「エレノアってグレイト。」を観る【静岡シネギャラリー3本勝負】
今日は盟友N氏と静岡シネギャラリー3本勝負、その2本目は「エレノアってグレイト。」。スカーレット・ヨハンソンが初監督を務めた人間ドラマです。物語はユダヤ人社会とホロコーストを扱っていますが、前半はややコメディ風味。しかしエレノアのパーソナリティゆえに事はエスカレートしてしまいます。
そのエレノアのパーソナリティゆえ、とは彼女の巧みな言葉の力です。長年の親友ベッシーの思いが乗り移ったような状況描写、だからこそジャーナリスト志望のニナも惹きつけられていくのです。ホロコーストの扱いはこの作品の軸ではありますが、実はそれに限らない点が本作のポイントとなっています。
それは家族です。例えばエレノアとベッシーはルームメイト、親友を超えた家族。エレノアとニナの関係性も年齢差や血を超えたところにありました。そして二人の終盤での邂逅に繋がります。またニナと彼女の父親の間にも変化を及ぼしていきます。特にお父さんの切り口はさすが一流ジャーナリストでした。
エレノアを演じたジューン・スキッブのユーモアと緩急ある演技が良かったです。特に冒頭でスーパーの店員やお医者さんをやり込めるところは圧巻でした。後半の語りの部分はあえて彼女の言葉にしなかった点はホロコーストのリアリティ、実際にその経験者であるベッシー役のリタ・ゾーハーのリアリティだと思います。
この作品は普段は大作が多いジョン・ファブローにとっての「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(スカヨハも出ていましたね)みたいな、肩の力を抜いたスカーレット・ヨハンソンの演出が見えてきます。シリアスな部分はもちろん、ちょっとホロッとさせられるような温かい作品でした。
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