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2024/11/04

「しずおか映画祭」へ行く@沼津市民文化センター

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今日は盟友N氏と沼津市民文化センターで催された「しずおか映画祭」へ行ってきた。沼津市出身の俳優磯村勇斗が発起人となってその第一回に地元を選んで行なわれた。磯村君の活躍はご存知の通り、映画・テレビ等多岐に渡る。同じ沼津出身の原田眞人監督他、多数のゲストを迎えたトークセッションも合わせて行なわれた。午前10時開場から午後8時終演まで、休憩を含め約10時間の長丁場。

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まず第一部は原田監督の2012年公開「わが母の記」(今回初見)。少年期を沼津で育った作家井上靖が老いた母、自身との事を書いた自伝的小説の映画化。これまでの原田作品とは一線を画す、親子、家族を丁寧に描いた作品。主演は原田監督とのコンビ作が多い役所広司。

主人公の母を演じているのが樹木希林。名優の仕草と演技ぶりに思わず見入ってしまう。役所演じる主人公と母の互いに忘れられた絆が病気の進む中で取り戻されていく。そしてその風景に重なる沼津の海岸。沼津に限らず伊豆の自然と緑が眩しい。

ただ個人的に母の認知症の件が重なり、自分と主人公の立場の違いが恨めしかった。むしろ感情移入するのは、ずっと介護してきたキムラ緑子演じる主人公の姉かもしれない。悪化の一途の中で返された言葉に驚く表情、そして母の死に対し溢れる感情。その全てが刺さった。

そんな作品であるが、トークセッションではざっくばらん。雪景色の軽井沢を活かし、シナリオを変更する柔軟さを披露。また初対面同郷の磯村君に準備中の作品のオファーを、どうやら自衛隊員役らしい。来年に向けて体を鍛えたいと磯村君。またお約束の沼津グルメ、餃子談義「中央亭、北口亭問題」は磯村君のノーコメントでフィニッシュでした。

さらにセッションは卒業作品がPFFアワード2024のエンターテイメント賞『さよならピーチ』の遠藤愛海監督が登場。彼女も沼津出身者。原田監督への際どい質問の後、「編集を見においで」という言葉に嬉しそうだった。

お昼は文化センターの中庭で同時開催されたフードイベントでお食事。昼飯難民、行列必至の中、偶然にも地元の名店華味(ファーウェイ)の列に並ぶ。お店にも行った事があるし、今回のご飯(ルーロー飯)も風味が効いて美味しかった。ご馳走さまです。

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第二部最初は静岡市出身の俳優佐津川愛美主催のワークショップから生まれた12分の短編作品「arigato2000」。佐津川さんのライフワーク、子供たちを対象としたワークショップで映画との出会い、様々な発見を目的に役割を分担して製作されたもの。どのトークセッションでも思ったが、話がクレバーで興味深く面白い。皆、クリエイターなのだなぁと。

また「arigato2000」本編は名バイプレイヤー前野朋哉演じる弥生人が、静岡市登呂遺跡周辺で冒険を繰り広げていく。子供たちとの掛け合い、タイトルの含みもわかりやすい。撮影に1000万のカメラを操る子供たちが羨ましい。

続くのは俳優北村匠海監督・脚本作品「世界征服やめた」の上映。今回の観客の多くは女性でおそらく磯村君と北村君目的ではなかろうか(女性が多いのは休憩のたび、トイレの行列でよく判った)。ただ作品のほうはごめんなさい。オジサンにはちょっと解らなかったです。

ただトークセッションで磯村君と北村君二人の仲の良さは伝わったし、若手中堅として次のステップが作品製作やプロデュース業というのは必然。今後の活躍に期待したい。

第三部は能年玲奈こと”のん”の「さかなのこ」。劇場で一度観ているが、内容を知っているだけにこの作品で締めてくれるのが嬉しかった。そして良かったのは、観客1,500人によって同時に笑いが起こるところ。この感覚、普段の映画館では得られない事。劇場満席自体なかなか無いし、懐かしい映画館に似た雰囲気を感じた。

トークセッションではのんと沖田修一監督が登壇。ユーモアを交えたやり取りは映画本編譲り。またのんがハコフグ帽を持ち込むサービス。沼津で撮っていた事は知っていたが、淡島マリンパークのロケだったとは。さらに今日、のんが映画祭前にマリンパークで本編同様、アシカショーを観てきた話に観客皆驚く。

トークセッション、コメントのたびに拍手が起こる雰囲気が映画祭らしく心地良かった。司会は映画コメンテーターの伊藤さとりさんだったのでトークの回し方も絶妙でした。役所広司のサプライズビデオメッセージもありと初めての「しずおか映画祭」大成功だったのではないでしょうか。果たして次回は来年?そして開催場所は静岡県内の何処が選ばれるでしょうか?

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