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2025/09/20

「野獣刑事」を観る

今日はU-NEXTで緒方拳主演の「野獣刑事」を観ました。1982年公開の日本映画。”刑事”をデカと読ませる昭和を感じさせる作品です。今、何故この作品を見たのか?その理由は「狂い咲きサンダーロード」繋がり、泉谷しげる出演だからです。

泉谷のウィキを読んでいるとこの作品は俳優最初期でありますが、映画デビュー作ではありません。テレビドラマを含めて既に何作か出演していました。本作を観ればその理由が判ります。主演の緒方拳やいしだあゆみとガップリ四つ、唯一無二で圧倒的存在感が光ります。

泉谷は緒方演じる大滝に逮捕、刑務所にぶち込まれた薬物中毒者の阪上を演じています。その当時、テレビで見る泉谷にちょっとした怖さを感じていましたが、まさに適役です。のちにわかるのですが、この人のインテリぶりも垣間見えます。ビートたけしと同じ系譜(いやその先人)なんですよね。

近年の「Dr.コトー診療所」「三匹のおっさん」のようなユーモア全面、いい人を感じる泉谷ではなく、当時の若さゆえの何をするかわからない個性。本作での血まみれでイッちゃってる目に凄みを感じました。この作品が俳優泉谷の代表作と言っていいです。

一方、この作品自体は今風に言わせれば"ノーコンプラ刑事"。緒方拳版「その男、凶暴につき」(こちらの方が先)といった作りですが、後半は人間味が出てきてその味わいは違います。たけし(=我妻)はレバニラやカレーは作りませんからね。そこだけは「悲しい気分でジョーク」かもしれません。

「ダーティハリー」風の出立ちにポマードの緒方。一瞬「ブリット」風を思わせ、80年代日本映画らしいカーチェイス。「必殺」シリーズ等の工藤栄一監督らしく夜のシーンも印象的です。さらに艶っぽく時に激しい、いしだあゆみのヒロイン。ただ悲しいかな、故人の多い出演者の作品が増えてきてしまいました。

でも昭和の名優たちとの再見は嬉しいです。成田三樹夫、遠藤太津朗、藤田まことに芦屋雁之助。珍しいのは明らかに若手時代の小林薫と物語のもう一つの軸で犯人を演じる若き益岡徹。でもこの二人の演技、存在感は既にベテランの域でした。そういった競演もこの映画の興味深いところです。

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