午前十時の映画祭15「アマデウス 4Kレストア版」を観る
今日は盟友N氏と「アマデウス 4Kレストア版」を観てきました。1984年製作のアメリカ映画。この作品は米アカデミー賞作品賞を始め、8冠となった名作。ブロードウェイの舞台を作者ピーター・シェーファー自身が脚本を担当、「カッコーの巣の上で」のミロス・フォアマンが監督しています。個人的には午前十時の映画祭15後半の目玉の一作でした。
この作品は公開当時は未見、のちにレーザーディスク化された際はヘビーローテーションする一作となりました。今回は公開40周年を記念して4K化されたようです。元々、レーザーディスクでも銀塩感の強い映像でしたが、その上で各所のシーンで4K化の恩恵を受けています。もちろん大画面、ノートリミングのオリジナルワイドサイズで観られるのも嬉しいポイントです。
また驚きは音のクリアさと分厚さです。当時、この作品のレーザーディスクをヘビーローテーションしていたのは音の良さにあります。リニアPCM”Digital Sound”の良さは圧縮音声となったDVD以降のメディアでは味わえませんでした。今回、劇場でこの映画の良さを再発見できて嬉しいです。
さて総合芸術と呼ばれる映画の中で完璧とされる作品はいくつあるでしょうか。盟友N氏が鑑賞後に「完璧!」と言っていたように本作程、完璧が見合う映画はありません。物語、音楽、演技、演出、美術とオスカー8冠たる所以でしょう。特に奏でる音楽、演奏と劇場は全て本物。一度これを観てしまうと、近年のVFX合成はチープに見えてしまいます。
ちなみに今年観た「ベートーヴェン捏造」はその最たる作品でした。個人的な印象はジェネリック「アマデウス」で演奏はプロでも、それ以外は全てバッタもんにしか見えません。脚本を担当した升野さんがこの「アマデウス」を知っていたかは判りませんが、関和亮監督も含め馬鹿正直にこの作品と勝負する事を避けたのは想像に難くありません。
閑話休題。この作品はモーツァルトだけでなく、アントニオ・サリエリをフィーチャーした点が素晴らしいです。ライバル構図と凡庸たる者の神への復讐。映画の中でサリエリは悪役となってしまいますが、ここまでの悲哀と感情移入を伴えば、サリエリ本人は本望かもしれません。まして20世紀を超え、少なくともこの作品を知る者は貴方の名を忘れませんから。
一方、モーツァルトはトム・ハルスの快演(いや怪演?)もあり、天才と変人が同居する者として描かれました。今の世に彼が生きていたら名誉毀損で訴えられるかもしれませんけど。トム・ハルスは当時のインタビューでピアノの特訓をしていた事を話していましたね。ダブル主演のため、男優賞はF・マーリー・エイブラハムに譲りましたが、二人共素晴らしい演技をみせてくれました。
またディック・スミスによる老いたサリエリの特殊メイクが素晴らしいです。エイブラハムの演技をスポイルするどころか、迫力を増させる効果がありました。スミスのオスカー受賞(メイクアップ賞)は当然ですよね。
158分の上映時間、ここまでテンションを持続できる作品は少ないです。作品の何処をとっても非の打ち所がありません。ただ一つの欠点はウィーンが舞台で英語劇である事くらいですかね。いやこの作品ではそんな事関係ないです。もし劇場のスクリーンで観られるチャンスのある方はこの機を逃してはいけませんよ。
追伸.
この「アマデウス」というと彼の妻を始め、ついドレスの胸元に目がいってしまいます。まるで柴田ヨクサルのマンガに出てくる女性のような豊満さ。ズバリ、芸術的なエロさですね。
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