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2026/03/08

「スペシャルズ」を観る(ネタバレあり)

今日の2本目は「ミッドナイトスワン」「ナイトフラワー」の内田英治監督最新作「スペシャルズ」を観ました。監督自身が原案、脚本を兼ねた一作。物語はある作戦のために殺し屋を集めてダンスチームを結成、大会出場を目指していくというもの。

正直に言います。期待していました。でも私はこの映画、ダメでした。ここからは大きく改行してネタバレしていきます。この映画を好意的に捉えた方、ネタバレを避けたい方は読まない下さい。6行改行します。

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内容は「ウォーターボーイズ」+「アウトレイジ」。殺陣は「ベイビーわるきゅーれ」のようにスタイリッシュ。石橋蓮司演じる敵方の親分の殺しのため、椎名桔平演じる熊代は無防備となる孫のダンス大会に殺し屋ダンスチームを送り込もうと画策します。ここ数作、彼の映画を観るたびにヤクザ映画。もはや椎名桔平ヤクザバースの一作ですね。

物語の8分どころまでは楽しんで観ていました。果たしてどのようにまとめていくか、そこに期待していたのです。でも見事に裏切られました。最悪です。

彼らスペシャルズにダンスを教えるのは羽楽(うらら)ちゃん演じる明香、たぶん小学生の設定。彼女には暗い過去があり、それを今はダンスで乗り越えているのです。熊代は石橋蓮司暗殺現場を見せないために、学校長を脅し、遠足へ行かせるよう促します。しかし彼女は生徒たるスペシャルズを見たいと会場に来てしまいました。当然ですね。

組長暗殺は失敗も、会場を巻き込み銃撃戦が始まった瞬間、この映画はダメになりました。”おじい”小沢仁志演じる村雨も銃弾に倒れ、死んでいきます。「踊りたい」と言った村雨なのに、銃撃が始まると何故、死場所を求めてしまったのか。確かに仲間、明香を守るために身を挺したのでしょうが、子供の目の前で血まみれに死んでいく姿。明香の動揺はその後の台詞回しに現れていました。

ハッキリ言います。音楽、踊りにヤクザものをミックスしたらどうだろう、そんないいとこ取りを狙ったんでしょうがいろいろと中途半端です。確かにダンスも揃っていたしキャストの苦労も垣間見えます。最後のダンスはSnowManの佐久間くんらしいダイナミックな踊りも引き立てていました。

でもコメディに振ったわりには笑いで物語をまとめず、子供に死と現実を見せるという最悪の結末です。六平直政のパンチパーマも何も活かせず、ただ人が沢山死んでいくだけ。あの銃撃戦の後、明香はどうなったかも語られません。命の代償に彼女のいる養護施設を守った事?それでは村雨の死って何だったんでしょうか。終劇前、石橋蓮司の役柄も浮いてしまいました。

実はこの映画、R指定もなく一般公開なんです。SnowManファンとなれば小さい子供だって観に来るはず。暴力描写よりも精神的な影響がありますよ。そんなつもりは無いんでしょうけど、結果として人の死を軽く扱っている。そんな子たちに(愛した)大人が死んでいく姿なんて見せちゃいけません。

内田英治監督って時に丁寧、時に不器用に心の痛みを描く方だと、少なくとも過去作はそうでした。今回は「エンターテイメント」を意識した演出も多く、そこを楽しんで観ていましたが、最後に大きなちゃぶ台返しを喰らいました。「エンターテイメント」を狙っていたのなら、この結末は監督の明らかな誤算です。

この映画のいいところは羽楽ちゃんとスペシャルズの面々の交流ですね。彼女の出ている場面は明らかにベテラン陣を喰っていました。今後が楽しみな女優さんです。だからこの映画を今年のワーストにはしません。内田監督作の中でワーストにさせていただきます。(おしまい)



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