「動物界」を観る
今日はフランス映画「動物界」を観てきた。突然変異により新生物=獣化した人々を巡るSFスリラー。妻が獣化し隔離された施設を追って南仏にやってきた男とその息子。だが妻の乗ったバスが事故により行方不明になってしまう。妻を探す男、転校した息子に起こる出来事が描かれていく。
これまでも「ドクターモローの島」「X-MEN」等、ミュータントを描いた作品は多い。ただどちらかというとヒロイックに描かれたり、エンターテイメント性を意識したものであり、それらに対しこの「動物界」は一線を画す作りとなっている。
奇病が伝染していく様子はあるが、何故起きたのかという理論的な話は一切出てこない。SFではあるものの大局は描かれずどちらかといえば主人公親子の目線を通して、あくまで限定的にパーソナルな切り口で展開していく。
特殊メイク、VFXはシンプルかつ思わず痛みが伝わってくるような出来で過去の変体ホラーの要素が詰まっているが、長めの描写は少ない。また獣ゆえに暗がりでの行動が多いので、ハッキリ見せないところがむしろ恐さを増幅させる。ただ元は人間。徐々に見た目を含め、人間性を失っていく姿が悲しい。
獣化した人々は社会的に虐げられる点は様々なメタファーがあるが、遡れば日本の「デビルマン」(漫画版)に相通じるし、改めて身近に潜む差別、登場人物たちを通して思い知らされる。そのために親は子供を守るし、そんな中で子は成長していく。親子の関係性の変化が映ったラストシーンが良かった。
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