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2025/11/14

「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」を観る

今夜は「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」を観てきました。タイトルの通り、ブルース・スプリングスティーンの姿を追った音楽映画。いやドキュメンタリーで無いのに彼の内面が見えてくる人間ドラマとなっています。果たして邦題「孤独のハイウェイ」が指すものとは。

1980年代アルバム「ザ・リバー」ツアーを終えたブルースは故郷の街に戻り、アルバム創作に入っていました。だが常に彼の心の内で幼少期に過ごした父との関係性が曲にも影響し始めます。一方、故郷で出会った女性フェイと愛を交わしますが、アルバム創作の中で少しずつすれ違っていきます…

物語はアルバム「ネブラスカ」の創作エピソードながら、ブルースのパーソナルな面に切り込んで異色の音楽映画に仕上がっています。予告編での「明日なき暴走」は作品冒頭でのあくまでサービス。眩いシーンはここで終わり。その後は全編、ブルースの歌詞の世界=心を削る様が描かれていきます。

この映画のブルースに感情移入というより、むしろ「今の俺じゃないか?」と錯覚する程でした。パフォーマンスの反面で内面の暗さ、プライベートや生き方の下手さ。まさに邦題「孤独のハイウェイ」そのものです。ネガティブに人生を顧みる姿も自分を観ているようでした。

ただブルースには素晴らしい歌の世界があります。そんな彼の感性がバンドサウンドを脱したアルバム「ネブラスカ」を完成させていきます。

一方でこの作品は音楽業界の裏側を見せていきます。アルバムプロデューサーであるジョン・ランドーのサポート。彼無くして「ネブラスカ」のリリースは無かったでしょう。さらに次作「ボーン・イン・ザ・USA」の誕生秘話もこの映画で知る事になります。

「ネブラスカ」の収録風景でTEACの4トラレコーダーを駆使したり、さらにアルバム化のために工夫を強いられるエンジニアがいたり。80年代の洋楽を知る身には様々なアーティストの名が出てきてそれも嬉しいです。ただこれまでお話しした通りに物語全体はかなり暗いものなので、観客を選ぶ映画なのかもしれません。

追伸.
予告編の通りに「明日なき暴走」のライブシーンはアルバム「THE LIVE」のPVを彷彿とさせるのですが、一点だけ冴えないなと思ったのが、Eストリートバンドのサックス奏者クラレンス・クレモンズ役の演奏に迫力が無かったのです。

ただ映画全体を観れば、この作品に派手さは不要。その演出も正しいと思います。ただTHE LIVE版「明日なき暴走」のPVはボス(ブルースの愛称)、クラレンスたちのパフォーマンスが素晴らしくてオススメです。

 


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