「コート・スティーリング」を観る
今日は「コート・スティーリング」を観てきました。「レクイエム・フォー・ドリーム」「ザ・ホエール」のダーレン・アロノフスキー監督によるクライムサスペンス。ある略奪劇に巻き込まれ、死の連鎖が主人公ハンクを襲います。あるトラウマを抱えつつ、果たしてハンクは逃れられるのか。
ひとクセどころかふたクセ以上ある作品でお馴染みのアロノフスキー監督。そんな彼らしくないハイテンポなアクション作で、本作の中に一切の暗さがありません。昔自分が観た作品で例えるなら「スナッチ」っぽいというか、まるでガイ・リッチーが撮りそうな映画です。
タイトルの「Caught Stealing」は盗塁失敗を意味します。冒頭から野球シーンがあったり、主人公はメジャーを目指した過去があります。ただタイトルの意味が何を指すかは最後の最後までわかりません。中でも映画のオチは想像を超えるもので観た方はネタバレ厳禁です。
ハンクはウクライナ人やユダヤ系のZZトップ風の二人に襲われる等々、とにかく命を狙われます。ゾーイ・クラビッツ演じる彼女とのご機嫌なシーンも僅か。その後ボコボコにされ、二日意識を失うような重傷を負っても休ませてもらえません。とにかく痛みが伝わるシーンの連続です。
見どころは1998年のニューヨークを再現、あのキムズビデオや大食いホットドッグで有名なネイサンズ、チャイナタウン、もちろん野球絡みでシェイスタジアムが出てきます。そして「フレンチ・コネクション」ばりのカーチェイスまで略奪劇は続いていきます。ちなみにトヨタ車が多いのはまさに時代を表しています。
ただ確かに面白かったのだけれど、突き抜ける面白さは感じませんでした。監督にとって本作は挑戦なのか、その一方でユーモアに欠けている気がします。リアリティが際立ち、やたら理不尽な人の死を見せられるのもいい気分がしません。だからこそこの手の作品にユーモアが必要だと思うのです。
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