「セプテンバー5」を観る
今日は「セプテンバー5」を観てきた。ミュンヘンオリンピック開催中に起きたイスラエル選手団への襲撃事件、その一日を追ったABCテレビスタッフらの姿を描く。かつてスピルバーグも映画化した題材を別目線、しかも「24-twenty-four」に似たリアルタイム感に溢れている。
冒頭から放送当時の映像とCCRの「Fortunate Son」の疾走感で一気に1972年へ引き戻される。作中の通り、世界初テロ事件の生放送中継。「これを何と呼ぶ?」とテロという単語すら一般的になっていない時代。スタッフたちはスクープによる高揚感の一方、様々な現実に気づかされていく。
劇中の映像は何処までが本物なのか区別がつかない程のリアリティーと緊迫感。我々観客は彼らの放送をスクリーンを通して追体験する事になる。放送途中、スタジオの頭上を移送ヘリが通り過ぎる時、思わず外で見たいと飛び出すスタッフ。その直視にテロと現実が直結していく。
中継を切り盛りするジェフリーを演じるのは「パスト ライブス/再会」のジョン・マガロ。今回はアグレッシブな演技。慣れない海外中継に現地スタッフ、マリアンネによるフォローが支える。何処かで見たと思ったら「ありふれた教室」の彼女だった。全般ほぼ無名キャスト、そんな地味なキャスティングがよりリアリティを生む。
惜しむらくは本作の出来と無関係に前日のレイトショーが祟って体調が落ちていた事。それが無ければもっともっとこの作品に没入できたのに。そんなハンデがあってもこの作品は充分に傑作。テレビ報道のエピソードゼロとその十字架は重い。
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