「四月の余白」を観る【静岡シネギャラリー3本勝負】
今日は盟友N氏と静岡シネギャラリー3本勝負に行ってきました。まずは1本目は「四月の余白」です。「空白」「ミッシング」の𠮷田恵輔監督最新作。こちらもクオリティが高く、同様に何ともヒリヒリする作品でした。更生施設を興した元受刑者とそこへやってくる少年少女たち、そしてその家族のことを描いていきます。
当て書きかと思わせるほどに西を演じる一ノ瀬ワタルのはまり役だと思います。時に風貌の怖さにもれる笑顔。子供たちを更生させようと尽力するも、旧態依然の接し方が物議を醸していきます。そして西の過去と明かされていく真実。観ている我々も翻弄されていきます。
最初のうちは出てくるエピソードやセリフのやり取りに笑っていました。笑っているうちはそのヒエラルキーを肯定しているのです。しかしユーモアの裏、段々と西や登場人物たちの事情が見えてくるとそうはいかない。そんなエピソードの応酬、構成の巧さがこの作品にはあります。
そしてこの作品は更生に対する正解を見せたいのではありません。むしろ負の連鎖や学校や施設内のヒエラルキー等、避けては通れないシーンも出てきます。まして西自身も先の通り、時に鉄拳制裁を辞さないところもあります。夏帆が演じた先生も同様ですね。「愚か者の身分」や「九条の大罪」に比べ少しだけライト。現実に近い描き方も良かったと思います。
だからこそ、そこに起こるであろう様々な出来事を描きつつ、我々も考えさせられている気がしました。そしてタイトルの「四月の余白」とは、その結末に思うところはあります。海斗と西の細やかな関係性の変化が物語の救いになっていました。真実は当事者同士でしか判らないのですから。
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