「木の上の軍隊」を観る
今夜は「木の上の軍隊」を観てきました。1945年第二次大戦末期の沖縄。本土上陸最後の砦として伊江島での攻防も、米軍から圧倒的な攻撃を受けて次々と命を落としていく。そこで追い詰められた二人の軍人の2年に及ぶ姿を、実話を基に描いた井上ひさしの舞台を映画化した作品です。
この映画の作り手、沖縄の人にとって米軍沖縄上陸とその惨状は避けて通れません。しまんちゅと上官の対比はあるものの、無差別に狙う空爆や銃撃戦で戦争の持つ冷酷な側面を描き出しています。ハッとさせられる場面も多く戦場の怖さを感じました。「長崎-閃光の影で-」の時も書きましたが、世界で今も同じ状況が起きている事を忘れてはいけません。
ただこの序盤の描き方が映画の方向性を決めてしまった感は否めません。おそらく舞台はタイトル通り、木の上での二人劇ではないかと思います。シリアスとユーモアのバランスを微妙に計りながら、戦争の怖さと真実を炙り出すのでは….と。映画版はほぼシリアスに重心を置いていて、そこが惜しくもあり、仕方ない面に思えます。
一方で映画としてリアリティを追求する主演二人の役作り、痩せ痩けた表情に凄みを感じました。また二人の立ち位置、まるでリベラルと保守の対峙は今を映す鏡にも思えます。平和の中、論じているうちが華。戦争は始まってしまえば、戦場の論理と狂気で見境は無くなる。しかも戦争を始めた者が戦場に居る事はありません。この映画は戦場=最前線の物語でもあります。
あとこの映画の良さは全編に当時の沖縄を感じられる点です。しまんちゅ(地元の方多数、現代人っぽさがない)、自然溢れるロケーション、そしてガジュマルの木。それらが紡ぎ出すリアリティに溶け込んだ主役二人の演技は大きな見どころだと思います。
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