AppleTV+「テトリス」を観る
AppleTV+で「テトリス」を観た。「キングスマン」のタロン・エガートン主演、Appleスタジオ製作で配信のみの作品。タイトル通り、あの大ヒットパズルゲーム「テトリス」に纏わる制作秘話。ただし大筋は制作後の権利獲得合戦が描かれる。
「テトリス」と言えばBPS。正式名称がBullet-Proof Softwareだと本作を通して初めて知った。創業者のヘンク・ロジャースは囲碁で始まったソフト販売、見本市でテトリスに出会う。単なるパズルに留まらず、芸術的なゲームスタイルに魅了されたヘンクは権利獲得に乗り出す。
1980年代のテレビゲーム業界は黎明期、ビジネス面のやり取りが面白い。ヘンクは任天堂に直談判、山内社長が実名で出てくるわでしかも似てるし、さらに丁々発止のビジネストークで喰らいつくとつい笑ってしまった。
時はゲームボーイ出現前、全てのプラットホームで権利が占有されようとする中、まだ携帯ゲーム機だけは未開の場所。ニンテンドーオブアメリカでその試作品を前にした時のヘンクの表情。まるでその場に立ち会っているようで、こちらまでニヤけてくる。
ソ連が「テトリス」の人気と利権に気付き、政治局を巻き込む事態に、しかも大トリは「ロッキー4」にも出てきたあの方までその戦線に参加してくる。情報戦、さらにクライマックスの見どころと形を変えたスパイ映画…と思っていたら製作マシュー・ヴォーンに納得。主演がタロンな訳だ。
ヘンクの主戦場、BPSは東京だが、事務所と自宅以外にその描写はない。開発者だったヘンクは営業ひと筋。大学で出会った日本人の奥さんに子供たち。テトリスを開発したアレクセイも同じ家族構成で意気投合、二人の間で友情が育まれるもよく判る。
事実は小説より奇なり。ゲーム映画「ピクセル」みたいな演出、マシュー・ヴォーン印の脚色はあっても本筋に揺るぎ無し。でも一瞬、モスクワ市内の描写に「007」を観ている錯覚に陥ったな。こりゃ劇場の大スクリーンで観たかったよ。少なくともAppleTV+を契約したらこれだけは観て欲しい。
「パチンコ - Pachinko」と「テトリス」を観終わって、AppleTV+はしばしのお別れです。
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