「サブスタンス」を観る
今夜はデミ・ムーア主演「サブスタンス」を観てきた。昨年のカンヌ映画祭では脚本賞を受賞、米アカデミー賞では主要部門は逃したが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。その理由は作品を観ればよく判る。何処か懐かしくも圧倒的、過激なビジュアルがこの映画の見どころだからだ。
物語は予告編のテロップにあった阿鼻叫喚がぴったり。正直、今年のアカデミー賞授賞式で少しだけネタバレしていたが、一部想像通りながらその上を行く展開も多く、しかもスティーヴン・キングやデヴィッド・クローネンバーグ他名作ホラーのオマージュが散りばめられている。
ずばり本作はケミカルエログロホラー。ルッキズムへの警鐘あれど、ある能力を身につけたムーア演じるエリザベスの顛末が描かれていく。「サブスタンス」はある意味を成すが、判らないまま観た方がいい。能力を維持するためにはルールを守る必要があるが、「あなたはひとり」なのにパラドックスが生じていく様、人の業とはそういうもの。
あくまで男性目線のR15+。歳とれど一作入魂のデミ・ムーアに若手のマーガレット・クアリーの裸体は目の得。しかもスクリーンいっぱいに乱舞(といってもエクササイズ)する。それでいて同じテンションで血生臭く痛々しい描写もあったりして、血が苦手なワタクシは凝視できなかったほど。また先端恐怖症の方もご注意下さい。
美と若さへの執着が辿る悲喜劇はクセの強い音楽と相まって最後まで見逃せない。上映時間142分、やや引っ張り気味なクライマックスは賛否ありそうだが、終わってみれば「これやりたかったんだなぁ」のてんこ盛り。ただ観る人は選ぶかも。実にブラックな御伽噺、ワタクシ的には大好きです。
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