「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」を観る
今日は映画の日。三本目は一人で「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」を観てきた。タイトルの通り、ナチスの密告者となったユダヤ人女性の実話を基に描かれた作品。アメリカ行きを夢見ていた主人公は戦争によって大きく人生が狂い出していく。
明るいジャズで始まるも間も無く彼らをアウシュビッツの影が迫る。最初は強制労働要員だったユダヤ人はナチス、ヒトラーによって収容所移送、そして死が待つ。強制連行から逃れるステラだったが、隠れ家生活に限界が訪れる。
主人公が密告へ至る変遷は一方的な暴力の果てであるが、自らのために親を捨て、徐々に情報を売る事すら麻痺していく。ゲシュタポ相手にやり合う姿、欲に溺れ、生きるために密告を繰り返す。だが戦争が終わった時、彼女は裁かれる立場となっていた。
ここで描かれた悲劇は他人事ではない。密告は体制への不満から必ず生まれる。フィリップ.K.ディックの「高い城の男」では無いが、例えそれが正義だったとしても。また悪が正当化できてしまうのも戦争の恐ろしさ。一線を超えた主人公はその境地だったのだろう。
さてこの作品を映画としてみるとやや物足らない。まるでテレビドラマを観ている感覚でカット変わりもCMが入るような雑さ。まして仲間を売る姿は気分のいいものではない。あくまでホロコースト、歴史の一部を知る意味で観る作品だと思う。
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