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2026/06/27

「霧のごとく」を観る

今日は台湾映画「霧のごとく」を観てきました。1950年代の台湾を舞台に政府に対する不満が高まる中、兄と妹、家族、そして市井の人々の姿を描いた作品です。物語は処刑された兄の遺体を引き取りに都会へ出る阿月を中心に進みつつ、当時の社会事情が垣間見えてきます。

さとうきび畑から始まる物語。僅かなシーンですが、兄と阿月の絆の強さが伝わってきます。そして反体制と逃亡生活の中、阿月の兄が空を見てどんな思いで想像していたのか。タイトル「霧のごとく」の意味は物語の最後で明かされることになります。

物語の大半は都会(とはいってもバラックが多い街)へ出てきて翻弄される阿月の姿です。「三丁目の夕日」のような田舎とのギャップ、悪い人間たちの魔の手、そんな中で彼女へ手を差し伸べる人々…と言いつつも彼らにも事情が。騙し騙され、時に笑い合う輪タク車夫との出会いが彼女の願いを押し進めることになります。

素朴な雰囲気に阿月を演じたケイトリン・ファン。時代に溶け込むような全く違和感がない演技でした。また車夫を演じたウィル・オーが憎めないキャラクターなのも良かった。二人の間で絆が生まれるのもよく判ります。実の兄とは違ったこの絆は物語のもう一つの柱となっています。

暴力的な警察官やひたすら圧を掛けてくる水道橋博士似の警察上官等、権力を振りかざす者の存在に時代が表れ、中華民国による統治が終わる1990年代まで続く事になります。阿月が未来を夢想、読み上げる姿は民主化された今の台湾に向けての希望なのだと思いました。ケイトリン・ファンが主演した「アメリカから来た少女」も観てみたいですね。

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