「大統領のケーキ」を観る
今夜はフセイン政権下のイラクを描いた「大統領のケーキ」を観てきました。9才の女の子ラミアを主人公に大統領の誕生日を祝うため、ケーキ作りをすることになった顛末が描かれていきます。当時のイラクの事情を赤裸々に、そして一つ一つに出来事に驚かされます。
まず驚いたのは主人公と彼女のお婆さん以外、登場人物はほぼ全員悪人です。というか、当時のイラクの国内事情ゆえに騙し合いの世の中であったことが垣間見えます。ラミアはケーキの材料を手に入れるためにお婆さんと街へ出掛けるのですが…ただでさえ貧困、まして9才の女の子が物資を手に入れるのは至難の業。
そんな彼女が紆余曲折を経ていく姿が描かれるのですが、基本地味な作品。でも小さなドラマの積み重ねがラミアの成長を表していきます。そして物語の最後で彼らが対峙する最も大きな現実に直面するのです。そんな中でラミアと男の子が面と向かうシーンが子供らしく印象的でした。
このイラクの小学校の描写も大きな驚きです。日本からみれば彼の国を想像させるところ。独裁者を尊う、教師の持つ絶対権力、子供たちは服従。主人公も含め、監督の経験が活かされた物語。彼らが直面する現実と僅かに覗かせる無邪気さが悲しくも可笑しく映ります。
ほぼ全員悪人と言いつつも、主人公を乗せた郵便配達のオジサンはメチャいい人、見るからにいい人です。またラミアが連れて歩く雄鶏も彼女といいコンビで物語を動かします。80年代の日本車がメチャ沢山出てくるので、個人的にはそこも大きな見どころでした。
当時50才のフセイン。イスラムであってもハッピバースデートゥーユーなんですね。監督がタイトルに込めたものは意味深ですね。
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