「決断するとき」を観る
盟友N氏と静岡シネギャラリーで今日の二本目「決断するとき」を観ました。「オッペンハイマー」のキリアン・マーフィー主演、実際に1985年アイルランドの片田舎で起きた出来事を基に描かれたドラマ。ある日マーフィー演じる石炭商人の下に少女が訪れるのですが….
午前の「かもめ食堂」と打って変わり、全体重苦しい雰囲気が漂います。主人公は家族、取引先と不器用にやり取りをするような人。袋に入った炭を載せ、荷台から車上を映すカット、そして家に帰ると執拗に手を洗う姿も印象的でした。過去、母親との死別も今の主人公に影を落とします。
ただ私はこの映画の前に大きな過ちを犯しました。「かもめ食堂」の余勢を駆って、ついランチでビール生中を飲んでいました。重苦しく暗い映像が続くこの作品では御法度。いや今まで映画の前にアルコール類を飲んだ事などありませんでした。好事魔多し、まさに後悔先に立たずの心境。顛末は察して下さいませ。
閑話休題。物語はトリッキーなサスペンスではありません。この田舎、村社会を牛耳る組織、主人公の対峙こそがテーマとなっています。主人公の少年時代が描かれますが、先の状況もあって影響もよく分かりません。とにかく村の人たちが我関せずを通す事、神聖な場所を舞台にラスボスの底知れぬ怖さが印象に残ります。
またたった40年程前のお話なのに、とてもそんな風に思えないような前時代的描写、人間関係など、貧しい生活だからこそ藁にもすがる思いなのかもしれません。そんな中で邦題は端的に主人公の心を表します。ただし生やさしい作品ではありませんので、覚悟をもって観る事をオススメします。
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