午前十時の映画祭14「ネットワーク」(町山智浩氏が語る 20世紀名作映画講座 解説映像付き上映)を観る
今日は午前十時の映画祭14「ネットワーク」(町山智浩氏が語る 20世紀名作映画講座 解説映像付き上映…長い)を観てきた。「ネットワーク」は1976年公開のアメリカ映画。脚本パティ・チャイエフスキー、監督シドニー・ルメットの傑作。テレビ局を舞台に複合企業の黎明期とある報道部キャスターの顛末が描かれていく。
解説付き上映は「ミツバチのささやき」以来。あの映画は難解過ぎて解説無くしては観られなかった。今回は解説内で言及があったように今に至る作品群へオマージュされるシリアスかつブラック調の作品。時代的にややオーバーアクト感はあるが、曲者揃いのキャストによる群像劇は最後の最後まで飽きさせない。
その所以はピーター・フィンチ演じるハワードの顛末。上映前の解説で「ジョーカー」のタイトルが出た瞬間、おおよその予想はついた。しかも上映後の解説でフィンチ自身の主演男優賞受賞時のエピソードを聞いて驚く。どうも「ジョーカー」絡みとなると何処かいわく付きなのかもしれない。
この作品は半世紀近く前ながら予言書的側面を持つ。示されるメディア論は当時最強だったテレビの事を語りつつ、ネット社会に移り変わっても相通じる。ブラウン管の中のハワードが外に向かって叫べと言えば、視聴者は呼応するように行動を起こす。まるで大衆がX(旧ツイッター)に熱狂するように。
イデオロギーに関係なく大企業の思いのまま、それがシステムと諭すCCA会長。今の経済を表すし、(少なくとも既得権益者にとって)現代社会の正義。これを当時の映画で語る脚本の凄さ、冷戦下の視点ながらの先見性。今やロシアも中国もアメリカ….皆同じ土俵でシステムの中で利益を享受している。
漂うオーバーアクト感はアメリカのテレビショー的(あるいは牧師の説教)要素だが、今のトランプ次期大統領の扇動する姿が重なる。その点でもフィンチの熱演に圧倒された。一方で女性凄腕製作者を演じたフェイ・ダナウェイ(何処か白石麻衣っぽい)も素晴らしく強く、かつ美しさに惹きつけられた。
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