「#拡散」を観る
今日は映画の日、という事で2本目は「#拡散」を観てきました。コロナワクチン接種でインフルエンサーの妻を失った成田凌演じる浅岡の姿を描いた作品です。主人公は接種した医師をネット上で糾弾し、やがて注目される存在となっていきます。そんな彼の行動、顛末を通して今の社会を風刺しています。
内容は令和の「コミック雑誌なんかいらない」のようなメディア、社会風刺です。ただネット社会となって身近なものになり過ぎた現在、この作品とタイトルのように拡散と炎上が繰り返されて行くだけ。この映画の中の真実は主人公が妻を失ったという事。それ以外は有象無象が作り出した勝手な情報なのです。
何しろ妻を失った主人公への感情移入の無さが絶妙です。成田凌の上手さもあって、徐々に素性が現れてくる様を冷めた目で観ていました。また主人公に群がる連中のモラルの無さ、沢尻エリカ演じる新聞記者はある意味マシなのですが、彼女の顛末が沢尻自身のセルフパロディーになっているところは可笑しかったです。
ただこの作品は傑作という感じではありません。人を選ぶ内容だし、むしろまたネット社会?と辟易する人もいるでしょう。ただ後半に向けて主人公の立場が変わっていく様、仕込まれたプロットで最後まで物語を見届ける事ができました。時折、ひとりキャンプする主人公は世間と距離を取りたい心情なのかもしれません。
ネット社会であろうがなかろうが、結局問題や原因はパーソナルなところに帰結します。被害者家族同士の対話の中にそれが垣間見えました。どちらかといえばエンターテイメント性は皆無、一本目に観た「木挽町のあだ討ち」とは対極の作品でしたね。
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