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2025/07/04

「夏の砂の上」を観る

今夜はオダギリ・ジョー主演「夏の砂の上」を観てきました。ある出来事を発端に結婚生活が破綻した男と、やってきた妹の娘とのやり取りを通して、主人公の細やかな再生を描いていった作品。妹の娘を演じるのは高石あかり(高は"はしごだか")。オール長崎ロケで街並み、土地の雰囲気を満喫できます。

物語にダイナミズムはありません。造船所のあった町、閉鎖され失業中の主人公。さらに追い打ちを掛けるような出来事。元同僚同士の絆はあれど、そこにヒビの入るような関係性が生まれていく。篠原ゆき子に主人公が見て見ぬふりを責められるシーンは滑稽でつい笑ってしまいました。

その一方、オダギリ演じる主人公にシンパシーを感じてしまうのは今の自分の心境ゆえでしょうか。ハッとさせられたのは妻を演じた松たか子のセリフ。ある決断した主人公に向かって「何も思わなかった」と言われた時の悲哀。とても他人事に思えませんでした。

高石あかり演じる優子は時に奔放も、冷静に出来事を見つめます。これまでの彼女の役柄とは違う方向性のキャラクター。短い夏の出来事ですが、バイト仲間との何処か子供染みた関係性と主人公との絆は対照的で、彼女自身の成長と主人公の前向きさを引き出しています。

結婚破綻のきっかけともなる大雨は印象的で、主人公自身もそこを引きずっているのですが、優子とはしゃぐ出来事を引き出すキッカケともなります。この映画に何処か詩的で爽やかな印象を持ったのはそのせいかもしれません。

地元九州の作品とあって水を得た魚の光石研のユーモア、佐久間PのANN0でも大絶賛だった森山直太朗の神懸かった演技も見どころです。オダギリは本作のプロデュースを兼任しており、主人公を演じる上で何か感ずるものがあったのだと勝手に思っています。

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