「104歳、哲代さんのひとり暮らし」を観る
近場のファミレスで小休止した後、盟友N氏と引き続き伊東市金星シネマで今日の二本目「104歳、哲代さんのひとり暮らし」を観ました。広島県尾道市の山間に一人で住む石井哲代さんの生活を追ったドキュメンタリー。101歳から104歳の誕生日を迎えるまでの間の出来事が描かれていきます。
元教師で地元に根付いた活動をしてきた哲代さん。年齢にそぐわない程に快活でテキパキとした口調。さすがに杖を突き歩く姿は年齢相応ですが、毎日書かれた日記には彼女のアイデンティティーが表れていました。ユーモアに溢れる言葉、表情も魅力的でかつてトークショー(映画の中、家にポスターが貼られていました)を行っていたようです。
そんな彼女の姿を追う一方、個人的には哲代さんの周りの人々に目が行きました。作品中でも語られますが、彼女は要介護1なのです。どんなに語り口は快活であっても、老いの影は迫っています。特に哲代さんが入院するエピソードでは彼女の親類が多く関わります。
本家に嫁入りした哲代さんにはお子さんがいません。ただ夫亡き後、本家を守ってきた事やその生き方に矜持を感じたからこそ、皆が集い助けるきっかけになっているのだと思います。
また今年介護をテーマとした「うぉっしゅ」や「父と僕の終わらない歌」が公開されましたが、この2作であまり触れられていなかったのが行政との関わりです。先の通り、要介護(または要支援)に認定されれば相応の様々なサービスが受けられます。そのために我々は40歳以上になれば介護保険料を払っているわけです。
哲代さんはこの映画の中でもわかる限り、杖を始めとする福祉用具、デイサービス等を使っています。またIHコンロの導入(”介護あるある”で料理中にエプロンを燃やしたため)や自炊ができなくなった後、弁当のデリバリーを利用していました。こういう泥臭い話は残念ながらフィクションで語られる事はありません。
よく我々は”(例えば神、社会、周りの人々に)生かされている”と言われる事があります。哲代さんのバイタリティーの為せる部分ある一方、このドキュメンタリーでの出来事はそれを言い表していると思います。またこの映画を観つつ、今両親の介護をしている中で数年後(数ヶ月後)のシュミレーションをしてしまいました。
もちろん映画では哲代さんの個性、人生の金言に惹かれつつ、リリー・フランキーさんのナレーションも味がありましたね。
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