「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」(吹替版)を観る
U-NEXTで「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」(全10話)を日本語吹替版で観終えた。タイトル通り、「ゴッドファーザー」を製作したプロデューサー、アルバート・S・ラディを主人公にしたリミテッドシリーズ。スタッフ、キャスト、当時の製作秘話をドラマチックに描いている。
鳴かず飛ばずだったマリオ・プーゾが会心作「ゴッドファーザー」でベストセラー作家となった頃、ラディはテレビ界から映画界へ進出。そして両者を結ぶ縁。既にパラマウントの部門責任者でパートナーだったロバート・エヴァンスと共に映画「ゴッドファーザー」製作に乗り出す。だがそこに茨の道が待っていた。
単に「大変でした」というレベルではない。気難しいキャスト(マーロン・ブランド)の話だけでもない。難関は膨大な製作費とイタリア系アメリカンマフィアの存在である。しかも「ゴッドファーザー」を地で行くマフィア同士の抗争に巻き込まれ、ラディたちに製作費を失う危機が迫る。
一方当時、若手有望株だったコッポラを監督に抜擢。脚本に取り掛かるが、プーゾのエンジンの掛かりが悪い。そんな中でもコッポラとプーゾはユーモアを持って乗り切る。「ゴッドファーザー」といえば台所と食事のシーンが思い浮かぶが、その拘ったプロット作りがとても面白かった。
このドラマが面白いところは製作当時の再現度である。1972年公開に至るまでの過程、そして彼らを巡る様々な映画界の出来事。特にエヴァンスは妻の女優アリー・マッグローとの関係に節目を迎えており、そこで彼女が映画「ゲッタウェイ」の撮影に参加。エヴァンスは公私共にズタボロになっていく。
エヴァンスは映画界で羽振りを効かせる反面、ドラッグに溺れる始末で製作のほとんどをラディが担う事になる。そこに先のトラブルを始め、次々に難題が飛び込んでくる。だが我々は知っている。「ゴッドファーザー」が大ヒット、名作となっていく事を。
このドラマは血生臭い描写もあるが、それ以外は明るめの描写。「地獄の黙示録」を扱ったドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス」でのコッポラは満身創痍だったが、本作での彼は良い作品を作ろうと必死。 コッポラを演じたダン・フォグラーは本人よりちょっと小柄だが、いい感じに演じていた。
ラディを演じたのが「セッション」のマイルズ・テラー。様々の困難に奮闘、だが度胸とセンスで乗り切っていくところに彼の演技が合っている。ちなみにテラーはラディ本人と共にこのドラマのプロデューサーを兼ねている。
このドラマではパラマウントに限らず、ワーナーやフォックス他、映画界の歴史が垣間見える。最終話のアカデミー賞授賞式、プレゼンターはクリント・イーストウッド。声はすれども姿は見れず。ちなみにブランドの吹替は多田野曜平氏。となれば…..思わず聴き入ってしまったよ。
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