「架空の犬と嘘をつく猫」を観る
今夜は「架空の犬と嘘をつく猫」を観てきました。高杉真宙、伊藤万理華、安田顕、安藤裕子、余貴美子出演のヒューマンドラマ。不慮の事故で弟を失った主人公山吹を通して、同じ心の傷を負った家族と再生する姿を時代を追って描いていきます。
この物語は淡々と、そして起伏はありません。でも何というか惹かれるのです。内容に違いはあっても自分にも心の傷があって、それを通して主人公の心の傷に共感していました。誰もにやさしい印象を持たれる山吹であっても、同じ家族の目から見れば刃にもなり得る。そんな諸刃な部分にも共感しました。
出演しているのが皆好きな俳優さんなのも良かった。最近は「ザ・ロイヤルファミリー」で好演した高杉に、「お耳に合いましたら」以来ファンの伊藤万理華。特に彼女はあるシーン、バスの窓際で涙する姿に今までの作品と少し違う印象を感じました。
山吹のやさしさはある嘘が込められています。その点は徐々に物語に現れていくのですが、序盤説明に不親切さを感じるかもしれません。でも行間、そこを汲み取ってこそ映画的表現なのだと思います。むしろ幼少期の山吹の姿に重なります。
なお山吹と彼の姉の紅(べに)は幼少期から学生時代、そして青年期以降を3人の俳優で繋いでいきます。特に学生時代以降はキャスティングの妙で違和感はありませんでした。紅ののちのルームメイトを演じたヒコロヒーの背中の演技も良かった。また時折挿入される映像も美しく、日本映画らしい作品です。
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