「バック・トゥ・ザ・フューチャー」全3作連続上映を観る
昨日10月26日は、大ヒットSFアドベンチャー「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公・マーティがタイムマシンの実験を行った日。最寄りの劇場でこの記念日を含む一週間「バック・トゥ・ザ・フューチャー」全3作の連続上映があったので盟友N氏と観てきた。今回は思い出交えてやや長文。
映画ファンのみならず「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下BTTF)を嫌いな人はいまい。エヴァーグリーン、タイムトラベルの傑作。アニメならドラえもん、映画ならBTTFが複雑なタイムトラベルの面白さを教えてくれた。ちなみにのび太とマーティ共にタイムトラベラーであり、射撃が得意。偶然とはいえ興味深い。
思い起こせば第1作を観たのは40年前、今は無き沼津文化劇場。当時は盟友N氏他、友達を連れだって観に行ったのが思い出される。2階建ての席からスクリーンを臨む作り。ちなみにその前年、この劇場の試写会で「ロマンシング・ストーン秘宝の谷」を観ており、既にロバート・ゼメキス監督へ絶大な信頼を置いていた。友人共々、BTTFを観た後はその興奮が止まなかったのを覚えている。
そして40年を経てもその思いは変わらない。しかもキャスト、物語、演出、音楽、全てのプロットが考える限り完璧、一点の隙が無いBTTFに今回も圧倒された。若い観客も居たが、どこまで細かい小ネタを拾えただろうか。ちなみに「ロマンシング・ストーン 」同様、監督ゼメキスと音楽アラン・シルベストリのコンビ。第1作、伝家の宝刀BTTFのテーマはマーティ最初のタイムトラベルまで出てこない。そこがまたニクイ。
クリストファー・ロイドの顔芸というか、もうドク・ブラウン以外に見えない立ち振る舞いに引き込まれる。しかもコメディ気質のマイケル・J・フォックスとの相性は最高。しかもマーティとドクの友情は時間を超え、紡がれていく事になる。キャストはロレインのリー・トンプソン、ビフのトーマス・F・ウイルソンを含めて芸達者揃い。落雷で1985年に帰るタイムトラベルまで手に汗握った。第1作のエンドロール前、TO BE CONTINUEDが登場しない劇場公開版も嬉しい。
PART2って中継ぎ感が強いのだけれど、今回の再見は連続上映によって劇中のセリフ通りにデジャブをより味わう事ができた。第1作の物語軸に二人のマーティ、二人のドクが交錯する1955年は本当によくできている。また第1作を踏襲した2015年ホバーボードの件やディストピアでない未来世界の描写等、見どころ満載だった。個人的にラストで登場する郵便職員が大学時代の友人にそっくりで、公開当時それをネタに弄っていたのを思い出す。
グランドフィナーレのPART3は西部劇を作りたかったゼメキスとボブ・ゲイルの結晶。1885年のパートはほぼ西部劇に徹し、インディアン(製作当時の表現、やっぱネイティブ・アメリカンじゃないよ)登場から朝食後の決闘までタイムトラベルの醍醐味を味わった。イーストウッドリスペクトの「荒野の用心棒」ネタもよろし。PART3は北海道一人旅の際、札幌で時間潰しに(入替なしで)一日中見続けたんだよ。
クララとのロマンスゆえにクリストファー・ロイドの顔芸は抑え気味だが、ドクの新しい側面をみせる。機関車が爆音を上げながらデロリアンを押して1985年に戻るシーンは興奮と感情が入り混じり涙が出てしまった。何せレーザーディスク(輸入盤)で何度も観たシーンだからね。同様に第1作のクライマックスも然り。
BTTFとは友情、家族、架空の町ヒルバレーを通して町あるいは国の物語を描いている。特にマクフライ家、タネン家が1885年から2015年まで因縁、いや腐れ縁が描かれた。ただ第1作で終わっていたらビフも人殺しにならなくて済んだのにね。劇中、銃が欠かせないのはアメリカ映画らしいが、第1作のドク、PART3のマーティが防弾チョッキ(もどきの鉄板)で命を拾ったのが興味深い。
休憩を含め3作7時間の長丁場だったが、体感時間はその8掛け程度であっという間。たださすがにお尻が痛くなったのと疲れは否めない。来週は盟友N氏と総計10時間のしずおか映画祭へ行く予定だが体が保つか今からちょっと心配。(TO BE CONTINUED)
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