「新凱旋門物語」を観る
今日は盟友N氏と伊東市の金星シネマで「新凱旋門物語」を観てきました。1983年ミッテラン政権時、フランス革命200周年を祝う国家プロジェクトとして立ち上がった建築物の顛末が描かれています。コンペで選ばれたのはデンマークの建築家のオットー。建築家と政治、ビジネスそれぞれのエゴがぶつかり合います。
ミッテランは最終的に大統領任期14年となったフランスを代表する政治家。日本人にとって親日家、相撲好きと知られています。そんな彼の長期政権の序盤、その力を見せつけるか如く立ち上がったのがこのプロジェクトで言うがまま、それを利用していくオットー。デザイン、部材の選定に建築家のエゴを見せていきます。
タイトルでは「新凱旋門」と謳われていますが、元々オットーはキューブと呼ぶ建築物としてデザインしました。それを「アークと呼んでいいか?」と段々と新たな凱旋門[arc de triomphe](アークと呼ぶ由来はそのフランス語読みから)としてのポジションが与えられていくのです。そんな物語の予告編を観た時点でその収束を予見できませんでした。
物語は中盤でミッテラン政権失速という大きな転換点に入ります。ミッテランを利用してきたオットー、さらに予算への制約など次々と問題が起きていきます。そう、これは「新凱旋門物語」という名を借りた箱物行政の顛末を描いた作品だったのです。日本でも2回目の東京オリンピックとかで似たような話がありましたよね?こういう話は国、場所を問いません。
だからこの映画に志の高さみたいなものは感じませんでした。とはいえ、サポートに入るフランス人建築家アンドリューはオットーへの尊敬は少なからず忘れていませんでしたし、物語の終局でも垣間見えました。ただオットーとアンドリューの違いはビジネスライクの比重の違い。オットーはほぼその側面はなく、彼のエゴばかりが目立っていたように思います。
さて、この新凱旋門という建築物が皆に知られたものなのか。少なくとも日本のわたしたちはその存在を知らなかったし、今後も語られることは無いのかもしれません。この映画を通して近代建築物の裏側、その運命を改めて知った思いです。あなたの身近にそんな建物は無いですか。
追伸.
映画の前に金星シネマのご近所、中華紅牡丹でホイコーローのランチセットを食べました。キャベツと餡の甘みの奥に辛みが味わえ、ホイコーローという料理の深みを知りました。この味わいって真似できるのかなぁ。本当に美味しかったです。
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