「憐れみの3章」を観る
今日は仕事帰りに「憐れみの3章」を観てきた。今クセスゴ映画を撮らせたら世界一、「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」のヨルゴス・ランティモス監督・(共同)脚本による三つの寓話で構成されたオムニバスドラマ。
何しろ第1話「R.M.F. の死」から置いてきぼり。睡魔に襲われながらジェシー・プレモンス演ずるロバートの奮戦を観ていく。上司のレイモンドから理不尽な指示を受けるロバート。その指示は滅茶苦茶ながら選択の余地は無い。そんなロバートを見届けつつ意識が薄れる中、その顛末の衝撃で一気に目が覚めた。
そのおかげか、第2話「R.M.F.は飛ぶ」、第3話「R.M.F.サンドイッチを食べる」は刮目できた。なお主な出演者は各話毎、異なる役柄とポジションで演じている。エマ・ストーンは過去作同様、体を張った演技、しかもクセスゴ。ウィレム・デフォーもクセスゴだが、物語のクセの凄さには敵わない。
原題は「Kinds of Kindness」。和訳すれば「親切の種類」または「親切の親切」とも意味が取れる。特に第2話、第3話は御伽噺感が強い。しかし三つの物語に何か教訓があるかと思えばほとんど無い。時にシュールだが、エログロ満載のR15+指定ゆえ観る側を選ぶ。
教訓が無いと言えば身も蓋も無いが、このクセスゴがだんだんと癖になっていくのはヨルゴス・ランティモス作品の面白いところ。ただ何度も言うがこの作品は人を選ぶ。いや、ヨルゴス・ランティモス作品は人を選ぶ。そしてダッジチャージャーのドリフト気味の運転が印象的だった。
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