「光る君へ」を観る(完走)
今年の大河ドラマ「光る君へ」(全48話)を観終えた。大石静脚本、「源氏物語」の原作者紫式部=まひろと藤原道長を描いた平安時代を舞台とする作品。戦国時代を離れ、色濃い人物描写と政治色の強い物語となった。
長きに渡るまひろと道長の成長と関係性に彼女の創作、そして藤原氏による権力絵巻。道長は権力支配に囚われた父、藤原兼家を嫌いつつも争いのない世、民のために政略を尽くして権力の頂点に立っていく。そしてドラマを通して「源氏物語」誕生とその影響を知る事になる。
「源氏物語」は国語と歴史の教科書で出てきたが、平安時代と光源氏、紫式部の名くらいしか頭に残っていない。そんなドラマでは「源氏物語」の発端が道長の政略の一つと描かれた。そして「光る君」とは誰か、その死を書かなかったまひろの思いが最終回で明かされる。
とにかく全編、人物描写が丁寧。静かなる朝廷と裏でうごめく欲望。「鎌倉殿の13人」でも呪詛は登場したが、本作はほぼシーズンを通して描かれた。何かあれば呪詛、そこに安倍晴明の存在。映画ではヒーローだが、ドラマでは政治色が絡んでダーク。ユースケ・サンタマリアのいかがわしさとマッチする。
とにかく「光る君へ」では異色のキャスティングが多かった。ロバート秋山の藤原実資を筆頭に、ファーストサマーウイカの清少納言、はんにゃ金田による藤原斉信、矢部太郎の乙丸など端役までいけば結構な数だが驚きも皆適役だった。
ドラマ前半を引っ張った一人が藤原道兼を演じた玉置玲央だろう。衝撃的登場と相まって藤原氏の中で悲劇を表す存在となっていった。ただ物語全般、吉高由里子と柄本佑が演じる二人の行方を見つつ、最終回を迎えた。本当にこの二人のキャスティングはあっていたと思う。
大河ドラマの難しいところは途中、波の緩い話がある事。「光る君へ」では濃い呪詛の話が続くと、箸休め的な話も入っていた。そういう時ながら見してしまったのが今思うと惜しい。ただ豪華絢爛な衣装と美術も素晴らしく、ディスクには焼かなかったけどいいドラマだった。
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