に現われる。もちろんその裏には亡国の首謀者の策略。10年以上前の作品だが、脚本も面白くサスペンスとして一級品だし、しかもエンターテイメントとしても優れている。もちろん押井守監督の軍事オタ度の高さも光っている。

 「パトレイバー2」と比べ「亡国のイージス」に足らないのは緊張の連鎖である。ただそう言いつつも「パトレイバー2」はとにかく淡々としている。「亡国のイージス」が熱いセリフの応酬の一方、こちらは覚めた視点で徹底している。一見、エンターテイメント性との両立は難しいが、実はこの作品の主役の一つなのが東京。東京が危機的状況に陥った時、そこに何が起こるかというシミュレーションが見どころとなっている。その展開こそが緊張を生み、様々な組織に連鎖していく。警察組織というと「踊る大捜査線」だが、その原点はこの「パトレイバー」にあるのは有名な話。「亡国のイージス」にも組織間の応酬はあるが、政府側の顔は数多く見えてこない(米国を意識する総理の姿は面白いが...)。演出的にも緊張のタチ切れが多く感じられた。

 もちろん「亡国のイージス」が勝るのはリアルさに尽きる。さらに生身の演者の持つ迫力が命、だからこその阪本演出ともいえる。その一方、所詮アニメという面を「パトレイバー2」は秘めている。アニメならではのお約束もあるし、そこが鼻につく点も少なくない。また「パトレイバー2」がやりたい事を実写でやれば、お金がいくらあっても足らないだろう。だが「亡国のイージス」のエンドロール、絵コンテに庵野秀明(「新世紀エヴァンゲリオン」総監督)の名を見逃さなかった。今、邦画の世界にアニメと実写の境界線を求める事自体、本当に意味の無い事なのかもしれない。手法はどうあれ、同じテーマを描く面白さは秘めているのだから。

「亡国のイージス」の正攻法感想はこちら「映画を観た後で」

050731

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2005/07/27

iTunesヘビーローテーションズ[その1]「THANATOS」

 今日から新シリーズを立ち上げます。iTunes+iPodを使い始めて一年半。ヘビーローテーション入りした楽曲を一曲セレクトし、語っていきたいというもの。今日現在、ボクのiTunesライブラリには4531曲が登録されている。ジャンルを挙げていけば枚挙暇が無い状態。そんなiTunes、再生回数10回以上の中からこれぞという一曲をセレクト。さてその第一回は60回の再生回数(ヘビロ中第二位)となる鷺巣詩郎の「THANATOS」をピックアップしてみた。

 「THANATOS」はインスト曲で、皆さんご存知のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のもう一つのテーマとして親しまれていた楽曲。タイトルの「THANATOS」(タナトス)という言葉はギリシャ神話で用いられた擬人化された[死]を表している。このアニメの内容を知っている人にとっては、何と言い得て妙なタイトルと感じるだろう。確かに「エヴァ」は様々な死が登場するが、そればかりでなくたった一曲の中で、本作のドラマ性を見事に表した名曲でもある。

 淡々と刻まれるリズム、やがてさざ波のように心に沁みてきて、バイオリンの音が心を刺す。そして突然、心に光を充てるかの如く温かいメロディに触れる。そんなこの曲を聴いていると何となく心が休まってくるのを感じる。宗教的な匂いの強い「エヴァ」であるが、「THANATOS」はそうした神聖も兼ね備えていると思う。ではどんな時に聴くかといえば、それが朝、会社に行く車の中なのである。テンションを上げるべき時間なのだが、妙に朝になると聴きたくなってしまう。

 人によっては何で朝に?と思うだろう。ただ結局、何より癒しが欲しいようだ。テンションを下げ、むしろ逆効果を狙っている気もする。しかも碇シンジに重ねている自分がいる。これが「エヴァ」に囚われた者特有のトラウマなのである。いつまでも自我を確立できない、いまだに悩み苦しむ迷路のようなもの。だからこの曲を聴いているとそうした思いがこみ上げてくる。ちなみにこの曲に英語詞を付けた「THANATOS - If I Can't Be Yours」(劇場版「エヴァ」)もいいが、やっぱりオリジナル、インスト版を強くすすめたい。

マイレート:★★★★★
050727

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2005/07/13

ガンダム占いをやってみた

 Yahooにガンダム占いのコーナーが始まった。好奇心旺盛、しかもファーストガンダム世代としては思わず食指が動いた次第。生まれた星座と血液型の組み合わせで、ガンダム登場のキャラクターに当てはめるのがこの占いのポイントだ。あらかじめ決められたキャラは48種類だという。一体、何が当たるか考えず、とりあえず登録、検索をかけてみた。すると思わぬキャラに出くわしてしまった。こういう場合はどう考えればいいのか...何と選ばれたのはザクレロだったのだ。

 ザクレロとは微妙なキャラである。登場したファースト、テレビ版での扱いはぞんざいだったし、映画版ではその存在すら消されてしまった。一見、非常にどうでもいいキャラである。まずは占いの内容を読んでみた。第一声...案外当たっている。B型のいい加減さに加え、我が基本キャラについての記述もほぼ間違いなく触れており納得。ガンダム占い恐るべしの印象であった。特に基本性格では「戦いではなく、笑いで戦争を勝利に導こうとした感のあるザクレロくん」と言い当てている。

 そもそもザクレロのデザインってオチャラケている。大口開けたフェイスに大カマ、それでいて肩口には弓矢の刺さったハートが描かれている。その醸すルックスが、先に挙げた基本性格を表しているような気もする。ファーストで登場するキャラの中でも、最も異端の存在なのだ。すなわちザクレロくんに当てられた自分というのは、それだけ個性が際立った存在だと言えるのかもしれない。かなり好意的にみているのだけれど、ガンダム占いなんていうものに真剣に接する必要性はない。

 48種類のキャラクターの全貌。一番の当たりはアムロなのか?いやいや48種全てがモビルスーツやモビルアーマーらしい。ただザクレロくんは占いカウントダウンでいえば何番目に当たるのだろう。なおYahooのプレミアム会員は恋愛傾向まで教えてくれる。「仮にルックスが多少アレでも相手を楽しませるのが抜群にうまいザクレロくんは、異性にモテモテです。肩のハートマークは伊達じゃありませんよ」とココだけは信じていいですか?気になる方は一度試してみるといいのでは。

050713

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2005/03/29

BSアニメ夜話「新世紀エヴァンゲリオン」

 とうとうパンドラの箱を開けた...と言っては大げさだが、昨夜のNHKBSアニメ夜話で「新世紀エヴァンゲリオン」が取り上げられた。エヴァは自分にとって、今もってトラウマを残す作品。司会の岡田斗司夫氏との関係(製作会社「ガイナックス」創設メンバー)もあって、果たして取り上げるのかなぁと思っていたが、第三弾にして登場となった。むしろ近い人間ゆえ、その発言も期待された部分がある。実際、この一時間で新たな見方が生まれたのも確か。

 特に驚かされたのは、エヴァ=純文学論である。テレビシリーズ終了後、様々な解説本が登場したが、あまりに広い物語、背景、裏設定を深読みし、これぞ決定版というものは少ない。そもそもエヴァ=純文学論は、視聴者からのメールにあったコメントが発端。SFロボットアニメの皮を被った純文学という見解が新しい。何となく毛色の違うロボットアニメとして始まったエヴァだったが、主人公を始めとするキャラの内面世界に入り込み、結果として二つの人類補完計画(テレビ版、劇場版)に行き着く。

 しかしながら二つの補完計画は同じストーリーテリングを踏襲しながら、展望を持って終わるテレビ版と、徹底して観客を精神的に追い込む劇場版。ただ両者に共通するのは純文学的アプローチ。結局、エヴァはロボットアニメや物語を見せたいのではなくて、心を描く文学。岡田氏も唐沢俊一氏も一致した意見。自分も大きくうなずいた点である。あまりに気持がピュア過ぎる、あまりにカッコつけない主人公の葛藤、心の堂々巡りはリアル過ぎた。

 自分にとってエヴァがトラウマになってしまったのは、実はその点である。心の壁は作品中でも描かれたが、人と人の間を埋めるものだけでなく、人が成長する過程の中でも必ずぶつかるもの。ネガティブに陥った時、碇シンジ的心境にラップしてしまう。ただテレビ版にしろ、劇場版にしろ、あくまで私の解釈として、今もその結末に『自我の確立』と『現実回帰』を促すように感じている。特に宮村優子が語る劇場版最後のセリフ「気持悪い」に至る過程は、『現実回帰』の結論を強くする理由を感じた。

 さてこの番組では、劇場版エヴァの第25話「Air」の自慰描写まで登場。NHKとはいえ、地上波と違ったハードな内容にビックリした。しかもゲストの若手作家氏が、エヴァ初号機並みに発言が暴走。それを見ていて何処か、それがエヴァがエヴァたる所以を感じたような気がする。そして番組の締め、エヴァの仕掛け人大月俊倫氏が語る当時の達成感と、それを突き放したような現在の心境は興味深かった。

050329

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