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2026/01/25

「長安のライチ」を観る

今日は中国映画「長安のライチ」を観てきました。唐の時代の中国を舞台に都、長安にいる楊貴妃に遠き産地から生のライチを献上するために指名された下級官吏の奮闘する姿を描いていきます。ちなみに主演のダー・ポンはこの作品で監督・脚本の3役を担っている才人です。

“献上するために指名”とはいうものの、ほぼ嵌められた主人公。自ら”長安の根無し草”と称するように秀でた算術を武器に頑張ってきましたが、一癖二癖ある朝廷の中で成り上がるのは難しい。そんな役人の悲哀を感じさせつつ、家族と家のローンのために生のライチを届けるべく難関に挑みます。

ダー・ポン演じる李善徳(実に従順なお名前)は地味な風貌に序盤はコメディ色が滲み出ていますが、後半はシリアス。特に朝廷内のいざこざに巻き込まれ、生死を賭けた戦いになります。しかもライチ献上の道程に様々な背景があり、宰相(演じるは「インファナル・アフェア」 のアンディ・ラウ)の後ろ盾に裏がある事が判ってきます。実行でみせる主人公と対極の宰相が興味深く映ります。

献上のための事前調査から、算術に長けた主人公の打開策へフェーズが移ると俄然物語は面白くなりました。朝廷内の調整で右往左往する李に鶴の一声の後、整列する官吏たち。王朝時代と役人仕事の負の部分を見せられつつ、本作を検閲した今の中国政府からすればこうならないための社会主義と言いたいところなのでしょう。でも行間から作り手による現代への風刺は伝わります。

出だしがオーソドックス過ぎて辛いところがありましたが、人間関係、特に地方の人々の都への羨望、それに対する朝廷の仕打ちは観ていて考えさせられました。今も何処の国でも”献上品”と呼ばれるものはありますが、ありがたる人たちがそれに値するのか、そこまでの想いはあるのかと。事の顛末、主人公がライチをほうばる姿も印象に残りました。

追伸.
世界三大美女の一人、楊貴妃も出てくるのですが、それよりも主人公の奥さんが非常に美しかったですね。しかも心持ちが素晴らしい。主人公、娘さん共々この作品の家族を描いた部分も良かったです。

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