2021/03/10

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観る

第一作序から14年、延期となっていた新劇場版完結篇「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観てきた。「シン・ゴジラ」を経てあらゆる技術を投入した2時間35分の大作。気をつけて語ってもたぶんネタバレになりそうなので、未見の方は読まないで下さい。先に言いますが、間違いなく観て損はありません。それでは10行程飛ばします。

エヴァとは超SF、超リアリズム、そして純文学だと思う。テレビシリーズ、旧劇場版も同様ではあったが、本作はより色濃くかつバランスがいい。序盤の味わいは「アベンジャーズ/エンドゲーム」を思い出す生活感溢れるリアリズム。だが物語が進むたびエヴァらしい超SF描写、圧倒的情報量で人類補完計画、碇ゲンドウの野望が繰り広げられていく。

その行く末はパーソナルな部分に斬り込むエヴァらしさ。ある種呆気に取られ、扱いがぞんざいだった旧劇場版と異なる救済。本作ではシンジだけでなくほぼ全てのキャラクターに及ぶ。特に碇親子の関わり方は作品、形は違えど「エンドゲーム」におけるトニー・スタークの立ち位置に近いかもしれない。

徹底して嫌なものを見せ、現実へ帰れと突き放した旧劇場版。本作では同じ轍を踏まずに降り立つ着地点。第三作Qにおけるエヴァの呪縛、14年がここで効いてくる。 言いたい事は旧劇と同じでも、その殻の破り方が違う。むしろこの語り口はまるで観客に寄り添うようだ。キャラクター、監督スタッフ、そして観客の心の救済。もう「気持ち悪い」なんて言わせない。まさに大人の終劇。

それにしてもエヴァらしくSF描写が凄い。想像をはるかに超える冒頭のエピソード、新エヴァシリーズ、怒涛の戦闘に世界観。劇中経過14年あっての更なるオーバーテクノロジー。旧劇あっての点もあるが、人類補完計画、フォースインパクトと凝視。これまでの伏線回収にこぼれ落ちるほどの情報量とセリフ。もう一度観るか、IMAXもありかなんて思わせる。

けどエヴァはもう卒業でいいんじゃないか。本作で俺の呪縛は完全に解けたよ。きっと庵野監督も。エログロ無し、物語として序盤のリアリズム描写に惹かれたし、そのおかげでメッセージはちゃんと受けとった。今だからこそポスターのキャッチも強く伝わる。もし次に観る時はあくまでSFとして エヴァの世界観に浸りたい。

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2020/09/30

静岡県立美術館「富野由悠季の世界」へ行く

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今日は静岡県立美術館で開催中の「富野由悠季の世界」へ行ってきた。先週連休後の休館日と知らずに行ってのリベンジ。どっぷりと富野ワールドに浸り、昼飯も食べずにぶっ続けで楽しんだ。

なお展示は撮影禁止なので、入口だけをパシリ。平日だけど人の入りは7割くらいと多めだった。

展示は富野監督の学生時代、大学までの制作物、虫プロ時代の資料、そしてフリー、サンライズ以降の作品群に分けられる。もちろん展示はサンライズ以降の作品に大きく割かれていた。だがそこまでの道程にこそ、富野監督のきめ細かな視点、原点が伺える。入口間際には監督の父親が戦中に関わった与圧服のレプリカも展示され、これってノーマルスーツじゃんと思わせる。SFへの関心はここから始まったようだ。

ガンダムでは安彦良和、大河原邦男、イデオン、ザブングル、ダンバインでは湖川友謙、エルガイム、Zガンダムで永野護、ターンエーではシド・ミードに安田朗。今回「富野由悠季の世界」であると同時に富野監督と彼らアーティストとの化学反応を見せられた思い。そして今も続く創作意欲。

展示で長く足を留めたのは、勇者ライディーン、ザンボット3、ガンダムシリーズ、そしてイデオン。以下はその雑感。

ライディーンはOP、EDのコンテにその映像が懐かしく、ザンボット3は最終回のドンデン返しに関し解説。企画段階で方向性は見えていたようだ。

機動戦士ガンダムは第1話「ガンダム大地に立つ」をフィーチャー。立ち上がってザクを仕留めるまでの流れが絵コンテ、解説と共に理解を深める。ガンダム、上手からの攻めにサーベルの持ち手の意味まで考えつかなかった。40年以上経た今、驚きを隠せない。

劇場版「めぐりあい宇宙編」、コンスコン隊の戦況をTVで見つめるララァとシャア。この件の意味、そして身を挺してシャアを守る心理の裏。当時の小学生目線のままで気づけなかった。

ターンエーガンダム、黒歴史という言葉への想い。戦中生まれの監督。解説を読んでいると戦争の風化、監督曰く「忘れる時は一千万人単位」と心に残る。過ち、伝統を祭りにのせて後世に残す意味。ターンエーでお祭りのシーンが多かった意味もわかった。

中でもイデオンは見直したいなと思わせる。ロゴデザイン、メカ、物語へのこだわり。異文化、テーマの深淵さに改めて触れる。メカデザイナー山根公利製作のプラモ、ガンガルフの展示に富野監督との逸話も良かった。

展示の中程でプロモデラーMAX渡辺の作品群を鑑賞。素人時代「ホビージャパン」に載った1/60グフとザクを含め、近作メガサイズガンダムまで多数。初期に手がけたグフの手書きマーキングがいい。これに限らず、お宝なおもちゃ群も懐かしさでいっぱい。

開館から4時間、気がつけば午後2時。圧倒的な物量、これらをまとめた方々に恐れ入る。もう少し見て居たかったけど体力がもたない。本気で見たら一日で終わるだろうか。手書きの資料では字が見えない事も...メガネ作っておけばよかった。会場で買った記念本を読みつつこれからも「富野由悠季の世界」を楽しみたい。

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2020/09/19

ルパン三世 第4話「脱獄のチャンスは一度」を観る

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Netflixでルパン三世 第4話「脱獄のチャンスは一度」を観た。低視聴率、不遇と言われる第1シリーズだが、その中で最も好きなエピソード。

ルパンたちは綿密な計画の上、巨大金庫を奪う事に成功。だが銭形に銃撃されたルパンだけ捕らえられてしまう。春夏秋冬、服役するルパンに迫る死刑執行。しかしルパンは一向に脱獄の気配を見せない。果たしてルパンの真意とは。

濃密なエピソード。ルパンと銭形の間を駆け巡る心理戦。動きの無いルパンに銭形は疑心暗鬼となり、術中に嵌まっていく。死刑執行に向け、達成感より寂しさを強くする銭形。その後の関係を知る側から見ても、このわずかなシーンで必要十分な描写だと思う。

痺れを切らせる不二子、それを邪魔しルパンを見守る次元が対照的。執行前、銃を渡す次元に拒むルパン。真意を聞いて納得、趣きあるセリフはその後のシリーズに相通じるもの。山田康雄、小林清志両氏の僅かな掛け合いに感じる、ルパン一家の中でルパンと次元の友情は特別だ。

大塚康生氏の作画、不二子が色っぽいんだよな。シリーズ前半を演出したおおすみ正秋氏による、笑いとシリアスのウェルバランスが堪らない。ラストシーンのセリフが粋だよね。ジャケットの色と共にエバーグリーンな一篇。

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2020/07/26

漫画版「AKIRA」を読む

漫画版「AKIRA」全6巻を読んだ。単行本を買ったのは1993年ごろか。もちろん公開当時、連載は終わっていなかった。たぶんLDを買った後かな、全6巻大人買いした。一度、通読していると思うが、何気に結末を覚えていない。そこで一連のAKIRAイヤーに合わせ、もう一度読む事にした。

通読してわかる事だが、映画版が如何にシンプルに作られていたかという事。ただテーマは不変。アキラとは何か、得体の知れない力、そしてその先。124分に詰め込むにはスピード感を持ちつつも人物描写は限られる。映画版はプロットを絞り、金田、鉄雄、ケイらにフォーカスする物語であった。

だが漫画版は違う。主役は変わらずとも、チョイ役に近かったミヤコ、ジョーカーを含む群像劇。特にミヤコはナンバーズとの接点が深く、教団を率いて鉄雄と対決。そのスケール感は鉄雄2度目の覚醒後にアメリカを巻き込んだ戦いに及んでいく。

映画版は大画面と音響、圧倒的スピード感に没入。漫画版の良さはひとコマに膨大な情報量、それでいて生き生き動く、スピード感ある画にある。大友克洋の描く超能力、未来図と崩壊の世界。アニメ版声優陣でセリフを脳内補完。A4サイズに多ページだが読む手が進んだ。

映画版との最大の違いはアキラの存在だが、映画未見、漫画未読の方のためここで多くは触れず。

映画版は何より「考えるより感じろ」の作品だった。その点で漫画版も同様。ただ鉄雄を中心とする勢力、ミヤコらが物語に絡む事で覚醒とその後の世界のディテールが増した。ただ原作通りに映像化したら3時間では終わらない。だから映画版の再構成は当然なのである。

東京オリンピック開催と中止(?)、鉄雄の覚醒並に世が混乱する今、「よげんの書」として「AKIRA」を読むのもいいかもしれない。ところでネオマンハッタンの件、どうなったのだろう?

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2020/04/11

「機動警察パトレイバー the Movie」を観る

今日はおうちタイム。朝から「機動警察パトレイバー the Movie」を観た。1989年公開。この作品は劇場でこそ観ていないが、DVDで何度も観た作品。劇場版第2作が公開された当時、WOWOWでアーリーデイズが放送され以後、見事にハマった次第。

劇場版は第2作を至高とする方も多いが、個人的にはこの第1作が好き。何しろコミカルとシリアスのバランスがいい。セリフの応酬に緩急の付け方、もちろんロボットアニメたる王道部分も巧い。タイラント2000を止めにかかる98の過程はその最たるシーン。その冒頭、パトカー警官と太田のやり取りに思わずニヤけてしまう。

OSにコンピュータウイルス、都市開発と東京の変貌。30年経った今でもその先見性、視点の鋭さに驚かされる。「AKIRA」に負けず劣らず、当時の東京の下町の描写が素晴らしい。松井刑事が情報を足で稼ぐエピソード、そこに重なる曲がいいんだ。

もちろんパトレイバー、影の主役は後藤隊長に異論無し。

「切れ過ぎたんだよ」松井刑事が部下に後藤さんの経歴を話すシーンが好き。ビジュアル、演出共に押井守色が強いパトレイバーではあるが、実に台詞の数々は脚本の伊藤和典色に満ち溢れている気がするのです。キャラにあったセリフ、後藤さんの「この借りはいずれ、精神的に」というセリフはプライベートでも使っています。

ちなみに本作は警察を組織ものとして初めて本格的に描いているが、それをオマージュして生まれたのが「踊る大捜査線」なのは有名な話。

そして第1作の魅力は音楽。アバンタイトル、方舟を飛び降りる帆場のアップ、試作レイバーの暴走、停止。タイトルが現れるまでが素晴らしい。映像、カットに合わせた音楽は時にサスペンスフル。緩急の付け方は映像、セリフ、音楽が三位一体となって盛り上げる。そんな音楽の川井憲次、前述の押井守、伊藤和典3氏がのちに「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を手がける事になる。

セリフの応酬という点で古川登志夫、冨永みーな、千葉繁、大林隆介、榊原良子らベテラン勢が脂の乗ったやり取りを魅せる。今もセリフを聴いて惚れ惚れ、本当に感心させされる。一発目の新鮮さからか、のちのサウンドリニューアル版のセリフ再録はいただけなかったんだよなぁ。

オープニングからエンディングまで無駄なシーンは
一切無し。ラスト、崩れゆく方舟に98と零式の対決を残すあたりは名演出。そして台風一過、朝日が差して大団円、エンディングテーマが重なると心は高まる。これがあるから第一作が好きなんだ。

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2020/04/08

2020年なので「AKIRA」を観る

2020年なので「AKIRA」を観た。本当はIMAX版を観るべく休みを取っていたが、ご存知の通り。金は賭けても命は賭けない。それが社会的責任。そこでシネフィルWOWOWで録ってあったバージョンを観る事にした。

物語は省略。かつて長岡鉄男さんが本作のLD評に「オペラやクラシックのようなもの」と書いてあったような。実に的を得ていたと覚えている。そもそも物語を追うような作品ではない。身を委ねて感じる作品なのだ。

「AKIRA」は実家の70インチでLDが擦り切れる程に何度も観た。LD盤のジャケットは今見ても最高だし、音は非圧縮デジタルサウンドのLD版が至高。10年ぶりに全編通してみると新たな発見、様々なメタファーが感じられる。

3.11を経験したからかもしれないが、制御できないエネルギー(実験体)はまさに原発。今般の(人為的変異と言われる)コロナウイルスをも思わせる。人類の手に余る力を制御しようと試みる、そして跳ね返される。そのトリガーたる鉄雄でさえ、最後は光に包まれ逝っていく。そこに至る勢い、描写は今見ても素晴らしい。

この作品で明確にしているものは若者と老人たちの対比だ。鉄雄の暴走を止めるべく動く金田、ケイにナンバーズ。世を憂いた大佐も同様。対して彼らを裏で操り私腹を肥やす政治家。「未来を作るのは老人ではない」はシャア・アズナブルのセリフだが、変革を求める時に必要なのは若い力。「AKIRA」でも同様に描かれている。

今般、コロナウイルス対策に出てくる人々は政治家も専門家会議も年寄りばかり。緊急事態宣言が遅れたのもそうした影響では。対照的に危機感を露わに先導するのは、北海道の鈴木知事や大阪の吉村知事のような若い力。果たしてその先に待っているものは....

閑話休題。今観ても「AKIRA」は凄かった。一方で大画面で観るべきだと再認識させられる。手書きアニメの限界たる繊細さ、動き、迫力ある構図、そして芸能山城組の音楽。大画面に大音量、それこそ映画「AKIRA」を嗜む流儀だと思う。

今は劇場へ行くのを諦める。だからこそIMAX版「AKIRA」にはコロナウイルス終息後、再上映をお願いしたい。「AKIRA」にはコロナを終息させる力を秘めているから。

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2020/02/01

「前田建設ファンタジー営業部」を観る

今日は映画の日、家族で「前田建設ファンタジー営業部」を観てきた。「実際にマジンガーZの格納庫を作るとしたら?」という奇想天外な発想を真面目に企画した前田建設のエピソードを映画化。まさに懐ロボ+お仕事エンターテイメント。

ダム建設事業で一時代を作った前田建設。だが公共事業縮小など世間の波に晒されていた。そんな中、広報グループ長アサガワは若手社員を召集し、マジンガーZの地下格納庫建設のウェブ連載を始める。熱いアサガワに対し、冷めた若手社員たち。だが空想を現実にする過程で様々な困難を克服し、その想いを原動力に変え計画は進んでいく。

冒頭いきなり、おぎやはぎの小木演じるアサガワのテンションに高さに圧倒され、物語に引き込まれた。コンセプトはシンプルだし、観客はそれを求めている。しかもその過程が面白く最後まで飽きさせない。

確かに全編ハイテンションで一見、LIFEみたいなNHKのコント集に思える。しかし空想の現実化という超リアルな設定があるからこそ、そんなテンションでも映画はバランスする。むしろ超リアルさだけで突き詰めたら、本作ヒロインのように気持は宇宙へ飛んでいってしまうだろう。

製造業でモノ作りした身としては"業界あるある”もあって興味深い。だからといって敷居は高くない。しかも出てくる企業は実名、重機や実際のモデルというべきロケを合わせ、現実感を出す。それがEテレ的でドキュメントでもある。だから家族で見れる数少ない邦画と言える。うちの柳田理科雄好きの小学生も大満足だった様子。

ただ最大のターゲットはバンダイ仕込み、少年の心を持った大人。ここぞというところでの超合金Zの扱いに苦笑い。東映まんがまつり以来、大画面のマジンガーに満足。ビデオで良しと言う無かれ、本当に楽しい一作だ。

P.S.:帰ってから思わず「マジンガーZ対暗黒大将軍」を見てしまった。

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2019/12/14

「スペースコブラ」を観る

先日、アニマックスで放送された「スペースコブラ」全31話が終わった。左腕にサイコガンを持つ男、海賊コブラの活躍を描く。

ちなみに1982年のテレビ放送前、同年夏にあの「メガフォース」の同時上映として劇場版アニメが公開された。当時コブラの声をあてたのが主題歌でタイアップした松崎しげる。しかしこのテレビシリーズでは野沢那智があてている。大人の余裕にユーモア溢れるセリフ回し、我々世代のコブラは間違いなく野沢氏だ。

週刊少年ジャンプの連載時期は我が購読時期と一部ダブるが、当時中坊の自分はあんまり覚えていない。ビジュアル重視で画が大人だから。それに最初から読んでいた訳じゃないし。だからまずコブラというと前述のアニメとなる。

監督出﨑統、作画杉野昭夫コンビによるコブラは何とも力強く肉感的。しかも躍動感に溢れる。決めはお馴染みの止め画。彼らの演出こそコブラやジェーン、キャサリン、ドミニク3姉妹のビジュアルにマッチする。

第1話はあの有名SF「模造記憶」原作映画をオマージュしたかのような物語。第24話「ロボットはいかが?」は某超人映画第1作のエピソードを思い出した。コブラの物語のピースに沢山の映画が隠されているかもしれない。映画ファンとしてそれが楽しい。

そして本作最大の魅力。顔は3枚目(または2.5枚目)だが、
美女にモテて、何しろ完全無欠な存在であるコブラだからこそ。ジェームズ・ボンドに相通じるヒーロー像。そして先に挙げたユーモア。レディが榊原良子というのもツボ。放映当時、木曜7時という時間帯だったが、主題歌、音楽と相まって大人の雰囲気が漂っていた。

主題歌「コブラ」は「ルパン三世」の大野雄二作曲による。今聴いても至高、カッコいい。この主題歌が聴きたくてサントラを買ったほど。一方、音楽は羽田健太郎が担当。本作のハネケンサウンドは当時手掛けていた「西部警察」を感じさせる。(追伸.今Amazonで見たら「
スペースコブラ・コンプリート・サウンドトラック」があるらしい。こりゃ買わなきゃ)

タイトルに「スペース…」と付けたのは子供向け時間帯への配慮だろう。だがその一方、31話と中途半端な話数で終わった事は打ち切りを匂わせる。サラマンダーのエピソードは結構駆け足に感じた。内容が大人向け過ぎたのかもしれない。

なお25年後に同じキャスティングでOVA化され、当時WOWOWで観ている。やっぱコブラはOVA向きかも。これもアニマックスで放送してくれないかなぁ。

さて数年前ハリウッド実写化が発表されたコブラだが、暗礁に乗り上げたままのよう。動員できるキャスティングはまだしも、アメコミほどのネームバリューが無いために資金が集まらないという。
アレクサンドル・アジャ監督のコンセプトビジュアルが素晴らしいだけに観てみたい気はするのだが。

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2019/07/13

「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観る

今日は子供と「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観てきた。98年の「ミュウツーの逆襲」は観ていないので完全に初見。ゲームの世界は平面から3DCGアニメに向かっている訳で、本作はその試金石。

子供いわく冒頭の一部を除き、内容はオリジナルとほぼ一緒らしい。クレジットを見ると、脚本は亡くなった首藤剛志氏のままであった。個人的には首藤氏の仕事ではゴーショーグンやミンキーモモが懐かしい。

まず思ったのは「3DCGじゃなきゃダメですか?」という事。「トイストーリー」なんかは3DCGありきで製作をスタートしたため、世界観は最適化されて違和感が無い。しかしポケモンはセルアニメが原点。「EVOLUTION」として3DCGへ寄せてきたためか、特に人間キャラ(3Dサトシ)の出来に違和感を覚える。個人的にそれが最後まで響いていた。ただ上映後子供に問うと違和感なく受け止めていたようだが。

ちなみに日本映画界は「ドラクエ」に「ルパン三世」と3DCG花盛り。おそらく東宝あたりが出資して安価で高品位な製作環境が確立されたのだろう。だがいずれも確固たる世界観を持つ作品だけに同様の危険性は否めない。

ホント正直な話、今回は半分寝てしまいました。まず物語が退屈。前作「みんなの物語」が大人も一緒に観られる作品だったのに対し、今回は子供向けにあくまで第一作のリメイクに徹したという事か。ただ映像表現だけで作品が面白くなる訳では無い一例。3DCGアニメを強調する演出、画作りも別に驚くような仕掛けとは感じなかった。

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2019/03/08

「スパイダーマン:スパイダーバース」(2D吹替版)を観る

今日は「スパイダーマン:スパイダーバース」を観てきた。今年のアカデミー長編アニメ賞受賞作。原題は「SPIDER-MAN: INTO THE SPIDER-VERSE」。コミックスで展開された様々なスパイダーマンシリーズのクロスオーバー作品でもある。近くで字幕版公開は無かったため、やむ得ず2D吹替版での鑑賞となった。

マイルスは叔父のアーロンにウォールアート書きへ連れ出された。完成を喜ぶマイルスはクモに噛まれてしまう。そして特殊能力に気づく中、次元加速器の実験場でピーター・パーカーことスパイダーマンと遭遇。加速器を破壊しようとするもキングピンの刺客と交戦中、ピーターは死亡してしまう。マイルスはピーターの遺志を継ぎ、加速器を破壊できるか。墓標を訪れたマイルスはある男と出会す。

冒頭、アメコミを地でいくキャラクター造形、映像スタイルに戸惑うも、テンポのいい演出に惹き込まれていく。スパイダーマンのテーマ「大いなる力には大いなる責任が伴う」を踏襲、スパイダーマンあるあるを繰り出しつつマイルスの成長を描いていく。

見どころは5つのスパイダーマンの競演。それぞれ特徴的なスパイダーマンだが、基本設定は同じ(感じ)。最低サム・ライミ版スパイダーマンを観て基本を知っていれば大丈夫。その見せ方も巧い。同じ悩みを共有し、戦い、そして別れ。師となるピーター・B・パーカー、そしてグウェンとの関係もあって、ラストは何とも言えない感慨を与えてくれる。

本作の敵はキングピン。彼が次元加速器を使う動機に納得も描写はあっさり。バトルの中心はドクター・オクトパス。スパイダーマンおなじみの摩天楼を駆け抜けるシーンやバトルも含め、アニメらしいスピード感。実写との違いはあくまで見た目がCGアニメか否か位だろうか(実写だってCGなのだし)。これならIMAX版は更に上をいって最高だろう。

オスカー受賞はまだしも、この出来ならアメリカでの大ヒットと高評価は頷ける。次回作があるならば是非、原作スパイダーバースの通り、日本版スパイダーマンとの共演を観たい。そしてレオパルドンの東映まんがまつり以来のスクリーン登場も楽しみになる。

吹替版のキャスティングは文句なし。ただの唯一の弱点は日本語吹替版主題歌。終始何をうたっているか判らないTK from 凛として時雨のこのエンドロール曲なら、米国版オリジナルと同じで良かったのでは無いか。ただそれを我慢すれば次回作を匂わせるオマケが付いてきます。

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