« 「モンタレー・ポップ」を観る | トップページ | 第91回日本ダービーを生観戦する »

2024/05/25

「関心領域」を観る

今日は「関心領域」を観てきた。今年の米アカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞した米英ポーランド合作映画。1945年ある家族の日常、そして壁を隔ててあるのはアウシュビッツ収容所。ドイツ将校ヘスとその家族を通して描く歴史劇。

主観性を配し、徹底して望遠気味の画角で客観性を狙った映像。それでいて抽象的な表現も少なくなく、骨子となる日常と地獄(壁、煙突、煙)の対比以外は非常に解り難い作品。アイヒマンやヒムラーらの名前が何度も出てくるのはヘスが上級将校である証し。ヘスはアウシュビッツの惨劇の礎を作っていく。

とはいえ、そこまで詳しい描写はあまり無い。映画全般はヘスとその妻、家族がどのように周りの人々と接していたかを描いている。恵まれた環境を謳歌し、使用人を差別する妻。挙句の果てにヘスの異動に帯同せず、自分たちは残ると言い出す始末。

とにかく完璧なくらいに辟易するヘス一家の描写。その間に様々な映像が挿入されるが、途中から観ていく導引を失って気づいたらエンドロールになっていた。ラスト前のワンシーンにホロコーストへの抗議は感じたのだが….

思わせぶりな予告編で期待値を上げたせいもあって、映画本編はそこまで面白くなかった。一方でこの作品、その事実が面白くあって困る面は多々ある。ただオレの知識、見識ではどこが「The Zone of Interest」(原題)か解らなかった。

追伸.
唯一、興味を持ったのはヘスの乗る馬。ドイツといえば95年JCを勝ったランドを思い出すが、この映画に出てくる馬の何と大きいこと。立派な馬で500キロ中盤くらいはありそう。異動で馬との別れを惜しむヘスが描かれるが、その対極に大虐殺とは恐れ入る。

240525_01

|

« 「モンタレー・ポップ」を観る | トップページ | 第91回日本ダービーを生観戦する »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「モンタレー・ポップ」を観る | トップページ | 第91回日本ダービーを生観戦する »