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2026/06/19

「急に具合が悪くなる」を観る+介護のこと【介護日記】

今日は母の病院通院のあと、濱口竜介監督最新作「急に具合が悪くなる」を観てきました。既に報道の通り、主演の二人がカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞しています。そんなビルジニー・エフィラ、岡本多緒の演技も素晴らしいのですが、 この作品自体も非常に素晴らしいものでした。

物語は介護施設のディレクターを務めるマリー=ルーと舞台演出家の真理が出会うところから始まります。二人の邂逅によってお互いの欠けたところを埋め、かつ化学反応していく様が描かれていきます。3時間16分の作品ですが、そんな長さは全く気にならず、終始この作品にメンターされているような気がしました。

まずテーマの一つになっている介護のこと。私も含め当事者にしか分からないことが多く、実際ほぼ相談もできていません。ただこの映画で紹介されたユマニチュードという考え方は、自分の介護に対する姿勢に疑問を投げ掛けるものでした。全く同じことはできないと思いますが、腑に落ちる点も多く学びは多かったです。

またその中でマリー=ルーが我々の時間感覚は実線、認知症の方は点線というのも納得です。うちの母親の場合は夜型で昼間は寝てばかり。起きるたびに「何曜日?」と聞くくらいだから。確かにタイムスリップしているんだろうな。ちょっとうちは度が過ぎるけど。

そして真理によって介護施設に変化が訪れます。劇中、長塚京三が舞台を演じる中で一見、カオス状態に思えるのですが、人類補完計画の如く様々な壁が取り払われていくようです。真理が論じた資本主義の件の回答のような気がします。

不可能が可能になる瞬間の感覚とか、真理が涙した時の気持ってまさにそのことだっただろうな。脱力の件とか、この映画で語れるセリフ、言葉の全てを噛み締めて観ていました。ほぼフランス語で邦画感は少なく、まるで外国人監督のような作品…そう思わせる濱口監督の演出力も光りました。

個人的には「ドライブ・マイ・カー」より好き。昨日の鬱憤は見事に晴れました。今のところ、今年一番観て良かったと思う作品です。

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