Netflixドラマ「地獄に堕ちるわよ」を観る
Netflixドラマ「地獄に堕ちるわよ」(全9話)を観終わりました。六星占術と自身のテレビ番組で一世を風靡した細木数子の半生を描いたドラマです。歯に衣着せぬ言動で人気となった彼女ですが、今回は戸田恵梨香を主演に迎え、激動の生き様を描いています。
戸田恵梨香=細木数子とはイメージに違い、戸田本人のインタビューも含め、誰もが思ったかもしれません。でも最終話まで観ると、その太々(ふてぶて)しさを含め、貫禄は細木数子になっていましたね。この主人公を演じるには戸田恵梨香の個性が最適解だったと作品が証明しています。
物語は細木と自伝ライターとして参加する魚澄(伊藤沙莉)の女の戰いです。冒頭は過酷な戦後を生き抜き、騙されつつのし上がっていく細木に魅了される魚澄ですが、やがて騙す事で強欲さを増していく様に真実と虚飾の間で悩んでいきます。この戰いの部分はドラマの脚色ですが、最終話の見応えとなりました。
観ている我々も魚澄と同じ心情、過程を辿ります。現実、何となく2006年当時の事は覚えていますが、その後も降板時以上に収入を得ていたのはある意味、凄いです。バブルが弾けて人々の心が何かを頼ろうとした時、絶妙な語り口で世に現れた人なのです。
その占いは”統計的”とする通り、予防線も張っていますが、細木がマスコミ操作も含めて掌の上で弄んでいたところも見えてきます。何せその成り上がりぶりは裏の世界も含め、政界にまで及んでいくのです。婚姻届の件には唖然とさせられました。
やはり印象的だったのは島倉千代子とのエピソードです。先に挙げた現実と虚飾の違い、細木と別離の後に島倉がリリースする大ヒット曲「人生いろいろ」の歌の重みが今となっては違って聞こえてきます。島倉を演じた三浦透子の歌声も含めて大きな見どころでした。
キャストの中で最も印象的だったのは須藤を演じた中島歩ですね。「いとみち」のいいアンちゃん”店長”が今週の大河で斬首され、この作品ではこれまでと違う役柄を演じていました。彼に限らず、どのキャスティングも良かったです。
そしてこのドラマの凄みは何よりNetflixクオリティに尽きます。戦後から90年代までの街並みの再現に圧倒されました。VFXだけでなく、街の空気までも再現してドラマ性を高めていました。これで皆ほとんど実名(HGを含めて)なんで、そりゃ地上波は太刀打ちできませんよ。
冷静になれば、”占いなんて…”と思ってしまいますが、心が弱い時にはそうはいきません。何事も裏がある、このドラマを見て反面教師にするのもアリかもしれませんね。
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