「ヴィヴァルディと私」を観る
今日は盟友N氏と静岡シネ・ギャラリーで「ヴィヴァルディと私」を観てきました。18世紀初頭のヴェネツィアを舞台にした音楽ドラマ。ビエタ養育院という女子孤児が集い、音楽を奏でることで寄付を集め、あるいは彼女たちとの婚姻を仲介し経営を成り立たせていたのです。
そこに招聘されたのが当時無名の音楽家だったアントニオ・ヴィヴァルディです。物語は彼とバイオリン奏者チェチリアの師弟関係を中心に、少しずつ音楽によって院を立て直していく姿、一方でチェチリアの院内での顛末が描かれていきます。
基本的にこの作品は音楽映画だと思います。クラシック演奏の美しさ、しかも女性奏者たちによるもので劇場の音響と相まってその音色に聴き入ってしまいます。エンドロールでやっと「四季」が流れるのですが、クラシックファンなら劇中曲もヴィヴァルディ作と気がつくのでしょうか。
内容は音楽映画の皮を被った恋愛映画なんです。だからといって直接的な描写はほぼなくプラトニック。一つはヴィヴァルディとの師弟関係に芽生える愛、もう一つはチェチリアが持つ音楽への一途な愛。ただ一途になり過ぎて彼女は大きな転機を迎えることになります。
慈善事業とはいえ先日観た「決断するとき」の背景に似た点も感じます。ただ大きな違いは彼女たちは音楽があって生きる(活きる)ということ、しかも300年前のお話。この時代の女性たちの不遇ぶり、貧富の差、富める者、王族、軍人の横柄ぶりとの対比が生々しいです。
音楽だけでなく、愛を巡る描写も、またスクリーンに映る何もかもが全てが美しく、そこに酔える作品です。劇中ではヴィヴァルディ、チェチリア二人への感情移入もありましたが、養育院を見つめる院長の苦悩も垣間見え、ラストシーンでの彼女(院長)の思いが非常に印象が残りました。
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