「港に灯がともる」を観る
今夜は富田望生主演「港に灯がともる」を観て来た。港町神戸を舞台に富田演じる阪神淡路大震災の年に生まれた在日コリアンの女性が家族や仕事等様々な葛藤の中、再生の道を進んでいく人間ドラマ。
おそらくこの作品を観る人の多くは富田望生ファンだと思う。朝ドラ「なつぞら」「ブギウギ」等でのバイプレイヤーぶり、生粋のコメディエンヌ。それでいて福島生まれの彼女は地元で東日本大震災を経験している。そんな背景を知るからこそこの作品が気になっていた。
作品のストーリーラインは何となく読んだ程度。ただ観ると実に重いお話だった。人生、一つの問題だけで大変なのに主人公の灯に次々と問題が降り掛かる。しかもその葛藤を長回しで彼女の表情を、時にその後をずっと追っていく。困憊ぶりが画面を通して伝わって心苦しい。
ここまで画面を委ねられるのは富田望生の演技力によるもの。実際、多くのシーンで長回しが多かったと思う。本人だけでも大変なのにこの物語は更なる重荷を用意する。一つは我々がよく知る災厄、そしてそれに端を発した出来事。二人(富田、山中崇)の熱演がリアル過ぎて観ていられなかった。
この作品は登場人物たちを通して描くドラマだけでなく、もう一つ町の姿も描いていく。実在の丸五市場にスポットを当てて主人公の再生に重なる。ささやかな再生だが、それが彼女の行動と呼応するエンディング(ここも長回し)。ただ最後まで観るのにちょっと自分にはつらい作品過ぎた。
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