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2026/08/13

「ごはん」を観る

Netflixで「ごはん」を観ました。2017年公開の安田淳一監督作品。そう「侍タイムスリッパー」の前に安田監督が撮った作品です。物語は派遣社員のOLとして東京で働く主人公ひかりの元に届く父の訃報、地元京都に残された水田と稲を育てようと奮闘する姿が描かれていきます。これは安田監督流の「フィールド・オブ・ドリームス」。

安田監督の作品はこれで3作観たことになりますが、いずれもインディーズらしからぬ非常に丁寧に撮られていることに気づきます。特に本作は米農家と映画製作の二刀流を実践する安田監督の真骨頂となるテーマ。どのシーンを観ても非常に美しく撮られています。「よろしくメカドック」流に言わせてもらえば安田監督が100%作品を把握し、120%監督、撮影した映画です。

一見Eテレで放送されそうな内容。米作りの流れ、そこで出くわす様々な障害、それでもその先にある達成感など。ただそれを追う、撮影だけでも1年掛かるし、実際はこだわって4年掛かりで製作されたそうです。テレビ番組だったらアーカイブ映像を繋げて薄味に仕上がったでしょう。とにかく先の通り、いずれのシーンも丁寧さとこだわりが伝わってきます。

さらに親子間の葛藤にひかり父子にとっての米作りの理由が重なった時、非常に心を動かされました。ひかりの父を演じた井上肇(今は「VIVANT」にも出演)の表情だけで伝わる演技(および安田監督の演出)も良かったです。また狂言回し的な源ちゃんの立ち位置も面白かった。一見、ハッピーエンドで終わっていますが、おそらくそうならないでしょう(苦笑)。

もちろんひかりを演じたのは未来映画社の看板女優沙倉ゆうの。作品の実直さには彼女が似合います。ちなみにお宝、セーラー服姿もあったり…物語を締めるのは「5万回斬られた男」福本清三。鎌を手にした時のセリフには痺れました。「侍タイムスリッパー」でのオファーは実現しませんでしたが、その遺志は同作を大きく飛躍させましたね。

エンドロールを見ると恒例、安田淳一監督の名が多く続くだけでなく、安田姓の名前が多く出てくるので勝手に親類総出で取り組んだのかと想像。そのせいか水田、農業機械、ロケハン場所と変化に富んで観ていて飽きないです。しかもコンバインの紹介やあのネタのオチも好きでした。「拳銃と卵焼き」から脚本、作品共々明らかにクオリティアップした作品です。

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