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2024/09/29

「虎に翼」を観る(完走)

朝の連続テレビ小説「虎に翼」(全130回)を観終わった。日本初の女性弁護士であり、判事、裁判長を務めた三淵嘉子氏をモデルとした戦前戦後の法曹界を描いたドラマ。若手実力派の伊藤沙莉が主人公猪爪寅子(ともこ)を演じた。ちなみに「虎に翼」は中国の言葉で「鬼に金棒」のような意味とのこと。

コメディ調で始まった物語だが男女格差に差別、戦後の過酷な時代を経て民主化の道を進む日本と現代へのアンチテーゼを織り込み描かれており、特に近年の朝ドラ以上に第二次大戦下に重きが置かれた。劇中で寅子自身の家族、最愛の夫を戦争で失う。身近な人を奪うもの=戦争の本質を突いていた気がする。

このドラマの良かったところは寅子だけでなく、家族、進学、法曹界と進んでいくたびに登場する多彩な人物たち。しかも常に家族に立ち戻る寅子の姿も良い。何しろホームドラマが好きだから。中でも寅子の同級生でのちに義姉となる花江を演じた森田望智の存在感は目立っていた。

仲野太賀や岡部たかし、戸塚純貴ら旬の出演者の起用は朝ドラらしい華を添えてくれるも、夏ドラマ「新宿野戦病院」(フジテレビ)で平岩紙共々多くのキャストが丸かぶりした際は流石に苦笑。一方でよねを演じた土居志央梨のように新しい才能を観る(知る)のは楽しい。

戦前の法曹界が持っていた壁と戦後の変化、日本国憲法と民法改正が与えた光と、寅子の目を通して改めて思い知らされる。NHKドラマながらここまで斬り込むかとネット界隈(特にネト◯ヨ)を騒がせた程。さらに現代社会の問題をしれっと織り込むあたりは確信犯的とも思える。

惜しむらくは最終話近くまでの数週、やや詰め込み過ぎを感じた事。毎週、複数以上の問題を重ねて描いた分、その印象に至った。ただそれらをこなす伊藤沙莉の器用な演技ぶりに「はて?」と決め台詞、そして原爆裁判の描写を最後まで手を抜かなかった点は忘れ難い。(おしまい)


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