「半分、青い。」を観る(完走)
2018年度上半期の朝の連続テレビ小説「半分、青い。」(全156話)を観終えた。朝ドラでは今や珍しい部類となるオリジナルストーリー。「ラブジェネ」の北川悦吏子脚本で永野芽郁主演、岐阜県を舞台に昭和46年七夕、同じ日に生まれた鈴愛(スズメ)と律、二人の2011年までの姿を描いていく。
放送当時は未視聴。偶然観出したのはコロナ禍、2年前?のNetflixと思う。第15週頃に一旦、Netflixを解約。戻ってきたらラインナップから外れていたという事態。見る術はNHKオンデマンドのみ。ただ単独で契約するまでに至らず。今回、U-NEXT初契約(mineo経由)に伴い、ポイント使ってNHKオンデマンド分はタダ扱いとなった。
物語は生まれてから40才までの主人公たちを追った朝ドラ版「フォレスト・ガンプ」。シリーズ前半は漫画家を目指す事になる鈴愛、後半は紆余曲折の中で新たな人生を進む鈴愛を描く。永野演じる鈴愛と佐藤健演じる律が、時に離れるも絶妙な距離感で最終週まで続いていく。
世間でこの作品の評価は真っ二つらしい。特に最終2週のエピソードがその所以で、そこが2011年となれば東日本大震災は避けて通れない。鈴愛の人生に浮き沈みはあれど、それまでは明るく克服してきたが、ここである出来事に涙を落とす。その収め方は確かに難しいところ。
ただ前向きさは物語全編で主人公鈴愛が体現してきたテーマ。最終話の律のセリフの通り、生きていく者の役割はあるかと思う。その重みゆえにすっきりとしない結末かもしれないが、これは40才の鈴愛の立場を表しているのではないか。「あまちゃん」の丁寧さに比べれば物足らないが、それほど気になってはいない。
むしろ気になったのは扇風機の件。朝ドラの王道はサクセスストーリーで「虎に翼」のように史実ベースのものが多い。本ドラマの扇風機は物語の大団円に向かうアイテム程度の扱い、なのに開発過程を鈴愛と律のために丸々拝借しました感が強い。まるで他人のフンドシで相撲を取るような…
ただそれ以外はとても面白かった。漫画家になる過程、仕事の内幕、トヨエツ演じる秋風羽織先生のシリアスと軽妙さ。また群像劇として今では引く手数多となったキャスト陣の豪華さ。名前をあげたらキリがない。特にのちに映画で再共演する奈緒との関係性はこのドラマで築かれたのだと。
足掛け3年、このドラマを観終える事ができて良かった。全編物語の根幹がホームドラマだったのも良かったね。星野源のテーマ曲「アイデア」もいい。ANNを聴き始めるきっかけになったし。オープニング映像共々、ほぼ毎回飛ばす事なく聴き惚れたよ。(おしまい)
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