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2025/06/28

午前十時の映画祭15「羊たちの沈黙」を観る

今日は午前十時の映画祭15「羊たちの沈黙」を観てきました。ジョナサン・デミ監督の1991年公開のアメリカ映画。トマス・ハリス原作のサイコスリラーの傑作。この手のジャンルで初めてアカデミー賞作品賞を受賞した(と思う)。同年作品賞に限らず、監督賞、脚色賞、そして主演男優賞、女優賞をW受賞しています。今観てもこの受賞に異論はありません。

サイコスリラーでは「セブン」と並ぶ傑作ですが、個人的には僅差でこちらが好きです。しかも繰り返し観た数は覚えられないほど。その理由はスリラーに留まらない世界観と描写にあります。世界観は「セブン」同様、時に絵画的でハッとさせられ、その上でジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスの演技に観入ってしまいます。特に詰問中は瞬きさえしないホプキンスの表情が圧巻です。

それでいて物語の本筋ではありませんが、クラリス、レクター、クロフォードのプラトニックな三角関係は興味深いですね。レクターが唯一、クラリスの指に触れる瞬間とクロフォードがクラリスとの祝福の握手が対照的に描かれています。特に前者は何度観てもドキドキしますね。結局、この流れが続編「ハンニバル」となっていくのだけれど、ジョディ・フォスターが出演辞退したのは賢明でした。

公開当時、映画原作本を読み耽るのが楽しみで「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」レクター三部作も読破しました。とにかく原作はトマス・ハリスの描く知の泉というか、格の高い知識量に圧倒されます。それが高い形で再現されたのが「羊たちの沈黙」、数少ない完璧な映画化だと思います。同じテッド・タリー脚本の「レッド・ドラゴン」も良かったのですが、監督の技量がやや追いついていませんでした。

ちなみに「ハンニバル」はリドリー・スコット監督が撮りましたが、アタマパッカーン等で面白くはあったけど微妙なズレを感じたのは否めません。何度も観るなら「羊たちの沈黙」一択です。

日本ではこの作品によってプロファイルという言葉が一般に認知されています。さらに高知能犯人の思考を通じて他の犯人を捕えるというシステムもこの映画以降、濫造されました。けれども「羊たちの沈黙」を超えたと思った作品には出会えていません。

今回の上映ではクライマックス前、バッファロー・ビルがカメラを前に乱舞するシーンでボカシがありませんでした。時代ですよね。でもそのおかげで彼の動機、本質が明確になりました。そしてクラリスとバッファロー・ビルの対峙、ここの編集が素晴らしいです。さらにクラリスを追う暗視メガネの映像が生々しく、観客を犯人に同化させる演出。それにしてもクラリス=ジョディ・フォスターは力強く、そして美しい。今も「羊たちの沈黙」に魅了される最大の理由です。

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