「辰巳」を観る
今夜は盟友N氏と映画「辰己」を観てきた。先週のTBSラジオ「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」で小J紘C監督の愚痴が紹介される中、この「辰己」の番宣があったが、そこで見事に我がアンテナへ引っ掛かった。物語はシンプルな復讐劇のようで濃い登場人物たちが複雑に交錯する。
番組の中で宮藤(官九郎)さんもコメントしていたが、この映画の魅力の一つに未知の役者のぶつかり合い。番宣にも出ていた「全裸監督」シリーズのG藤Tのり(後藤剛範)は知っていても、それ以外の演者はフレッシュ。ただ公式サイトの情報をみれば彼らの出演作品は知っているものばかり。でもどの演者もこの作品の中でとにかく濃く、しかも輝いている。
まず遠藤雄弥が演じる辰己のポジションが面白い。その立場を踏まえるも、組織内の軋轢から徐々に復讐を手助けしていく姿が描かれる。中でも兄貴分との関係も序盤と終盤では大きく違う。兄貴分を演じる佐藤五郎の善悪のバランスも絶妙。また彼のルックスが大好きな「戦国自衛隊」の千葉真一を彷彿とさせて思わずニヤけてしまう。
また映画の中で極悪位置にいるのが、竜二を演じた倉本朋幸。そのキレ具合は頭抜けていて悪が光るとこの手の映画が面白くなる典型。またそんな悪と対峙する森田想演じる葵がこれまたいい。辰己を巻き込みながら復讐を果たしていく過程が、リュック・ベッソンの「レオン」の構図を思い出させる。
そんな物語を構築し、彼らの演技を引き出したS路監督(小路紘史監督)はそのぶつかり合いをスクリーン一杯に捉える。トランクの奥越しからの画はタランティーノ風でもあり、時にスタイリッシュ。世代的にカリーナEDがツボ。辰巳による解体シーンはグロく痛みを伴うシーンでは思わず目を手で覆ってしまった。監督してやったりのヤクザノワールだ。
追伸.
ラジオでも資金繰りから映画完成までの長い道程が披露されたが、それが結実した感。是非小J監督の「ケンとカズ」も観てみたい。
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