「安楽死特区」を観る
今日は「安楽死特区」を観てきました。「桐島です」の高橋伴明監督、毎熊克哉主演コンビによるヒューマンドラマ。特区として安楽死が許された日本を舞台に反対派、ジャーナリストの婚約者と共に自らの病で施設に入り、その内情を知ろうとするのですが…入所者との交流を通して死の権利を描いていきます。
2022年公開の「PLAN 75」は政府の作ったシステム下の影響(どちらかというと姥(うば)捨山のような扱い)を個人の目線で描いた作品でしたが、本作は違います。死を軽視するシステマティックな描写はほぼありません。
この映画では特区を通して死を望む者、入居者を支える家族、そしてこの特区に働く人の姿を映しています。あくまで死する自由を得た世界を描いたものです。劇中、死を望んだとしても合議が必要であり、この点は安楽死を認めている海外に倣ったプロットになっていました。「PLAN 75」よりも現実的に描いています。
ただし味付けはファンキーです。主人公はラッパーで冒頭でラップを披露するも、病の進行と共にリリック(歌詞)が降りてこないと悩みます。そして彼自身、目的が揺らいでいくのです。死生観を写す形で曼荼羅が登場しますが、チベット仏教と共にラップに表されていました(エンドロールでもその説明テロップあり)。
主人公を含む入居者3組を通して死する権利を見つめていきます。死する=”今すぐ”だけでなく考え直す、あるいは待つ事だってできます。そうした気付きを与える仕掛けがこの映画にあります。そんな問題提起かもしれませんね。
追伸.
入居者のうちのひと組が元漫才師なのですが、その相方共々驚かされました。確かにそっくり姉妹、全く違和感ありません。スクリーンに映った瞬間、この映画のテーマに反して思わず笑ってしまいました。
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