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2024/05/10

「猿の惑星/キングダム」を観る

シリーズ最新作「猿の惑星/キングダム」を字幕版で観てきた。チャールトン・ヘストン主演の第一作はもちろん、初期シリーズ五部作は大好きだし、植木等吹替のテレビシリーズも好き。リ・イマジネーションのティム・バートン版、そして最新三部作まで網羅してきた。そんな根っからの「やっぱり猿が好き」に完全新作と銘打った本作はどう映ったか。

ウイルスにより衰退した人類、一方で隆盛し頂点に立つ猿たち。その後、世代を重ねた時代を舞台にイーグル族の猿ノアの冒険が描かれていく。村を襲われ、仲間を助けるべく旅立つノアとその前に現れた少女ノヴァ。そして旅の先にあったのは伝説の長、シーザーの名を継ぐプロキシマスと彼の王国だった。

前三部作から引き継いだ物語。ノアが冒険を重ねつつ、徐々に本作の目的が明かされていく作り。しかもノヴァの登場シークエンスとその音楽に第一作のオマージュを織り込んで旧作ファンの気持ちを掴む。圧巻のVFXでその世界観は自然に映り、表情豊かな猿たち、特にノアへの感情移入を誘う。また「アバター」のような異世界でない分、映像の素晴らしさはストレートに伝わってきた。

改めて感じたのは「猿の惑星」と「マッドマックス」の共通性だ。シリーズの中で繰り返される強い者、暴力が司る世界。そしてリーダーは賢い(またはズル賢い)。特に本作プロキシマスの部下の言動、コスチュームもよく似ていた。それだけでなくある人気SF作のオマージュがノヴァのキャラクターから汲み取れる。存在感は◯◯・◯◯ーなんだよなぁ。

そのノヴァを演じたフレイヤ・アーランがとても良かった。過去作に比べ、登場キャラのほとんどが猿なのでほぼ紅一点、スクリーンの中の彼女を観て惚れ惚れ、ノアの存在感と共に最後まで物語に引き込まれる要因となった。一方でそれ以外のキャラに有名俳優を配していないので映像、ストーリーテリングに注力(お金を掛けた)したのではと思う。

ノアにシーザーの再来を匂わせ物語は一旦、終局を迎えるが、さらに次作に繋がるプロットが待っている。前三部作とは違った新展開が期待されるが、20世紀スタジオのドル箱シリーズながら本作のヒットは不可欠。「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」のような顛末とならない事を切に願う。

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