「ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版」を観る+【介護日記】
今日は盟友N氏と伊東市の金星シネマで「ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版」を観てきました。デヴィッド・リンチ監督による1999年製作のアメリカ映画。急病となった疎遠の兄ライルと会うため、時速8キロのトラクターで旅に出る73才アルヴィンの姿を描いたロードムービーです。
リンチといえば「ツイン・ピークス」に代表されるような異質な味わいの作品が多いですが、こちらは実話ベースのちょっとほのぼのした物語です。とはいえ、道中で関わる人々の描き方や暴走シーンではリンチ節を感じさせるところもあります。そもそも主人公のアルヴィンがその頑固さゆえに異質な感を否めません。
ノロノロのアルヴィンを次々と追い越していく車や大型トラック。時に雨風を凌ぎ、夜は野宿とマイペース。そして人々の関わりにドラマがあり、頑固さだけではないアルヴィンの人間性に触れる事になります。遡れば戦時の出来事、愛娘ローズへの想い、そして兄との再会を果たすためにアルヴィンはトラクターのハンドルを握ります。
そんなアルヴィンの刺さった言葉は年と共に積んだ経験の反面、「若い頃を覚えている事が最悪」。映画ではイーストウッドの「運び屋」のような抗い方はあるけれど、アルヴィンは今の自分を見つめるのが大事と諭しているよう。だからできる事で最善を尽くそうと地道に頑張るのです。
4半世紀前の作品ではありますが、今のトランプ政権の時代と全てが真逆。思いやりの時代だからこそアルヴィンの旅は成立したのだと思います。また彼の戦時の出来事、心痛こそがアンチテーゼです。そして分断された今のアメリカ社会こそが異質に思えるのです。
アルヴィン役のリチャード・ファーンズワースは本作の名演でアカデミー主演男優賞候補にノミネート。本当に頑固だけど愛らしさに溢れていました。また道中でアルヴィンの語るセリフに日本のある逸話と似たエピソードが出てとても驚きました。リンチ組常連のアンジェロ・バダラメンティの音楽も良かった、そして映像も美しい。本当に名作です。
【介護日記】
この一週間、ブログを書く気力がありませんでした。頑固な父との冷戦のせいです。寄り添えば両親の甘えで傷つけられるし、その繰り返しに飽き飽きしたからです。だから父と距離を取るしかない。スーパーの買い物と毎朝の食事、週末の朝晩の食事を準備だけと必要最低限のやり取りに留めました。この間、ご飯は一緒に食べませんでした。
ただこの作品を観て、アルヴィンの頑固な姿が父に重なりました。その裏には様々な想いがあるという事も。そうは言っても父とは距離をとりますけど、一定の理解はします…でも絶対言葉にしません。あと鑑賞中に気がついたのですが、着ていたフリース(三浦皇成出演ユニクロCMのやつ)がアルヴィンの服装と酷似してました…73才までだいぶ先ですけども。
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